ジャガーXJ

ジャガーXJの後継はなぜ消えたか 電動XJは白紙撤回、フラッグシップは1000ps超のType 01へ

ジャガーXJの後継はどうなったのか。EVとして計画された次期型は2021年に白紙撤回され、直系の後継は登場しませんでした。日本ではジャガーの新車販売も2025年6月に終了し、入手は中古車のみ。フラッグシップの座は電動4ドアGT「Type 01」が継ぎます。

ジャガーXJは2019年に生産終了 後継なきフラッグシップサルーンの現在地

イギリスの高級車メーカー「ジャガー」のフラッグシップサルーンとして長らく君臨してきたのが、Fセグメントを代表するジャガーXJです。ここで取り上げるのは、2009年に発表され2010年から販売された最終型「X351系」を中心とした内容です。

X351系には、スタンダードホイールベースとロングホイールベースが用意されていました。スタンダードホイールベースにはXJ SWB LUXURY・XJ SWB PREMIUM LUXURY・XJ SWB PORTFOLIO・XJ SWB XJ50・XJ SWB R-SPORT・XJ SWB XJR575の6グレードが、ロングホイールベースにはXJ LWB AUTOBIOGRAPHYがラインナップされていました。

XJは2019年7月5日、英キャッスル・ブロムウィッチ工場で最後の1台がラインオフし、8世代51年の歴史に幕を下ろしました。次期型はEV(電気自動車)として生まれ変わる計画でしたが、その構想は2021年に白紙撤回され、直系の後継は設定されていません。日本ではジャガーの新車販売そのものが2025年6月までに終了しており、XJを手に入れる手段は中古車のみとなっています。ブランドのフラッグシップの座は、2026年9月に世界初公開される電動4ドアGT「Type 01」へ引き継がれます。

ジャガーXJの後継に当たるフラッグシップは電動4ドアGT「Type 01」へ 2026年9月に世界初公開

XJの直系後継は登場しませんでしたが、ジャガーのフラッグシップという役割は、専用EVアーキテクチャー「JEA」で開発された新世代の4ドアGTが担うことになります。ジャガー・ランドローバー(JLR)は2026年3月31日、この市販モデルを同年9月に世界初公開すると予告しました。生産拠点は英国ウェスト・ミッドランズのソリハル工場です。

パワートレインはトライモーター(3モーター)方式で、最高出力1,000PS超、最大トルク1,300Nm超という数値が公表されています。インテリジェント・トルクベクタリングで4輪へ駆動力を最適配分し、1ミリ秒単位で反応する制御ソフトウェアを組み合わせるほか、シャシーにはダイナミックエアサスペンションとツインバルブ式アクティブダンパーが採用されます。フォーミュラEに参戦するジャガーTCSレーシングで培った技術が投入されている点も、XJが担ってきた「快適性重視のショーファーカー」とは異なる方向性を示しています。航続距離は700km前後を目標としているとみられますが、正式な公表値は世界初公開の場で明らかになる見込みです。

公開に向けた動きは段階的に進んできました。2026年2月2日には、約150台規模で世界各地を走るプロトタイプが北極圏での冬季テストに入ったことが公表されています。5月13日には車名が「Type 01」に決定したと発表され(開発時の社内コードは「X900」)、「0」は電気駆動とゼロエミッション、「1」はジャガー新時代の幕開けを意味するとされました。続く5月16日にはフォーミュラE世界選手権モナコ大会の開幕前に市街地コースを走行し、7月9〜12日には英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでプロトタイプが英国初公開されています。カモフラージュは回を追うごとに薄くなり、市販デザインの輪郭がかなり見えてきた段階です。納車の開始は2027年になる見込みです。

気になるのがXJという車名の行方ですが、2026年7月時点で、XJ名を復活させる計画は公表されていません。新世代のネーミングは「Cタイプ」「Eタイプ」「Fタイプ」に連なる「Type」系へ集約される方向で、アルファベット2文字+数字のサルーン系車名が戻る余地は狭まったと見るのが自然でしょう。日本市場については、Type 01の正式発表以降、主要都市に専売拠点を設ける方向とみられますが、販売体制の具体は明らかになっていません。

ジャガーXJの新車はもう買えない 中古相場は65万円台から700万円台まで

XJは新車としての販売がすでに終わっており、日本ではジャガーブランド自体の新車販売が2025年6月までに終了しました。したがって現在の入手手段は中古車のみです。点検・整備・車検といったアフターサービスと認定中古車の販売は、従来の正規リテイラー網でそのまま継続されています。

流通量はそれなりに確保されており、大手中古車情報サイトの掲載データではXJ全体で約175台、X351系のみで65.6万〜738.9万円という価格帯が確認できます(2026年1月時点)。特徴的なのは価格の二極化で、車両本体価格300万円以下のゾーンと500万円以上のゾーンに分かれ、その中間はごく少数です。300万円以下の層は2015年秋までの前期型が中心となり、5.0L V8を積む個体も含まれます。一方の500万円以上には後期型や高年式のスーパーチャージド車、最終期のXJR575などが並びます。

ただし大排気量ゆえに自動車税の負担が重く、初度登録から13年を超えた個体は重課の対象となります。エアサスペンションや電子制御系の整備費用も相応にかかるため、車両価格の安さだけで判断せず、整備履歴と維持費まで含めて検討したいところです。

ジャガーXJの電動後継計画は白紙撤回 ジャガーは新車のない「空白期間」へ

JLRは当初、次期型XJをブランド初の本格的な高級EVサルーン(開発コードX391)として投入する計画を打ち出し、公道でのプロトタイプ走行テストも複数回実施していました。しかし2021年2月に発表された事業再生戦略「Reimagine」により、開発が最終段階まで進んでいた電動XJは「新生ジャガーのビジョンには合わない」として発売直前で見送られました。往年の名門サルーンは、直接的な後継を持たないまま系譜が途切れることになりました。

このX391について、デザインを手がけた元デザイン責任者のイアン・カラム氏は2025年11月、当初は6気筒ガソリンエンジンも搭載できる設計だったと明かしています。EV専売化という前提が決まる前から仕込まれていた柔軟性が、方針転換によって活かされなかったことになります。EV市場の伸びが各社の想定を下回った現在の状況を踏まえると、この中止判断の是非は今なお議論の的です。

そしてジャガーは、XJだけでなくラインアップそのものを失う局面を迎えました。XE・XF・Fタイプは2024年半ばに生産を終え、EVのI-PACEとE-PACEも2024年末で生産終了。最後まで残ったF-PACEも日本では2025年6月に販売を終了し、同年9月末までに国内の販売店からJAGUARの看板文字が撤去され、各店はランドローバー専売店として営業を続ける体制へ移りました。新型EVが登場するまで売る新車が事実上存在しない、いわゆる「空白期間」に入ったわけです。

追い打ちとなったのが、2025年8月31日に発覚したJLRへの大規模サイバー攻撃です。全工場の生産が約5〜6週間にわたって停止し、対応費用は1億9600万ポンド、2025年7〜9月期は5億5900万ポンドの赤字に転落しました。英国のGDP統計にも影響が及んだとされるほどの規模で、当初2025年後半に予定されていた市販モデルの公開が2026年へずれ込んだ背景には、この混乱があったとみられます。空白期間が想定より長引いたことは、ブランドの再出発にとって少なくない痛手でした。

新生ジャガーのデザインコンセプト「TYPE 00」は2025年5月に東京でアジア初公開

ジャガーはピュアEVのラグジュアリーブランドへと大きく舵を切り、2024年12月、米国マイアミ・アートウィークでコンセプトEV「TYPE 00(タイプ ゼロゼロ)」を世界初公開しました。車名はブランドの原点である「E-TYPE」に由来し、排出ガスゼロと新生ジャガーの“ゼロ号車”という二つの意味が込められています。刷新されたロゴやマスコット「リーパー」、創業者ウィリアム・ライオンズ卿の信念に由来する「COPY NOTHING」というメッセージも含め、賛否を巻き込む大胆なリブランディングとなりました。

このTYPE 00は2025年5月16日、東京・品川のアートスペースでアジア初公開されました。アジアで最初の披露地に日本が選ばれたのは、アジアの中でジャガー車の販売歴がもっとも長く、発信力があると判断されたためです。会場ではグラフィックアーティストのYOSHIROTTEN氏による没入型インスタレーション「TOKYO FUTURE 00」と組み合わせて展示され、5月18日には無料の一般公開イベントも開かれました。ブランド刷新の狙いは、幅広い層に向けた多品種展開から、少量・高単価の超高級路線への転換にあります。

2ドアのファストバックだったTYPE 00に対し、市販第一弾は4ドアGTのType 01として登場します。デザイン哲学「Exuberant Modernist(活気あふれるモダニズム)」を受け継ぎつつ、価格帯もこれまでのジャガーとは一線を画す水準に置かれる見込みです。XJが担ってきたFセグメントサルーンの役割を、まったく異なる作法で引き受ける存在といえるでしょう。

ジャガーXJ最後の特別仕様車「XJR575 “V8” FINAL EDITION」が登場

XJR575 “V8” FINAL EDITIONのエクステリア

XJの生産終了を締めくくる最後の特別仕様車が「XJR575 “V8” FINAL EDITION」です。2019年10月21日より受注予約が開始されました。

  • サントリーニブラック(メタリック)
  • ユーロンホワイト(メタリック)
  • ロワールブルー(メタリック)
  • インダスシルバー(メタリック)
  • ブリティッシュレーシンググリーン(メタリック)

XJR575 “V8” FINAL EDITIONが装着する20インチホイール

ベース車両は「XJR575」で、限定20台での販売でした。ボディカラーは「サントリーニブラック」「ユーロンホワイト」「ロワールブルー」「インダスシルバー」「ブリティッシュレーシンググリーン」の5色がラインナップされました。

XJR575 “V8” FINAL EDITIONのインテリア

パワートレインには、最高出力423kW/575PS、最大トルク700Nmを発生する5.0L V型8気筒スーパーチャージド・エンジンを搭載。価格は、初代XJがデビューした年にちなんで1968万円に設定されていました。成約者には記念品として、イタリアの高級筆記具メーカー「Montegrappa(モンテグラッパ)」製の万年筆「ジャガー・アルティメットペン by Montegrappa」が贈られました。

XJR575 “V8” FINAL EDITIONの多彩な車載装備

360°サラウンドカメラやセキュアトラッカー、アダプティブLEDヘッドライトなど、フラッグシップの掉尾を飾るにふさわしい特別装備が奢られていました。新車購入から3年間の無料サービスプログラムが終わる4年目・5年目もカバーする延長メンテナンスプログラム「JAGUAR PREMIUM CARE 5」が付帯していたのも、最終モデルらしい配慮でした。

XJR575 “V8” FINAL EDITIONの特別装備

  • セキュアトラッカー
  • スマートフォンパック
  • ロッキングホイールナット(ブラック)
  • ホイールセンターバッジ
  • スタイルバルブキャップ
  • アダプティブLEDヘッドライト
  • デュアルビュータッチスクリーン
  • コネクトプロパック
  • 20インチ”スタイル5044”5スポーク (テクニカルグレイフィニッシュ)
  • 360°サラウンドカメラ
  • ラゲッジコンパートメント プレミアムカーペットマット
  • JAGUAR PREMIUM CARE 5

高級セダン「ジャガーXJ」のエクステリア・インテリアや装備など基本スペック

ここからは、最終型X351系の中身を具体的に見ていきます。グレードごとのスペック差、エクステリアとインテリアの作り込み、先進安全装備、そして初代から続くモデルチェンジの歩みまでを順に整理します。中古車として検討する際の判断材料としても役立つ内容です。

ジャガーXJ(X351系)のグレード別スペックをチェック

ジャガーXJはスタンダードホイールベースとロングホイールベースの2モデルがラインナップ

ここでは、最終型X351系のスタンダードホイールベースとロングホイールベースのモデル間、そしてグレード間のスペックの違いを整理して紹介します。以下の価格はいずれも日本での販売当時の設定です。

ベースグレードにあたるXJ SWB LUXURYの価格は11,490,000円からでした。
搭載エンジンは3.0L V6 340PSスーパーチャージド・ガソリンエンジンが基本ですが、XJ SWB XJR575には5.0L V8 575PSスーパーチャージド・エンジンが、XJ LWB AUTOBIOGRAPHYには5.0L V8 510PSスーパーチャージド・ガソリンエンジンが、それぞれ搭載されていました。

ジャガーXJのスタンダードホイールベース(SWB)
グレード XJ SWB LUXURY XJ SWB PREMIUM LUXURY XJ SWB PORTFOLIO XJ SWB XJ50 XJ SWB R-SPORT XJ SWB XJR575
価格 11,490,000円~ 12,530,000円~ 14,030,000円~ 13,210,000円~ 14,340,000円~ 18,870,000 円~
エンジン 3.0リッター V6 340PS スーパーチャージド ガソリンエンジン 5.0リッターV8 575PSスーパーチャージドエンジン
乗車定員 5名
最高速度 250km/h 300km/h
加速性能0-100km/h 5.9秒 4.4秒
燃料消費率(JC08モード) 7.6km/L 6.8km/L
燃料タンク容量 80リッター
総排気量 2,994cc 4,999cc
最高出力 250 kW (340PS)/ 6,500rpm 423kW (575PS)/ 6,250-6,500rpm
最大トルク 450N・m/3,500rpm 700N・m/3,500rpm
トランスミッション 8速オートマチックトランスミッション
車両重量 1,890kg 1,960kg
全高 1,455mm
全長 5,135mm
全幅 1,900mm 1,905mm
ホイールベース 3,030mm
ジャガーXJのロングホイールベース(LWB)
グレード XJ LWB AUTOBIOGRAPHY
価格 20,690,000円~
エンジン 5.0リッター V8 510 PS スーパーチャージドガソリン エンジン
乗車定員 5名
最高速度 250 km/h
加速性能0-100km/h 4.9秒
燃料消費率(JC08モード) 6.8 km/L
燃料タンク容量 80リッター
総排気量 4,999cc
最高出力 375 kW(510 PS) /6,000-6,500 rpm
最大トルク 625N・m /3,500rpm
トランスミッション 8速オートマチックトランスミッション
車両重量 1,970kg
全高 1,455mm
全長 5,260mm
全幅 1,900mm
ホイールベース 3,155mm

ジャガーXJのエクステリアはフラッグシップらしい余裕と堂々たる美しさを備える

ラグジュアリーなデザインを極めたジャガーXJのエクステリア

ジャガーXJのエクステリアは、伝統と革新を融合させた仕立てが持ち味でした。ブランドの頂点に立つフラッグシップにふさわしい伸びやかなプロポーションで、なだらかな曲線を描くルーフラインが際立っていました。
ボディカラーは、スタンダードホイールベースに14色、ロングホイールベースに12色が設定されていました(以下は主なラインナップ)。

ジャガーXJのボディカラー

  • フジホワイト
  • ナルヴィックブラック
  • サントリーニブラック
  • ユーロンホワイト
  • インダスシルバー
  • コリスグレー
  • ロワールブルー
  • フィレンツェレッド
  • ブリティッシュレーシンググリーン
  • ロゼッロレッド
  • カルパチアングレー(+174,000円)
  • ファラロンブラック(+174,000円)
  • サテンコリスグレー(+765,000円/スタンダードホイールベースのみ)
  • ヴェロシティブルー(+765,000円/スタンダードホイールベースのみ)

フラッグシップセダンにふさわしい先進装備と質感を備えたジャガーXJのインテリア

操作性とデザイン性を両立し、機能美を形にしたジャガーXJのコックピット。スマホとの連携を強化した装備が充実

スイッチ類のレイアウトにも配慮された、上質なコックピットが与えられていました。スマートフォンと連携するTouch ProインフォテインメントシステムはXJの全車に標準装備で、車内をWi-Fi環境にしたり、スマートフォン経由でロック/解錠やエアコン操作を行ったりすることも可能でした。

大型で視認性に優れたインタラクティブドライバーディスプレイ

メーターまわりには、ハイコントラストで視認性に優れた12.3インチのHD TFTスクリーン「インタラクティブドライバーディスプレイ」を搭載。グラフィックテーマは好みに合わせてカスタマイズできました。

リアシートに座るゲストのためのオプションも充実

リアシートエンターテインメントもオプションで用意され、16:9画面の10インチHDスクリーンで映画鑑賞などを楽しむことができました。ショーファードリブンとしての快適性も抜かりなく作り込まれていました。

後部座席まで広々としたジャガーXJのインテリア

ゆとりあるリアシートもXJの大きな魅力でした。レッグルームは1mを超え、脚をしっかり伸ばしても余裕があるため、後席に座るゲストもリラックスして過ごすことができました。

ジャガーXJは先進安全装備が充実し、快適かつ安心なドライブを支える

走行中から駐車操作までドライバーを頼もしく支援する先進システムを装備

XJには、フラッグシップにふさわしい多彩な先進ドライバーアシスト機能が備わっていました。
自動緊急ブレーキや車線逸脱警報のほか、駐車時にステアリング操作を自動で行うパークアシストなども用意されていました。

ジャガーXJの先進安全装備

  • レーンデパーチャーワーニング2
  • レーンキープアシスト
  • 自動緊急ブレーキ
  • ブラインドスポットアシスト
  • ドライバーコンディションモニター
  • アダプティブクルーズコントロール(キューアシスト付)
  • パークアシスト
  • 360°パーキングエイド
  • サラウンドカメラシステム
  • リバーストラフィックディテクション

長い歴史を持つジャガーXJのモデルチェンジ遍歴

ジャガーXJは、イギリスのジャガーが手がけてきたFセグメントの高級セダンです。1968年、ジャガーの新たなアイコンとなるべくXJシリーズが開発され、以後8世代・51年にわたって生産が続きました。とりわけ最終型となった2010年販売開始のX351系は、まとまった人気を集めた1台です。

ジャガーXJ シリーズⅠ/1968年〜1972年

1968年、ジャガーXJ6シリーズⅠが誕生しました。エンジンは直列6気筒DOHCのXKユニットで、2.8Lと4.2Lが設定されました。ロールス・ロイスをも凌ぐと評された静粛性・快適性と、高い運動性能を両立し、高く評価されました。
1972年にはXJ12シリーズⅠが登場。5,344ccのV型12気筒エンジンをあえてデチューンして搭載したモデルでした。その後、XJ6LシリーズⅠ、XJ12LシリーズⅠが加わっています。

ジャガーXJ シリーズⅡ/1973年〜1978年

1973年、米国の安全基準に対応するためフロントバンパー位置を変更するなどして、シリーズⅡへ移行しました。1975年にはXJ6LがXJ6と呼び名を変えてXJ6シリーズⅡとなり、標準ホイールベース版の製造が終了。XJ12シリーズⅡでも、XJ12LがXJ12へと呼称変更されています。XJ6CシリーズⅡ、XJ12CシリーズⅡは、1978年のXJ-S発売とともに製造を終えました。

ジャガーXJ シリーズⅢ/1979年〜1985年

1979年、ビッグマイナーチェンジによりシリーズⅢへ。5速MTが初めて採用されました。XJ6シリーズⅢはシリーズⅡと同じエンジンを踏襲し、1985年には最後のマイナーチェンジで3.4L版のインテリアが大きく刷新されています。
XJ12シリーズⅢも当初は同型エンジンを搭載していましたが、1981年のマイナーチェンジでファイアボール(ハイエフィシェンシー)エンジンへ変更。1983年のマイナーチェンジではクルーズコントロールなどの装備が充実しました。

ジャガーXJ XJ40系/1986年〜1994年

XJ40型は前期型と後期型に分かれます。前期型は1986年〜1989年に販売され、トランスミッションは4速AT・5速MT。ATにはジャガー独自の「Jゲート」と呼ばれるセレクターデザインが採用されました。日本にはATのみが導入され、ベーシックな「2.9」「3.6」、上級の「2.9ソブリン」「3.6ソブリン」、サスペンションを強化した「3.6スポーツ」が設定されています。1988年5月にはスポーツタイプの「XJR」が追加されました。

後期型は1990年〜1994年に、ビッグマイナーチェンジを受けて販売されました。信頼性と品質、工作精度がさらに引き上げられ、1991年モデルからは強化型エンジンを採用。1993年からは全車にエアバッグが標準装備されています。

V型12気筒モデルは1993年〜1994年に販売され、6.0L V型12気筒を搭載した「XJ12」が登場。のちにロングホイールベースの「デイムラー・ダブルシックス」が追加され、日本市場では「デイムラー・マジェスティック」の名で販売されました。1994年にX300系へ引き継がれ、生産を終えています。

ジャガーXJ X300系/1994年〜2003年

1994年、ボディパネルを大幅に変更するビッグマイナーチェンジでX300系に。XJ40で不評だった角型ヘッドライトが廃止され、丸型ヘッドライトへと戻されました。エンジンは「AJ6」から「AJ16」へ変更され、ジャガー史上初の過給エンジンも登場。電装系が日本製となり、信頼性と品質も向上しました。1995年にはインテリアの小変更、1996年にもマイナーチェンジが行われています。
1998年にはマイナーチェンジで「X308」系となり、V型8気筒のAJ-V8エンジンを搭載。これにより「XJ6」の名称が一度姿を消しました。
2001年のマイナーチェンジではトランスミッション形式が変更され、日本市場に「3.2スポーツ」が追加。その後、創始者ウィリアム・ライオンズの生誕100周年を記念した世界限定500台の「XJR100」も発売されました。

ジャガーXJ X350系/2003年〜2010年

2002年に欧州で発表され、2003年に販売が始まったX350系は、フルモデルチェンジによる世代交代でした。ジャガー初のオールアルミ製ボディで大幅な軽量化を実現し、V型8気筒の3.6Lと4.2L、過給機付きの4.2L V型8気筒を用意。6速ATも設定されました。
2004年にはV型6気筒3.0Lを搭載する「XJ6」の名が復活。2006年には3.6L V型8気筒が姿を消しました。
2007年には「X358」へのマイナーチェンジでエクステリアが変更され、よりスポーティな装いとなりました。
2010年6月、日本での販売が終了しています。

ジャガーXJ X351系/2010年〜2019年

2009年7月にX351系が発表され、2010年から販売が始まりました。歴代で受け継がれてきたスローピングボディを廃した、斬新なデザインが大きな話題を呼んだ世代です。直噴の5.0L V型8気筒、スーパーチャージャー付き5.0L V型8気筒、V型6気筒3.0Lターボディーゼルなどを設定。2013年には一部市場向けに直列4気筒直噴ターボも加わり、同年からトランスミッションが8速ATへ移行しました。2015年2月には、XJの生産累計100万台目がキャッスル・ブロムウィッチ工場でラインオフしています。同年にはフェイスリフトでエクステリアの小変更とメディアシステムの刷新が行われました。
最終期には最高出力575PSのスーパーチャージド5.0L V8を積む最速グレード「XJR575」が加わり、2018年にはXJ誕生50周年を記念した特別仕様車「XJ50」を標準/ロングの両ホイールベースに設定しています。
日本では2019年10月21日から、最後の特別仕様車「XJR575 “V8” FINAL EDITION」を20台限定で受注しました。生産は2019年7月5日にキャッスル・ブロムウィッチ工場で終了し、X351系の生産台数は12万台を超えました。電動の後継として開発が進められていたX391は2021年2月に中止となり、以後XJの新型は登場していません。

ジャガーXJのモデルチェンジ遍歴
ジャガーXJのモデル 販売年表
シリーズⅠ 1968年~1972年
シリーズⅡ 1973年~1978年
シリーズⅢ 1979年~1985年
XJ40系 1986年~1994年
X300系(X308系含む) 1994年~2003年
X350系(X358系含む) 2003年~2010年
X351系(最終世代) 2010年~2019年