タウンエースのモデルチェンジ

トヨタ タウンエース最新情報 バンは2025年6月再発売で価格改定、トラックは型式指定取消で生産休止

タウンエースのトラックはなぜ買えない? ダイハツ認証不正で型式指定が取り消され、2026年も生産休止が続きます。一方バンは2024年に生産を再開し2025年6月に改良・価格改定。現在の販売状況と装備、モデルチェンジの歴史をわかりやすく整理しました。

タウンエースの最新情報 認証不正を経てバンは再発売、トラックは生産休止中

トヨタの商用車として、また車中泊などのベース車としても親しまれてきた「タウンエース」「ライトエース」のモデルチェンジ情報をまとめます。両車はダイハツ製「グランマックス」のOEMで、2023年に発覚したダイハツの認証不正の影響を大きく受けました。トラックタイプは型式指定の取り消しにより生産休止が続く一方、バンタイプは2025年6月に最新法規へ対応して再発売されています。ここでは、これまでの改良の歩みや装備、そして現在の販売状況を整理していきます。

タウンエースは現在バンのみ販売 トラックは型式指定取消で生産休止中(2026年時点)

タウンエース/ライトエースは、生産を担うダイハツで2023年に認証試験の不正が発覚したことにより、大きな影響を受けました。タウンエースはダイハツがインドネシアで生産する「グランマックス」のOEMモデルで、2023年12月には不正発覚にともない出荷が停止されています。

2024年1月、国土交通省は特に悪質な不正があったとして、タウンエース トラック(ダイハツ・グランマックス トラック、マツダ・ボンゴ トラックのトラックタイプ)の型式指定を取り消しました。前面衝突試験で、本来はセンサーが衝突を検知して作動させるべきエアバッグを、タイマーで作動させていたことが問題視されたものです。型式指定を失ったトラックは事実上生産できなくなり、その後も再取得の目処が立たない状況が続いています。2026年時点でもタウンエース トラックは生産休止のままで、再販は実現していません。次期型に関する観測もささやかれていますが、公式な発表はありません。

一方、バンタイプは型式指定取消の対象から外れ、2024年1月に出荷停止が解除、同年2月に生産・出荷を再開しました。ただし法規対応が間に合わず2024年10月以降はいったん在庫販売のみとなり、2025年6月16日に最新法規へ対応した改良モデルとしてあらためて発売されています。この改良にあわせて、原材料費や物流費の高騰を背景とした価格改定も実施され、タウンエース バンの価格は2,007,500円から2,442,000円となりました(エントリー価格で約18万8500円の引き上げ)。現在、新車で購入できるタウンエースはバンタイプのみです。

タウンエースは2020年のマイナーチェンジで安全装備を強化 新開発1.5Lエンジンで走行性能も向上

2020年のマイナーチェンジで安全装備のスマートアシストを搭載 パワートレインも新開発の1.5Lエンジンで軽快な走りに進化

2020年6月のマイナーチェンジでは、衝突回避支援ブレーキ機能や車線逸脱警報機能、オートハイビームを備えるスマートアシストが採用され、小型商用車ではトップクラスの安全性を持つモデルへと進化しました。

2020年マイナーチェンジ後のタウンエースの安全装備

  • 衝突警報機能
  • 衝突回避支援ブレーキ機能
  • 車線逸脱警報機能
  • ブレーキ制御付誤発進抑制機能
  • 先行車発進お知らせ機能
  • オートハイビーム

このマイナーチェンジでは安全装備の拡充に加え、小型商用車用に新開発された1.5Lの2NR-VE型ガソリンエンジンを採用しました。最高出力97PS、最大トルク13.7kgmを発生する扱いやすいパワートレインです。

タウンエース バンのスペック(諸元)
全長 4,065mm
全幅 1,665mm
全高 1,930mm
ホイールベース 2,650mm
室内長 2,045mm
室内幅 1,495mm
室内高 1,305mm
車両重量 1,270kg-1,340kg
最小回転半径 4.9m-5.3m
最低地上高 190mm
エンジン型式 2NR-VE型 水冷直列4気筒
エンジン総排気量 1.496L
エンジン最高出力 71kW(97PS)/6,000rpm
エンジン最大トルク 134Nm(13.7kgm)/4,400rpm
乗車定員 2名/5名
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
タンク容量 43L
WLTCモード燃費 11.4km/L-12.6km/L
タウンエース バンの販売価格一覧(2025年6月改良前)
グレード 駆動方式 ミッション 販売価格
DX 2WD 5MT 1,819,000円~
4WD AT 1,908,000円~
2WD 5MT 2,111,000円~
4WD AT 2,200,000円~
GL 2WD 5MT 1,975,000円~
4WD AT 2,064,000円~
2WD 5MT 2,258,000円~
4WD AT 2,347,000円~

なお上表は2025年6月改良前の価格です。2025年6月16日の改良で最新法規に対応するとともに価格改定が行われ、現在のタウンエース バンの価格帯は2,007,500円から2,442,000円となっています。

2018年5月8日の一部改良で盗難防止システムを全車に標準装備

2018年5月8日の一部改良によって、タウンエースとライトエースは、盗難防止システム(イモビライザーシステム)を全車に標準装備し、防犯性を強化しました。

トヨタ車はエンジンが故障しにくく、ボディが頑丈で燃費面でも優れているため海外市場でも人気が高く、国内の盗難車ランキングでも上位を占めがちです。

特に、キングオブSUVのランドクルーザーや、商用車として圧倒的な人気を誇るハイエースは、盗難被害にあいやすい車として知られています。ハイエースはそうした事情をふまえて盗難防止システムを充実させ、以降は盗難被害件数の抑制につなげてきました。

トヨタの盗難防止システムは抑止力が高い

トヨタの盗難防止システムに組み込まれる「イモビライザーシステム」は、正規キーでのみエンジン始動を可能にします。「オートアラーム」には、盗難警報システムを自動でON・OFFできる機能が備わります。抑止力の高い盗難防止システムを標準搭載することで、防犯性を高めています。

タウンエース バンの安全装備・快適装備・積載性は魅力的

タウンエース バンに受け継がれてきた、万が一の事故に備える予防安全装備や、ドライバーにうれしい快適装備の特徴を紹介します。

タウンエース バンの安全装備

タウンエース バンは、衝突時のダメージを軽減する「プリテンショナー&フォースリミッター機構付シートベルト」を運転席と助手席に装備します。また、衝突エネルギーをボディ全体に分散する構造を採用するなどして、コンパクトクラスではトップレベルの衝突安全性能を実現しています。

タウンエース バンの快適装備

タウンエース バンは、「リクライニング」「スライド」機能を運転席と助手席に備えます。

これらの機能を使えばシートポジションを細かく調整でき、体型に合ったベストな位置に座ることができます。

乗り降りを補助するアシストグリップ

フロントピラーにはアシストグリップを備え、フラットで広い足もとスペースやパネルシフトなどとあわせて、助手席からの乗り降りもスムーズに行えます。

タウンエース バンの積載力は折りたたみシートによってアップ

タウンエース バンのバックドア開口部は、ワイド設計・スクエア構造を採用し、荷物の積みやすさをサポートします。

底面地上高は、荷物の積み下ろしがしやすい585mm設定です。床面を低く、荷室高を大きくとる設計により、背の高い家具などでも楽に積み込めます。

後方のスペースが限られている場面でも、大きく開く両側スライドドアから荷物を室内へ積み込めます。

リヤシートを跳ね上げて荷室にすることも可能

3人掛けリヤシートは使い勝手がよく、簡単な操作で荷室を広げられます。

タウンエース トラックは抜群の積載力が魅力(現在は生産休止中)

以下で紹介するタウンエース トラックは、前述のとおり2024年の型式指定取消以降は生産休止中で、2026年時点では新車販売が行われていません。ここでは従来モデルの特徴を紹介します。

ビールケース60個を積載できる荷台

タウンエース トラックは、使いやすさを第一に考え、荷台はスクエア構造・低床フロア設計を採用していました。最大積載量は2WDで800kg、4WDで750kgです。荷台にはビールケースなら最大60個を積載できます。

デッキ部にはサビや腐食に強い亜鉛メッキ鋼板を用い、優れた防錆性能を確保していました。そのため、濡れた荷物でも安心して積み込めます。

ロープフックで固定すれば滑りやすい荷物も安全に運べる

荷物を安定して積めるようアオリを高く設定しているのも、タウンエース トラックの特徴でした。計20個のロープフックを使えば、ダンボール箱のような滑りやすい荷物もしっかり固定して運べます。

タウンエースとライトエースは販売店の異なる兄弟車だった

ライトエースとタウンエースは、ボディサイズや搭載エンジンなどのスペック、販売価格を同一とする兄弟車です。

1976年に販売を開始したタウンエースは、カローラの部品を用いて開発された経緯からカローラ店で扱われ、一方のライトエースは差別化のためネッツ店(旧オート店・ビスタ店系)で扱われていました。もっとも、トヨタは2020年5月に全国の販売店を全車種併売化しており、現在はどのトヨタ販売店でも取り扱いが可能で、かつてのチャネル区分は解消されています。

商用車や車中泊車として人気のタウンエースのモデルチェンジ遍歴

タウンエースはトヨタが販売する、ライトエースの上級車種として誕生したワンボックスの商用車・ミニバン・小型トラックです。

タウンエース 初代 R10系(1976年~1982年)

1976年10月、1,200ccで3人乗り、1,600ccで6人乗りのバンと、1,600ccで8人乗りのワゴンを発表しました。当初はライトエースの上級モデルと位置付けられていました。
1978年10月、ワゴン系のレジャー需要の高まりを受け、足回りを見直して操縦安定性を向上。ワゴン系の最上級グレード「カスタムエクストラ」やトラックモデルも追加されました。

1979年10月にマイナーチェンジを実施し、見映えを高めてカジュアル色を強め、快適性も向上。ワゴン系の「カスタムエクストラ」を「スーパーエクストラ」に改称し、1,600ccのバンには上級グレード「ハイデラックス」を追加。遅れてトラックのマイナーチェンジも行われました。

1980年12月、競合との差別化のためマイナーチェンジで高級化。ワゴン系は外観の見映えを高め、最上級グレード「グランドエクストラ」を追加し、備え付けのクールボックスや電動サンルーフなどを装備しました。
1982年2月、一部変更で簡易ベッドを備えた「キャニオンパッケージ」を追加しました。

タウンエース 2代目 R20/30系(1982年~1999年)

1982年11月、フルモデルチェンジでエッジの効いたスタイルとなり、装備もより高級になりました。グレードは「ロイヤルラウンジ」「グランドエクストラ」「スーパーエクストラ」「カスタム」「キャニオン」「GL」「デラックス」「スタンダード」のラインナップ。
1983年5月、一部変更でワゴンにディーゼルエンジンと2,000ccガソリンエンジン搭載車を追加。
1984年8月の一部改良では「スーパーエクストラ」以上にバンパーの大型化を施し、AT車をディーゼルにも追加しました。

1985年8月、マイナーチェンジでスカイライトルーフを新設定。「グランドエクストラ」を廃止し、バンの1年車検を避けるべく内外装がバン並みの乗用登録「SW」を追加。2C-T型ターボディーゼルも設定しました。10月にはパートタイム4WDを追加。

1986年8月、一部改良で合わせガラスを標準採用するとともに、誕生10周年記念車「スーパーエクストラ ホワイトリミテッド」を追加。10月にはタウンエース トラックを新型に刷新。1988年8月にもマイナーチェンジを実施しました。

1992年1月、ワゴンとバンでビッグマイナーチェンジを行い内外装を大きく変更。フラットフロアのジャストローを設定し、バンはすべてフロアシフトとなりました。ワゴン最上級に「ロイヤルラウンジリミテッド」を追加し、二段ベッド付きの「シャルム」も新設定しました。

1995年8月、一部改良とともに誕生20周年記念車「スーパーエクストラリミテッド」を発売。
1996年10月、ワゴンとバンがモデルチェンジのため販売を終了。トラックはマイナーチェンジが行われました。

タウンエース 3代目 R40/50系(1996年~2008年)

1996年10月、3代目となり、ワゴンは「タウンエース・ノア」となりました。ワゴンのグレードは「ロイヤルラウンジ」「スーパーエクストラ」「フィールドツアラー」「ロードツアラー」「LD」「SW」、バンは「LD」「DX」「GL」「SUPER」、トラックは「DX」「DX-x」のラインナップです。

1998年1月の一部改良で装備を充実。12月にはマイナーチェンジでボディカラーを整理し、「ロイヤルラウンジ」のスタンダードルーフを廃止しました。
1999年6月にはバンがマイナーチェンジ、トラックがフルモデルチェンジ。
2001年10月、「タウンエース・ノア」の製造を中止。11月に販売を終え、「ノア」として独立しました。
2004年8月、ディーゼル車の生産を終了し、翌2005年には法改正にともなう小変更を実施。
2007年8月、バン・トラックともフルモデルチェンジのため販売を終了しました。

タウンエース 4代目 S40#/41#系(2008年~)

2008年2月、フルモデルチェンジで4代目に。インドネシアのダイハツで生産される「グランマックス」の逆輸入車となりました。グレードはバンが「DX」「GL」、トラックが「DX」「DX-Xエディション」のラインナップ。
2010年7月の一部改良で4WDを設定し、寒冷地仕様を標準化。
2012年4月と2014年4月の一部改良で燃費性能と快適性を向上。2015年6月にはトラックの一部改良で安全装備を強化しました。
2020年6月、マイナーチェンジを実施。安全装備を拡充し、エンジンを新開発の1.5L 2NR-VE型に変更、燃費性能も向上しました。
2023年12月、生産元ダイハツの認証不正発覚により出荷停止。2024年1月、トラックが型式指定取消となって生産休止、バンは出荷停止が解除され、同年2月に生産を再開しました。2025年6月には、バンが最新法規に対応する改良を受け、価格改定のうえ再発売されています。トラックは2026年時点でも生産休止が続いています。

タウンエースのモデルチェンジ遍歴
タウンエースのモデル 販売年表
初代 R10系 1976年~1982年
2代目 R20/30系 1982年~1999年
3代目 R40/50系 1996年~2008年
4代目 S40#/41#系 2008年~(トラックは2024年以降生産休止)

認証不正を乗り越え、タウンエースはバンを中心に実用車としての歩みを続ける

タウンエースや兄弟車のライトエースは、コンパクトな設計ながら広い荷室・荷台とゆとりあるキャビンを備え、入り組んだ住宅街もスイスイと走れる機動性を持つ実用的な商用車です。

その実用性の高さゆえにリセールバリューも高く、かつては盗難被害の標的になりやすいという側面もありました。2018年の一部改良では盗難防止システムを全車標準装備し、2020年のマイナーチェンジでは安全装備を拡充、新開発の1.5Lエンジンで走行性能も引き上げられています。

その後、生産元であるダイハツの認証不正という大きな試練に直面し、トラックは型式指定取消で生産休止、バンも一時生産を止めました。しかしバンは2025年6月に最新法規へ対応して再発売され、再び市場に戻っています。発売から40年以上を数えるロングセラーとして、タウンエースは形を変えながらも、ビジネスや日常のシーンを支え続けています。