ハイラックス ブラックラリーエディション

ハイラックス初の特別仕様車ブラックラリーエディション 2018年12月発売、タイの「ロッコ」ベースのスポーツ仕様を解説

ハイラックスのブラックラリーエディションとは?誕生50周年を記念してZをベースに設定され、2018年12月に発売された8代目初の特別仕様車です。タイのスポーツグレード「ロッコ」譲りの装備が特徴。以降の特別仕様車や、8代目の受注停止から2026年の新型ハイラックス投入までの流れも解説します。

ハイラックス ブラックラリーエディションは8代目初の特別仕様車、その後GRスポーツや新型へと世代交代

トヨタのピックアップトラック「ハイラックス」に、誕生50周年を記念した特別仕様車「Z“Black Rally Edition”(ブラックラリーエディション)」が2018年12月17日に発売されました。2017年に日本復活した現行(8代目)ハイラックスにとって初の特別仕様車で、18インチのホワイトレタータイヤやブラック基調の内外装が魅力でした。ここではまず、この特別仕様車が登場して以降の日本のハイラックスがどうなったのかを最新の状況から整理し、そのうえで当時のブラックラリーエディションの内容をじっくり振り返っていきます。

2026年、新型(9代目)ハイラックスが日本で発売。8代目から世代交代へ

ブラックラリーエディションが属した8代目ハイラックスは、2026年に登場した新型(9代目)へとバトンを渡しました。新型は日本で498万800円からとされ、先代からは大幅な値上げとなったものの、動力性能や安全装備が大きく前進しています。ボディは全長5,325mm・全幅1,885mmとひとまわり存在感を増し、日本仕様はディーゼルを軸としつつ、グローバルでは48VマイルドハイブリッドやバッテリーEV、将来的な水素燃料電池車まで見据えたマルチパスウェイ戦略が敷かれています。ブラックラリーエディションのようなスポーティな特別仕様車が新世代でどう用意されるかは、今後の注目点といえます。

8代目ハイラックスは2024年10月に受注停止、生産も休止に

新型へ移る前段として、8代目ハイラックスは2024年10月にディーゼルエンジンの認証手続きを巡る問題などを背景に受注を停止し、その後は生産も休止となりました。これにより新車が事実上手に入りにくい状態がしばらく続き、中古車価格が高止まりする要因にもなりました。ブラックラリーエディションを含む8代目の各グレード・特別仕様車も、この流れのなかで一区切りを迎えています。

ブラックラリー以降の特別仕様車とグレードの歩み(GRスポーツ/一部改良/Revo ROCCO Edition)

ブラックラリーエディション以降も、日本のハイラックスはこまめに手が入れられました。2021年10月8日には一部改良とあわせて、走りと外観を強めた新グレード「Z“GR SPORT”」を追加。全幅1,900mmのワイドボディに専用フロントバンパーやグリル、18インチアルミホイールをまとい、インテリアにはGRロゴ入りの専用スポーツシートを備えました。

2023年9月28日の一部改良では、「Z」にパノラミックビューモニターやバックモニター、ナビ機能付きディスプレイオーディオを標準化し、ボディカラーの「スーパーホワイトII」を「プラチナホワイトパールマイカ」へ置き換えるなど、装備の底上げが図られました。

そして2023年12月22日には、誕生55周年を記念した特別仕様車「Z“Revo ROCCO Edition”」が設定され、2024年5月に発売されました。18インチホワイトレタータイヤとブラック塗装+切削光輝のアルミホイール、専用意匠のラジエーターグリルやバンパー、前後オーバーフェンダー、照明付きデッキバー、ベッドライナーなどを備え、オキサイドブロンズメタリックを含む3色を設定。ブラックラリーエディションの流れをくむアグレッシブな一台として、8代目の締めくくりを飾りました。

ハイラックスに誕生50周年特別仕様車を設定 18インチホワイトレタータイヤを装備するなどスポーティな外観に

ここからは、2018年に登場したブラックラリーエディションを詳しく振り返ります。トヨタは正式発表前から某有名掲示板で話題となっていたこの特別仕様車を、2018年11月12日に発表しました。掲示板では海外で好評なスポーツグレードと紹介されており、タイで販売されているロッコ(Rocco)をベースにしたモデルではないかと見られていました。

特別仕様車Black Rally Edition(ロッコ)にはホワイトレタータイヤが装備されている

ホワイトレタータイヤを初期装備し、ロッコの画像と同じダンロップのオールテレーンタイヤを履いていたことから、ロッコがベースで間違いないと考えられました。2018年11月12日に正式発表されたブラックラリーエディションは、Zグレードをベースに、ロッコと同じ装備で登場しています。

ハイラックス特別仕様車Black Rally Editionのスポーティな外観

2017年の発売から好調を維持していたハイラックスの特別仕様車「Black Rally Edition」について、そのベースとなった海外のスポーツグレード「ロッコ(Rocco)」とあわせて詳しく紹介します。

8代目ハイラックス初の特別仕様車ブラックラリーエディション ブラックの内外装やホワイトレタータイヤがワイルドなスポーツグレード

ハイラックスの誕生50周年を記念した特別仕様車ブラックラリーエディションが2018年12月17日に発売された

2018年、ハイラックスに初めての特別仕様車が追加されました。誕生50周年を記念して従来のZグレードをベースに設定されたモデルで、フロントフェイスをブラックで統一し、18インチの専用ホイールにダンロップのホワイトレタータイヤを組み合わせたワイルドな一台です。

タイヤやホイールはもちろんハンドルやサイドミラーも専用装備

注目は専用の18インチホイールとホワイトレタータイヤです。ブラックのホイールは専用デザインで、ハイラックスのオフローダーらしい力強いスタイルを際立たせています。

ハイラックス特別仕様車Black Rally Editionのサイドビューはホワイトレタータイヤが映える

この18インチホイールに組み合わせるのがダンロップ製のホワイトレタータイヤで、ブラックホイールとの相性も抜群。足元を従来モデルより力強く演出しています。

ブラックで統一された内装 オプティトロンメーターも専用意匠で満足度が高い

ステアリング、オプティトロンメーター、シフトノブ、アッパーボックス、サイドレジスターなどに専用のブラック加飾を施し、商用車として使うにはもったいないほどの上質な質感に仕上げています。普段乗り用として選びたくなる仕上がりです。

ボディカラーは全5色でオプションカラー無しが嬉しい

ブラックラリーエディションは5色のボディカラーを設定していました。ハイラックスの特徴は、別途費用のかかるオプションカラーがない点です。クリムゾンスパークレッドメタリックやネビュラブルーメタリックなど、メタリック系も追加費用なしで選べました。

  • スーパーホワイト2
  • シルバーメタリック
  • アティチュードブラックマイカ
  • クリムゾンスパークレッドメタリック
  • ネビュラブルーメタリック

なかでもシルバーメタリックやアティチュードブラックマイカは、専用のホワイトレタータイヤとよくマッチしていました。ベーシックなスーパーホワイト2、個性的なクリムゾンスパークレッドメタリックやネビュラブルーメタリックも、はずれのない色ぞろえでした。

ハイラックスの特別仕様車「Black Rally Edition」の特別装備一覧

ハイラックスの特別仕様車「Black Rally Edition」には特別装備が数多く用意されている

ブラックラリーエディションは、内外装に専用装備を施した50周年記念の特別仕様車です。18インチホワイトレタータイヤやオーバーフェンダー、専用バンパー・フロントグリルなど装備は多岐にわたり、ブラックを基調とした内外装でスポーティさと迫力を表現していました。

「Black Rally Edition」はどの角度から見ても迫力がありアグレッシブさをアピールしている

ハイラックス特別仕様車「Black Rally Edition(ブラックラリーエディション)」の専用装備

  • 専用デザイン フロントグリル
  • 専用デザイン フロントバンパー
  • 専用デザイン オーバーフェンダー
  • 専用18インチブラックホイール&ホワイトレタータイヤ(ダンロップ)
  • 専用デザイン オプティトロンメーター
  • グレー加飾 アッパーボックス
  • ハイラックスデザイン 専用スマートエントリーキー
  • ブラックメタリック加飾 アウトサイドドアハンドル
  • ブラック加飾 テールゲートハンドル
  • ブラックメタリック サイドターンランプ付電動格納式ドアミラー
  • グレー塗装 リヤバンパー
  • ブラック加飾 室内ルーフとトリム
  • ファブリックとブラック加飾 ドアトリム
  • ブラックメタリック加飾 シフトレバーベゼル
  • ブラックとメッキとブラックメタリック加飾 センタークラスター
  • ブラックとメッキ加飾 サイドレジスター
  • ブラックとメッキ加飾 シフトノブ
  • ブラックメタリック加飾 ステアリングホイール

ブラックラリーエディションは専用装備・加飾が多く、日本で商用車として売られていたハイラックスとはひと味違う仕立てで、乗用車として普段使いするのにも向いた一台でした。ワイルドな見た目から、趣味やレジャーで“遊べる車”としても支持を集めました。

ブラックラリーエディションの発売日は2018年12月17日、販売価格は394万7400円

ハイラックスの特別仕様車「Black Rally Edition」の販売価格は394万7400円

発表前の段階では、タイのフェイスリフト版「ロッコ」がベースで、当時のXグレード(3,267,000円)に約105,000円上乗せした3,372,000円あたりから、と予想する見方もありました。これはタイでの通常グレードとロッコの価格差30,000バーツ(約105,000円)を日本円に換算した試算でした。

ハイラックスの特別仕様車「Black Rally Edition」のアグレッシブなリヤビュー

ところが実際には、正式発表されたブラックラリーエディションはXグレードではなくZグレードがベースで、価格はZグレード(3,742,200円)に205,200円上乗せした3,947,400円でした。発表は2018年11月12日、発売は2018年12月17日で、全国のトヨタ店で販売されました。

「Black Rally Edition」はタイで発売中のフェイスリフト版スポーツグレード「ロッコ」がベース

タイのスポーツグレード「ロッコ」はオーバーフェンダーやホワイトレタータイヤが特徴。日本の特別仕様車もこれと同じ装備だった

ハイラックスは日本ではいったん販売終了していたものの、復活前から海外では大人気のピックアップトラックで、日本未導入のグレードや特別仕様車が数多く存在します。ブラックラリーエディションは、タイで売られているフェイスリフト版スポーツグレード「ロッコ」をベースにした特別仕様車でした。

左が日本でも販売中だったハイラックス、右がタイのロッコ

ロッコがベースと考えられた理由は、特別装備のひとつであるホワイトレタータイヤです。タイのロッコもホワイトレタータイヤを標準装備しており、オーバーフェンダーも共通でした。さらに、日本で売られるハイラックスがタイで製造・輸入されていたことも、その裏づけとなりました。

ハイラックスに初めての特別仕様車ブラックラリーエディションが追加された当時

ハイラックスは海外ではポピュラーなピックアップトラックですが、日本では需要が限られるとして2004年にいったん販売を終了しました。しかし2017年に再登場すると、商用にも乗用にも使える一台として注目を集め、発売から1年が経った2018年時点でも数か月待ちの人気となっていました。

ブラックラリーエディションは、その人気のハイラックスが初めて設定した特別仕様車として、大きな話題を呼びました。ブラックを基調としたワイルドでスポーティなスタイルは新たなファンを獲得し、その後のGRスポーツやRevo ROCCO Editionへと続く“遊べるハイラックス”の系譜の起点になったといえます。