ブーンのモデルチェンジ

ブーンがモデルチェンジせず販売終了 歴代モデルの改良情報など解説

ダイハツのブーンのモデルチェンジ最新情報。噂ではスポーツグレードのGTを設定、ヴィッツやフィット、フォルクスワーゲンなど外車のコンパクトカーにも対抗する新開発エンジンを投入が予想されましたが生産終了。プラットフォームや安全装備などを刷新して搭載される可能性が高い自動運転支援技術についても解説。

ダイハツのコンパクトリッターカー「ブーン」のモデルチェンジ情報 2023年に改良を実施せず生産終了へ

ブーンはダイハツを代表するコンパクトなリッターカーで、初めて車を購入する方のファーストカーや、運転が苦手なドライバーなどにも取り回しやすいサイズ感で人気のモデルでした。
しかしトヨタが販売するOEMモデルのパッソと同時に、2023年12月に生産終了。これまでダイハツを支えたブーンの情報を紹介します。

ブーンOEMモデルのパッソが2023年9月頃終売 ブーンもフルモデルチェンジせず生産終了

ブーンのOEMモデルとして販売するトヨタのパッソが2023年9月に販売終了することをトヨタが公式発表。
2004年から販売するパッソですが、トヨタにはガソリン仕様のエントリーモデルのヤリスがあり、パッソの価格帯とほぼ横並びなことからほとんどのユーザーはヤリスを選択するという情報も。

パッソが生産終了を発表しましたがOEM元のブーンはダイハツが開発したDNGAプラットフォームに刷新しフルモデルチェンジすることが噂されました。しかし2023年12月に生産終了することが決定、ダイハツの貴重なリッターカーが消滅することになりました。

次期ブーンはモデル期間5年目にあたる2023年秋にフルモデルチェンジか

ブーンは2023年秋頃パッソと同時にモデルチェンジすると予想

初代ブーンと2代目パッソは設計をダイハツが、マーケティングをトヨタが行い開発した共同開発モデルです。スバルとトヨタが開発したライトスポーツの86とBRZのような関係で、トヨタではパッソ、ダイハツではブーンという名前で販売しました。

3代目ブーンになってから、パッソは完全なOEMモデル(開発・製造はダイハツが行いトヨタに提供)になりました。エクステリアやインテリアなども同じで、ベース車両の販売価格も同じですが、販売パッケージ(グレードや特別仕様車など)により価格差が生じています。

ブーンのモデルチェンジ期間を予想すると、初代ブーンが2004年6月7日に発売され2年後の2006年12月25日にマイナーチェンジを行い、2010年2月15日に2代目へフルモデルチェンジしています。

2代目ブーンは2014年4月14日にマイナーチェンジを行い、2016年4月12日にフルモデルチェンジを行い2018年10月10日にマイナーチェンジを行いました。

歴代ブーンのモデルチェンジ年表
年度 内容 モデル期間
2004年6月7日 初代ブーン発売
2006年12月25日 マイナーチェンジ 2年6か月
2010年2月15日 2代目ブーン発売 3年2か月
2014年4月14日 マイナーチェンジ 4年2か月
2016年4月12日 3代目ブーン発売 2年
2018年10月10日 マイナーチェンジ 2年6か月

ブーンのモデルチェンジ年表を見ると2年から4年でモデルチェンジを繰り返している間に一部改良や特別仕様車の追加を行っています。3代目ブーンを見ると2018年に行われた最初のマイナーチェンジまでに2年6か月空いています。

歴代ブーンを見ると初代はマイナーチェンジ後2年6か月で2代目へ、2代目は4年2か月で3代目へ移行していることから、4代目になる次期ブーンは2023年秋頃がフルモデルチェンジ時期になる可能性があります。次期ブーンもDNGAプラットフォームを採用し、トヨタとダイハツが共同開発すると予想できるため、モデルチェンジのタイミングも同じ時期に行うでしょう。

新型ブーンはモデルチェンジで欧州車にも負けない押し出しの強いエクステリアに

新型ブーンのエクステリアを予想する上で欠かせないのがOEMとして提供するパッソの存在です。次期パッソは世界戦略車として欧州で販売すると考えられるため、押し出しの強い印象的なフロントフェイスが必要になるため、ブーンをOEM提供するダイハツはトヨタの意向もあり、今までのブーンよりもインパクトのあるエクステリアにすると考えます。

参考はトヨタが欧州を中心に販売するAセグメントのスモールカー「アイゴ」です。ブーン(パッソ)と同じセグメント(車格)で、フォルクスワーゲンのUPなどとライバル関係にある車で、ブラックアウトした鋭いキーンルックが特徴です。

次期ブーンもアイゴのように一度見たら忘れられない、強烈な印象を与えるフロントフェイスにする可能性もあります。

新型ブーンはトヨタのGA-Bプラットフォーム(TNGAプラットフォーム)を採用するという噂もあるため、もしかすると初代ブーン、2代目ブーンのようにダイハツと共同開発して、車両デザインをトヨタが担当するというケースもあるかもしれません。

3代目ブーンX 2WDのスペック
全長 3,650mm
全幅 1,665mm
全高 1,525mm
ホイールベース 2,490mm
室内長 1,975mm
室内幅 1,420mm
室内高 1,270mm
最小回転半径 4.6m
最低地上高 150mm
車両重量 910kg
総排気量 996L
最高出力 51kW(69PS)/6,000rpm
最大トルク 92Nm(9.4kgm)/4,400rpm
JC08モード燃費 28.0km/L
WLTCモード燃費 21.0km/L
乗車定員 5名
販売価格 1,177,200円~

新型ブーンは歴代モデル初の6MTミッションのスポーツグレード「GT」を設定して走行性能を強化

欧州市場でフォルクスワーゲンUP!に対抗するためGTグレードを設定

現行にあたる3代目ブーンは1.0Lの自然吸気エンジンのみラインナップするリッターカーです。次期モデルでは歴代ブーンで初めて6MTのスポーツグレードGTを設定する可能性があります。

過去ブーンには「X4」、兄弟車のパッソには「TRDスポーツM」という最高出力133PSを発揮する1.0Lの4気筒ターボエンジンを搭載するスポーツモデルがありました。AT設定はなく5速マニュアルミッションのみで強烈な加速を楽しめましたが、今回のGTグレードは初めて「6速マニュアル(MT)」を設定して滑らかで運転しやすいスポーツモデルになるでしょう。

GTグレードは現在搭載するエンジンとは違う新開発されたものになり、排気量は既存のブーンと同じ1.0Lながら、最高出力110ps・最大トルク20kgmを発揮するターボエンジンになり、タンクやルーミーを超えたリッターカートップクラスのハイパワーエンジンになると考えます。

GTグレードを新たに設定する背景には、やはり欧州でライバルになるフォルクスワーゲンUP!の存在があり、最高出力116ps・最大トルク20.4kgmを発揮するUP!と競えるようなスペックにしたいという意図があります。

日本で使うにもGTグレードのスペックは適切で、高速道路の合流地点でもストレスなく加速できる仕様になっています。
加速が弱く高速巡行に不安を感じた方も、新型ブーンにGTグレードが追加されれば十分な購入候補になるでしょう。

新型ブーンの安全装備は進化したスマートアシスト3を採用 自動運転支援技術も搭載か

現行モデルの3代目ブーンはダイハツ単独で開発しているため、OEM提供を受けるトヨタのパッソの安全装備もダイハツのスマートアシスト3を搭載しています。
4代目にモデルチェンジする新型ブーンもダイハツの安全装備スマートアシスト3を搭載すると考えます。

2023年秋頃になると安全装備の内容も進化していることが予想され、夜間の歩行者や昼間の自転車を検知できる2019年時点でトップクラスの安全装備「トヨタセーフティセンス」や「ホンダセンシング」を超える性能になっていることもあるでしょう。

自動運転支援技術についても、2020年に法整備が行われてから本格化することが予想されます。2020年以降、各自動車メーカーのフラッグシップモデルから最新技術を採用して、2023年秋頃には売れ筋の車まで広く搭載する可能性があります。

ブーンも一定の需要が見込めるリッターカーのため自動運転支援技術は早い段階で搭載すると予想できることから、2023年秋頃のモデルチェンジで採用する可能性もあるでしょう。

初代はストーリアの後継車だったブーンのモデルチェンジ遍歴

ブーンはダイハツが販売していたハッチバック型のコンパクトカーで、Aセグメント車専用のプラットフォームを使用しています。トヨタへOEM供給をしており、パッソとして販売されていました。

ブーン 初代 M300S/M310S/301S/312S型:2004年~2010年

2004年4月、初代ブーンが発売されました。同年12月にはスポーティグレードの「カスタム」を追加設定。
2005年5月、特別仕様車「1.0CLセレクション」「1.3CXセレクション」を発売。
2006年3月、モータースポーツへの参加用ベース車両となる「X4」と快適装備の「ハイグレードパック」を設定。同年6月、特別仕様車「1.0CLリミテッド」「1.3CX「リミテッド」を発売。同年12月にはマイナーチェンジを実施。シートの変更やグレード体系が整理されました。
2008年11月、仕様変更と、12月には派生車種の「ブーンルミナス」を発売。
2009年12月、「X4」と「X4ハイグレードパック」の販売終了。翌年2月、2代目と入れ替わりで販売が終了。

ブーン 2代目 M600S/M610S/M601S型:2010年~2016年

2010年2月、フルモデルチェンジで2代目となり、「1.0CL」「1.0CL Limited」「1.3CX」のグレード展開。
2012年6月、一部改良で「1.3CX」を廃止し、燃費性能と安全性能を強化。
2014年4月、マイナーチェンジを施し、パワートレインの改良と燃費性能の向上を実施しました。
2016年4月、3代目と入れ替わりで販売を終了。

ブーン 3代目 M700S/M710S型:2016年~2023年

2016年4月、フルモデルチェンジでホイールベースが拡大された3代目へ。標準グレードの「X」と上級グレードの「CILQ」が用意されます。「X」には「Lパッケージ」と「Gパッケージ SA Ⅱ」の設定があります。「X」と「Lパッケージ」「CILQ」ではスマートアシストⅡの有無が選択可能。
2017年10月、アクセサリーパッケージ「スポルザ リミテッドパッケージ」を上級グレード「CILQ」に設定。
2018年7月、「D-tune edition」を「CILQ」にメーカーオプション設定。持ち込み検査の新規登録が必要。同年10月、マイナーチェンジを実施。スマアシⅢへの置き換えや、新たにブーン専用グレードの「STYLE」を設定。
2019年10月、特別仕様車「STYLE”ホワイトリミテッド SA Ⅲ”」「STYLE”ブラックリミテッド SA Ⅲ”」を発売。
2021年4月、一部改良で「X」グレードの体系とボディカラーの見直しが実施されました。
2023年12月、販売を終了しました。

ブーンのモデルチェンジ遍歴
ブーンのモデル 販売年表
初代 M300S/M310S/301S/312S型 2004年~2010年
2代目 M600S/M610S/M601S型 2010年~2016年
3代目 M700S/M710S型 2016年~2023年

次期ブーンは使いやすく安全な次世代のコンパクトスタンダードになる噂があったが2023年に生産終了

2023年にフルモデルチェンジする噂があったブーンは2023年にOEMモデルのパッソと同じく生産終了。 動力性能にこだわる方へスポーツグレードのGTを提供、運転が不安な方へ先進安全装備を提供、自動車の最先端技術を体験したい方へ技術の粋を集約した自動運転支援技術を提供する可能性がありましたが、モデルチェンジは実施されませんでした。