eKワゴンの維持費は?2WD車と4WD車の年間費用を内訳つきで試算
eKワゴンの年間維持費の概算値を求めます。三菱自動車と日産自動車の合弁会社NMKVが企画・開発した4代目eKワゴンは、軽自動車では初となる高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(Mitsubishi Intelligent-PILOT:マイパイロット)」をメーカーオプションで設定できるなど、先進安全装備の充実した軽トールワゴンです。2019年3月に登場した現行モデルで、新車でも中古でも選べる一台です。
衝突安全強化ボディ「RISE(ライズ)」による剛性強化、吸音材・遮音材の配置による静粛性向上など、全方位で高い完成度を誇る同車について、軽トールワゴンクラスでトップレベルの低燃費を誇る2WD車と、雪道での安定走行を実現する4WD車のそれぞれの年間維持費を詳しく試算しました。
4代目「eKワゴン」の特徴とグレード別の車両価格

フルモデルチェンジでプラットフォームやエンジン等の主要パーツを刷新した4代目eKワゴンは、フロントガラスの見開き角をワイドにする、アクセルペダルの踏込角度を最適化するなど、運転のしやすさを徹底的に追求しています。間近で見ると、張りのある曲面で構成されたボディは軽トールワゴンらしい愛嬌があり、全高1,640mmの伸びやかな室内空間が数値以上に広く感じられます。
衝突被害軽減ブレーキシステム等をパッケージングした「三菱e-Assist」を採用し、フロントカメラで前方車両・歩行者を検知して衝突の危険性があれば警報と自動ブレーキ制御を行う「FCM」も搭載しています。安全性の面でも高い評価を得ています。
約13km/h以下の減速時からエンジンを自動停止させるコーストストップ機能付きの「AS&G(オートストップ&ゴー)」等を採用し、WLTCモードで2WD車21.2km/L・4WD車18.2km/Lという優れた燃費性能(燃料消費率)を実現しています。
| 駆動 | 2WD | 4WD | ||
|---|---|---|---|---|
| 全長 | 3,395mm | |||
| 全幅 | 1,475mm | |||
| 全高 | 1,640mm | 1,660mm | ||
| ホイールベース | 2,495mm | |||
| 燃費(WLTCモード) | 21.2km/L | 18.2km/L | ||
| 燃料 | 無鉛レギュラーガソリン | |||
| 乗車定員 | 4名 | |||
| 車両重量 | 830kg | 890kg | ||
| エンジン | BR06 DOHC12バルブ・3気筒 | |||
| 総排気量 | 0.659L | |||
| タイヤサイズ | 155/65R14 | |||
国が推奨する自動車安全コンセプト「サポカーSワイド」の対象車でもあるeKワゴンは、ベーシックモデルの「M」と上級モデルの「G」の2グレードを展開しています。
グレード「M」は、タイヤアングルガイド等を表示するマルチインフォメーションディスプレイ、電動格納式ヒーテッドドアミラー、ラゲッジアンダーボックスを標準装備します。
グレード「G」は、タッチパネル式フルオートエアコンやIRカット/99%UVカットガラス(フロントドア)を追加します。メーカーオプションとして、後方視界をクリアに確認できるデジタルルームミラーも設定できます。
eKワゴンの年間維持費は2WD車が約33.9万円・4WD車は約35.1万円

法律で支払い額が定められている自動車税や、年間走行距離1万kmを基準に算出した燃料代等を内訳として年間維持費を概算した結果、2WD車は約33.9万円、4WD車は約35.1万円となりました。軽自動車のため自動車税・自賠責保険料・重量税といった法定費用が普通車より大幅に安く、ランニングコストを抑えやすいのが大きな魅力です。自宅などに駐車スペースを確保できる場合は駐車場代が不要となり、さらに維持費を抑えられます。
| 駆動 | 2WD | 4WD |
|---|---|---|
| 自動車税 | 10,800円 | 10,800円 |
| 燃料代 | 80,240円 | 93,330円 |
| 駐車場代 | 120,000円 | 120,000円 |
| 車検代 | 26,820円 | 26,820円 |
| 任意保険料 | 79,500円 | 79,500円 |
| 諸経費 | 29,750円 | 29,750円 |
| 合計金額 | 347,110円 | 360,200円 |
2WD車と4WD車の差は約1.3万円で、その大半が燃料代の違いです。4WDは雪道や悪路での安定性と引き換えに車両重量が60kg重く、燃費がやや落ちます。降雪地帯や山間部での使用が多いなら4WD、舗装路中心で経済性を重視するなら2WDが向いています。
eKワゴンを自家用乗用車として利用する場合の自動車税は10,800円
車を所有していれば支払い義務が生じる自動車税(軽自動車税)は、軽自動車であれば用途区分・新規登録年月を基準に税額が決まります。2015年4月1日以降に新規登録した自家用軽自動車の税額は年間10,800円です。eKワゴンはこの区分に該当するため、自動車税は10,800円として計算します。普通車のように排気量で税額が上がらず、毎年の負担が一定で読みやすい点も軽自動車の利点です。
なお、年度途中に新規登録した場合は翌月から翌年3月までの月割課税、エコカー減税の適用車は翌年度分の軽減措置といった制度もありますが、恒常的には適用されないため、ここでは一律10,800円として扱います。
| 用途区分 | 総排気量 | 税額 |
|---|---|---|
| 自家用乗用軽自動車 | 660cc以下(2015年4月1日以降) | 10,800円 |
| 660cc以下(2015年3月31日以前) | 7,200円 | |
| 営業用乗用軽自動車 | 660cc以下(2015年4月1日以降) | 6,900円 |
| 660cc以下(2015年3月31日以前) | 5,500円 |
※新規検査から13年が経過した車両については、軽自動車税が10,800円から12,900円に引き上げられる「経年車重課」が適用されます。
年間走行距離を1万kmに設定した場合のeKワゴンの燃料代は2WD車が約8.0万円・4WD車は約9.3万円

燃料代は「燃費」「年間走行距離」「燃料価格」の3項目から概算できます。利用頻度や道路環境、国際情勢などによって変動しますが、以下のモデルケースをもとに算出しました。eKワゴンはレギュラーガソリン仕様のため、ハイオク指定車より燃料単価の面で有利です。
年間走行距離の目安
- 通勤・通学(往復30km×120日=3,600km)
- 週1度のお買い物(往復30km×52週=1,560km)
- 月1度のレジャー(往復400km×12回=4,800km)
- 合計:3,600km+1,560km+4,800km=9,960km → 切り上げて10,000km
eKワゴンの年間燃料代(概算値)の算出
年間燃料消費量
- 「2WD車」:10,000km ÷ 21.2km/L = 約472L
- 「4WD車」:10,000km ÷ 18.2km/L = 約549L
1年間にかかる燃料代
- 「2WD車」:472L × 170円/L = 80,240円
- 「4WD車」:549L × 170円/L = 93,330円
※WLTCモードのカタログ燃費は実燃費に近いため、2WD車21.2km/L・4WD車18.2km/Lをそのまま適用
※ガソリン価格は資源エネルギー庁の調査をもとに170円/Lと設定(ガソリン価格は市況により変動します)
WLTCモードは実走行に近い試験方法のため、上記の試算は実際の燃料代に近い目安になります。ただし、短距離の街乗りを繰り返す乗り方や、エアコンを多用する夏冬は燃費が落ちやすく、AS&G(アイドリングストップ)を活かしてアクセルを丁寧に踏むほど数値は伸びます。
月極駐車場を1万円で契約した場合の年間駐車場代は12万円
駐車場代は月極料金の全国相場である1万円を基準として、年間12万円と試算しました。ただし、駐車場代は個人差が最も大きい費用項目です。自宅に駐車スペースがあれば無料、月極駐車場を利用する場合でも都市部と地方では月数万円の差が生じます。実際の購入計画に活用する際は、ご自身の駐車場料金に置き換えて再計算することをおすすめします。
全国主要都市の月極駐車場の相場
- 東京(23区):30,000円
- 大阪市:25,000円
- 横浜市:17,000円
- 名古屋市:11,000円
- 福岡市:11,000円
- 札幌市:10,000円
- 全国平均:10,000円
軽自動車であるeKワゴンの車検代は1年換算で約2.7万円

車検代は、法律で支払い額が定められた「法定費用」と、依頼先によって異なる「代行手数料・整備費用」を合算して算出します。現行の4代目eKワゴンは2019年3月の登場で、流通している個体の多くは初回車検(3年)を終えているため、ここでは2年ごとの継続車検を前提に試算します。
| 自賠責保険料(24ヶ月) | 17,540円 |
|---|---|
| 重量税(2年・エコカー本則税率) | 5,000円 |
| 印紙代 | 1,100円 |
| 合計 | 23,640円 |
法定費用の合計(23,640円)に代行手数料・整備費用の3万円を加えると、eKワゴンの継続車検の総額は53,640円となります。継続車検は2年周期のため、1年換算では約26,820円です。軽自動車は普通車に比べて重量税・自賠責保険料が安く、車検費用を抑えやすいのが特徴です。年式が進むとブレーキやゴム類の交換が増えるため、日常点検で消耗品を早めに整えておくと、車検時の追加整備費を抑えられます。
軽自動車であるeKワゴンの継続車検時の重量税は5,000円
重量税は、軽自動車の場合は車両重量に関わらず車検の有効期間分を一律で負担する仕組みです。エコカー本則税率が適用される場合、継続車検(2年分)は5,000円です。新車購入時の3年分は7,500円でした。
| エコカー外 | エコカー | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 税率 | 減税無し | 本則税率 | 25%減税 | 50%減税 | 75%減税 |
| 3年自家用(新車購入時) | 9,900円 | 7,500円 | 5,600円 | 3,700円 | 1,800円 |
| 2年自家用(継続審査) | 6,600円 | 5,000円 | 3,700円 | 2,500円 | 1,200円 |
※新規登録から13年・18年経過で重量税が加算されます。
※エコカー減税は燃費基準の達成度に応じて適用されます(適用基準は段階的に見直しが行われています)。
eKワゴンの継続車検時の自賠責保険料は17,540円
加入が義務づけられている自賠責保険は、人身事故発生時の被害者救済を目的とした強制保険です。2023年4月1日以降の料率では、軽自動車の継続車検(24ヶ月加入)の保険料は17,540円です。
| 軽自動車 | 保険期間 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 37ヵ月 | 36ヵ月 | 25ヵ月 | 24ヵ月 | 13ヵ月 | 12ヵ月 | 1ヵ月 | |
| 24,010円 | 23,520円 | 18,040円 | 17,540円 | 11,950円 | 11,440円 | 5,740円 | |
※新車登録時は37ヶ月、継続車検時は24ヶ月加入が一般的です。
※車検を通すには自賠責保険への加入が必要です。
※沖縄・離島は除く
eKワゴンの車検を指定工場に依頼した場合の印紙代は1,100円
印紙代(自動車検査登録印紙)には、車検の適合性を公的機関に認定してもらう際の手数料が含まれます。指定工場(車検を自社で完結できる工場)に依頼する場合は軽自動車・普通車を問わず一律1,100円です。
| 指定工場 | 1,100円(一律) |
|---|---|
| 認定工場 | 軽自動車:1,400円 5ナンバー:1,700円 3ナンバー:1,800円 |
対人賠償無制限・車両保険あり等の条件で見積もったeKワゴンの任意保険料は約8万円
任意保険に加入義務はありませんが、自賠責保険ではカバーできない物損事故等に備えて大多数のドライバーが加入しています。保険料はドライバーの年齢や運転履歴・特約の内容によって異なります。以下の条件で見積もりました。
- 年齢26歳以上
- 年間走行距離11,000km以下
- 対人賠償:無制限
- 対物賠償:無制限
- 10等級
- ゴールド免許保有
eKワゴンの任意保険料の見積り額
- 「2WD・4WD車」:79,500円(34,500円)
※()内は車両保険なしの金額
上記は車両保険ありの金額で、車両保険なしなら34,500円まで下がります。等級が15〜20等級まで進んでいる方なら、さらに保険料を抑えられます。実費に近い見積り額を把握したい場合は、ご自身の条件に合わせて保険会社の無料見積もりサービスを活用することをおすすめします。年齢や等級、車両保険の有無によって保険料は大きく変動します。
eKワゴンの状態を維持するための諸経費は年間29,750円
諸経費の内訳はオイル・エレメント交換代と新品タイヤの購入費用です。バッテリーやエアコンフィルターの交換が必要な場合は、その費用も加算してください。
| タイヤ交換 | 16,250円 |
|---|---|
| オイル・エレメント交換 | 13,500円 |
| 諸経費合計 | 29,750円 |
新品タイヤを4年サイクルで購入した場合の1年間の積立金は約1.6万円

タイヤは経年劣化でゴムがひび割れし、路面との摩擦でトレッドが摩耗していく消耗品です。eKワゴンの走行性能と静粛性を維持するためには、適切なタイミングでの交換が欠かせません。平均的な交換サイクルである4年を基準に費用を試算しました。14インチの標準的なサイズのため、タイヤ代は軽自動車の中でも抑えやすい部類に入ります。
eKワゴンのタイヤサイズは「155/65R14」です。夏タイヤはヨコハマ「BluEarth AE-01」、冬タイヤはブリヂストン「BLIZZAK VRX2」を購入するケースを想定しています。
eKワゴンの新品タイヤ購入費用(年間換算:16,250円)の内訳
- 夏タイヤ「BluEarth AE-01」4本セット:26,000円
- 冬タイヤ「BLIZZAK VRX2」4本セット:39,000円
- 合計:65,000円 → 年換算:16,250円(65,000÷4)
降雪地帯にお住まいで冬季も使用する場合は、上記のとおりスタッドレスタイヤの費用も見込んでおきましょう。4WD車は雪道での発進性に優れますが、止まる・曲がる性能はタイヤ次第のため、冬タイヤの準備とセットで考えると安心です。
eKワゴンのオイル・エレメント交換費用は年間13,500円
eKワゴンが搭載するBR06エンジンの性能を維持するには、エンジンオイルを定期的に交換する必要があります。三菱自動車は半年に1度または5,000km走行ごとの交換を推奨しているため、ここでは年2回のオイル交換と年1回のエレメント交換を実施するものとして計算します。
「eKワゴン」のオイル・エレメント交換費用13,500円の内訳
- オイル交換(年2回):5,000円×2=10,000円
- エレメント交換(年1回):2,000円×1=2,000円
- 作業工賃:500円×3=1,500円
- 合計:13,500円
※費用はディーラーやガソリンスタンドなど依頼場所によって異なります。オイル交換5,000円・エレメント交換2,000円は平均的な金額を設定しています。
eKワゴンの登場で軽ハイトワゴン市場のシェア争いは激化

三菱自動車はeKワゴンと同時に、SUVテイストのクロスオーバーモデル「eKクロス」も発売しました。両車の上級モデルには衝突被害軽減ブレーキシステム等をパッケージングした三菱e-Assistが標準装備されるほか、高速道路同一車線運転支援技術「MI-PILOT(マイパイロット)」をメーカーオプションで設定できるなど、先進安全装備の充実ぶりがユーザーから高い評価を受けています。
充実した安全装備と軽トールワゴントップクラスの低燃費を両立したeKワゴンの登場により、N-BOXなど人気モデルがひしめく軽ハイトワゴン市場における競争はさらに激化しています。維持費の面では、レギュラー仕様の低燃費・一定の軽自動車税・安い法定費用という三拍子がそろい、毎日の足としても家計にやさしい一台です。日常の買い物や通勤を1台でこなしたい方、固定費を抑えて長く乗りたい方に向く反面、4名乗車で高速巡航やロングドライブが中心の方は、上位の軽スーパーハイトワゴンや普通車と乗り比べて選ぶと納得感が高まります。




















