トヨタ・エスティマが約30年の歴史に幕 2019年10月に生産を終了
トヨタが販売するミニバンのエスティマが、2019年10月で販売を終了。
2016年のビッグマイナーチェンジの時点で2020年以降にフルモデルチェンジが期待されていましたが、残念ながら生産終了となりました。2019年10月末でトヨタのカーラインナップからも「エスティマ」の文字が消え、「現在販売していないクルマ」に追加されています。
エスティマの生産終了については2019年7月時点で既に決定していて、その背景には市場におけるミニバン需要の低下と、同社ミニバンのアルファードやヴェルファイアの人気が影響しているとのこと。アルファードとヴェルファイアは両車の販売台数を合わせると、毎月人気のコンパクトカーであるアクアとほぼ同じ台数が売れています。
トヨタは2020年5月より国内販売店全店で全てのモデルを販売。今回のエスティマのモデル廃止もそれに伴うもので、現時点ではエスティマの後継モデルの登場は予定されていないとのこと。
なお、トヨタ・エスティマのこれまでのモデルチェンジ情報は以下に記載してあります。
新型「エスティマ」が2025年にフルモデルチェンジであの「天才タマゴ」がBEVに生まれ変わる可能性
販売終了したエスティマが2025年にBEV(電気自動車)として発売するという噂。既に開発を行っているという情報もあり、2021年にトヨタが発表したbZシリーズの1車種として登場するのではないかと言われています。
FCV(燃料電池自動車)を採用し、東京モーターショー2017で公開されたコンセプトモデル「Fine-Comfort Ride」が、次期エスティマのデザインを示唆していると予想しますので、今一度エクステリアやインテリアを振り返ってみましょう。
コンセプトモデルのFine-Comfort Rideでは、特徴的な形状やヘッドライトが下向きの三角形になっているなど、現行のエスティマを意識していることが分かります。
ボディはダイヤモンドキャビンを採用し、ボディ中央にいくにつれて車幅や高さが大きくなっていて、存在感のある大型のタイヤも斬新です。ボディサイズは現行のエスティマよりも大きく、デザイン重視のスタイリッシュなエクステリアになっています。
モデル | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | 定員 |
---|---|---|---|---|---|
エスティマ | 4,820mm | 1,810mm | 1,760mm | 2,950mm | 7/8人 |
Fine-Comfort Ride | 4,830mm | 1,950mm | 1,650mm | 3,450mm | 6 |
インテリアは、動力がFCVになることでキャビンがかなり広くなります。革製のパープルのシートにフロアマットは紺色を使い、サイドはホワイトになっています。4つの独立シートは円形でオットマン機能もあり、シートレイアウトのアレンジも自由自在です。
運転席周りもタッチディスプレイ、エージェント機能などを配し、まるで近未来の車を見ているかのようです。市販型はFine-Comfort Rideのアグレッシブなデザインにはならないと思われます。
BEVに生まれ変わる4代目の新型エスティマのサイズは、全長4,800mm、全幅1,860mm、全高1,800mm、ホイールベース3,000mmになると予想されています。
EV専用プラットフォームになるため、車内の広さも最適化され先代モデルよりも開放的な空間になると考えられます。
新型エスティマは2021年にモデルチェンジ 生産終了も開発再開の噂も
2021年にフルモデルチェンジする噂がある次期エスティマですが、フルモデルチェンジせずに生産終了するという情報がありました。これは2020年に行われるトヨタの販売店統合により車種を整理することが原因で、エスティマは約30年の歴史に幕を下ろし生産終了する、という情報を元にしていました。
しかしエスティマ存続を望むファンの声に応える形でトヨタが次期エスティマの開発を再開したという情報が入っています。次期エスティマのパワートレインはハイブリッドやPHV(プラグインハイブリッド)の噂がありましたが、ハイブリッドモデルと、トヨタが推進するFCV(燃料電池車)を用意する可能性が高いでしょう。
現在トヨタが販売しているFCVにはトヨタMIRAIがありますが、新型エスティマに搭載される燃料電池ユニットはMIRAIから流用することが考えられます。プラットフォームはエスティマ専用に新開発される可能性が濃厚です。
2006年から販売している3代目エスティマは、2016年6月に3度目のマイナーチェンジを行い4期目へと突入しています。
フロントデザインが大幅に変更され、ヘッドライトもBi-beam LEDに変更、ボディカラーも拡大して全10色構成になり、安全装備であるトヨタセーフティセンスCも搭載しました。
2021年に可能性がある4代目新型エスティマのフルモデルチェンジで搭載するエンジンや予想燃費、PHVやFCVグレードの登場など、次期エスティマのフルモデルチェンジ情報、生産終了の噂について考察します。
エスティマが燃料電池車として生まれ変わる エスティマ後継モデルは2021年発表か
エスティマはモデルチェンジをせず、2019年内に生産終了する噂がありましたが、次期エスティマは2021年に登場して燃料電池(FCV)モデルになる可能性があるということです。
パワートレインは東京モーターショー2017で世界初公開した「Fine-Comfort Ride」と同様のFCVになる、2.0LのダイナミックフォースエンジンとTHS2を組み合わせたハイブリッドモデルになる、など様々な噂もあります。
現行モデルはマイナーチェンジを挟みながらも12年が経過しており、モデルチェンジか、それとも生産終了かと言われている中、同じく生産終了が噂されている「プリウスα」が、次期エスティマと統合するのではないかと予想する声もあり、ロングセラーとなっているエスティマの今後の展望に期待が集まります。
エスティマはトヨタの販売店統合により生産終了 後継はアルファードとヴェルファイアに
2019年にフルモデルチェンジする噂があったエスティマが、トヨタが行う2020年の販売店統合による車種整理で生産終了するという情報があります。「天才タマゴ」というフレーズと共に誕生し一世風靡したエスティマですがフルモデルチェンジした2006年の年間販売台数95,626台をピークに販売台数が落ち込みます。
2017年の年間販売台数は12,420台で月間では1,000台を割ることもありました。
年度 | 年間販売台数 |
---|---|
2005 | 32.937台 |
2006 | 95,626台 |
2007 | 74,234台 |
2008 | 58,463台 |
2009 | 52,403台 |
2010 | 50,053台 |
2011 | 32,901台 |
2012 | 39,331台 |
2013 | 34,882台 |
2014 | 25,688台 |
2015 | 16,559台 |
2016 | 19,345台 |
2017 | 12,420台 |
エスティマは販売台数が見込めず、約13年間フルモデルチェンジしていないため設計も古く整理車種になった、ということです。
2019年12月にもエスティマがモデル廃止され、2020年からは今まで販売していたトヨタ店にはアルファードを、カローラ店にはヴェルファイアを販売してエスティマの後継車種にします。
新型エスティマはフルモデルチェンジでカムリのハイブリッドエンジンを搭載する可能性
2016年6月のマイナーチェンジでは、3.5リットルV6エンジンを廃止し、2.4リットルのガソリンとハイブリッドエンジンを搭載しました。2019年以降に発表すると見られる新型エスティマは、2017年にフルモデルチェンジされた新型カムリの2.5Lハイブリッドシステムとダイナミックフォースエンジンが採用されると予想します。
型式 | A25A-FXS |
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排気量 | 2,487cc |
最高出力 | 178PS/5,700rpm |
最大トルク | 221Nm/3,600~5,200rpm |
使用燃料 | レギュラーガソリン |
3代目4期のエスティマに搭載されているのも2.5リットルのエンジンですが、「2AZ-FXE」と呼ばれる、レクサスHS250hにも搭載されているアトキンソンサイクルエンジンです。新型エスティマに移行する際には、新型カムリに搭載された「A25A-FXS」が搭載されると考えられます。
新型エスティマの予想燃費はガソリンモデルで18.0km/L・ハイブリッドモデルで25.0km/L
3代目4期エスティマの燃費は、ガソリン車で11.4km/L、ハイブリッド車で17.0~18.0km/Lです。新型エスティマでは、新しいエンジンの他にもTNGAプラットフォームを採用した低重心のスタイルとハイブリッドシステムが、現行よりも燃費を大きく押し上げてくれると予想します。
新型エスティマの予想燃費
- ガソリン車:18.0km/L
- ハイブリッド車:25.0km/L
新たなエンジン・プラットフォームを手に入れたエスティマは、3代目の現在よりも5割ほど燃費が伸びた数値になると予想します。
エスティマのフルモデルチェンジでPHV(プライグインハイブリッド)モデルが追加されることも考えられる
フルモデルチェンジして新しくなる新型エスティマには、ハイブリッド走行とEV走行が可能なPHVモデルが登場すると噂されています。
もし、エスティマPHVが実現すれば、プリウスPHVやアウトランダーPHEVのように、通勤にはEVで走りガソリンをほとんど消費せず1週間過ごすことも可能で、駐車中はソーラーパネルで充電し、外部給電も出来るので停電時などには電源としても車を使用することが出来て便利です。
プリウスPHVのボディサイズは、ハッチバックセダンに分類され車内で一夜を過ごすには少し手狭ですが、エスティマはミニバンサイズなので、車中泊も楽々過ごすことができます。
アルファードやヴェルファイアに先行装備された第二世代のトヨタセーフティセンスを搭載して安全なエスティマに進化
3代目4期エスティマに搭載されている装備は、ヴォクシーやノアと同様の安全装備である「トヨタセーフティセンスC」ですが、さらに安全になった第二世代の「トヨタセーフティセンス」を搭載する可能性があります。
2018年7月の時点では、ミニバンに分類されるトヨタ車で第二世代の「セーフティセンス」を搭載している車種はアルファードとヴェルファイアのみです。
第一世代のトヨタセーフティセンスPはSUVの「ランドクルーザー」「ハリアー」「C-HR」に搭載していますが、それよりも高性能な安全装備になることでラグジュアリーミニバンの「アルファード」と「ヴェルファイア」に追いつくことが想定されます。
3代目4期エスティマは2016年にマイナーチェンジをしてインテリアの質感を向上
2006年にフルモデルチェンジした3代目エスティマは、ノア・ヴォクシーよりも上級なミニバンの立ち位置で販売されてきました。
ですが、グランドハイエースの後継として2002年に販売されたアルファード、2008年販売のアルファードVの後継であるヴェルファイアのほうに人気が集まり、このまま生産終了かと噂がされていましたが、2016年6月に3度目のビッグマイナーチェンジを行いました。
大胆なフェイスリフトを行い、Bi-beamヘッドライトを装備し、クリアランスランプと繋がる縦型のアクセサリーランプは昼間にデイライトの役割も果たしてくれます。
シート素材は、レザーパッケージが廃止されたので本革シートは無くなりましたが、ブランノーブと合皮のシートは通気性も高く本革シートに比べて夏場は涼しく、冬場は暖かい快適性を持っています。
プレミアムGグレードには、ブランノーブ+合皮のシートと木目調加飾、スマートグレードには、合皮シートとピアノブラック加飾など、高級感あふれる内装パターンを用意しているのが特徴です。
7人乗りのセカンドシートには、800mmのスライドシートが装備されていてサードシートを格納してセカンドシートを後ろまで下げると後部座席の空間が広い2列キャプテンシートに早変わりします。肘置きだけではなくオットマンも装備しているので、駐車中に足を投げ出して休むなど色々な使い方ができます。
グレード | 販売価格 |
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エスティマ AERAS | 3,312,655円~ |
エスティマ AERAS PREMIUM | 3,401,018円~ |
エスティマ AERAS SMART | 3,514,909円~ |
エスティマ AERAS PREMIUM-G | 3,700,473円~ |
エスティマハイブリッド AERAS | 4,352,400円~ |
エスティマハイブリッド AERAS PREMIUM | 4,391,673円~ |
エスティマハイブリッド AERAS SMART | 4,532,073円~ |
エスティマハイブリッド AERAS PREMIUM-G | 4,928,727円~ |
余裕のある車内が魅力的な3代目(現行モデル)エスティマの画像11枚
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エスティマのエクステリア -
エスティマの正面からのエクステリア -
エスティマの内装 -
エスティマのインテリア -
エスティマのスライドドアを開けた状態 -
エスティマのリヤのエクステリア -
エスティマ AERAS SMART -
エスティマ AERAS SMART -
エスティマ AERAS SMART -
エスティマ AERAS SMART -
エスティマ AERAS SMART
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エスティマ HYBRID AERAS TRD -
エスティマ HYBRID AERAS TRD -
エスティマ HYBRID AERAS TRD -
エスティマ HYBRID AERAS TRD -
エスティマ HYBRID AERAS TRD
「天才タマゴ」のキャッチコピーで登場したエスティマのモデルチェンジ遍歴
エスティマはトヨタが販売していた大型ミニバンで、「天才タマゴ」のキャッチコピーで登場しました。30年間販売され、中古車市場でも人気のあるモデルです。
エスティマ 初代 TCR10/11W/TCR20/21W型(1990年~2000年)
1990年5月、未来的なスタイルの大型ミニバン、エスティマが誕生しました。欧州では「プレビア」、オセアニアでは「タラゴ」のネーミングで販売されました。
1991年1月、「エスティマエミーナ」「エスティマルシーダ」の販売を開始しました。
1993年2月、廉価グレードの「X」を追加。
1996年8月、「エミーナ」「ルシーダ」のマイナーチェンジを実施し、グレード体系も「G」「V」「X」となり、SRSエアバッグとABSが全車に標準装備となりました。
2000年1月、2代目と入れ替わりで販売を終了しました。
エスティマ 2代目 ACR30W/ACR40W/MCR30W/MCR40W/AHR10W型(2000年~2006年)
2000年1月、駆動方式をFFに変えて2代目エスティマが誕生しました。商用モデルの「エスティマ・モバイルオフィス」も発売されています。
2001年6月、ハイブリッドモデルを追加しました。グレード構成は「THS-C」「E-Four」「ECB」「Gエディション」の展開になります。
2003年7月、マイナーチェンジを実施。
2006年1月、3代目と入れ替わるため、販売を終了しました。
エスティマ 3代目 ACR5#W/GSR5#W/AHR20W型(2006年~2020年)
2006年1月、精悍なイメージになり、新MCプラットフォームを採用した3代目エスティマが登場しました。6月にはハイブリッドモデルが追加されています。
2008年12月、マイナーチェンジで外観デザインを変更。
2009年8月、特別仕様車「アエラス ”G-EDITION”」を発売。
2010年9月、エスティマ誕生20周年を記念すぃた特別仕様車「2.4アエラス"20th Anniversary Edition"」を発売。
2012年5月、マイナーチェンジを実施。
2013年5月、一部改良と同時に特別仕様車「アエラス "Premium Edition"」を発売。
2016年6月のマイナーチェンジではフロントデザインを一新。安全装備の強化とグレード体系の整理が行われました。
2020年5月、販売チャンネル制度廃止の車種整理で3月末で販売を終了しました。
エスティマのモデル | 販売年表 |
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初代 TCR10/11W/TCR20/21W型 | 1990年~2000年 |
2代目 ACR30W/ACR40W/MCR30W/MCR40W/AHR10W型 | 2000年~2006年 |
3代目 ACR5#W/GSR5#W/AHR20W型 | 2006年~2020年 |
次期エスティマはフルモデルチェンジで緊急時にも強い頼れる車に
新型エスティマにPHVやBEVで復活すると、7~8人乗りで室内空間も広く、EV走行でガソリンを使わずに通勤・通学する、停電などがあった時には電気が使える避難場所、アウトドアでは給電を行い電化製品が使えるなど、幅広い使い方ができます。
トヨタのPHVモデルは、2017年7月の時点でプリウスしかラインアップしていませんが、第2弾は家族で過ごせるエスティマになる可能性が高いと予想します。
エスティマが復活するのは2024年から2025年頃と予想されているので、今後のエスティマの動きから目が離せません。