トヨタ シエンタ vs ホンダ フリード 徹底比較!
国産コンパクトミニバン市場で人気を二分するトヨタのシエンタとホンダのフリード。両モデルは発売以来、販売台数でしのぎを削るライバル関係にあります。
かつてはフリードが販売台数で優位に立っていましたが、2015年のシエンタのフルモデルチェンジ以降、シエンタが大ヒットを記録し、フリードを大きく上回る結果となりました。
現在、コンパクトミニバン市場は事実上この2車種の一騎打ち。購入を検討する際に「どちらを選ぶべきか」で迷う方も多いでしょう。ここでは、ボディサイズ・価格・外観(エクステリア)・内装(インテリア)など、両車の違いを項目別に比較していきます。
価格と基本スペックで比較:シエンタ vs フリード
シエンタとフリードは、ともにガソリンモデルとハイブリッドモデルをラインナップ。また、シエンタは2018年のマイナーチェンジで2列シートの5人乗り「FUNBASE」も登場しましたが、今回は比較対象として3列シートの7人乗りモデルに絞って解説します。
ボディサイズ・乗車定員・燃費性能・価格帯など、両モデルの基本的な違いを以下で詳しく見ていきましょう。
シエンタ(FF) ガソリンモデル |
フリード(FF) ガソリンモデル |
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全長 | 4,235mm | 4,265mm |
全幅 | 1,695mm | 1,695mm |
全高 | 1,675mm | 1,710mm |
室内長 | 2,535mm | 3,045mm |
室内幅 | 1,470mm | 1,455mm |
室内高 | 1,280mm | 1,285mm |
総排気量 | 1.496L | 1.496L |
車両重量 | 1,320kg | 1,340kg |
ホイールベース | 2,750mm | 2,740mm |
最低地上高 | 145mm | 135mm |
最小回転半径 | 5.2m | 5.2m |
乗車定員 | 7名 | 6名 |
ボディカラー | 全13色 | 全8色 |
燃費 | 20.6km/L | 19.0km/L |
価格 | 1,689,709円~ | 1,880,000円~ |
シエンタとフリードのガゾリンモデルのエントリーグレードの諸元を紹介しました。燃費性能はシエンタが20.6km/L、フリードが19.0km/Lと1.6km/Lの差でシエンタが優勢となっています。また価格面でもシエンタが190,291円安くなっています。
ボディカラーのバリエーションの数もシエンタに軍配が上がっています。室内の広さ両車種ともあまり変わりはありません。
シエンタ(FF) ハイブリッドモデル |
フリード(FF) ハイブリッドモデル |
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---|---|---|
全長 | 4,235mm | 4,265mm |
全幅 | 1,695mm | 1,695mm |
全高 | 1,675mm | 1,710mm |
室内長 | 2,535mm | 3,045mm |
室内幅 | 1,470mm | 1,455mm |
室内高 | 1,280mm | 1,285mm |
総排気量 | 1.496L | 1.496L |
車両重量 | 1,380kg | 1,400kg |
ホイールベース | 2,750mm | 2,740mm |
最低地上高 | 145mm | 135mm |
最小回転半径 | 5.2m | 5.2m |
乗車定員 | 7名 | 6名 |
ボディカラー | 全13色 | 全8色 |
燃費 | 28.8km/L | 27.2km/L |
価格 | 2,226,960円~ | 2,256,000円~ |
ハイブリッドモデルはシエンタとフリードの両車種ともボディサイズに変更がありませんが、ハイブリッドモーター積んでいる分の重量がやや重くなっています。
価格差はシエンタが29,040円安くなっていて、燃費性能は両車種とも27.2km/Lという優秀な数字となっています。
フリードのベースグレードには6人乗りモデルしかない
シエンタとフリードの諸元から注目する点は、フリードのベースグレードには6人乗りモデルがなく、7人乗りモデルを選択する場合はグレードを上げる必要があることです。
ガソリンモデルの場合、FF駆動のGグレードが2,001,600円からなので7人乗りを選ぶ場合のシエンタとの価格差は311,891円と大きく開いてしまいます。
比較ポイント | フリードのベースグレードは6人乗りのみで、7人乗りを選ぶには上位グレードにする必要がある |
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シエンタとの違い | シエンタは7人乗りをベースから選べるが、フリードではグレードアップが必須となる |
価格差 | ガソリンモデルのFF駆動・Gグレードは2,001,600円からで、シエンタと比べると7人乗りでは311,891円高くなる |
影響 | ファミリー用途で7人乗りを希望する場合、フリードはシエンタよりも割高になるため、購入時のコスト負担が増える |
フリードはハイブリッドモデルに4WD設定がある
ここまで比較するとシエンタが圧倒的有利に感じますが、フリードにはシエンタにない魅力があります。それが「ハイブリッドの4WD」設定です。
フリードの4WD駆動車の燃費は25.2km/LとなりFF駆動車と比較すると2km/Lとわずかな差となっています。
この燃費の差以上に4WD駆動には多大な恩恵があります。
高速航行の安定性や雨の日などの濡れた路面では効果をはっきりと感じることができます。また雪が積もる地方にお住まいの方や、ウインタースポーツを楽しむ方には是非4WD駆動車を選びたいところでしょう。
特徴 | フリードにはシエンタにない「ハイブリッド4WD」設定が用意されている |
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燃費性能 | 4WD駆動車は25.2km/Lで、FF駆動との差はわずか2km/Lと小さい |
走行安定性 | 高速走行時の安定感が高まり、長距離移動でも安心して運転できる |
悪路・天候対応 | 雨天時の濡れた路面や雪道でも効果が大きく、安全性が向上する |
利用者メリット | 積雪地に住む人やウインタースポーツを楽しむユーザーには特に適している |
シエンタは個性的でフリードは軽快なエクステリア
シエンタはフロントとリアに大きな樹脂パーツが配置されボディのアクセントとなっています。さらに後席にも同様のパーツが配置されていてサイドビューを惹き立てます。
ミニバンらしからぬ個性的なエクステリアはシエンタの大きな特徴となっています。
対してフリードはセンターから鋭く切れ上がったシャープなフロントマスクを持ち、全体的に流れる立体的なフォルムとなっています。ホンダらしいキビキビした軽快な走りを予感させるエクステリアが特徴です。
シエンタのデザイン特徴 | フロントとリアに大きな樹脂パーツを配置し、後席サイドにもアクセントを加えることで個性的な外観を演出している |
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シエンタの印象 | ミニバンらしさを感じさせない独自性が強く、街中でも目を引くスタイルとなっている |
フリードのデザイン特徴 | センターから鋭く切れ上がるシャープなフロントマスクと流れるような立体的フォルムが採用されている |
フリードの印象 | ホンダらしい軽快さを予感させるスポーティで躍動感のあるデザインが魅力となっている |
比較ポイント | シエンタは個性を重視した遊び心のあるデザイン、フリードは走りのイメージを強調したシャープさが際立つ |
シエンタは上品でフリードはアクティブなインテリア
シエンタの内装色はブルーブラック、ダークブラウン、フロマージュ3種類の組み合わせとなっています。コクピットのステッチがアクセントなり落ち着いた雰囲気となっています。男女問わず、幅広い年齢のユーザーに支持されるのが納得できる上質な空間です。
フリードの内装色はモカ、ブラック、ベージュの3種類の組み合わせとなっています。背面から座面へと流れる編み込みがスポーツシートのように見えアクティブな印象を与えます。
フリードは使い勝手が工夫された丁寧な作りのインテリアとなっています。
シエンタの内装色 | ブルーブラック、ダークブラウン、フロマージュの3種類が用意され、落ち着いた雰囲気を演出している |
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シエンタの印象 | コクピットのステッチがアクセントとなり、上品で幅広い年齢層に支持される空間となっている |
フリードの内装色 | モカ、ブラック、ベージュの3種類が設定され、スポーティかつアクティブな印象を与える |
フリードの特徴 | 背面から座面へと流れる編み込みがスポーツシート風で、丁寧に作られた実用性の高い内装となっている |
比較ポイント | シエンタは上質で落ち着いた空間、フリードはアクティブさと機能性を強調した内装デザインが際立つ |
シエンタとフリードのラゲージ開口部の違い
シエンタもフリードもミニバンらしい広大なラゲージスペースをもっています。3列シートを普段使わない方は折りたたむことで家族旅行やレジャーなどで大活躍すること間違いありません。
両車種のラゲージスペースの広さを確認しましょう。
シエンタ | フリード | |
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開口部幅 | 1260mm | 1080mm |
開口部高 | 1040mm | 1110mm |
開口部地上高 | 505mm | 480mm |
シエンタのラゲージ開口部
フリードのラゲージ開口部
シエンタの開口部の幅はフリードよりも180mm長いですが、その反面フリードは開口部の高さが70mm、地上高は25m低くなっています。
特に荷物の積み下ろしをする場合、地上高の高さで負担が大きく違います。フリードはシエンタより地上高が低い分、荷物の積み下ろし作業が楽ということになります。
シートアレンジ両車種とも3種類
ファミリーカーとして使う機会が多い場合に重要になるのがシートアレンジです。
シエンタの場合はフラットラゲージモード、ハーフラゲージモード、ゆったり2列+荷室モードの3種類のシートアレンジができます。さらに後席にいくほどヒップポイントが高くなるシアターレイアウトを装備しているため、見晴らしの良い後方視界を確保しています。
フリードのシートアレンジも1列目・2列目アレンジモード、2列目・3列目アレンジモード、2名乗車+最大ラゲッジモードの3種類のシートアレンジが搭載されています。
フリードにはシエンタにはない、2列目が左右独立したキャプテンシートを選ぶことができるのも特徴です。
シエンタのシートアレンジ | フラットラゲージモード、ハーフラゲージモード、ゆったり2列+荷室モードの3種類が可能 |
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シエンタの特徴 | 後席にいくほどヒップポイントが高くなるシアターレイアウトを採用し、見晴らしの良い後方視界を確保している |
フリードのシートアレンジ | 1列目・2列目アレンジモード、2列目・3列目アレンジモード、2名乗車+最大ラゲッジモードの3種類が用意されている |
フリードの特徴 | 2列目に左右独立したキャプテンシートを選択でき、快適性と利便性が高い |
比較ポイント | シエンタは視界と使いやすさを重視、フリードはシート構成の自由度と快適性を重視している |
使い方を考えどちらの車にするか選択
シエンタとフリードを徹底比較してみた結果、価格面、室内の広さなどはシエンタのほうが優秀となっています。
しかしフリードには2列目に乗車する方が快適に過ごすことができるキャプテンシートの設定などもあり、より快適にドライブできる工夫がされています。
さらに2017年から2018年にかけたマイナーチェンジの噂も出てきています。
販売台数でもシエンタに離されてしまった、元祖コンパクトミニバンであるフリードの逆襲はあるのか注目しましょう。