シエンタの維持費

シエンタの維持費 自動車税・保険料・燃料費から年間コストを算出

シエンタの維持費の概算値は年間で約41万円。法律によって支払い額が定められている自動車税、走行距離は1万kmなどのように諸条件設定をして、算出した燃料代や任意保険料がその内訳。軽自動車と比較した場合、シエンタの維持費はどのくらい高いのかという計算も。

シエンタの維持費は年間いくら?ガソリン車の2列シート「FUNBASE」と3列シートで徹底比較

トヨタのミニバン「シエンタ」は、これまで利用していた軽自動車から、もっと沢山の人数が乗車できる普通車へと乗り換える際の選択肢として、多くの方が購入を考える車です。

カラフルなボディカラー、スタイリッシュなエクステリア、シートバリエーションの豊富さによって乗車するする全ての人の快適性を追求している「シエンタ」は、家族や仲間たちとのドライブを楽しめる車です。そんな、ファミリーカーの定番である「シエンタ」は、2018年9月に実施したマイナーチェンジで、2列シート車「FUNBASE X」と「FUNBASE G」を新設定しました。

ここでは、2列シート車(FUNBASE)と3列シート車の年間維持費の概算値を求めて、シエンタのグレード選びのサポートを行います。

シエンタのスペック情報

シエンタは2018年9月に実施したマイナーチェンジによって、ツートンカラーを新設定して、一部グレードでは搭載する運転サポートシステム「プリクラッシュセーフティ」を、昼間の歩行者にも作動するよう商品力を強化しました。

そんな家族で安心して乗車できるミニバン「シエンタ」の年間維持費を、ガソリン車の3列シートのグレード「X」と、2列シートのグレード「FUNBASE X」をモデルケースとして求めます。

シエンタ グレード「X」「FUNBASE X」のスペック
グレード X(ガソリン車) FUNBASE X(ガソリン車)
全長 4,260mm
全幅 1,695mm
全高 1,675mm
ホイールベース 2,750mm
タイヤサイズ 185/60R15
最小回転半径 5.2m
乗車定員 7名(6名) 5名
車両重量 1,320kg(1,380kg) 1,320kg
エンジン 2NR‐FKE 直列4気筒 2NR‐FKE 直列4気筒
総排気量 1.496L 1.496L
燃料 無鉛レギュラーガソリン 無鉛レギュラーガソリン
燃費(JC08) 20.2km/L(15.4km/L) 20.2km/L
車両価格 1,816,560円(1,958,040円) 1,776,600円

※()内は4WD

2018年9月に実施したマイナーチェンジでは、ガソリン車とハイブリッド車ともに、サーフボードや自転車などの大きいサイズの荷物を室内に積載可能とする、2列シートモデルの「FUNBASE」を新設定しました。

シエンタの年間維持費~3列シートのガソリン車(4WD)は約45万円、2列シートのガソリン車「FUNBASE X」は約41万円

シエンタの年間維持費を自動車税などのように法律によって支払い額が定められている法定費用と、駐車場代のように各個人の住環境等の理由によって、その額が変動する諸項目を内訳として概算した結果。

燃費等を同一とする3列シートのガソリン車(2WD)と、2列シートのガソリン車「FUNBASE」は約41万円、3列シートのガソリン車(4WD)は約45万円となりました。

3列シート・グレード「X」と2列シート「FUNBASE X」の年間維持費(概算値)の比較表
グレード X FUNBASE X
自動車税 34,500円 34,500円
燃料代 90,045円 (117,885円) 90,045円
駐車場代 120,000円 120,000円
車検代 34,593円 34,593円
任意保険料 92,600円 (95,200円) 92,600円
諸経費 43,000円 43,000円
合計金額 414,738円(445,178円) 414,738円

※()内は4WD

総排気量1.496Lエンジンを搭載するシエンタの自動車税は34,500円

毎年4月頃になると納税通知書が自宅に送られてきて、支払い義務の伴う自動車税は搭載するエンジンの総排気量に応じて負担額が定められています。

総排気量が1.496Lの直列4気筒エンジンを搭載するシエンタの場合、1L超~1.5L以下の適用区分に該当するため、期日中までに支払う支払うべき自動車税は34,500円となります。

2019年10月以前に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額 税額(13年超)
自家用車 1.0L以下 29,500円 33,900円
1.0L超~1.5L以下 34,500円 39,600円
1.5L超~2.0L以下 39,500円 45,400円
2.0L超~2.5L以下 45,000円 51,700円
2.5L超~3.0L以下 51,000円 58,600円
3.0L超~3.5L以下 58,000円 66,700円
3.5L超~4.0L以下 66,500円 76,400円
4.0L超~4.5L以下 76,500円 87,900円
4.5L超~6.0L以下 88,000円 101,200円
6.0L超~ 111,000円 127,600円
2019年10月以降に初回新規登録を受けた場合の自動車税
車の分類 総排気量 税額
自家用車 1.0L以下 25,000円
1.0L超~1.5L以下 30,500円
1.5L超~2.0L以下 36,000円
2.0L超~2.5L以下 43,500円
2.5L超~3.0L以下 50,000円
3.0L超~3.5L以下 57,000円
3.5L超~4.0L以下 65,500円
4.0L超~4.5L以下 75,500円
4.5L超~6.0L以下 87,000円
6.0L超~ 110,000円

年間走行距離は1万km等の諸条件設定した場合~シエンタの燃料代はFUNBASEで約9万円、3列シート(4WD)で約11万円かかると概算

1年間にかかる燃料代は、搭載しているパワーユニットの性能、道路事情などによっても変化しますが「年間走行距離」「燃料価格」「燃費」といった3つの数値が求まれば、概算する事ができます。

年間走行距離の目安

  • 通勤・通学(往復30km×120日×=3,600km)
  • 週1度のお買い物(往復30km×52週=1,560km)
  • 月1度のレジャー(往復400km×12回=4,800km)

3,600km+1,560km+4,800km=9,960km

年間にかかる燃料代を概算するにあたって、モデルケースとして上記のようにシエンタを通勤やプライベートで利用しているオーナーを想定します。年間走行距離は、計算のしやすさも考慮して端数を切り上げて10,000kmと設定します。

年間走行距離(10,000km)をシエンタの燃費で割って求めた、「年間燃料消費量」にガソリン価格を掛ければ1年間にかかる燃料代は導けます。

シエンタの1年間にかかる燃料代の概算値
2WD(FF) 4WD
年間燃料消費量 10,000km÷16.1km/L=621L 10,000km÷12.3km/L=813L
1年間にかかる燃料代 621L×145(円/L)=90,045円 813L×145(円/L)=117,885円

※概算値を実費へと近づけるため、JC08モードの実燃費をカタログ値の8割に設定。2WD(3列シートFF・FUNBASE)の燃費は16.1km/L、3列シート4WDは12.3km/Lとする
2WD:20.2km/L×0.8=16.1km/L
4WD:15.4km/L×0.8=12.3km/L
※ガソリン代は145円に設定

上記のように任意に数値を設定してシエンタの年間燃料代を求めた結果、2WD車(3列シートFF・FUNBASE) の概算値は90,045円、3列シート4WD車は117,885円となりました。

月極駐車場代を全国相場の1万円と設定した場合の1年間にかかる駐車場代は12万円

ここでは、月極駐車場代を全国の相場価格の10,000円と設定して計算を行います。そうすると、1年間にかかる駐車場代は120,000円となります。

駐車場代はシエンタの年間維持費を求めるにあたって、実費との間で最も誤差が膨らみやすい項目です。自宅に駐車スペースを用意されている方であれば無料であり、月極駐車場を借りている方を比較しても、大都市と地方とでは月換算でも数万円の開きが生じてしまうのが、その理由です。

全国主要都市の月極駐車場の相場

  • 東京(23区)の相場:30,000円
  • 大阪市の相場:25,000円
  • 横浜市の相場:17,000円
  • 名古屋市の相場:11,000円
  • 福岡市の相場:11,000円
  • 札幌市の相場:10,000円
  • 全国の相場:10,000円

シエンタを購入した場合の車検代103,780円(1年換算では34,593円)の内訳

新車を購入した場合には3年後、継続審査を行う場合には2年周期で車検のタイミングがやってきます。車検代は、支払い金額が予め法律によって決められている法定費用と、作業を依頼する場所によって金額が変化する代行手数料・整備費用を合算すれば、その額が算出されます。

シエンタのガソリン車(新車)を購入した際の法定費用
自賠責保険 36,780円
重量税 36,900円
印紙代 1,100円
合計 73,780円

作業を依頼する場所によって異なる代行手数料・整備費用を3 万円と設定すれば、その額に法定費用と加えた車検代の概算値は103,780円(1年換算では34,593円)となります。

シエンタを購入した場合の自賠責保険料は36,780円(離島・沖縄は除く)

シエンタを新車で購入した場合には、自賠責保険の加入期間は37ヵ月が適用されるため、その負担額は36,780円となります。自賠責保険は、事故被害者を救済するという観点から法律によって加入義務が定められています。

2017年4月1日以降、2020年3月31日以前の自賠責保険料
車種普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
36,780円 35,950円 26,680円 25,830円 16,380円 15,520円 5,870円
2023年4月1日以降の自賠責保険料
車種普通自動車 保険期間
37ヵ月 36ヵ月 25ヵ月 24ヵ月 13ヵ月 12ヵ月 1ヵ月
24,190円 23,690円 18,160円 17,650円 12,010円 11,500円 5,740円

※新車を購入した場合は、自賠責保険は37ヶ月加入となります。

シエンタを購入した場合の重量税は36,900円(エコカー減税の対象とはしない場合)

シエンタはエコカー減税の対象車であるため、一定期間内までに新車登録を行えば「重量税」には本則税率が適用されて、ハイブリッド車であれば全額が免除されて、ガソリン車であれば25%が割引かれます。

同制度は恒常的な優遇制度ではないため、ここでは重量税は36,900円(車検の有効期間は3年)とします。

自動車重量税 車検の有効期間(3年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 12,300円 7,500円 5,600円 3,700円
~1,000kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~1,500kg以下 36,900円 22,500円 16,800円 11,200円
~2,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円
~2,500kg以下 61,500円 37,500円 28,100円 18,700円
~3,000kg以下 73,800円 45,000円 33,700円 22,500円
自動車重量税 車検の有効期間(2年)
エコカー外 エコカー
車両重量/税率 減税無し 本則税率 25%減税 50%減税
~500kg以下 8,200円 5,000円 3,700円 2,500円
~1,000kg以下 16,400円 10,000円 7,500円 5,000円
~1,500kg以下 24,600円 15,000円 11,200円 7,500円
~2,000kg以下 32,800円 20,000円 15,000円 10,000円
~2,500kg以下 41,000円 25,000円 18,700円 12,500円
~3,000kg以下 49,200円 30,000円 22,500円 15,000円

※車を登録してから、13年、18年が経過すると、重量税が加算されます。
※エコカー減免制度が適用される車であれば、税額が免除、及び一定割合減免されます。

車検を指定工場に依頼した場合の印紙代は1,100円

印紙代には車検の適合性を国に認定してもらう際にかかる手数料等が含まれます。法定費用の一種である印紙代は、指定工場あるいは認定工場に依頼するかによって、その金額が変化します。

車検を自社で完結できる設備を備える指定工場に依頼した場合の「印紙代」は車種にかかわらず一律で1,100円です。一方の認証工場に依頼した場合は、5ナンバーでれば1,700円、3ナンバーの車両であれば1,800円、軽自動車であれば1,400円となります。

指定工場 1100円(一律)
認定工場 軽自動車:1,400円
5ナンバー:1,700円
3ナンバー:1,800円

ゴールド免許保有・車両保険はつける等の条件設定で見積もったシエンタの任意保険料は約9万円

強制加入義務はありませんが、自賠責保険では対応できない万が一のケースに備えるために、ほとんどのドライバーが加入しているのが任意保険です。

「任意保険」は加入する保険の種類、車種・ドライバーが属する等級などによって保険額を算出します。シエンタの任意保険料を見積もりするにあたって、下記のような条件を設定してシミュレーションを行います。

ドライバーの設定

  • 年齢30歳以上
  • 年間走行距離11,000km以下
  • 対人賠償は無制限
  • 対物賠償は無制限
  • 12等級>
  • ゴールド免許保有

※()内の数値は、車両保険なしの金額

シエンタ任意保険料の概算値

  • 3列シート・2WD:92,600 円(39,200円)
  • 3列シート・4WD:95,200 円(41,800円)
  • FUNBASE:92,600 円(39,200円)

その結果、3列シートの2WDとFUNBASEの任意保険料は92,600円、3列シートの4WDは95,200円と見積もることが出来ました。

シエンタの状態を維持するために必要となる諸経費は1年間で43,000円と見積もられる

諸経費の内訳は、新品タイヤの購入代とオイル・エレメント交換費用とします。車の動作状態を維持するためには、タイヤ等の消耗品や、劣化すると故障の要因ともなるオイルを定期的に交換する必要があります。

シエンタの1年間にかかる諸経費の目安
タイヤ購入代(年換算) 35,000円
オイル・エレメント交換 8,000円
諸経費合計 43,000円
シエンタに装着可能な夏用・冬用のタイヤを4年後に購入した場合、1年間の積立金は35,000円であると概算

シエンタの3列シート車と2列シートであるFUNBASEがともに標準装備するタイヤサイズは「185/60R15」です。路面に動力を伝える際に摩擦等の影響を受けて表面などがダメージを受けるタイヤは、バースト等のトラブルを避けるため定期的に交換する必要があります。

ここでは、新品タイヤへと交換する時期を4年後と設定して考えます。シエンタに装着可能なサマータイヤは、ダンロップの低燃費タイヤ「ENASAVE EC204」を購入した場合を想定します。その安値相場は4本セットで57,000円です。

スタッドレスタイヤは、雪国での支持率の高いブリヂストンの「BLIZZAK VRX2」を購入した場合を想定します。その安値相場は4本セットで83,000円です。

タイヤサイズ 185/60R15
夏タイヤ 57,000円
冬タイヤ 83,000円
合計金額 140,000円
年間換算 35,000円

サマータイヤはダンロップの「ENASAVE EC204」を、スタッドレスタイヤはブリヂストンの「BLIZZAK VRX2」を購入した場合の概算額は140,000円です。その額を用いれば1年間の積立金額は35,000円であると判断できます。

エンジンの状態を維持するのに必要なオイル・エレメント交換の費用は年間8,000円

シエンタの製造・販売を行うトヨタは、エンジンオイルの交換はターボ車でなければ1年単位で行うべきであると推奨しています。また、エンジンオイルに混じっている不純物を綺麗に除去する役割を果たすパーツであるエレメントの交換も、年に1回ほど行うべきであると呼びかけています。

シエンタのオイル・エレメント交換費用(概算値)

  • オイル交換:5,000円(年1回)
  • エレメント交換:2,000円(年1回)
  • 作業工賃:1,000円

合計金額:8,000円

※オイル・エレメント交換費用はディーラーやスタンドなどの依頼場所によっても異なりますが、その金額は「シエンタ」クラスの相場である5,000円と2,000円と設定します。

ファミリーカーとして人気の「シエンタ」と軽自動車の年間維持費の差は約8万円

軽自動車の年間維持費は、ワゴンRを購入した場合をモデルケースとして、年間走行距離は1万km・月極駐車場代は1万円など、シエンタの維持費を求めるにあたって設定した値と近い条件の下で計算したところ、約33万円と見積もる事ができました。

その値と、今回求めたガソリン車の3列シート(2WD)と2列シートのFUNBASEの年間維持費の概算値の差は約8万円です。

シエンタの年間維持費は軽自動車と比較した場合には約8万円高いという事も踏まえつつ、2列シートや3列シートのどちらに魅力を感じるかも考慮して、ご自身のライフプランに適したグレードを購入しましょう。