カローラトレック(TREK)

カローラトレックの日本発売はなし 欧州専用ワゴンは2019年8月発売・2023年に終了 代役はカローラクロス

カローラトレックは日本で買えるのか。答えは「一度も正規導入されず、2023年に欧州でも終了」です。1.8L・2.0Lハイブリッドの実スペック、2021年の最終仕様TREK Special Edition、日本版といえる500台限定のACTIVE RIDEまで解説します。

カローラトレックの日本発売はなし 欧州専用ワゴンは2019年8月発売・2023年に終了 代役はカローラクロス

カローラトレック(カローラTREK)は欧州専用モデルとして2023年に終了 日本への正規導入はありませんでした

カローラトレックは、欧州で販売されていたステーションワゴン「カローラ ツーリングスポーツ」をベースに、最低地上高を20mmアップし前後にアンダーガードを備えたクロスオーバー仕様です。2019年3月5日に開幕したジュネーブモーターショー2019でカローラGR SPORTとともに世界初公開され、同年8月から欧州で販売が始まりました。

自転車ブランド「TREKバイシクル」とのコラボレーションから生まれたモデルで、日本へは一度も正規導入されないまま、2023年初頭のカローラ改良を機にラインアップから外れています。日本市場でこの発想を引き継いでいるのは、SUVのカローラ クロスと、かつて500台限定で設定されたカローラ ツーリングの特別仕様車“ACTIVE RIDE”です。

日本でカローラトレックに最も近いのはカローラ クロス 2026年7月にアウトドア仕様のZ“Adventure”が登場

カローラトレックそのものは日本で買えませんが、「カローラをベースにしたアウトドア向けクロスオーバー」という発想は、日本ではカローラ クロスが引き受けています。カローラ クロスは2021年9月14日に日本発売され、2025年5月のマイナーチェンジでフロントまわりを刷新するとともにGR SPORTを追加しました。

そして2026年7月1日、カローラ クロスは一部改良を受け、同時にカローラシリーズ誕生60周年を記念した特別仕様車「Z“Adventure”」が設定されています。Zグレードをベースに、メテオコートを施した専用ラジエーターグリル、マットグレーメタリック塗装の17インチアルミホイール(215/60R17タイヤ)を採用し、専用ボディカラーとしてアーバンカーキを用意。オフロードテイストを前面に出した仕立ては、トレックが狙っていた層とほぼ重なります。

この一部改良ではエントリーグレードの「G」が廃止され、GR SPORT・Z・Sの3グレード体制に集約されました。パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)、アドバンスト パーク、パーキングサポートブレーキ、ブラインドスポットモニター+安心降車アシストがGRとZに標準装備され、価格帯は298万1,000円〜407万7,700円となっています。

カローラシリーズは2026年10月20日に誕生60周年を迎えます。これに合わせ、2026年5月12日にはカローラとカローラ ツーリングの特別仕様車ACTIVE SPORTが60周年記念仕様へ更新され、7月13日にはカローラ スポーツにも特別仕様車 G“Z・ACTIVE ELEGANCE”が設定されました。

カローラトレックは2023年初頭の欧州カローラ改良を機に終了 クロスオーバー需要はカローラ クロスへ

カローラトレックの販売期間は、2019年8月から2022年までの約3年半でした。2023年第1四半期に欧州でE210系カローラの改良型が導入されると、TREKはグレード構成から姿を消しています。

背景にあるのは、欧州カローラのラインアップ再編です。改良型ではハイブリッドが第5世代へ更新され、1.8Lが122psから140psへ、2.0Lが180psから196psへとそれぞれ出力を高めました。同時にトヨタは独立した車種としてカローラ クロスを欧州へ投入しており、「ワゴンをかさ上げしたクロスオーバー風モデル」と「本物のSUV」が社内で並立する必然性が薄れていました。TREKの役割はカローラ クロスに引き継がれた、という整理になります。

TREKバイシクルとの協業自体も2022年12月までとされており、車名の由来となったパートナーシップの区切りと、モデルの終了時期はほぼ重なっています。その後、TREKの名を継ぐ派生ワゴンが欧州で設定されたことはありません。

最後の設定は2021年発表の「TREK Special Edition」 2.0Lハイブリッド専用の最上級仕様

トレックの締めくくりとなったのが、2022年モデルのカローラに合わせて設定された「カローラ TREK Special Edition」です。2021年11月末からプレセールが始まり、初回納車は2022年1月末以降でした。

パワートレインは2.0Lのハイブリッドに一本化され、最低地上高20mmアップ、ホイールアーチモール、前後アンダーランといったトレック特有の外観はそのままに、新デザインの18インチアルミホイール、クロームのドアウィンドウフレーム、サテンクロームのルーフレールを追加。インテリアはピアノブラックのドアハンドル、ブラックレザーの表皮、インストルメントパネルからフロントドアへ抜けるサテンクロームのデコレーションラインで、シリーズ最上級にふさわしい仕立てとなりました。あわせて、CPUの処理速度を従来比2.4倍に高めた新世代マルチメディアシステムも標準装備されています。

標準のトレックが1.8Lと2.0Lの二本立てだったのに対し、Special Editionは2.0L専用。カローラトレックというグレードは、最も装備の充実した仕様で幕を閉じたことになります。

カローラトレックはカローラ ツーリングスポーツをベースにしたクロスオーバーワゴンでした

ここからは、カローラトレックがどのようなクルマだったのか、そして日本市場でどう受け止められたのかを整理します。

カローラTREKはカローラワゴンをベース車にしたクロスオーバー 発表されたエクステリアをチェック

カローラトレックのエクステリアジュネーブモーターショー2019で世界初公開されたカローラツーリングスポーツのクロスオーバー、カローラTREK

カローラトレックは、欧州トヨタで展開されていたカローラ ツーリングスポーツをクロスオーバー仕立てにブラッシュアップしたモデルです。日本市場でいえばカローラ ツーリングのクラスにあたりますが、欧州仕様のツーリングスポーツは日本仕様より全長が155mm、全幅が45mm大きく、そもそも別ボディでした。単にクロスオーバー風のエアロパーツを装着しただけではなく、最低地上高を20mmアップし、前後にアンダーガードを装着する手が加えられています。

カローラトレックのボディサイズ
全長 4,653mm
全幅 1,790mm
全高 標準のツーリングスポーツは1,445mm、TREKは約20mmアップ
ホイールベース 2,700mm
最低地上高 155mm

カローラ ツーリングスポーツの最低地上高は135mmのため、カローラTREKは20mmアップの155mmとなります。ルーフに載る自転車のブランド「TREKバイシクル」とコラボレーションしたモデルで、背の低いステーションワゴンですから、自転車をルーフに固定しても全高をさほど気にすることはありません。トヨタはトレックを、Trek所有の男子・女子ロードレースチームのサポートカーとしても運用していました。

カローラトレックのリヤビューリアビューはがっしりとしたスタイリングで力強さを感じる見た目になっている

カローラ ツーリングスポーツと比べるとリアバンパーががっしりとしたスタイリングで、どこでも走破できそうな頼もしさがあります。フェンダー周りには黒いアーチモールが取りつけられ、サイドシルにも樹脂製のガードが加わることで、クロスオーバーSUV寄りのルックスに仕上げられていました。一方でインテリアはシート生地の変更が中心で、標準車との差は外観ほど大きくありません。

カローラトレックのフロントビューカローラトレックは1.8Lと2.0Lの2種類のハイブリッドを搭載していた

カローラトレックが積むパワートレインはカローラ ツーリングスポーツと同様で、1.8Lと2.0Lの2種類のハイブリッドを搭載します。システム最高出力は1.8Lで122ps、2.0Lで180ps。駆動方式はいずれもFFのみで、荷室に荷物を満載してもストレスなく走れる余力がありました。

カローラTREKのパワートレインスペック
  1.8Lハイブリッド 2.0Lハイブリッド
排気量 1.8L 2.0L
システム最高出力 122ps 180ps
エンジン最高出力 98ps 152ps
エンジン最大トルク 14.5kgm 19.6kgm
モーター最高出力 72ps 109ps
駆動方式 FF FF

先進運転支援システムには当時最新のトヨタ・セーフティ・センスを標準装備。再発進・自動停止機能付きアダプティブクルーズコントロールや、昼夜で歩行者・自転車を検知するプリ・コリジョン・セーフティ・システムなどを備え、精度の高い安全機能が充実していました。

カローラトレックは2019年8月に欧州で発売 日本での展開はどうなったのか

カローラトレックの販売地域は欧州のみで、ベースであるカローラ ツーリングスポーツを扱わない日本市場や北米市場にはラインアップされませんでした。この方針は最後まで変わらず、日本への正規導入は一度も行われていません。

日本では2019年9月17日にカローラとカローラ ツーリングが発売されましたが、これは全長4,495mm・全幅1,745mmという日本市場向けの専用ボディで、欧州のツーリングスポーツとは別物です。トレックを日本に持ち込むには3ナンバーの大柄なボディをそのまま導入する必要があり、当時の国内ワゴン市場の規模を考えると、実現のハードルは高いものでした。

カローラトレックには、ベースモデルにフロント・リアスキッドプレート、17インチアルミホイール、リアプライバシーガラス、LEDヘッドライト、フロントフォグランプを装着し、オプションでルーフマウントも選択できました。

カローラTREKの追加装備

  • フロントスキッドプレート
  • リアスキッドプレート
  • 17インチアルミホイール
  • リアプライバシーガラス
  • LEDヘッドライト
  • フロントフォグランプ
  • ルーフマウント(オプション)
カローラトレックの主な動き
年月内容
2019年3月5日 ジュネーブモーターショー2019でカローラGR SPORTとともに世界初公開
2019年8月 欧州で販売開始(1.8L/2.0Lハイブリッド)
2021年11月末 2022年モデルとして「TREK Special Edition」のプレセール開始
2022年1月末以降 TREK Special Editionの納車を開始(2.0Lハイブリッド専用)
2022年12月 TREKバイシクルとのパートナーシップが区切りを迎える
2023年第1四半期 欧州カローラの改良型導入に伴いTREKグレードが終了

日本でカローラTREKに近い存在だったクロスフィールダーとカローラ ツーリング“ACTIVE RIDE”

カローラクロスフィールダーのエクステリア日本版のカローラTREKともいえる存在が、ステーションワゴンのフィールダーをクロスオーバー化したクロスフィールダーである

カローラクロスフィールダーは、カローラ フィールダーをクロスオーバー風に仕立てたモデルです。トヨタ本体の特別仕様車ではなく、トヨタモデリスタインターナショナルが手掛けたコンプリートカーで、2015年10月1日に全国のトヨタカローラ店を通じて発売されました。スキッドプレートをモチーフにしたフロントスポイラーとリヤスカート、プロテクターを思わせるフェンダーガーニッシュ、専用デザインホイール「MODELLISTA X-CLAW」を組み合わせ、5ナンバーサイズのワゴンにタフな表情を与えています。ハイブリッド2WDのほかに1.5Lの4WDも選べたため、雪道やウィンターレジャーとの相性も良好でした。

カローラクロスフィールダーの主な専用装備

  • フロントスポイラー
  • フェンダーガーニッシュ
  • 16インチアルミホイール(2WD車)
  • 15インチアルミホイール(4WD車)
  • サイドマッドガード
  • クロスフィールダー専用エンブレム
  • リヤスカート

1.5Lの2WDモデルなら212万円台からと、手が届きやすい価格設定だった点も魅力でした。ボディカラーも7色が用意され、幅広いニーズに応えるモデルです。

カローラクロスフィールダーの価格帯(発売当時・消費税8%時代)
  2WD 4WD
HYBRID G 2,543,400円
1.8 S 2,414,880円
1.5 G 2,123,280円 2,256,120円

ただし、ベース車であるカローラ フィールダーは2025年2月14日に生産終了が告知され、同年10月末をもって25年の歴史に幕を下ろしました。カローラ アクシオとともに国内最後の5ナンバーセダン/ワゴンだったモデルが消えたことで、クロスフィールダーも新車では手に入らなくなっています。

一方、トレックの発想に最も近い日本仕様として挙げられるのが、カローラ ツーリングの特別仕様車“ACTIVE RIDE”です。2021年4月2日に受注が始まり、4月19日に500台限定で発売されました。価格は266万円。カタログモデルには設定のない2.0LのM20A-FKS型ダイナミックフォースエンジンを搭載し、WLTCモードで16.6km/Lを実現しています。

外観は2トーンの前後バンパーと専用ロゴ付きロッカーモール、ブラック塗装の17インチアルミホイール(215/45R17)、ダークグレーメタリック塗装のルーフレールを特別装備。ボディカラーにはRAV4でも採用されたアウトドア映えする「アーバンカーキ」と、「ブラックマイカ×アーバンカーキ」の2トーンを含む全4色を設定しました。オプションにはシステムラック・ベースラックやサイクルアタッチメントも用意され、自転車を積むという使い方まで含めてトレックと発想が重なります。500台は発売前の4月15日時点で完売しました。

カローラトレックは日本に届かなかったが、その役割はカローラ クロスとカローラ ツーリングが引き継いだ

カローラTREK

カローラトレックは、欧州でラインアップされていたカローラ ツーリングスポーツをベースとする3ナンバーのステーションワゴンで、スバル アウトバックやフォード フォーカス アクティブ エステートと同じ土俵に立つモデルでした。最低地上高を20mmアップし、前後にスキッドプレートを備えることで、荒れた路面でも臆せず進める余裕を持たせています。

日本にこのクルマが届くことは最後までありませんでした。ベースのカローラ ツーリングスポーツが国内に導入されなかったこと、そして日本市場の関心がワゴンからSUVへ移っていったことが理由です。実際、トヨタは2021年にカローラ クロスを日本へ投入し、2026年7月にはアウトドアテイストの60周年記念車Z“Adventure”まで設定しました。「カローラで悪路も楽しむ」という提案は、車名を変えて日本にも定着したといえます。

ワゴンの形にこだわるなら、現行のカローラ ツーリングが選択肢です。2025年5月の一部改良でハイブリッド専用となり、2026年5月12日には60周年記念仕様の特別仕様車ACTIVE SPORTが設定されました。トレックのようなクロスオーバー仕立てではありませんが、荷室の使い勝手と燃費という本質的な部分は、しっかり受け継がれています。