フェアレディZとフェアレディZ NISMOの内装の魅力に迫る
フェアレディZは日本を代表するスポーツカーで、1969年に初代が登場してから53年を経て、2022年に登場した6代目後期型は話題性と人気で注文が殺到しました。「NISMO」が発表されるも事実上一般販売の前に6代目フェアレディZ後期型の納車待ちユーザーへの振り替え希望のみでの販売になるなど、手に入りにくいプレミアム感が人気に拍車をかけています。
長きにわたって人気を確保し続けてきたフェアレディZ。6代目後期の内装をコックピットやシートデザイン、快適性能を中心に紹介します。フェアレディZ NISOMO専用インテリアも取り上げます。
フェアレディZのコックピット周辺のインテリア
初代フェアレディZの機能的なインテリアデザインを踏襲して、先進的に進化させた6代目フェアレディZ後期型。S30型の操作性や視認性にすぐれた独特なレイアウトが現代によみがえりました。
S30型の初代フェアレディZは3連メーターをフォライバーの目線の位置近くに配置、その下方にエアコン吹き出し口と各種コントローススイッチを配置していました。操作性にすぐれる独特なレイアウトは、ドライバーの走行時の視線移動の少なさを実現するには最適のレイアウトです。
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フェアレディZ Version ST(6MT)/内装色:レッド(A) -
フェアレディZ Version S/内装色:ブラック(G) -
フェアレディZ Version T/内装色:ブルー(B) -
フェアレディZ(6MT)/内装色:ブラック(G)
センタークラスターはフェアレディZらしいすぐれた機能性を備えたデザインになりました。縦積みの3連サブメーター、9インチワイドディスプレイ、エアコンスイッチがフェアレディZらしくデザインで機能性にもすぐれます。フロントセンタートレイのスペースを下端の確保し、使いやすさも兼ね備えます。
大きくて見やすいアドバンスドドライブアシストエディスプレイ
コックピットの12.3インチ「アドバンスドヂドライブアシストディスプレイ」は、シーンに合わせてデザインを選択可能。どのモードも大きく表示され、運転しながらの視認性が高くなっています。
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ノーマルモード表示 -
スポーツモード表示 -
切り替え画面
大画面の12.3インチカラーディスプレイは、モードに合わせて表示を選択することができます。通常メーターデザインの「ノーマルモード」、センターに大きくタコメーターを表示する「スポーツモード」、「エンハンスモード」はオーディオやナビゲーション画面を大きく表示します。
伝統を感じさせる3連サブメーター
「3連サブメーター」を採用し、ターボの状態を走行中に把握できます。一体感のある加速が発進時や追い越し時に実感できます。カーブが連続するワインディングではターボ回転数を確認しながら車両の性能を引き出したスポーツ走行が実現します。左に配置された電圧計は歴代フェアレディZ同様で、伝統を感じさせつつ、新しさを併せ持つデザインになっています。
操作性の高いシフトレバー
であれディZのようなスポーツカーのだいご味とも言えるマニュアルトランスミッション。最適化された6MTのシフト機構で、吸い込まれるような感覚になるシフトレバーが操作する心地良さを高めます。さらに、新開発のシンクロナイザーを1速と2速に採用しています。
最適なギヤ選択が可能な9M-ATx
フェアレディZとフェアレディZ Version ST、フェアレディZ Version T、フェアレディZ NISMOに設定されている9M-ATx。ワイルドレンジ&クロスギヤ比で9速から最適なギヤ選択を行えます。素早い変速を油圧システムの応答性を高めることで実現し、思い通りの加速がアクセルの踏み込みで楽しめます。NISMOでは、9M-ATxに専用チューニングが施されています。
小物やスマートフォンの収納に便利なフロントセンタートレイ
運転席からも手が届きやすいセンターコンソール前部に、スマートフォンや小物の収納に便利なトレイを設置。USB電源ソケットに近いのでスマートフォンを入れたまま接続しやすく、USBケーブルもすっきりと収納できます。
2タイプのUSB電源ソケット
フロントセンタートレイ上部に、2タイプのUSBソケットを設置。Type-AとType-C各1個が充電しやすいセンタークラスター下部にあり、充電しやすい位置なので使いやすくなっています。
スポーティで上質感のあるシートデザイン
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フェアレディZ Version ST(6MT)/内装色:レッド(A) -
フェアレディZ Version S/内装色:ブラック(G) -
フェアレディZ Version T/内装色:ブルー(B) -
フェアレディZ(6MT)/内装色:ブラック(G)
フェアレディZのシートはレースでNISMOが培ったノウハウで設計されています。シートと体の接触面積を大きくし、さらに素材を厳選することで上半身のブレをセーブします。大きく横Gがかかる走行シーンでもシートが姿勢をホールドします。
高いホールド性とシートとのフィット感があり、長時間ドライブでも快適に走行できる設計です(グレード別設定)
グレードごとの質感の良いシート地
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シート地:本革・スエード調 ファブリックコンビ/内装色:ブルー(特別内装色) ※フェアレディZ Version ST・フェアレディZ Version T -
シート地:本革・スエード調 ファブリックコンビ/内装色:レッド(A) ※フェアレディZ Version ST・フェアレディZ Version T -
シート地:本革・スエード調 ファブリックコンビ/内装色:ブラック(G) ※フェアレディZ Version ST・フェアレディZ Version T -
シート地:ファブリック/内装色:ブラック(G) ※フェアレディZ Version S・フェアレディZ
フェアレディZに搭載される先進技術
フェアレディZの走行に安全をサポートする先進運転支援技術を搭載。インテリジェントクルーズコントロールやインテリジェントエマージェンシーブレーキ、インテリジェントFCWなどが搭載され、フェアレディZの走行に安心をもたらします。
インテリジェント クルーズコントロール
「インテリジェント クルーズコントロール」は高速道路や自動車専用道路でドライバーが車速を設定し、設定速度を上回らない速度で前方を走行する車両との車間距離を維持する機能です。自動で追従走行のために車速を制御し、ドライバーの負担を少なくし、快適走行を目指します。
インテリジェント FCW(前方衝突予測警報)
「インテリジェント FWC」は、2台前を走行する車両を監視し、車速が5km/h以上の際、前方が渋滞などで急な減速などの状況の変化を検知。ドライバーに警告表示と警報で注意喚起を促し、玉突き事故回避をサポートします。見通しの悪い渋滞が予測される高速道路などで、ブレーキの踏み遅れを防ぎます。
走行車線維持をアシストするLDW(車線逸脱警報)
「LDW」は車速60km/hの際、走行車線から意図せずに逸脱する可能性がある場合に、ディスプレイ内に警告表示と警告音で、ドライバーに注意喚起をし、走行車線に戻るよう促します。
登り坂での発進をアシストするヒルスタートアシスト
「ヒルスタートアシスト」は、登り坂の途中で停車している状態から発進する際、後退することなく発進できるようアシストします。ブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえるまでの2秒間、ブレーキ力を維持するので慌てて踏みかえたり、サイドブレーキを使用しての坂道発進をする必要がありません。
見えにくい後方の安全にBSW(後側方車両検知警報)
死角になりやすい斜め後方を走行する車両を検知すると表示で通知し、車線変更を行おうとウィンカーを作動させた場合には、表示と共に警告音で注意を促します。
後方の死角から接近する車両を検知するRCTA(後退時車両検知警報)
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死角の後方車両を検知して警告表示と警報で通知 -
検知できる後方範囲
「RCTA」は駐車スペースから後退で出る際など、死角となっている後方から接近する車両を検知し、警告を表示するとともに、警告音で知らせます。
状況に応じてヘッドライトが切り替わるハイビームアシスト
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対向車を検知すると自動でロービームに -
対向車がいないと自動でハイビームに
「ハイビームアシスト」は先行車や対向車の有無を検知したり、市街地などの周囲の明るさに応じて、ハイビームとロービームに自動で切り替える機能です。先行車や対向車のライトを検知したり、街灯の多い明るい場所や車速が約10km/h以下でロービームに、周囲が暗く、車速約40km/h以上で、自動でハイビームに切り替わります。
衝突回避をサポートするインテリジェント エマ―ジョンブレーキ
「インテリジェント エマ―ジョンブレーキ」は、衝突の危険性が高まると、回避操作をアシストする機能です。前方の車両や歩行者を検知し、衝突する可能性がある時は減速などの回避を促し、減速できなかった場合は緊急ブレーキを作動させます。
エマ―ジョンブレーキは車速約5km/hから作動し、約10km/h~60km/hの範囲で歩行者に対して作動、約80km/h以上になると停止している車両に対しては作動しないので注意が必要です。
オートマ車の踏み違い衝突防止アシスト(9M-ATx)
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歩行者を検知して急加速を抑制・ブレーキ作動 -
前方車両を検知して急加速を抑制・ブレーキ作動 -
前方車両を検知して急加速を抑制・ブレーキ作動
オートマチック車の9M-ATx搭載車には、「踏み違い防止アシスト」が搭載されます。駐車場などでの進行方向の歩行者や壁、車両や店舗ガラスなどを検知し、踏み間違いによる急加速を抑制し、自動ブレーキを作動します。
低速衝突軽減ブレーキ機能(前進時/後退時)
- 歩行者や車両、壁などに衝突する可能性がある場合にブレーキ制御をエンジン出力に加え、衝突防止のアシストをします。
低速加速抑制機能(前進時/後退時)
- 進行方向正面に、壁や店舗ガラスなどがある場合、必要以上にアクセルペダルを踏み込むことで、加速を警報と共に抑制します。前進時の歩行者や車両の検知でも作動します。
フロント&バックソナーで接触を回避
「フロント&バックソナー」は、車両のフロント部分とリヤ部分に装備されたソナーで、周囲の車両や障害物との距離を警告音と共にインジケーターでドライバーに通知し、接触回避を促します。
フェアレディZ NISMOのインテリア
フェアレディZ NISMOの内装は専用インテリアです。NISMOのキーカラーのレッドが各所に配され、特別感があってドライバーのモチベーションがアップします。シートも専用にチューニングされたRECARO製のスポーツシートが装備されています。
NISMO専用チューニングの9M-ATx
ドライブモードSPORT+は、スポーツドライビングを純粋に楽しむためのモード。NISMO専用にチューニングしたバルブタイミングやトランスミッション制御、スロットル制御によって、マニュアルモードで走行しているかのようなシフトダウンのタイミングやコーナリングでのギヤのキープなどのシフトチェンジを具現化しました。MT車と違い、ドライバーはシフトチェンジの必要がなく、ハンドリング操作に専念することができます。
前後左右のブレーキを新開発のトラクションモードの採用で制御し、タイヤ内側のトラクションコントロールでコーナー進入時に外側に膨らむことを防ぎます。アクセルを踏み込むことで後輪の横滑りを起こすオーバーステアが起こりやすいコーナーの立ち上がりでは、タイヤ外側のトラクションコントロールで防止します。
NISMO専用チューニングRECARO製スポーツシート
RECAROとの共同開発によって採用された「NISMO専用チューニングRECARO製スポーツシート」。運転席はクロスビームを追加することでバックシェルの高剛性を実現し、シートバックにサポート性をもたせ、横G発生時もしっかりと体を支えることでドライバーとの一体感を実感できます。
フェアレディZの内装はスポーティで高級感があふれる
日本を代表するスポーツカーの一つであるフェアレディZはとても人気が高く、スポーティな見た目と走りだけではなく、内装の高級感も目を見張るものがあります。伝統的な3連サブメーターが特徴的で、フェアレディZならではの変わらぬ安心感もあります。NISMOではNISMO専用チューニングの9M-ATxやRECARO製スポーツシートが装備され、他にはない特別感を味わうことができるでしょう。
フェアレディZは現在6代目後期となっていますが、初代S30型の発売が1969年と、歴史を刻んできたモデルです。これからどんな変化と進化をしていくのか、目が離せない車です。
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