新型ハイエースの海外向けモデルが発表 2020年にアジア地域など新興国を中心に販売開始
新型ハイエースが2019年2月18日にフィリピンで世界初公開しました。
ハイエースは2019年にフルモデルチェンジの噂があり、2019年2月に入りフェイスリフトした新型ハイエースの目撃情報がSNSなどに投稿されていました。
この目撃情報の中には「港に向かって輸送していた」などという情報もあり、新型ハイエースではなく海外向けモデルなのでは、とも考えられていました。
2019年2月18日にトヨタ公式から「海外向けのハイエースをフルモデルチェンジ」したという発表があり、日本の新型ハイエースではないことが確定しています。
日本では従来の200系ハイエースが継続販売することが決定していますが、海外向けの新型ハイエースはどのようなスペックになっているのでしょうか。エクステリア・インテリア・緒元・販売価格や燃費など、海外向けハイエースのモデルチェンジ最新情報を紹介します。
海外向け新型ハイエースはキャブオーバーからセミボンネットへエンジンの位置を変更
海外向けの新型ハイエースが2019年2月18日にフルモデルチェンジを発表、東南アジアのフィリピンでワールドプレミアしました。
ハイエースが世界で人気になった理由でもあるキャブオーバー式レイアウトをセミボンネット式レイアウトにエンジンの位置を変更したのが最大の変更点です。
エンジンを下に置くキャブオーバーは室内を広く使えること、大きなボディのハイエースでもボンネットが短くなることで、視野が広く見切りの良い視界を確保できることでした。
しかしボンネットにエンジンがないため衝突安全性に問題があり、現在では世界を見渡してもキャブオーバーを採用する車種はごく僅かになっています。
新型ハイエースも安全な車に進化するためキャブオーバー式からセミボンネット式へ移行しました。
また新型ハイエースには2019年2月にビッグマイナーチェンジを行ったミニバンのデリカD5と同じ環状骨格構造採用、新たなTNGAプラットフォームとトヨタセーフティセンスも採用することで厳しい欧州の安全基準「Euro NCAP」の5スター相当の安全性能を獲得しています。
アジア地域などの新興国は未舗装路も多く、剛性の高いボディや安全性の確保は急務と言えるため、今回発表された2019年モデルの新型ハイエースの価値は今までのモデルよりもさらに高いものになるでしょう。
海外向け新型ハイエースはプロボックスのような信頼性を感じるエクステリア
海外向けの新型ハイエースは働く車に重点を置いたスタイリングで、日本で販売する商用車の「プロボックス」や「サクシード」をミニバンにしたようなエクステリアが特徴です。
新興国では物流や観光客を乗せる乗り物として人気があるため、家庭用乗用車として購入する方は殆どいません。
そのため押し出しの強い迫力のある外観というよりも、飛び石などに強く交換が容易な樹脂製のフロント/リヤバンパーを採用し信頼性をアピールするエクステリアになっています。
ショート・標準ルーフ | ロング・ハイルーフ | |
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全長 | 5,265mm(従来モデルから+570mm) | 5,915mm(従来モデルから+535mm) |
全幅 | 1,950mm(従来モデルから+255mm) | 1,950mm(従来モデルから+70mm) |
全高 | 1,990mm(従来モデルから+10mm) | 2,280mm(従来モデルから-5mm) |
ホイールベース | 3,210mm(従来モデルから+640mm) | 3,860mm(従来モデルから+750mm) |
新型ハイエースのボディ形状は「ショートボディ・標準ルーフ」と「ロングボディ・ハイルーフ」の2つを用意、乗客を乗せるバスなどに使う最大17人乗りの「コミューター」、荷物を運ぶのに便利な「バン」、快適装備と専用インテリアが魅力の「ツーリズム」を設定しています。
目的により「コミューター」「バン」「ツーリズム」を選べる海外向け新型ハイエースのインテリア
海外向け新型ハイエースは使用用途により車内のレイアウトを変更できます。
コミューターは乗員10名~17名のバスのようなレイアウトになっています。交通網の整備がされていない新興国では車移動が主流のため、住民の足として活躍します。
バンは運転席と助手席のみのレイアウトもあり、車内を広く使えるのが特徴です。2名~6名乗りで荷物を沢山載せられる働く車として人気になるのが想像できます。アジア地域に多い移動販売などにも使えるため需要ありそうなレイアウトです。
ツーリズムは快適装備が揃い専用の内装を持つ豪華な10名~14名乗れるレイアウトです。海外から来た観光目的の人を乗せるため、コミューターほど人は載せず車内にも気を使いたい方に人気のレイアウトです。
使い方により最適な車内レイアウトを選べるのはハイエース最大の魅力です。
海外向け新型ハイエースは2.8Lディーゼルと3.5Lガソリンを設定 燃費は13.5km/L
海外向けハイエースのパワートレインは2.8Lの直列4気筒ディーゼルエンジン「1GD型」と3.5LのV型6気筒ガソリンエンジン「7GR型」の2つを用意しています。
ディーゼルエンジンの1GD型は最高出力177ps・最大トルク45.9kgmで、ガソリンエンジンの7GR型は最高出力280ps、最大トルク37.2kgmを発生します。
ツーリングとバンのトランスミッションはATとMTの両方を用意しています。
燃費性能はディーゼルモデルで13.5km/L前後になるでしょう。
新型ハイエースは2020年にフィリピンから発売して世界各国へ順次デリバリー 日本は既存の200系ハイエースを継続販売
新型ハイエースは2020年に東南アジアのフィリピンから発売開始で、その他の新興国を中心に順次世界各国へ販売網を広げます。
日本では既存の200系ハイエースを継続販売するため2019年の海外向けハイエースは日本で購入することはできません。
しかし日本のハイエースもフルモデルチェンジが迫っているため、2019年には300系ハイエースになる次期新型モデルを公開して2020年販売すると考えます。
エンジンレイアウトは海外向けモデルと同じセミボンネットを採用、乗用車やキャンピングカーとしての需要もある日本ではエクステリアなどが変更され商用車とは別に煌びやかなモデルが用意するかもしれません。
可能性の一つとして、2020年に行われるトヨタの販売チャンネル統合に伴い、ネッツ店で販売するレジアスエースを吸収して、1999年に販売した高級ミニバンの「グランエース」という名前で復活させ販売するということも考えられます。
日本のハイエースは海外向けハイエースとは違う独自路線でモデルチェンジ
2019年2月にアジア地域などを中心にした新興国向けの新型ハイエースがワールドプレミアしました。この新型ハイエースは日本には導入されないことがアナウンスされ、日本のハイエースは独自路線を進むことが決定しています。
日本でモデルチェンジする新型ハイエースもエンジンを下に置くキャブオーバー式から、エンジンをボンネットの中に収めるセミボンネット式に変更するという情報があります。これは安全基準が高い日本仕様に合わせたもので海外でも今後主流になる構造だと言えるでしょう。
また日本の新型ハイエースのエクステリアデザインも海外向けとは違うものになると考えられます。
モデルチェンジ時期ですが、日本のハイエースも2019年から2020年にフルモデルチェンジする可能性が高く、2019年秋に行われる東京モーターショー2019で300系に進化した新型ハイエースが初披露されることを期待しましょう。