ヴェゼルのグレード

ヴェゼルのグレード比較!ガソリン車とハイブリッドのおすすめはどれか徹底解説

ヴェゼルのグレードはどれを選ぶべきか。G、X、RS、ツーリング、ハイブリッド各グレードの装備差と価格差を早見表で比較し、燃料代の実額シミュレーション、リアサスペンションの違い、自動車税の13年超重課まで購入判断に必要な情報をまとめました。

ヴェゼルのグレード比較!ガソリン車とハイブリッドのおすすめはどれか徹底解説

ヴェゼルのグレードを徹底比較!ガソリン車・ハイブリッドのおすすめはどれ?

ホンダ ヴェゼル(初代・RU系)は2013年12月に発売され、発売直後から爆発的な人気を獲得したクロスオーバーSUVです。2014年から2016年の新車販売台数SUV部門で3年連続1位を記録し、2018年2月のマイナーチェンジを経て2021年3月をもって生産を終えました。2021年4月には2代目(RV系)へフルモデルチェンジしています。

初代ヴェゼルにはガソリンエンジンとハイブリッドの2種類があり、後期型(2018年2月以降)では全グレードにHonda SENSINGが標準装備されました。ベーシックなGからターボ搭載のツーリング、コンプリートカーのModulo Xまで仕様の幅が広く、装備差と価格差の関係をつかんでおくと選びやすくなります。

ヴェゼルの搭載エンジン比較:ガソリン「L15B」とハイブリッド「LEB-H1」

新型ヴェゼルに搭載されているエンジン

ヴェゼルに搭載されているエンジンは「ガソリンエンジン」と「ハイブリッドエンジン」の2種類です。どちらも1.5L直列4気筒ですが、ハイブリッドは7速DCT(i-DCD)とモーターを組み合わせ、燃料消費率でも加速でも有利になります。ガソリン車のトランスミッションはCVTで、RSとツーリングにはパドルシフト付きのマニュアルモードが備わります。

ヴェゼルの搭載エンジン比較
型式 L15B(ガソリン) LEB-H1(ハイブリッド)
種類 直列4気筒 直列4気筒
排気量 1,496cc 1,496cc
エンジン最高出力 96kW(131PS)/6,600rpm 97kW(132PS)/6,600rpm
エンジン最大トルク 155Nm(15.8kgm)/4,600rpm 156Nm(15.9kgm)/4,600rpm
モーター最高出力 - 22kW(29.5PS)/1,313〜2,000rpm
モーター最大トルク - 160Nm(16.3kgm)/0〜1,313rpm
変速機 CVT 7速DCT
燃費(JC08モード) 17.6〜21.2km/L 21.6〜27.0km/L

注目したいのはモーターのトルク特性で、0〜1,313rpmという極低回転域から160Nmを発生します。エンジンの最大トルクが4,600rpmでようやく156Nmであることと比べると、発進直後の力強さはハイブリッドが明確に上です。信号待ちからの出足が軽いと評価されるのは、この領域をモーターが受け持っているためです。

では経済性の差はどれくらいかというと、月1,000km走るとしてレギュラーガソリンを165円/Lで計算した場合、ガソリンのG(FF・21.2km/L)が約7,800円、ハイブリッド(FF・27.0km/L)が約6,100円で、月々の差は1,700円ほどです。カタログ値の7掛け程度という実燃費で見積もっても、差は月2,000円台にとどまります。新車価格差の約38万円を燃料代だけで埋めようとすると10年以上かかる計算になり、ハイブリッドを選ぶ理由は燃費よりも静粛性と出足の滑らかさに置くほうが納得しやすい車種です。

ヴェゼルのグレード一覧:価格と燃費、ホイールサイズの早見表

後期型(2018年2月以降)のグレード構成を、駆動方式ごとの価格と燃料消費率、足元のサイズで並べると違いがつかみやすくなります。価格は2018年2月のマイナーチェンジ時のメーカー希望小売価格(消費税8%当時)です。

ヴェゼル後期型のグレード別 価格 燃費 ホイール
グレード 駆動方式 価格 JC08モード燃費 ホイール
G ホンダセンシング FF 2,075,000円 21.2km/L 16インチスチール
G ホンダセンシング 4WD 2,291,000円 19.6km/L 16インチスチール
X ホンダセンシング FF 2,165,000円 21.2km/L 16インチアルミ
X ホンダセンシング 4WD 2,381,000円 19.6km/L 16インチアルミ
RS ホンダセンシング FF 2,475,000円 20.2km/L 18インチアルミ
ツーリング ホンダセンシング FF 2,903,040円 17.6km/L 18インチアルミ
ハイブリッド ホンダセンシング FF 2,460,000円 27.0km/L 16インチスチール
ハイブリッド ホンダセンシング 4WD 2,676,000円 23.2km/L 16インチスチール
ハイブリッドX ホンダセンシング FF 2,539,000円 26.0km/L 16インチアルミ
ハイブリッドX ホンダセンシング 4WD 2,755,000円 23.2km/L 16インチアルミ
ハイブリッドZ ホンダセンシング FF 2,710,000円 23.4km/L 17インチアルミ
ハイブリッドZ ホンダセンシング 4WD 2,926,000円 21.6km/L 17インチアルミ
ハイブリッドRS ホンダセンシング FF 2,810,000円 25.6km/L 18インチアルミ

表を縦に追うと、ハイブリッド内でも燃費が27.0km/Lから21.6km/Lまで5km/L以上開いていることがわかります。装備が上がるほど車両重量とタイヤサイズが増し、燃料消費率はその分だけ落ちていきます。燃費を最優先するなら最上級グレードは選択肢から外れるという、カタログを横断しないと気づきにくい関係がここにあります。

G ホンダセンシング:コスパ重視のガソリンモデル ベースグレード

ヴェゼルのGグレード

ガソリンエンジンを搭載した最も価格を抑えたグレードが「G ホンダセンシング」です。燃料消費率はFFが21.2km/L、4WDが19.6km/Lで、価格はFFが2,075,000円、4WDが2,291,000円です。200万円台前半でHonda SENSINGまで含まれる点が、このグレードの素性のよさです。

G ホンダセンシングの価格帯
2WD(FF) 2,075,000円〜
4WD 2,291,000円〜

Gグレードの内装

内装はブラックのファブリックシートで、サイドミラー自動格納機能(オートリトラミラー)と16インチスチールホイール+フルカバーホイールキャップを標準装備します。グレード名の「ホンダセンシング」が示すとおり、衝突軽減ブレーキ、誤発進抑制、車線維持支援、全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールまで一式が備わります。

間近で見ると、ホイールキャップはスポーク風の造形でひと目でスチールとわかる質感ではありません。ただし足元だけを後から変えたくなる人は多く、社外アルミへの履き替え前提で車両価格を抑えるという買い方とも相性がよいグレードです。省かれているのはフォグライト、本革巻ステアリング、ラゲッジルームハードボードといった項目で、走りと安全性能そのものには差がありません。

一方で、Gで後悔しやすいのは夜間走行が多い使い方です。ヘッドライトはLEDですがフォグライトがないため、雨天や霧の出る山間路では足元の照射が物足りなく感じられます。通勤路に街灯の少ない区間がある場合は、次に挙げるXグレード以上を検討する価値があります。

X ホンダセンシング:LEDヘッドライト標準装備のガソリンモデル 上級グレード

ヴェゼルのX・Honda SENSINGグレード

ガソリンエンジンの中核グレード「X・Honda SENSING」は、ハロゲンフォグランプと16インチアルミホイールを標準装備します。FFと4WDの両方が選べるため、降雪地域や未舗装路を走る機会が多い使い方にも対応します。燃費はFFが21.2km/L、4WDが19.6km/Lです。

X・Honda SENSINGの搭載装備

  • LEDヘッドライト
  • ハロゲンフォグライト
  • 本革巻ステアリングホイール
  • 自動防眩ルームミラー
  • クロームメッキ・インナードアハンドル
  • 16インチアルミホイール

Gとの価格差は9万円で、内容はフォグライト、本革巻ステアリング、自動防眩ルームミラー、アルミホイールの4点が中心です。アルミホイールだけを後から社外品で揃えると工賃込みで同等かそれ以上の出費になりやすく、差額の納得感は高い部類に入ります。価格は2WDで2,165,000円、4WDで2,381,000円です。

実際に触れてみると、本革巻ステアリングの縫い目の盛り上がりが手のひらに当たり、ウレタンのGとは握った瞬間の印象がはっきり分かれます。中古車市場でもXは流通量が多く、程度の良い個体を選びやすいグレードです。

RS ホンダセンシング:走りにこだわるガソリンモデルのスポーツグレード

ヴェゼルのRS・Honda SENSINGグレード

ガソリンモデルで走りの質を最も高めたのが「RS・Honda SENSING」です。車体のねじれを吸収するパフォーマンスダンパーと、ハンドルを切り込むほど舵角が増す可変ステアリングギアレシオ(切り始めは穏やか、切り込むと素早く反応する機構)を組み合わせています。駆動方式はFFのみで、燃費は20.2km/L、価格は2,475,000円です。

RS・Honda SENSINGの搭載装備

  • LEDヘッドライト
  • LEDフォグランプ
  • RS専用エクステリア(ツヤ消しブラック塗装)
  • コンビシート・ウルトラスエード
  • 本革巻セレクトレバー
  • パフォーマンスダンパー
  • 18インチアルミホイール(RS専用デザイン)

RS・Honda SENSINGグレードの内装

見落とされがちなのがボディ寸法です。RS系は専用エアロの分だけ全長4,340mm、全幅1,790mmと他グレードより一回り大きく、最小回転半径も5.3mから5.5mに広がります。数字では0.2mの差ですが、立体駐車場の切り返しや狭い路地のUターンでは体感できる違いになります。

タイヤは225/50R18で、16インチ装着車と比べると交換時の出費が一段上がります。長期で乗る前提なら、消耗品のコストまで含めて判断しておくと後悔しにくくなります。路面の継ぎ目を越えたときの突き上げも16インチ車より明確で、同乗者の快適性より自分の運転感覚を優先したい場合に向くグレードです。

ヴェゼルツーリング:1.5Lターボ搭載の最強ガソリンモデル

2019年1月31日に追加された「ツーリング・Honda SENSING」は、吸排気デュアルVTCを備えた直噴1.5L VTEC TURBOを搭載します。最高出力127kW(172PS)/5,500rpm、最大トルク220Nm(22.4kgm)/1,700〜5,500rpmで、自然吸気のL15Bに対してトルクは約1.4倍です。しかも1,700rpmから5,500rpmまで最大トルクが続くため、高速道路の合流や登坂で踏み足す場面での余裕がまったく違います。

販売価格は2,903,040円で、ハイブリッド最上級のハイブリッドZ(2,710,000円)を上回ります。ボディ剛性を高めたうえで専用パフォーマンスダンパーを組み、旋回時に内輪へわずかなブレーキをかけて曲がりやすくするアジャイルハンドリングアシストをヴェゼルで初採用しました。足まわりと車体の作り込みまで含めた価格差です。

実用面で効いてくるのが燃料タンク容量で、ツーリングだけが50Lと他グレードの40Lより10L大きくなっています。JC08モード燃費は17.6km/Lとシリーズで最も低いものの、満タンあたりの航続距離では不利になりにくく、長距離移動の給油回数を抑えられます。ロングドライブ主体の使い方に合わせて仕立てられたグレードです。

ボディカラーはツーリング専用色の「プレミアムクリスタルブルー・メタリック」「スーパープラチナグレー・メタリック」を含む設定で、リアには左右2本出しのエキパイフィニッシャーが付きます。運転席と助手席のシートヒーター、ルーフレールも標準装備です。駆動方式がFFのみという点だけは、降雪地域で検討する際の制約になります。

ハイブリッド ホンダセンシング:燃費と必要十分な装備を両立したハイブリッド標準グレード

ヴェゼルのHYBRIDグレード

ハイブリッドの入門グレードが「HYBRID ホンダセンシング」です。燃費はFFが27.0km/L、4WDが23.2km/Lとシリーズ最高で、価格はFFが2,460,000円、4WDが2,676,000円です。16インチスチールホイールと軽い車両重量の組み合わせが、この数値を支えています。

HYBRID ホンダセンシングの搭載装備

  • オートリトラミラー
  • フルオートエアコン(左右独立式)
  • リアクティブフォースペダル
  • ハイブリッド専用メーター
  • マルチインフォメーション・ディスプレイ
  • 16インチスチールホイール

ガソリンのGと比べると、左右独立温度コントロール式フルオートエアコン、ハイブリッド専用メーター、マルチインフォメーション・ディスプレイ、そしてLEDヘッドライトが加わります。リアクティブフォースペダルは、燃費が悪化する踏み込み方をするとアクセルペダルが押し返してくる機構で、慣れるまで違和感を覚えるものの、燃料消費率を意識した運転が身につきやすい装備です。

燃費を最優先するならシリーズでこのグレードが最も有利です。一方でフォグライトがなく、ホイールもスチールのため、見た目の満足度を求めると物足りなさが残ります。年間走行距離が多く、装備より燃料代を重視する使い方で選ばれているグレードです。

ハイブリッドX ホンダセンシング:LEDライトとアルミホイールを標準装備したハイブリッド上級グレード

ヴェゼルのHYBRID X・Honda SENSINGグレード

ハイブリッドの中核グレード「HYBRID X・Honda SENSING」は、ハロゲンフォグランプ、本革巻ステアリング、16インチアルミホイールに加え、ガソリンモデルにはないエキパイフィニッシャーが付きます。燃費はFFで26.0km/L、4WDで23.2km/Lです。

HYBRID X・Honda SENSINGの搭載装備

  • LEDヘッドライト
  • ハロゲンフォグランプ
  • 本革巻ステアリングホイール
  • エキパイフィニッシャー
  • 自動防眩ルームミラー
  • 16インチアルミホイール

価格はFFが2,539,000円、4WDが2,755,000円で、標準のハイブリッドとの差は約8万円です。この価格差でアルミホイール、フォグランプ、本革巻ステアリングが揃うため、装備内容と価格のバランスでは最も素直な選択肢になります。

注意しておきたいのが燃費で、FFは標準グレードの27.0km/Lに対して26.0km/Lとわずかに下がります。アルミホイールと追加装備による重量増が効いており、装備を取るか1.0km/Lを取るかという関係になっています。中古市場でも流通量が多く、価格と程度を見比べながら選びやすいグレードです。

ハイブリッドZ ホンダセンシング:全方位で妥協のないハイブリッド最上級グレード

ヴェゼルのHYBRID Z・Honda SENSINGグレード

ハイブリッドの上級グレードが「HYBRID Z・Honda SENSING」です。ホイールアーチやフロント・リヤロアガーニッシュがボディ同色となり、パフォーマンスダンパーとLEDフォグランプも標準装備されます。

HYBRID Z・Honda SENSINGの搭載装備

  • カラードボディロアガーニッシュ
  • コンビシート
  • 本革巻ステアリングホイール(スムースレザー)
  • ルーフレール(FFのみ)
  • パフォーマンスダンパー
  • 17インチアルミホイール(スポーツタイプ)

HYBRID Z・Honda SENSINGグレードの内装ジャズブラウンインテリア

インテリアは通常のパッションブラックのほか、モダンな「ジャズブラウン」も選べます。間近で見ると、ドアトリムからインパネにかけてブラウンが連続して回り込み、同じ車とは思えないほど室内の印象が変わります。価格はFFで2,710,000円、4WDで2,926,000円、燃費はFFが23.4km/L、4WDが21.6km/Lです。

ロアガーニッシュがボディ同色になることで、未塗装樹脂のSUVらしさより都市型クロスオーバーらしいまとまりが強くなります。足元も215/55R17とRS系の18インチより扁平率に余裕があり、乗り心地と見た目のバランスが取れた仕様です。装備は充実する一方、ハイブリッド標準グレードに対して燃費は3.6km/L落ちます。

ハイブリッドRS ホンダセンシング:燃費と走りを両立したハイブリッドスポーツグレード

ヴェゼルのHYBRID RS・Honda SENSINGグレード

「HYBRID RS・Honda SENSING」は、ガソリンRSの走りの仕立てとハイブリッドの経済性を兼ね備えたグレードです。燃費は25.6km/L、価格は2,810,000円、駆動方式はFFのみです。RS専用パフォーマンスダンパーと専用18インチアルミホイールを装備します。

HYBRID RS・Honda SENSING 搭載装備

  • RS専用エクステリア(ツヤ消しブラック塗装)
  • コンビシート(ウルトラスエード)
  • RS専用本革巻ステアリングホイール
  • RS専用パフォーマンスダンパー
  • 18インチアルミホイール

HYBRID RS・Honda SENSINGグレードの内装ウルトラスエードコンビシート

ウルトラスエードはスエード調の人工皮革で、実際に触れてみると表面の毛足が指に引っかかるような独特の感触があります。本革と違って冬場に冷たくなりにくく、夏も肌が張り付きにくいという実用上の利点があります。摩擦が大きいぶん体が横にずれにくく、ワインディングでの座り心地にも効いてきます。

18インチを履きながら25.6km/Lという数値は、同じ18インチのガソリンRS(20.2km/L)と比べると5km/L以上の差です。走りの味と燃料代の両方を譲りたくない場合に筋の通った選択になりますが、こちらもFF専用で、タイヤ交換費用はZグレードより高くつきます。

ツーリング Modulo X と ハイブリッド Modulo X:専用セッティングのコンプリートカー

2019年11月29日には、ホンダアクセスが開発したコンプリートカーブランド「Modulo X」のヴェゼルが加わりました。ガソリンは「TOURING Modulo X Honda SENSING」、ハイブリッドは「HYBRID Modulo X Honda SENSING」で、価格はガソリンが3,528,800円、ハイブリッドがFF 3,467,200円、4WD 3,617,900円です(消費税10%込み)。初代ヴェゼルで最も高価な仕様にあたります。

ベース車はガソリンがツーリング、ハイブリッドのFFがハイブリッドRS、4WDがハイブリッドZという構成です。専用ショックアブソーバーとスプリング、専用アルミホイール、そして車体上下の空気の流れを整えるエアロバンパーを量産工程で組み付け、乗り心地と走行安定性を同時に引き上げています。

流通台数が少なく、中古で探す場合は球数の制約が大きいグレードです。専用サスペンションの交換部品も一般グレードより入手しにくく、距離が伸びた個体では足まわりのリフレッシュ費用を見込んでおく必要があります。希少性と仕立ての良さを評価して探す人に向く仕様です。

ハイブリッドX ホンダセンシング ブリリアントスタイルエディション:特別装備がお得な特別仕様車

ヴェゼルの特別仕様車のエクステリア

特別仕様車「HYBRID X・Honda SENSING ブリリアントスタイルエディション」は、2017年7月にハイブリッドXをベースとして設定され、人気オプションを標準装備化したモデルです。2018年2月のマイナーチェンジに伴い設定を終えており、前期型のフロントフェイスを持ちます。専用ボディカラー2色を含む全5色の設定で、FFと4WDが選択でき、価格帯は256万円台からでした。

ブリリアントスタイルエディションの特別装備

  • LEDフォグライト
  • ラゲッジルームハードボード
  • 専用サイドシルガーニッシュ
  • ルーフレール
  • 17インチアルミホイール(スポーツタイプ)

ベースのハイブリッドXでメーカーオプション扱いだったLEDフォグランプ、ラゲッジルームハードボード、ルーフレールが標準化され、アルミホイールも16インチから17インチへ格上げされています。オプションを個別に付けるより割安な構成で、中古車として見た場合も装備の充実した個体にあたります。

探すときの注意点は、この特別仕様車が前期型である点です。Honda SENSINGは搭載されていますが、後期型で手が入ったハイブリッドシステムの制御や内装の質感とは仕様が異なります。装備表だけを見て後期型と同等と判断すると、現車を前にしたときに印象が食い違います。

前期型と後期型の違い:2018年2月のマイナーチェンジで何が変わったか

中古で初代ヴェゼルを選ぶ際に最も影響が大きい分かれ目が、2018年2月15日のマイナーチェンジです。フロントバンパーとグリルのデザインが変わり、ヘッドライトはグリルと一体化したインラインタイプのLEDになりました。前期型と後期型は正面から見れば一目で区別がつきます。

中身の変更点はさらに重要です。それまで一部グレードのみだったHonda SENSINGが全車標準装備となり、SPORT HYBRID i-DCDの制御も見直されて発進から巡航までの加速がなめらかになりました。ガソリン車はカムチェーンの摩擦低減などによってJC08モード燃費がFFで0.6km/L向上し、21.2km/Lに達しています。

初代ヴェゼルは2014年2月に7速DCT搭載車のリコールが届け出され、その後も複数回のリコールが続いた経緯があります。年式が古い個体ほど対策作業の履歴を確認しておく意味が大きく、整備記録簿とディーラーでのリコール対応状況は現車確認の際に必ず見ておきたい項目です。予算が許すなら、安全装備と制御の両面で完成度が上がった後期型を軸に探すほうが扱いやすくなります。

FFと4WDはどちらを選ぶべきか:リアサスペンションと最低地上高の違い

ヴェゼルの4WDは、必要なときに後輪へ駆動力を配分するリアルタイムAWDです。選択できるのはG、X、ハイブリッド、ハイブリッドX、ハイブリッドZの5グレードで、RS系とツーリング、Modulo Xのガソリン版はFF専用になります。

意外に知られていないのが、FFと4WDでリアサスペンションの形式が違う点です。FFは車軸式(トーションビーム)ですが、4WDは左右輪をつなぐビームの中央にデファレンシャルを収めたド・ディオン式を採用しています。後席に人を乗せた状態での路面追従性では4WDのほうが有利に働く場面が多く、同じ車でも後席の乗り心地の印象が変わります。

もうひとつが最低地上高です。SUVなら4WDのほうが高いと考えがちですが、ヴェゼルはFFが185mm、4WDが170mmと逆転しています。後輪側に駆動系を通した分だけ4WDが低くなっており、深い雪や段差の大きい林道を想定している場合は、この15mmの差を頭に入れておく必要があります。

年間の降雪が限られた地域で、冬タイヤを履かせる前提の使い方なら、燃費と価格で有利なFFで足りるケースが大半です。4WDは車両価格が約21万円高く、燃費も1.5〜3.8km/L落ちます。坂道の多い地域や除雪が遅れがちな道を日常的に走るかどうかが、実質的な判断の分かれ目になります。

中古で狙うならどのグレードか:相場と維持費の見方

初代ヴェゼルの中古車相場は、年式と走行距離の幅が広いこともあって50万円台から250万円前後まで分布しています。狙い目になりやすいのは流通量の多いXとハイブリッドXで、同じ予算でも程度の良い個体を比較しながら選びやすくなります。Zやハイブリッドらの上級グレードは装備が充実する分だけ相場も高めに推移します。

維持費で見落とされやすいのが自動車税(種別割)です。初代ヴェゼルはすべて1.5L以下の区分に入りますが、2019年9月30日以前に新規登録された個体は年34,500円、2019年10月1日以降に登録された個体は年30,500円と、同じ車でも4,000円の差があります。中古車の車検証に記載された初度登録年月で税額が決まるため、購入前に確認しておく価値があります。

さらに注意したいのが13年超の重課です。ガソリン車は新規登録から13年を超えると自動車税が約15%上乗せされ、1.5L以下の区分では年39,600円になります。2013年12月から2014年にかけて登録された初期型のガソリン車は、すでにこの時期に差しかかっています。ハイブリッド車はこの重課の対象外で、長く乗るほど税負担の差が開いていきます。自動車重量税も13年超で税額区分が上がるため、古い個体ほど車検時の出費が増える点は織り込んでおきたいところです。

走行距離が伸びてくると指摘されやすいのは、7速DCTの発進時のぎこちなさやクラッチ制御まわりの違和感です。試乗の際は停止からの発進と渋滞を模した微速走行を必ず試し、変速ショックや駆動の抜けがないかを確かめておくと判断しやすくなります。ハイブリッドの駆動用リチウムイオン電池についても、長距離個体では充電の減り方を実際に走って見ておくと安心です。

ヴェゼルのおすすめグレードはXホンダセンシング以上

ヴェゼル

初代ヴェゼル後期型のグレード構成は、ガソリンがG、X、RS、ツーリングの4種類、ハイブリッドがハイブリッド、ハイブリッドX、ハイブリッドZ、ハイブリッドRSの4種類、これにコンプリートカーのModulo Xが2種類という構成です。

ガソリン・ハイブリッドともに、選びやすさで勝るのは「Xホンダセンシング以上のグレード」です。理由は以下のとおりです。

  • フォグランプが加わり、雨天や霧の出る路面での視認性が上がる
  • 16インチアルミホイールが標準となり、足元の質感がGグレードから大きく変わる
  • Gとの価格差が約9万円に対し、後から同等装備を揃えると割高になりやすい
  • FFと4WDの両方が選択でき、降雪地域や未舗装路にも対応できる
  • 中古市場での流通量が多く、程度と価格を比較しながら選べる

内外装の質感まで含めて満足度を取るなら、ボディ同色ロアガーニッシュと17インチアルミを備えたハイブリッドZが装備と乗り心地のバランスで優れます。燃料代を最優先するならハイブリッド標準グレードの27.0km/L、高速走行の多さと動力性能を重視するならツーリングの1.5Lターボというように、優先順位によって答えが変わります。

走りの仕立てにこだわるならガソリン・ハイブリッドを問わずRSが候補になりますが、18インチタイヤの交換費用と、最小回転半径が5.5mに広がる取り回しの差は購入前に把握しておきたいポイントです。年式が新しい個体を求める場合は、2021年4月に登場した2代目(RV系)が2モーターハイブリッドのe:HEVを採用しており、こちらも含めて比較すると選択の幅が広がります。