エバポレータークリーナー

エバポレータークリーナーを使用して自分で掃除!意外とカンタンだった

エバポレータークリーナーを使うことでエアコンの臭いニオイを改善することができる。エアコンからのニオイの原因はほとんどがエバポレーターのカビや雑菌といわれ、汚れを落とすことで綺麗な空気にできる。

エバポレータークリーナーでエアコンの空気を清潔に!定期的な使用で嫌なニオイを防ごう

エアコンをつけたときに感じるむわっとした臭いの多くは、カビや雑菌が発生したエバポレーターが原因です。ここで発生したカビ臭が風にのって車内に運ばれます。さらに、エアコンを作動させていなくても送風時にはエバポレーターを通るため、独特の臭いを感じることがあります。

そのため、エバポレーターを清掃すれば送風口からの空気は快適になり、嫌な臭いも軽減できます。ただし、エバポレーターは車体の奥深くに設置されており、直接取り外して掃除するのは大掛かりな作業になります。

しかし、スプレー式の専用クリーナーを使えば、送風とエアコンを稼働させるだけでエバポレーターの洗浄と消臭が可能です。実際に施工してみた手順を紹介します。

タクティーのクイックエバポレータークリーナーを試してみた!思ったより簡単に施工できた

タクティーのエバポレータークリーナーSをランドクルーザープラドに施工

今回は、タクティーのクイックエバポレータークリーナーSを使ってランドクルーザープラドのエバポレーターを清掃しました。説明書には「助手席のグローブボックスを外し、ブロアファン中央にガイドを設置」と書かれており、難しそうに感じましたが、実際は意外と簡単に作業できました。

それでは、ランドクルーザープラドで実施したエバポレータークリーナーの施工手順を見ていきましょう。

まずはグローブボックスを開ける

グローブボックスの中身を取り出す

作業は必ずエンジンを停止した状態で行います。クリーナーを噴射する位置は説明書にあるとおりブロアファンの中央付近です。そのため、まず助手席側のグローブボックスを開け、中の荷物をすべて出しておきます。

左右奥にあるストッパーを内側に押し込んで外す

下側にもピンがあるため、輪から外す

150系ランドクルーザープラドのグローブボックスを外すには、3か所のツメを外す必要があります。まずは奥側にある2か所のツメを外し、次に手前下側で輪に引っかかっているツメを外します。これでフリーになるので、落とさないよう注意しながらグローブボックス全体を手前に引き出すと外せます。

グローブボックスを外した状態。奥にはブロアファンにつながるエアコンフィルターケースが見える

グローブボックスを外すと、奥にエアコンフィルターケースが現れます。フィルターの下には今回の目的であるブロアファンがあるため、ケースを開けてフィルターを取り出しましょう。あわせて新品に交換すれば、エアコンの臭い対策としてさらに効果的です。

カバーで周囲は塞がれているが、一応養生しておく

クイックエバポレータークリーナーSにはガイドのほか防臭剤なども付属

薬剤が飛び散って周囲を汚さないよう、大きめのポリ袋を切り開いて開口部のサイズに合わせ、テープで養生しました。クイックエバポレータークリーナーSの箱には、薬剤を流すためのガイドに加え、防臭剤なども同梱されています。

ガイドを固定プレートに通す

ガイド先端をブロアファン中央に向けて調整し、固定板を貼り付ける

固定プレートは両面テープで貼り付け可能なので、ガイドを手で持たなくても作業できます。ガイド先端はブロアファンの中央付近に向けますが、必ずファンに触れないよう中空の位置で固定してください。

もしガイド先端がブロアファンに触れた状態で送風やエアコンを稼働させると、シロッコファンに巻き込まれる危険があるため注意が必要です。

ガイドとエバポレータークリーナーを接続する

奥に見える円形がブロアファン。回転時に先端が巻き込まれないよう注意

ガイド先端を固定したら、次にエバポレータークリーナー本体と接続します。しっかり押し込んで外れないようにしてください。その後、エアコン吹き出し口をすべて開けて設定を行います。

助手席側のエアコン吹き出し口を開ける

センターのエアコン吹き出し口も開ける

後部座席の吹き出し口も忘れずに開放

エアコン吹き出し口は運転席・助手席・センターに加え、後部座席の天井グリップ付近やセンターコンソール裏にある車種もあります。特に後部座席の吹き出し口は見落としやすいため注意しましょう。

薬剤を噴射するときはA/Cを作動させない

準備が整ったら、いよいよ薬剤の噴射です。車のエンジンを始動し、エアコンを「最低温度・最大風量・内気循環・前方のみの風向き」に設定します。このときブロアファンが回転しているため、ガイド先端に異常がないか必ず確認してください。

薬剤噴射時のエアコン設定

  • 最低温度
  • 最大風量
  • 内気循環
  • 前方のみの風向き
  • AUTO設定は絶対に使わない

準備が整ったらボタンを押して噴射開始

エアコンの設定が終わったら、いよいよ薬剤の噴射開始です。缶の白い部分にあるボタンを下にしっかり押し込むと固定され、薬剤が出切るまで自動で噴射されます。缶はフロアマットの上に立てて置き、噴射中に倒れないよう見守りながらおよそ3分待ちましょう。

3分ほど経過して噴射音が止んだらA/Cボタンを押す

噴射開始から約3分経つと薬剤が出切るため、A/Cボタンを押してエアコンを作動させます。エバポレーターに付着した薬剤は、蒸発する際に発生する水滴と一緒に汚れを巻き込み、車外へ排出されます。

5分ほどエアコンを回すと水が多く排出された

説明書ではエアコンを約5分運転して止めるよう記載されていますが、汚れや薬剤の残りが気になる場合は30分ほど運転を続けても良いでしょう。静かな場所でアイドリングさせ、エンジンスターターを利用して放置すれば、自分は他の作業をしながら待つことができます。

付属の防臭剤を取り付ける

クイックエバポレータークリーナーSには防臭剤も付属しているため、取り付けます。セット内容は防臭剤本体・専用ケース・両面テープの3点です。取り付け場所は普段見えないグローブボックス裏が適しています。

袋を開けると白い固形物が入っておりケースにセット

ケースを両面テープでグローブボックス裏に貼り付け

防臭剤の袋を開けると白い固形物が入っており、これが防臭剤です。ケース内には同じ大きさのくぼみがあるので、そこにセットしてフタを閉じます。ケース裏にある「DRIVE JOY」の刻印側に両面テープを貼り、グローブボックスの裏側に固定しました。

下側の切れ込みを合わせ、3か所のクリップを取り付けてグローブボックスを戻す

グローブボックスの取り付けは、外した手順と逆に行います。まず下側の切れ込みを合わせて少し持ち上げ、左下のクリップを輪に通します。続いて全体を上に持ち上げ、左右のクリップをはめ込めば元通りとなり、作業完了です。

エバポレーターの臭いがエアコンの空気を臭くする原因に!クリーナーを使えば快適な空気に

エアコンの送風口から臭い空気が出てくるのはなぜでしょうか。原因としては、エアコンの外気導入口に悪臭の元がある場合や、長期間エアコンフィルターを交換していない場合などがあります。しかし、カビ臭さの主な原因は、エバポレーターに繁殖したカビや雑菌である可能性が高いです。

エアコンから臭いが発生する主な原因

  • エアコンフィルターを長期間交換していない
  • エアコン外気導入口に悪臭の発生源がある
  • エアコン内気導入口に悪臭の発生源がある
  • エバポレーターにカビや雑菌が繁殖している

エアコンの空気は、外気または内気を取り込み、エアコンフィルター・ブロアファン・エバポレーターを通って室内に送られます。送風口から出る風が臭い場合は、導入段階で臭っているか、フィルターやブロアファン、またはエバポレーターに問題があるということです。

外気や排気ガスの臭いがする場合は外からのニオイが原因です。しかし、内気循環にしてもカビのような臭いが続く場合は、フィルターやエバポレーターに雑菌が繁殖している可能性が高いです。フィルターは交換が簡単ですが、ブロアファンやエバポレーターの交換は大がかりな作業となります。

そこで役立つのがエバポレータークリーナーです。消臭や除菌、防カビ成分を含んでいるため、分解して洗浄しなくても、エバポレーターに直接効果を発揮し嫌な臭いの発生を抑えてくれます。定期的に使用することで車内に快適な空気を送り続けることができます。

エバポレーターは冷却時に湿気が溜まりやすく、カビや雑菌が繁殖しやすい

エバポレーターは空気を冷やす蒸発器で、空気中の熱を奪って冷却する役割を担っています。このとき結露が発生するため、エアコン使用後に車体の下から水が滴り落ちるのはエバポレーターで発生した水です。

家庭用エアコンは冷房停止後もしばらく送風して乾燥させる機能がありますが、車用エアコンにはその機能がないため、湿気が残りカビが繁殖しやすい環境になります。

カビ対策としては、目的地に到着する前に送風に切り替えて乾燥させるか、到着後に送風を維持しながらアイドリングで風を送る方法があります。

エバポレータークリーナーはフィルター交換とセットで行うのが効果的!

エバポレータークリーナーは付着した汚れを洗い流し、排水に混ざって地面に落ちるため、気になる場合は排水を受ける容器を用意すると安心です。防臭や防カビ成分も含まれており、定期的に施工することで清潔な状態を保てます。

エバポレーターは結露が避けられない構造のため、濡れたまま放置すると雑菌やカビが繁殖します。目的地近くで送風に切り替え、乾燥させながら走行することが大切です。

エバポレータークリーナーは、ブロアファン付近から薬剤を噴射し、風に乗せてエバポレーターまで届けます。その後エアコンを作動させることで、汚れや雑菌を水とともに車外へ排出します。

フィルター交換と同時に行うとより効果的で、長期間きれいな空気を維持できます。普段聞き慣れない部品名が出てくるため難しそうに感じますが、DIYでも比較的簡単に施工可能です。