トヨタ86の内装の特徴は?コックピットやシート設計など
スバルとの共同開発車として2012年に生まれたトヨタの86は、人気漫画の頭文字Dにも取り上げられたAE86の「自分だけの1台を楽しみながら育てる」という精神を継ぐスポーツカーです。スバルからは兄弟車としてBRZが製造・販売されています。
グレード構成はGTリミテッドブラックパッケージ・GTリミテッド・GT・Gの4つでしたが、2018年7月にはスポーツモデルのGRとGRスポーツを追加、スポーツ走行をより本格的に楽しめる車として知られるようになりました。トヨタ86の内装はそれぞれのグレードでどう違いがあるのか、シートデザインやインパネ周りなどに注目していきます。
トヨタ86にUKテイスト漂う特別仕様車 GT“British Green Limited”が登場!内装はどうなる?
2019年2月12日、トヨタ86に新たな特別仕様車としてGT“British Green Limited”(ブリティッシュ・グリーン・リミテッド)が登場しました。注文は期間限定で2019年2月12日から5月31日まで受け付けており、発売は7月下旬ごろに予定されています。
深みのあるグリーンカラーのボディや、17インチのブロンズアルミ・リヤスポイラー等がセットとなったメーカーセットオプションの“High Performance Package”には特に目を惹かれますが、内装も洗練された上質感あふれるデザインが設定されています。ブリティッシュ・グリーン・リミテッドの内装を紹介していきます。
86 GT“British Green Limited”のコックピットはスポーティな雰囲気はそのままに、さらに上品さが加えられたデザイン
86 GT“British Green Limited”の内装色はスタイリッシュなブラックカラーです。深みのあるグリーンのボディカラーに非常にマッチしています。
助手席側のインパネやステアリングホイール、シフトブーツ、ブレーキレバーなどにもさりげなくシートカラーと同色のステッチが施されているのがポイントです。
また、ドアグリップ・レジスターリング・センタークラスター・シフトベゼル・ステアリングベゼルにはそれぞれキャストブラック塗装が施されていて、86のスポーティな走りをより強くイメージさせます。
インパネオーナメント・メーターバイザー表皮巻き・ドアトリムオーナメントには、スエード調の人工皮革グランリュクスを採用しています。見た目が上質なだけでなく、窓から入り込む光の反射を防止するので安全運転にも貢献します。
86 GT“British Green Limited”のシート内装には本革とアルカンターラのコンビシートを採用
86 GT“British Green Limited”には、レーシーなタンカラーのシートが採用されています。素材は高級感あふれる本革と人工皮革「アルカンターラ」を使ったコンビシートです。パーフォレーション(穴あけ)加工が施されているので蒸れる心配もありません。
スポーティな86のシート内装をグレード別にチェック!
86のシート内装はタイプによって使用される素材や選べるデザインが大きく異なります。限定モデルのGT“リミテッドブラックパッケージ”とGT“リミテッド”、GTとG、スポーツモデルのGRとGRスポーツの3つに分類して解説していきます。
GT“Limited・Black Package”とGT“Limited”の内装には本革とアルカンターラを使用
TOYOTA86のGT“Limited・Black Package”とGT“Limited”の場合、標準設定となるのは本革×アルカンターラ(イタリア製の上質マテリアル)のシート表皮にブラックの内装色です。2グレードとも、注文時にレッド・ブラックかタンカラー・ブラックの組み合わせも指定できます。
GTとGには上級タイプのファブリックが設定
86のGTとGのインテリアカラーも、ブラックが標準設定となっています。素材は2グレードとも同じ上級ファブリックを採用していますが、GTのブラックシートには白のステッチが入っているのが特徴です。さらに、GTはブラック以外にレッドとブラックの組み合わせのファブリックシートも指定可能です。
GRとGR SPORTはスポーティなシートデザインが目を引く
2018年7月2日に発売された86のGRとGR SPORTのインテリアは、どちらも通常モデルとは一味違ったスポーツモデルらしい走りを予感させるシートデザインです。本格スポーツモデルであるGRは専用のレカロ製フロントシートで赤のロゴがアクセントとなっています。ドライバーのライフスタイルに合わせた走りを楽しめるGR SPORTは、スポーティさを出しつつもブラックでまとまったシンプルな装いです。
86のメーターデザインは3種類に分けられる
86のメーターはグレードごとに3種類に分けられます。最もシンプルな作りとなっているのがベースモデルのGグレードのメーター。黒の文字盤にマルチインフォメーションディスプレイ、タコメーターが搭載された3眼メーターです。
GT“Limited・Black Package”・GT“Limited”・GTの3グレードは同じデザインです。タコメーターがホワイトの文字盤となっていて、4.2インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイとデジタルスピードメーター、REVインジケーターがついています。日差しの眩しい昼間でも見やすいデザインです。
GRとGRスポーツには専用のメーターデザインが設定されています。リミテッドやGTと同様、タコメーターが白文字盤でスポーティなビジュアルです。
86のコックピットはGとその他グレードで装備やデザインが異なる
スポーツアルミペダルとニーパッドはGグレード以外の全モデルに標準装備されています(スポーツペダルはメーカーオプションでGにも装備可能)。ニーパッドで膝を支えることで運転中の姿勢に安定感が生まれます。
操舵性に優れた3本スポークの本革巻ステアリングホイールはAT車とMT車でデザインが少し異なります。Gグレードのみウレタン製のステアリングとなりますが、メーカーオプションにより本革巻に変更できます。ステアリングには全車にチルト・テレスコピック機能が付いており、ハンドルの位置を細かく自分の体格に合わせられます。
ステアリングと同様、シフトレバーノブやパーキングブレーキレバーもGグレードを除き高級感のある本革を採用しています。Gグレードもステアリングと同じウレタン素材を使用しています。
Gグレードのエアコンがダイヤル式のマニュアルエアコンなのに対し、その他のグレードは左右独立温度コントロールフルオートエアコンが搭載されています。オートエアコンはダイヤル式にピアノタッチスイッチが加わったデザインで、カチカチとするメカニックな操作感が楽しくなります。
86のシート設計はスポーツ走行を意識した作りです。重力加速度によって身体の軸がぶれないよう、クッション断面やシートバックを工夫しました。また、全車にヒールパッド付きのフロアマットを標準装備し、ペダル操作がしやすくなっています。
2+2シーターを実現した86のリアシート
フロントシートバックの形状を工夫することで、後部座席は窮屈になりがちな膝周りの空間を広く取っています。大人2人でも問題なく着席できます。
また、リアシートへの乗降性も考慮し、全モデルに助手席ウォークイン機構を標準装備しています。さらに運転席側には運転席前倒しストラップを、車のボディを守るスカッフプレート付近には滑り止めのアシストパッドをGグレード以外の全車に設置しました。
スポーツ走行を楽しむ人のためのトランクスペース
86のリヤシートには一体可倒式を採用しており、前に倒すとトランクスルーとなります。荷室にはタイヤ4本またはゴルフバッグ2個を収納できるほどのスペースを確保しました。フラットなので荷物を積みやすく使い勝手の良い作りとなっています。
86ドライバーを危険から守る安全装備
反射した後続車のヘッドライトや街灯の光を自動で抑制し、まぶしさを軽減する防眩ミラーはGグレード以外の86全車に標準装備されています。フレームレスで視界が広く確保され、運転に集中できます。
VSC(ビークルスタビリティコントロール)は86の全車に標準装備されており、横滑りが発生した際には自動的にエンジンやブレーキを調節して車を安定させます。さらに左右のタイヤの回転差を調整するLSD機能や、タイヤの空回りを防止するTRC機能も搭載しています。
その他、むち打ち障害を軽減するフロントシートを採用するなど、安全性能の向上にも重きを置いています。
あらかじめカスタマイズを想定した86のインテリア
86はカスタマイズを想定して作られた車のため、カスタマイズ用のアクセサリーも充実しています。自分好みの一台へと育てていく楽しみがあります。
TRD(トヨタ・レーシング・デベロップメント)からは、オーディオ装着スペースに取り付け可能なスポーツメーターキット、レッドのステッチがスポーティな本革シフトノブやニーパッドなどがラインナップしています。
モデリスタからは、G・GR・GR SPORT以外のグレードに対応するインテリアパネルセットが販売されており、メタルモノグラムがおしゃれなレッドモノグラムとメタルの質感がスタイリッシュなヘアライン調の2タイプの設定があります。
操作性とデザイン性を両立した取り替えタイプのパドルシフトは、GグレードとMT車以外の全グレードに対応します。ドライバーのスポーツマインドを掻き立てるビジュアルです。
86の内装はドライバーが走りを最大限に楽しめる工夫がいっぱい
トヨタ86は、2018年7月のGR・GR SPORTの追加によってグレードの選択肢が広がったことから、スポーツ走行をより自分らしく楽しめるようになりました。元々のシート内装はいずれもブラックを基調としたすっきりとしたデザインとなっていますが、TRDやモデリスタ等から販売されているインテリアアクセサリーでカスタマイズし、オンリーワンのクルマを作り上げていくのも86とのカーライフの楽しみ方のひとつです。