マツダ デミオ(MAZDA2)の内装を徹底解説|シート・インパネ・コクピットの特徴
マツダのデザインテーマ「魂動(こどう)」を纏うコンパクトカー、デミオ(現在はMAZDA2に改称)は、1996年の初代登場以来、幅広い年齢層に支持されるロングセラーモデルです。
コンパクトカーとは思えない上質な内装は、マツダが一貫してこだわり続けるポイント。シートの素材・配色・インパネのデザインまで、グレードごとに個性を打ち出した作り込みが特徴です。
なお、デミオは2019年9月より国内でも「MAZDA2」に改称されています。本記事では、改称前の4代目デミオ(DJ型)時代に設定された特別仕様車・グレードの内装を中心に紹介します。改称後のMAZDA2については後半で現行の変化にも触れます。
特別仕様車「Mist Maroon(ミストマルーン)」の内装|グランリュクスで上質な世界観を表現
2018年8月30日の商品改良(マイナーチェンジ)に合わせて追加された特別仕様車「ミストマルーン(Mist Maroon)」(現在は販売終了)。このタイミングでエンジンも1.3Lから1.5Lへ換装され、動力性能も向上しました。
ミストマルーンの最大の特徴は、セーレン製スエード調人工皮革「グランリュクス」を全面的に採用した、しっとりとした高級感のある内装です。実際に触れると独特のやわらかさがあり、合成皮革とは一線を画す上品な手触りが印象的です。
キルティング加工されたシートはグランリュクス特有のなめらかな優しい手触り。内装各所にはディープレッドとブルーグレーのステッチを施し、個性と品格を両立させたデザインに仕上げています。
特別仕様車「Noble Crimson(ノーブルクリムゾン)」の内装|深紅とブラックのラグジュアリーな組み合わせ
デミオの特別仕様車「Noble Crimson(ノーブルクリムゾン)」(現在は販売終了)は、専用ボディカラーのセラミックメタリックによく映える深紅色をインテリアに採用。そこにブラックを組み合わせることで、大人の魅力を引き立てています。
シートには千鳥格子柄のクロス・レッドを採用
「大人なデミオ」を体現するノーブルクリムゾンの専用シートには、「ハウンドトゥース」と呼ばれるトラディショナルな千鳥格子柄のクロス・レッドを採用。デミオのキャラクターに最もなじむ柄を追求したデザイナーのこだわりが随所に感じられます。
シートと統一した千鳥格子シボのインパネデコレーションパネル
やや白みがかったグロスピュアホワイトのインパネデコレーションパネルには、シートと同じ千鳥格子柄のシボが打ち込まれています。傷付き防止が本来の目的のシボを装飾として活かした発想は、デミオらしい遊び心の典型例といえます。
メタリックレッド×グロスブラックのエアコンルーバーベゼル
エアコンルーバーのベゼルには、深みのあるメタリックカラーのレッドと艶やかなグロスブラックの2トーンを採用。インテリア全体のカラーと統一感を持たせ、引き締まった印象を演出しています。
ドア周辺はピュアホワイトで統一
アームレストやロアパネル、ドアトリムなどのドア周辺はピュアホワイトで統一。ドアアームレストとドアトリムフロントにはホワイトステッチが施されており、清潔感のあるコーディネートとなっています。
コンソールサイドにもホワイトステッチのデコレーション
合成皮革製のコンソールサイドデコレーションはホワイトステッチ入りのピュアホワイト。操作系スイッチも直感的に使いやすいレイアウトにまとめられています。
特別仕様車「Tailored Brown(テーラードブラウン)」の内装|オレンジのアクセントが光るクラシカルデザイン
「Effortless Chic(肩ひじを張らない大人の余裕ある美しさ)」をコンセプトに掲げたTailored Brown(テーラードブラウン)(現在は販売終了)は、上質感の中にデミオらしい遊び心を加えたクラシカルな内装が特徴です。
シートはライトブラウンのグランリュクスで高級家具のような仕立て
専用シートにはライトブラウンのグランリュクスを採用。しっとりとなめらかな触り心地で、キルティング加工がさらにリュクスな雰囲気を演出します。ブラックの背面とのつなぎにはオレンジのステッチを加え、意外性のある色使いでアクセントを効かせています。座面に手を当てると、グランリュクスならではのやわらかさとキルティングの適度な弾力感が伝わってきます。
ドアトリムとインパネデコレーションパネルにも同素材を採用
ドアトリムとインパネデコレーションパネルもシートと同じライトブラウンのグランリュクス素材で統一。ぬくもりのある肌触りが車内全体に広がり、上質感と統一感を高めています。
コンソールサイドとドアアームレストはオレンジステッチ入りブラック合成皮革
コンソールサイドデコレーションとフロントのドアアームレストは、ブラックの合成皮革にオレンジのステッチを施した仕上がり。スポーティな雰囲気をさりげなく加えるポイントです。
メタリックオレンジが映えるエアコンルーバーベゼル
メタリックオレンジとグロスブラックを組み合わせたエアコンルーバーベゼルは、シートやコンソールのオレンジステッチとよくマッチ。細部まで色の統一感を追求したデザイナーのこだわりが光ります。
L Packageのカラーコーディネートはピュアホワイトとブラックの2種類
4代目デミオ時代のL Packageには、ピュアホワイトとブラックの2種類のカラーコーディネートが用意されていました(現在は販売終了・グレード廃止)。どちらも洗練された大人っぽいデザインです。
シンプルながらも個性を失わないピュアホワイトは、シートの背面やエアコンルーバーにさりげなくあしらわれたレッドカラーとステッチ加工が爽やかな白い内装にスパイスを加えるコーディネートです。
インパネやシート背面にブロンズやディープレッドを取り入れて大人の魅力を追求したブラックのコーディネートは、シートの座面にグランリュクスを採用するなど、シックな見た目の中にも質感へのこだわりが随所に光ります。
Touringはスポーツテイストとフォーマルを両立したシックなコーディネート
Touringタイプのカラーコーディネートは、フォーマルとスポーティを併せ持つデザインです(現在は販売終了・グレード廃止)。しっとりとした触り心地の素材を採用し、座り心地の良さにも配慮しています。
ブラック一色のシンプルなデザインに見えて、スイッチパネルやドアトリムの質感を向上させることで、細部を見るほど作り込みのこだわりが伝わる内装に仕上がっています。
XD/13Sはクールなブラックベースで千鳥格子をさりげなく取り入れた内装
ブラックをベースにさまざまなファブリックを組み合わせたXD/13S(現在はXDグレードとして設定されていたディーゼル車は2024年9月に国内生産終了)。Noble Crimsonと同じく千鳥格子柄のシートとインパネデコレーションパネルが特徴で、光が当たるとバイオポリカのインパネに柄が浮かび上がり、さりげない変化を楽しめます。
アクセサリーでタンカラーの本革調へカスタマイズも可能
メーカーオプションの本革調シートカバー(タン)を装着すると、心地よい座り心地と標準装備とは異なる雰囲気を演出できます。タンカラーに合わせた同素材のドアトリムと組み合わせれば、淡い茶色がデミオの室内空間をモダンに変えてくれます。
「人馬一体」の走りを支えるコクピットは人間中心設計
デミオ(MAZDA2)のコクピットは、クルマとドライバーのシンクロ性を最優先した「人間中心設計」のもとに設計されており、機能性とデザイン性の両立を実現しています。マツダが開発指針として掲げる「人馬一体」の走りを日常のコンパクトカーで体感できる作り込みは、競合モデルとの大きな差別化ポイントです。
視線移動を最小限に抑えたヘッズアップデザインのディスプレイ
ドライバー正面に配置されたディスプレイは、視線移動が少なく走行情報を把握しやすいヘッズアップデザインを採用。高コントラストな表示で視認性にも優れ、運転への集中をサポートします。握り心地に優れた力強くシャープなステアリングホイールも、ハンドリングの楽しさを高める要素のひとつです。
パノラマ・連続・夜間の3つの視認性を追求した視界設計
マツダが重視する視界性能は3つの観点から設計されています。フロントウインドウの範囲内で広い視野を確保する「パノラマ視認性」、動く対象物を途切れなく捉える「連続視認性」、そして夜間でも両者を適用する「夜間視認性」の3軸で視界を確保することが、安心・安全な運転に直結しています。
ドライバーの身体に負担をかけないウレタン製フロントシート
ゆとりあるサイズ感のフロントシートは振動を吸収するウレタン素材で成形されており、長距離ドライブでも疲労を感じにくい設計です。座り心地の確保と同時に、スムーズなペダル操作を可能にするポジション設計も特徴です。
スポーティな気分を高めるアルミペダルセットもオプションに設定
AT用・MT用ともにラインナップするアルミペダルセットは、視覚的なスポーティさだけでなく、操作のしやすさにも配慮した設計です。装着前と変わらない機能性を確保しながら、コクピットをレーシーな雰囲気に仕立ててくれます。
すっきり使いやすいラゲッジルームと多彩なシートアレンジ
定員乗車時でも280Lの荷室容量を確保するデミオのラゲッジルームは、コンパクトカークラスとしては十分な広さです。ワイドに開くリアゲートは荷物の積み下ろしがしやすく、日常の買い物からアウトドアまで幅広いシーンで活躍します。
リアシートは6:4の分割可倒式を採用。乗車人数や荷物の大きさに合わせて柔軟にシートアレンジができるため、ファミリーカーとしても、一人でのレジャーにも対応できます。大きなスポーツ用品や旅行カバンも積みやすい実用性が魅力です。
荷物の目隠しに使えるトノカバーは、13S Touring・13S Touring L Package・XD・XD Touring・XD Touring L Package・Tailored Brown・Noble Crimsonに標準装備されていました。メーカーオプションのカーゴバッグには取り外し可能な保冷バッグも付属しており、食品や飲料の持ち運びにも便利です。使用しないときは折りたたんでコンパクトに収納できます。
デミオ改称後のMAZDA2内装はどう変わった?
4代目デミオは2019年9月より「MAZDA2」に改称され、その後も継続的に商品改良が行われてきました。外観ではフロントマスクにメッキモールが追加されて高級感が増し、内装面でも以下のような変化があります。
2023年の大幅マイナーチェンジでは、グレード体系が大幅に刷新されました。新設された「BD」グレードではインパネカラーをボディカラーとコーディネートできる仕様(ピュアホワイト・グロスブラック・グロスライトブルーの3色)が特徴で、2トーンのフルホイールキャップを含めると最大198通りのコーディネーションが可能となっています。また、スポーティなメッシュグリルとブラック基調シートを持つ「SPORT」「SPORT+」、グランリュクス素材のシートや本革巻きステアリングを備えた最上位グレード「Sunlit Citrus(サンリットシトラス)」も設定されました。
一方、2024年9月には1.5Lディーゼルターボを搭載する国内向けXDグレードの生産が終了しました。現在のMAZDA2は1.5Lガソリンエンジン(SKYACTIV-G 1.5)のみの設定です。2025年11月の機種体系変更では「15C II」「15 BD i Selection II」「15 SPORT II」など装備を充実させた新グレードが追加されており、MAZDA2としての商品力は継続的に強化されています。
デミオ(MAZDA2)の内装はプレミアムなデザインでオーナーの心を満たしてくれる
デミオ(MAZDA2)はどのグレード・特別仕様車も、コンパクトカーの枠を超えた上質な室内空間が特徴です。アクセントカラーの使い方、素材のこだわり、統一感のある配色、どこを見てもデザイナーの意図が感じられます。
コクピットは人間中心設計により機能性と安全性を追求しており、日常使いでのドライビングをより楽しいものにしてくれます。ラゲッジも280Lの実用的な容量と自由度の高いシートアレンジで、ライフスタイルを問わず対応できます。コスパの高いコンパクトカーでありながら、内装の質感は上位クラスにも引けを取らない──それがデミオ(MAZDA2)の大きな魅力のひとつです。