ディアスワゴンは販売終了 現在は「ディアス」がサンバーバンの最上級グレードとして存続
スバルの軽ワンボックス「ディアスワゴン」は、ベース車であるダイハツ・アトレーワゴンの生産終了にともない、2021年をもって姿を消しました。2022年1月に登場した新型サンバーバンからは、アトレーが4ナンバー(商用)へ移行した関係で、5ナンバー乗用ワゴンとしてのディアスワゴンは設定されていません。
ただし「ディアス」という名前が消えたわけではありません。現在はサンバーバンの最上級グレード名として復活し、両側パワースライドドアや全車速追従機能付ACCなどを備えた乗用ライクな仕様として販売されています。2026年6月11日にも一部改良を受けており、実質的な後継はこの「サンバーバン ディアス」だと考えて差し支えありません。
まずは現在の姿と最新の改良内容を確認したうえで、記事の主題である2017年11月13日のマイナーチェンジについて振り返っていきます。
5ナンバーのディアスワゴンが復活する可能性は低い
結論から言えば、ディアスワゴンが5ナンバー乗用ワゴンとして復活する可能性は低いと見ています(メーカーの公式見解ではなく、当サイトの見立てです)。
根拠は3点あります。ひとつ目は、ディアスワゴンはダイハツからのOEM供給車であり、ベースであるアトレーワゴンが2021年に4ナンバーのアトレーへ切り替わったこと。供給元に乗用ワゴンが存在しない以上、スバル側だけで設定を復活させることはできません。
ふたつ目は、その4ナンバー化がダイハツの明確な商品戦略であることです。軽商用登録は自動車税が安く、車中泊やレジャー用途との相性も良いため、アトレーは「遊べる商用車」として立ち位置を変えました。ディアスもこの流れに乗り、バンの上級グレードとして機能を引き継いでいます。
3つ目は、軽乗用ワゴンの需要がスーパーハイトワゴン(ダイハツならタントなど)に吸収されていること。ワンボックス型の5ナンバー軽ワゴンというカテゴリー自体が、市場からほぼ消えました。
つまり、乗用ユースを求める人にとっての受け皿は、すでに「サンバーバン ディアス」に移っているというのが現状の整理になります。
サンバーバンとディアスが2026年6月11日に一部改良 安全機能と装備を拡充
スバルは2026年6月11日、サンバーバンの一部改良モデルを発表・発売しました。ベースとなるダイハツのハイゼットカーゴおよびアトレーが2026年6月4日に一部仕様変更を受けたことに合わせた改良です。
最大のポイントは予防安全システム「スマートアシスト」の強化で、従来の車両・歩行者検知に加え、横断中の自転車の検知に対応。さらに交差点シーンでは、右折時に直進してくる対向車や、右左折時に横断する歩行者の検知にも対応しました。配送業務など市街地を走り回る用途を考えると、実利の大きい進化です。
装備面では、一部グレードにスマートフォン連携9インチディスプレイオーディオをメーカーオプションで新設定。最上級グレードの「ディアス」には、スピードメーターとスマートアシストの作動状況を1画面に集約したフルデジタルのアクティブマルチインフォメーションメーターが標準装備されました。
価格はサンバーバンが1,155,000円~1,952,500円、ディアスが1,914,000円~2,068,000円です。原材料費や物流費の高騰を反映し、エントリーのVB(5MT・FR)で55,000円、ディアスでは99,000円の値上げとなりました。かつてのディアスワゴンが156万円台から買えたことを思えば、価格帯は大きく上振れしています。
2024年11月7日の一部改良で安全装備を強化 価格改定も実施
スバルは2024年11月7日にもサンバーバンの一部改良を実施しています。「VB」「トランスポーター」には側面衝突時の乗員保護を目的としたサイドピラーガーニッシュを追加。あわせてバックソナーの追加など、最新法規への対応が図られました。
同時に価格改定も行われ、上げ幅はグレードにより55,000円~88,000円。「VC」「VCターボ」が11,000円高、「ディアス」が27,500円高となり、改良後のディアスはCVT・FRが1,815,000円、4WDが1,969,000円という設定でした。
なお、2023年末に表面化したダイハツの認証不正問題では、OEM元であるハイゼットカーゴ/アトレーの出荷が停止し、サンバーバンの供給や価格改定のスケジュールにも影響が出ています。この改良は、その混乱が収束したあとに実施されたものです。
2022年1月13日の世代交代でディアスワゴンは消滅 ディアスはバンの上級グレードへ
スバルは2022年1月13日、サンバーバンとサンバートラックの大幅改良モデルを発表しました。実質的なフルモデルチェンジにあたり、OEM元がダイハツの新型ハイゼットカーゴ/アトレー(2021年12月登場)へ切り替わったタイミングです。
この世代からプラットフォームが刷新され、高剛性化と軽量化を実現。荷室上部のボディをスクエア化して容量を拡大したほか、新開発のFR用CVTを採用し、燃費・静粛性・発進加速を向上させました。CVTの4WD車には3モード切り替え式の電子制御4WDを設定しています。安全面ではステレオカメラを刷新したスマートアシストを全車標準装備とし、車線逸脱抑制制御機能、路側逸脱警報機能、アダプティブドライビングビームなどを採用しました。
そして注目が、上級グレードとして設定された「ディアス」です。両側パワースライドドアに加え、全車速追従機能付ACCとレーンキープコントロール、専用の内外装、専用ボディカラーの「オフビートカーキ・メタリック」「レーザーブルークリスタルシャイン」を採用しました。発表時の価格はサンバーバンが1,045,000円~1,881,000円、サンバートラックが968,000円~1,452,000円です。
一方で、ベースのアトレーワゴンが4ナンバーのアトレーへ移行したため、5ナンバー乗用のディアスワゴンはこの世代交代をもって設定が消滅しました。乗用ワゴンとしての名前は失われましたが、その中身は商用登録のバン上級グレードへと形を変えて受け継がれた、というのが実態です。
ディアスワゴンが2017年11月13日にマイナーチェンジした当時の内容
スバルはプレスリリースにてディアスワゴンとともに、サンバーバンのマイナーチェンジを2017年11月13日に発表し、同日に両車を発売しました。
ディアスワゴンとサンバーバンはともにダイハツからのOEM供給を受け、スバルブランドで販売するスタイルをとっていました。このマイナーチェンジも、姉妹車である「ダイハツ・アトレーワゴン」のマイナーチェンジに合わせる形で実施されたものです。
ここからは、2017年11月13日に生まれ変わったディアスワゴンのエクステリアやインテリア、スマートアシストIIIを搭載して安全性能を強化した内容、当時の販売価格を取り上げます。
2019年11月7日の一部改良でスマアシ3搭載グレードにLEDヘッドランプを標準装備
ディアスワゴン 「レーザーブルークリスタルシャイン」のボディカラー
2017年にマイナーチェンジを受けたディアスワゴンは、2019年11月7日に一部改良を実施しました。スマートアシストIII搭載グレードのすべてにLEDヘッドランプが標準装備されています。
また、ボディカラーに「レーザーブルークリスタルシャイン」を追加。消費税10%込みで27,500円高の設定でした。
結果として、これがディアスワゴンにとって最後の商品改良となり、以降は大きなテコ入れを受けないまま2021年に生産を終えています。なお、この「レーザーブルークリスタルシャイン」は、現行サンバーバンのディアス専用色として引き継がれました。
以下は、2017年マイナーチェンジモデルの詳細です。
ディアスワゴンはダイハツ・アトレーワゴンのOEM車だった

ワンボックス型軽自動車のディアスワゴンは、スバルブランドで販売されたOEM車です。もとをたどれば、6代目スバル・サンバーの姉妹車として誕生しました。
2008年4月、スバルはトヨタ・ダイハツとの業務提携を強化し、数年内に軽自動車の自社生産から撤退することを決定します。その合意に基づき、ディアスワゴンは2009年のフルモデルチェンジを機に、ダイハツのアトレーワゴンをベースとしたOEM車へ生まれ変わりました。以後はアトレーワゴンに合わせる形で改良が行われ、そのアトレーワゴンの終了とともに役目を終えることになります。
マイナーチェンジで力強くシャープになったエクステリア

2017年のマイナーチェンジでは、フロントマスクとリヤバンパー周辺のデザインを変更し、従来モデルからイメージを一新しました。とくにフロントマスクは力強さを意識した新デザインで、迫力を高めています。
フロントグリルは台形をあしらったデザインで安定感とダイナミックさを表現。バンパーサイドには交換可能なサイドカバーを採用し、傷ついた際の対応をしやすくしています。ヘッドランプは従来型よりシャープさを強調したスタイルとなりました。
多灯式のLEDヘッドランプとメッキベゼル付きLEDフォグランプを組み合わせた「LEDパック」を装備すると、視認性が高まり夜間走行時の安心感が増します。
リヤバンパーは従来型よりエッジを効かせ、リヤコンビネーションランプにはLEDテール&ストップランプを採用。見栄えがスタイリッシュになるとともに、後続車へのシグナルも強調されました。
室内空間はブラック基調で装備が充実

マイナーチェンジ後の室内空間はブラック基調のデザインを採用し、従来型と比べてイメージが大きく変わりました。インパネのデザインも改良され、マルチインフォメーションディスプレイ付きメーターが採用されています。
グレードRS Limitedには、タコメーター付きルミネセントメーターを搭載し、走らせる楽しさを演出していました。
ちなみに現行のサンバーバン ディアスでは、2026年6月の改良でこのメーターがフルデジタルの「アクティブマルチインフォメーションメーター」へと進化しています。
スマートアシストIIIとVDCを標準装備し安全性を強化
このマイナーチェンジにより、横滑りを抑えて車両を安定させるVDC(ビークルダイナミクスコントロール)が標準装備されました。軽自動車で評価の高い予防安全システムである自動ブレーキやAT誤発進抑制機能などをパッケージした「スマートアシストIII」も標準装備となり、安全性が大きく向上しています。
電動パワステやアイドリングストップを採用し低燃費を実現

マイナーチェンジを受けたディアスワゴンとサンバーバンは、ともに停車時のエネルギーロスを抑えるアイドリングストップと、エンジン出力を使わない電動パワーステアリングを採用し、全グレードで低燃費を実現していました。
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