ホンダ クラリティPHEVは東京モーターショーでジャパンプレミアへ
2016年3月からリース販売をしているクラリティ フューエルセルのPHEVモデルが2017年東京モーターショーで発表されています。日本では市販車が2018年7月20日に販売されました。
日本では「クラリティ フューエルセル」と呼ばれる水素で動く燃料電池車がリース販売されていて、1回の充填で可能な走行距離は約750km、値段は783万円になっています。他にも、アメリカでリース販売される予定の「クラリティ エレクトリック」があり、クラリティシリーズは3モデル展開となります。
日本でリース販売されているクラリティ フューエルセルのエクステリアやインテリア、搭載装備やパワートレインなどを紹介します。
クラリティが工場閉鎖により生産終了 オデッセイとレジェンドも終了でホンダの車種整理が進む
クラリティが狭山完成車工場の閉鎖により生産終了。
同じ工場で生産していたフラッグシップミニバンのオデッセイと、フラッグシップセダンのレジェンドも生産終了が決定しています。
クラリティは2016年から発売、2018年にはプラグインハイブリッド(PHEV)モデルを追加していましたが、販売台数は伸びませんでした。
フルモデルチェンジせず1代限りの車種になりましたが、水素をエネルギーに使うなど話題性のあるモデルでした。
クラリティ フューエルセルが2019年12月19日に一部改良
ホンダのFCV(水素を使った燃料電池自動車)のクラリティ フューエルセルが一部改良を受けました。内容はドアミラーをブラックに、アルミホイールをグレーメタリックに変更。紫外線と赤外線をカットするガラスで室内の快適性も向上しています。
ボディカラーは「プレミアムディープロッソ・パール」「プラチナホワイト・パール」「クリスタルブラック・パール」の3色展開で、ルーフは全てブラックを採用した2トーンカラーが特徴です。
クラリティPHEVが2018年7月20日に日本で販売開始
ホンダのクラリティPHEVが日本で販売開始されました。クラリティシリーズは2016年に販売開始されたクラリティフューエルセル(FCVという燃料電池を使った車)から始まり、次に投入されたのがクラリティPHEVになります。
クラリティPHEVのベースはクラリティフューエルセルで、フロントグリルとリアガーニッシュとホイールなどに専用デザインを採用、その他のエクステリアやインテリアデザインは共通のものを採用しています。
クラリティPHEVのボディカラーはフューエルセルから3つ増えて6色がラインナップ
リース車両として誕生したクラリティフューエルセルはボディカラーが3色で少し物足りなかったですが、2018年7月20日に発売したクラリティPHEVは個人向けの販売のためボディカラーも3色増えた6色がラインナップしています。
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プラチナホワイト・パール(44,000円高) -
プレミアムディープロッソ・パール(44,000円高) -
コバルトブルー・パール -
スーパープラチナ・メタリック(44,000円高) -
モダンスティール・メタリック -
クリスタルブラック・パール
どの色も上級セダンで先進的なクラリティPHEVにマッチする素敵なボディカラーになっています。中でもプレミアムディープロッソ・パールやスーパープラチナ・メタリックは発色も良くプラグインハイブリッドらしい色合いになっています。
ホンダ初のPHEVとして誕生した「クラリティPHEV」の特徴
三菱のアウトランダーPHEVやトヨタのプリウスPHVに次いで登場したのがホンダ初のPHEV(プラグインハイブリッドシステム)のクラリティPHEVです。
ホンダの次世代ハイブリッドシステムで新型ステップワゴンや新型CR-Vに搭載される「SPORT HYBRID i-MMD」をベースに容量や出力を見直し最大114.6kmのEV走行を実現しています。
プラグインハイブリッドなのでモーターを回す電力がなくなっても、ガソリンで走行できるため安心感もあります。
また電力を効率化よく使うために「EVドライブモード」「ハイブリッドドライブモード」「エンジンドライブモード」のドライブモードを自動的に選択します。
クラリティPHEVのパワートレイン・スペック・燃費・販売価格
クラリティPHEVには「SPORT HYBRID i-MMD」とバッテリーが搭載されていて、EV走行だけで114.6km走行できます。電力がなくなった時はハイブリッドに切り替えてJC08モード燃費で28.0km/Lになり、単純なハイブリッドカーとしても優れた燃費性能を持っています。
安全装備のホンダセンシングも標準装備しています。
クラリティPHEVのホンダセンシングの内容
- 衝突軽減ブレーキ
- 歩行者事故低減ステアリング
- 誤発進抑制機能
- 路外逸脱抑制機能
- 標識認識機能
- LKAS車線維持支援システム
- 先行車発進お知らせ機能
- 渋滞追従機能付ACCアダプティブ・クルーズ・コントロール
全長 | 4,915mm |
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全幅 | 1,875mm |
全高 | 1,480mm |
室内長 | 1,950mm |
室内幅 | 1,580mm |
室内高 | 1,160mm |
ホイールベース | 2,750mm |
トレッド(前) | 1,580mm |
トレッド(後) | 1,585mm |
最低地上高 | 135mm |
最小回転半径 | 5.7m |
車両重量 | 1,850kg |
エンジン型式 | LEB 水冷直列4気筒横置 |
エンジン最高出量 | 77kW(105ps)/5,500rpm |
エンジン最大トルク | 134Nm(13.7kgm)/5,000rpm |
総排気量 | 1.496L |
モーター型式 | H4/交流同期電動機 |
定格出力 | 65kW |
モーター最高出力 | 135kW(184ps)/5,000-5,500rpm |
モーター最大トルク | 315Nm(32.1kgm)/0-2,000rpm |
燃料タンク容量 | 26L |
燃料種類 | 無鉛レギュラーガソリン |
ボディカラー | 6色 |
乗車人数 | 5名 |
EV走行換算距離 | 114.6km |
JC08モード燃費 | 28.0km/L |
WLTCモード燃費 | 24.2km/L |
車両販売価格 | 5,989,500円~ |
ホンダ クラリティは3モデル展開になる
ホンダのクラリティは、2016年3月から水素で走る燃料電池車をリース販売していて、2018年からは電気自動車とプラグインハイブリッド車がラインナップし、3モデル展開となります。日本では燃料電池車しかリース販売されませんが、アメリカから市販車のPHEV、リース販売でEVが2018年中に開始され、いずれは日本でも市販車のPHEVモデルが展開されると考えられます。
市販車モデルとなるクラリティPHEVは、直列1.5Lのガソリンエンジンとモーターと17kwhのリチウムイオン電池のシステム構成です。モーターの出力は184PS、バッテリーは2.5時間で充電が可能で、EV走行距離は67kmになります。
ホンダ クラリティのエクステリア
日本で2016年3月からリース販売されているクラリティは「フューエルセル」と呼ばれるモデルで、水素を燃料とする4ドアセダンの燃料電池車です。ソリッドウィングフェイスを取り入れた最新のフェイスデザインで、ルーフがブラックに塗り分けされたツートンカラーを採用しています。
リアビューは新型シビックを思い起こすようなデザインで、テールランプの形状も似ています。エンブレム周りはブラックアウトされたデザインで、テールスポイラーにはハイマウントストップランプが装備されています。
フロントから見ると、メッキパーツがヘッドライトまで伸びている最新のソリッドウィングフェイスが採用されているのが分かります。ヘッドライトには9灯式のLEDヘッドライトが装備されていて、ロービームでもワイドな配光を実現しています。ヘッドライト下の縦と横のラインは導光タイプのLEDポジションランプになっているスッキリとしたデザインです。
サイドから見ると、全体的にスッキリとしていてスポーティなデザインになっています。ホイールは18インチ、タイヤは235/45R18のサイズを履いています。リアホイールハウスでは、タイヤに被るようにデザインされていて空力の向上に一役買っています。
ボディサイズは、全長4,915mm、全幅1,875mm、全高1,480mmで、アコードくらいのボディサイズになります。乗員定員は5人乗り、車両重量は1,890kgあります。
全長 | 4,915mm |
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全幅 | 1,875mm |
全高 | 1,480mm |
ホイールベース | 2,750mm |
最低地上高 | 135mm |
車両重量 | 1,890kg |
乗員定員 | 5人 |
ボディカラーは、全3色設定で「ホワイトオーキッド・パール」と「プレミアムブリリアントガーネット・メタリック」の2色が特別塗装色になっています。
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ホワイトオーキッド・パール(44,000円高) -
クリスタルブラック・パール -
プレミアムディープロッソ パール(44,000円高)
ホンダ クラリティのインテリア
クラリティ フューエルセルのインテリアは、白を基調としたインテリア、黒を基調のとしたインテリアの2種類が用意されていて、センタークラスターもスッキリとしたデザインになっています。
どちらの内装カラーも、加飾部のミドルパッドには「ウルトラスエード」が使用されていて、シートメイン部分には本革が、シートサイド部には「プライムスムース」が使われています。ステアリングは本革巻きで、運転席と助手席にはパワーシートが採用されています。
ホンダ クラリティのパワートレイン
ホンダ クラリティ フューエルセルのパワートレインは、水素を使った燃料電池で、3分程度の水素充填で約750kmの走行が可能です。水素と酸素を取り込み電気を発生させてモーターを回すので、排ガスなどはなく水だけが排出されます。
走行性能はモーターで走るEVと同様で、モーター走行ならではの力強いトルクを感じることができます。クラリティ フューエルセルに搭載されているモーターの最高出力は177PS、最大トルクは300Nmあり、最高回転数は13,000rpmまで回ります。
モーター型式 | MCF4 |
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種類 | 交流同期電動機 |
燃料電池スタック | 固体高分子形 |
スタック最高出力 | 140PS |
モーター最高出力 | 177PS/4,501~9,028rpm |
モーター最高トルク | 300Nm/0~3,500rpm |
ホンダ クラリティの搭載装備
ホンダ クラリティ フューエルセルには、安全装備のHonda SENSINGが搭載されています。
クラリティ フューエルセルのHonda SENSING搭載装備
- 衝突軽減ブレーキ
- 歩行者事故低減ステアリング
- 渋滞追従機能付きクルーズコントロール
- 車線維持支援システム
- 路外逸脱抑制機能
- 誤発進抑制機能
- 先行車発進お知らせ機能
- 標識認識機能
クラリティ フューエルセルに搭載されている渋滞追従機能付きクルーズコントロールは、0~約100kmの範囲で作動する全車速タイプですので、高速道路での移動が快適です。
安全装備も充実していて、運転席と助手席のエアバッグはもちろんのこと、前席用サイドエアバッグシステムや後部座席まで対応しているサイドカーテンエアバッグシステム、運転席用のニーエアバッグシステムの計7つが搭載されています。
ホンダ クラリティフューエルセルの販売価格は783万円でリース販売のみ対応
ホンダ クラリティ フューエルセルの値段は、783万円でリース販売のみになります。駆動方式はFFで、燃料は水素になりますので、住んでいる場所の近くに水素ステーションがあるのかしっかり確認しておく必要があります。
水素や電気で走るクラリティのモデルチェンジ遍歴
クラリティはかつてホンダが販売していた水素やガソリン+バッテリー、電気で走行するセダン型の燃料電池自動車です。
クラリティ フューエル セル ZC4型/2016年~2021年
2016年3月、フューエル セルの日本での販売を開始しました。
2019年12月、一部改良でドアミラーとルーフカラーを同色に。ボディカラーの入れ替えと、アルミホイールがグレーメタリック塗装となりました。
2020年6月、個人向けリースを開始しました。
2021年9月、日本仕様車の販売を終了しました。
クラリティ PHEV ZC5型/2017年~2021年
2017年4月にニューヨーク国際オートショーで、「クラリティ エレクトリック」と共に発表されました。
2018年7月に日本で販売を開始。グレードは「EX」のみのモノグレード展開となります。
2021年9月、日本仕様車の販売を終了しました。
クラリティ エレクトリック/2017年~2019年
2017年4月にニューヨーク国際オートショーで、「クラリティ PHEV」と共に発表されました。
クラリティのモデル | 販売年表 |
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フューエル セル ZC4型 | 2016年~2021年 |
PHEV ZC5型 | 2017年~2021年 |
エレクトリック | 2017年~2019年 |
ホンダ クラリティは、未来の車に繋がる技術
ホンダの「クラリティ フューエルセル」は、燃料電池車という水素を燃料として動く車で、トヨタの「ミライ」と合わせて2車種しか販売またはリースされていません。
水素での発電による走行は、ガソリンや電気と比べて精製から充填され消費するまでの全体的な効率を見ると決していいものではありませんが、1つの選択肢として未来に繋がる技術だと考えられます。
水素を充填する水素ステーションは、2017年10月現在で関東から南を中心に展開しており、東北以北では仙台しか設置されていない状況です。電気自動車の充電スポットと同様に、燃料電池車が普及するにはガソリンスタンドともいえる水素ステーションの充実も必要です。
まだまだ電気自動車と同様に普及していない燃料電池車ですが、自動運転も可能になった近い将来は電気ステーションや水素ステーションと共に普及し一般的な車種となると予想します。