現行シビックタイプR(FL5)は2026年秋にビッグマイナーチェンジの可能性 HRC初の市販車も追加、前期型は生産終了間近
ホンダ シビックタイプRのモデルチェンジ情報をまとめます。
現行のシビックタイプRは、1997年のEK9型から数えて6代目にあたるFL5型です。2022年の登場以来、長期の受注停止や抽選販売が続くほどの人気を集めてきましたが、いよいよ2026年秋にはFL5として初のビッグマイナーチェンジが予定され、あわせてHRC初の市販車も追加されるとみられています。ここでは最新の動きから、現行モデルの内容、そして歴代の歩みまでを整理していきます。
シビックタイプR(FL5)は2026年秋にFL5初のビッグマイナーチェンジ HRC初の市販車「TYPE R HRC」も追加へ
現行のFL5型は、2022年の発売以来、新規受注の停止や抽選販売が繰り返されるほどの人気モデルです。2025年9月に受け付けた第三期分が現行前期型として最後の受注とされ、前期型の生産は2026年8月頃で区切りを迎える見込みです。
背景にあるのが騒音規制のフェーズ3です。現行FL5は従来規制の範囲での認証にとどまるため、2026年10月以降は現状のままでの型式認証・新車登録が難しくなるとみられ、規制に対応した改良版へと切り替わる流れになりそうです。
実際、2026年5月にはホンダの公式サイトから標準モデルの記載が消え、ラインアップは特別仕様車のRACING BLACK Packageのみとなりました。標準グレードはこのまま一区切りとなる可能性が高いといえます。
改良版の投入時期は2026年秋、9月頃が有力視されています。ベースになるとみられるのが、東京オートサロン2026で公開された「CIVIC TYPE R HRCコンセプト」です。大型化された角型インテークや新設計バンパー、縦型LEDのデイタイムランニングライトなどでフロントまわりを一新し、より攻撃的な表情になると予想されます。
インテリアではGoogleビルトイン対応のインフォテインメントや新世代のデジタルメーター、機能を強化したデータロガー、新たなドライブモード「INDIVIDUAL」の採用などが取り沙汰されています。一方でパワートレインは2.0L直列4気筒VTEC TURBOと6速MTの組み合わせを継続し、最高出力330PSを維持したうえで細部を煮詰めてくる、との見方が有力です。電動化には踏み込まない見込みで、純ガソリンのMTスポーツとしては最後の世代になるともいわれています。
今回の目玉が、HRC(Honda Racing Corporation)ブランドを冠した初の市販車「TYPE R HRC」の追加です。トヨタの「GR」、日産の「NISMO」に対抗するホンダのスポーツブランドが、いよいよ量産車の世界へ本格参入する形で、価格は850万〜1,000万円級になるともささやかれています。
標準モデルについても大幅な値上げが避けられないとの観測が強く、現行RACING BLACK Packageの617万9,800円を踏まえると、次の標準モデルは620万円を超えてくる可能性があります。海外では欧州が排出ガス規制の強化にともない販売終了を決めており、40台限定の「Ultimate Edition」などで締めくくる流れとなっています。
なお、米国ホンダは2026年内に内外装のスタイリングを変更するアップデートを実施すると公式に予告しており、改良の実施自体はほぼ確実とみられます。時期や価格、HRCの詳細については正式発表を待つ段階です。
シビックタイプRのインテリアを黒で統一した特別モデルRACING BLACK Packageを2025年1月に設定
RACING BLACK Packageは東京オートサロン2025で大きな注目を集めた特別モデル
シビックタイプRには、東京オートサロン2025で初公開された特別モデル「RACING BLACK Package(レーシングブラックパッケージ)」が2025年1月23日に設定されました。
インテリアをブラックで統一することでレーシングスピリットを表現し、内装での光の反射を抑えてドライビングに集中できる環境づくりも意識されています。
このとき標準のシビックタイプRは4,997,300円で据え置かれた一方、RACING BLACK Packageは6,179,800円と上位の価格設定になりました。現在は前述のとおり標準モデルの掲載が終了しており、このRACING BLACK Packageが実質的に現行前期型の最後のグレードとなっています。
CIVIC TYPE R RACING BLACK Package(シビックタイプR レーシングブラックパッケージ)の特別装備
- ダッシュボード/フロントドアライニング ウルトラスエード
- ブラックラックススエード Honda TYPE Rフロントシート
- ワイヤレス充電器
- 自動防眩ルームミラー
- エアコンアウトレット ブラックピンストライプ加飾
- フロントパワーウインドウスイッチパネル シルバーピンストライプ加飾
- ブラックローレット加飾エアコンコントロールダイヤル
- ブラックエアコンアウトレットノブ
- インテリア専用色ステッチ
| 全長 | 4,595mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,890mm |
| 全高 | 1,405mm |
| ホイールベース | 2,735mm |
| 室内長 | 1,915mm |
| 室内幅 | 1,545mm |
| 室内高 | 1,145mm |
| 車両重量 | 1,430kg |
| 最小回転半径 | 5.9m |
| 最低地上高 | 125mm |
| エンジン型式 | K20C型 水冷直列4気筒 |
| エンジン総排気量 | 1.995L |
| エンジン最高出力 | 243kW(330PS)/6,500rpm |
| エンジン最大トルク | 420Nm(42.8kgm)/2,600rpm-4,000rpm |
| 乗車定員 | 4名 |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
| タンク容量 | 47L |
| WLTCモード燃費 | 12.5km/L |
| グレード | ミッション | 駆動方式 | 値段 |
|---|---|---|---|
| TYPE R ※受注停止・掲載終了 | 6MT | 2WD(FF) | 4,997,300円~ |
| TYPE R RACING BLACK Package | 6MT | 2WD(FF) | 6,179,800円~ |
シビックタイプRが2022年7月20日ワールドプレミア 発売は2022年9月2日
シビックタイプRのエクステリア
最高傑作とも評される新型シビックタイプRは、ホンダ公式Youtubeチャンネルで2022年7月20日に世界初公開されました。
グランドコンセプト「Ultimate SPORT 2.0」にふさわしく、スポーツモデルの究極形を表現したワイド&ローの伸びやかなスタイルと、走る喜びを突き詰めたピュアスポーツに仕上げられています。

先代同様に限定販売ではないものの、タイプRは年間の生産数が限られる場合があります。
日本での発売は2022年9月2日で、2023年10月の受注分からは2024年モデルに切り替わりましたが、価格や仕様は据え置きとされました。
発表前には販売価格600万円超という予想もあったため、500万円を切る価格は衝撃をもって受け止められました。純ガソリンエンジンのピュアスポーツにはフェアレディZやGRスープラなどがありますが、6代目シビックタイプRも希少価値の高いモデルとして支持を集めています。
シビックタイプRのカラーは伝統のチャンピオンシップホワイトを始め5種設定
タイプRの象徴ともいえるチャンピオンシップホワイトを筆頭に、スポーティなブルーやレッド、海外でも人気のソニックグレーなど5種類が用意されています。
ピュアスポーツらしい力強さを感じるオーソドックスな色構成が特徴です。
シビックタイプRの特徴として、オプションカラーがソニックグレーパールのみのため、ホワイト・ブルー・レッド・ブラックのどれを選んでも追加料金は発生しません。
そのソニックグレーパールも38,500円と、他モデルのオプションカラーに比べてリーズナブルな設定です。
6代目シビックタイプRのボディカラー
- チャンピオンシップホワイト
- ソニックグレーパール(38,500円高)
- クリスタルブラックパール
- フレームレッド
- レーシングブルーパール
シビックタイプR・チャンピオンシップホワイト
ソニックグレーパール(38,500円高)
クリスタルブラック・パール
フレームレッド
シビックタイプR・レーシングブルー・パール
6代目シビックタイプR(FL5)の発売前情報と、先代FK8のあゆみ
6代目となるシビックタイプR(FL5型)は2022年9月2日に発売され、500万円を切る価格で予約が殺到し、納期未定になるほどの人気となりました。
希少な純ガソリンのピュアスポーツということで、フルモデルチェンジ前から国内外で注目を集め、発売前にはさまざまな噂やスパイショットが飛び交いました。ここでは、その発売前情報を検証しつつ、あわせて先代・5代目FK8型のあゆみも振り返ります。
新型シビックタイプRのプロトタイプが2022年7月に北米でデビュー
新型シビックタイプRのプロトタイプは、2022年7月にオハイオ州で開催されたNTTインディカーシリーズのイベントで公開されました。
市販前のプロトタイプながら大きな注目を集め、開発段階では鈴鹿サーキットでFF最速級のタイムを記録したことも話題になりました。
発売前に噂されたハイブリッド化は実現せず 生産は英国から日本の寄居工場へ
フルモデルチェンジ前には、次期タイプRが最高出力400PS級に達し、NSX流のトライモーター式ハイブリッドや後輪モーターによるトルクベクタリング4WDを採用するのでは、といった噂も流れていました。
しかし実際に登場したFL5は、2.0L直列4気筒VTEC TURBOと6速MTを組み合わせた最高出力330PSのピュアガソリン、駆動方式はFFという構成で、ハイブリッド化は行われませんでした。電動化には踏み込まず、あくまで内燃機関とMTにこだわった点が、結果的にFL5の価値を高めています。
一方で、生産体制の変化は事前の見立てどおりになりました。ホンダは英国スウィンドン工場を閉鎖し、2020年10月末で現地生産を終了。以降のシビックタイプRは日本の寄居工場で生産されることになり、これまで輸入車扱いだったタイプRが、FL5の生産分から国産車となっています。
参考:先代・5代目FK8のマイナーチェンジ(2020年10月)

ここからは、先代にあたる5代目FK8型の主な改良や限定車を参考として振り返ります。
FK8は2020年10月12日に、エンジンの冷却性能やサーキット性能を高めるマイナーチェンジを実施しました。フロントグリルの開口部を大型化して冷却性能を向上させ、フロントバンパーのエアスポイラー形状を見直すことで、より安定した走りを実現しています。
サスペンションの最適化でハンドリングを強化し、ステアリング表皮にアルカンターラを採用、シフトノブ形状の改良で操作感も高められました。
参考:先代FK8の200台限定車「CIVIC TYPE-R Limited Edition」(2020年11月30日発売)
シビックタイプRリミテッドエディションのエクステリア
FK8には、2020年11月30日発売の限定車「CIVIC TYPE-R Limited Edition」が設定されました。情報は同年2月20日に専用サイトで公開され、日本では200台限定で販売されています。欧州でも2020年夏に100台限定で設定され、英国部門は早々に完売を発表しました。
シビックタイプRリミテッドエディションのリアスタイル
Limited EditionはBBS製の20インチ鍛造アルミホイールや、ハイグリップな20インチタイヤ(ミシュラン パイロットスポーツ Cup2)などを特別装備。ボディカラーには専用色のサンライトイエローIIにブラックを組み合わせ、初代タイプRを思わせるスタイリングに仕上げられました。
グリルやブレーキまわり
ブレーキにはブレンボ製の2ピースディスクブレーキを採用。抽選枠が短時間で完売するなど絶大な人気を集めた1台でした。
Limited Editionのインテリア
キャビンにはアルカンターラ製ステアリングホイールや球形シフトノブ、ETC2.0車載器、LEDルームランプなどを装備し、先進安全支援システムには当時最新のHonda SENSINGを採用していました。
参考:先代FK8の欧州向けグレード「スポーツライン」(2020年)
FK8に設定されたスポーツラインのエクステリア・インテリア
ホンダの欧州部門は、2020年のFK8に「スポーツライン」を設定しました。大型リアウイングを外して低めのリアスポイラーとし、グレーのアクセントラインをあしらったのが特徴です。
フロントマスクの開口部を従来比13%拡大してラジエーターも改良し、冷却性能を高めています。車内では3つのドライブモードと連動して音響環境を調整する「アクティブ・サウンド・コントロール」を採用し、レッドステッチ入りのバケットシートやアルカンターラ製ステアリング、7インチのインフォテインメント(Apple CarPlay/Android Auto対応)などを備えていました。
参考:先代FK8の米国向け改良モデル(2020年2月28日発売)
FK8の米国向け改良モデルのエクステリア
ホンダの米国部門は、2020年2月28日にFK8の改良モデルを発売しました。ブレーキやサスペンションを再チューニングして走行性能や乗り心地を高め、北米仕様は最大出力306hp・最大トルク40.8kgmの直噴2.0L直4「VTEC」ターボと6速MTを組み合わせています。「コンフォート」「スポーツ」「+R」の3モードを備え、バンパーやフロントグリルを新デザインとし、新色「ブーストブルー」も追加されました。
FK8の米国向け改良モデルのインテリア
インテリアは初代タイプRをモチーフにしたシフトレバーやアルカンターラ製ステアリングを用意し、最新版のHonda SENSINGやアクティブ・サウンド・コントロールも搭載していました。
参考:先代FK8時代に流れた噂とその結末
先代FK8の時代(2018〜2020年頃)には、ニュルブルクリンクでの開発車両スクープや複数のスパイショットをきっかけに、より過激な高性能版「エボ」、ATを備えた廉価版・グランドツアラー、パリモーターショーでの新型発表など、さまざまな噂が飛び交いました。
しかし結果として、これらの廉価版や「エボ」は市販化されず、実際に登場した特別モデルは前述のLimited Editionでした。またレース参戦者向けには、米国で「シビックタイプR TC」(約985万円、助手席・後席なしのサーキット専用車)が設定されています。いずれも決着済みの話題として、参考までにまとめておきます。
ホンダの「タイプR」シリーズ第三弾 シビックタイプRのモデルチェンジ遍歴

シビックタイプRは、ホンダのスポーツモデルで、「NSX タイプR」「インテグラ タイプR」に続くタイプRシリーズの第三弾です。6代目以降のシビックをベースにチューニングした高性能版として展開されてきました。
シビック 初代 EK9型/1997年~2001年
1997年8月、6代目シビックのマイナーチェンジに合わせて「タイプR」が追加設定されました。B16B型エンジンを搭載し、軽量化を重視したモデルです。
1998年にマイナーチェンジでエクステリアやオーディオ周りを一新。1999年12月に装備を充実させた「タイプR・X」を追加し、2001年12月に2代目と入れ替わりで販売を終えました。
シビック 2代目 EP3型/2001年~2005年
2001年11月、2代目タイプRはタイプR向けに開発した「R-spec」エンジンを搭載し、「標準仕様」「Cパッケージ」の2グレードが設定されました。
2004年1月のマイナーチェンジで一部装備とボディカラーを変更し、2005年8月に販売を終了しています。
シビック 3代目 FD2型(日本仕様)/2007年~2010年
2007年3月、3代目は全幅拡大で3ナンバー化し、ボディタイプは4ドアセダンとなって新たなユーザーを獲得しました。
2008年9月のマイナーチェンジでボディカラーを変更し、2010年9月に排出ガス規制対応が難しくなったことから販売を終えました。
シビック 3代目 FN2型(欧州仕様)/2007年~2012年
2007年に欧州仕様のタイプRが登場し、日本では輸入車扱いで2009年11月に2,010台限定で販売。2010年10月には1,500台限定の2010年モデルを設定し、2012年6月に国内販売を終了しました。
シビック 4代目 FK2型/2015年~2016年
2015年7月に英国で出荷が始まり、日本では同年12月に750台限定で販売されました。
シビック 5代目 FK8型/2017年~2021年
2017年9月、5代目はファストバッククーペの5ドアハッチバックスタイルとなりました。2020年10月のマイナーチェンジで冷却・走行性能を高めるとともに、同年に特別仕様車「Limited Edition」(日本は11月30日発売、200台限定)を設定。2021年7月に販売を終えています。
シビック 6代目 FL5型/2022年~
約1年2か月の空白を経て、2022年9月に6代目FL5型へフルモデルチェンジしました。ターボチャージャーを刷新してグリル開口部を拡大し、Honda SENSINGも最新版へアップデートしています。
2025年1月には特別仕様車「RACING BLACK Package」を設定。その後は受注停止が続き、2026年5月には標準モデルの掲載が終了しました。前期型は2026年8月頃に生産を終える見込みで、2026年秋にはFL5初のビッグマイナーチェンジと、HRC初の市販車「TYPE R HRC」の追加が予定されているとみられています。
| シビックタイプRのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 EK9型 | 1997年~2001年 |
| 2代目 EP3型 | 2001年~2005年 |
| 3代目 FD2型(日本仕様) | 2007年~2010年 |
| 3代目 FN2型(欧州仕様) | 2007年~2012年 |
| 4代目 FK2型 | 2015年~2016年 |
| 5代目 FK8型 | 2017年~2021年 |
| 6代目 FL5型 | 2022年~(2026年秋にビッグマイナーチェンジ予定) |



























