スズキ エスクードは2024年に生産終了 後継はフロンクスとスズキ初の量産EV「eビターラ」
スズキのエスクードは、次のモデルチェンジで1.0Lターボエンジンを搭載するとかつて噂されていましたが、その次期型が日本に登場することはなく、2024年に生産を終えました。
現在は、コンパクトSUVのフロンクスが実質的な後継として国内で販売され、さらにスズキ初の量産電気自動車として、エスクードの海外名を受け継ぐ「eビターラ」が2026年1月に発売されています。
ここでは、eビターラの登場やエスクードの生産終了といった最新の動きから、歴代エスクードのモデルチェンジ遍歴までを整理していきます。
スズキ初の量産EV「eビターラ」が2026年1月16日に発売 100%電気で走る世界戦略EVの第1弾
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2026年1月16日に発売されたeビターラ -
eビターラのコックピット -
eビターラのインテグレーテッドディスプレイシステム -
eビターラ -
eビターラ
eビターラは2024年11月にイタリア・ミラノで初公開され、2025年9月16日にスズキが日本導入を正式発表、2026年1月16日から販売が始まりました。
eビターラはビターラ(エスクードの海外名)のピュアEV版に位置づけられるコンパクトSUVで、「エモーショナル・バーサタイル・クルーザー」を商品コンセプトに掲げる、スズキの世界戦略EV第1弾です。駆動方式はFWD(2WD)と電動4WD「ALLGRIP-e」の2種で、EV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」を採用しています。
バッテリーは日本メーカーとして初採用となる安全性の高いリン酸鉄リチウムイオン(LFP)で、容量は49kWh(2WDのみ)と61kWhの2種類。WLTCモードの一充電航続距離は、Xグレード(49kWh・2WD)が433km、Zグレード(61kWh・2WD)が520km、Z(61kWh・4WD)が472kmと、実用に十分な距離を確保しています。
生産はインドのグジャラート工場が担い、日本へは輸入という形で供給されます。2025年9月18日からは全国で先行展示が順次行われました。
| グレード | 駆動方式 | 値段 |
|---|---|---|
| X | 2WD | 3,993,000円 |
| Z | 2WD | 4,488,000円 |
| 4WD | 4,928,000円 |
価格は399万3,000円からで、スズキ車としては最高値の設定です。もっとも、国のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金の対象で、補助金を利用すれば実質的な負担は300万円前後まで下がります。補助金額は時期や自治体によって変わるため、実際の購入時に確認しておきたいところです。
エスクードは2024年春に受注終了で生産終了 後継としてコンパクトSUVのフロンクスを日本導入
エスクードは2024年春に日本での受注を終了し、生産を終えました。
その穴を埋める形で日本へ導入されたのが、2023年にインド市場で発売されたコンパクトSUV「フロンクス」です。
フロンクスはインドでコンパクトSUVの販売台数1位を獲得するなど完成度の高さが際立つモデルで、日本市場ではホンダのWR-Vやトヨタのライズ、ダイハツのロッキーなどがライバルにあたります。
フロンクスの日本発売は、エスクードの販売終了後にあたる2024年10月16日でした。
インド・グジャラート工場で生産される輸入モデルですが、完成度の高いパッケージングと扱いやすいサイズ感がヒットし、販売価格は2,541,000円(2WD)から2,739,000円(4WD)と、エスクードよりも手の届きやすい設定になっています。パワートレインは1.5LのK15C型エンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせ、6ATを介した走りが持ち味で、日本専用仕様として4WDも設定されています。累計生産は発売から順調に伸び、2025年8月には50万台を突破しました。
噂された次期型エスクードは登場せず 4代目は2021年に一度販売終了、2022年の改良を経て2024年に生産終了
エスクードの4代目は2021年9月に日本での販売を一度終了しましたが、2022年4月にマイナーチェンジを受けて国内販売を再開しました。
当初は「新型エスクードが2023年に登場する」という見方も少なくありませんでしたが、このマイナーチェンジによって翌年のフルモデルチェンジという流れは立ち消えとなりました。
オーストラリア市場のエスクード(ビターラ)は2023年にマイナーチェンジを受け、特別仕様車のシャドウエディションを追加しています。しかし、期待された5代目へのフルモデルチェンジが日本で実現することはなく、エスクードは2024年に生産を終え、後継の役割はフロンクスとeビターラへと引き継がれました。
噂された1.0Lターボの日本追加は実現せず エスクードは1.4Lターボのまま生産を終えた
スズキが欧州で販売していたビターラには、日本のエスクードにも設定される1.4Lターボに加えて、ダウンサイジングされた1.0Lターボもラインナップされていました。この流れから、日本仕様にも1.0Lターボが追加されるのではないかと長く噂されていました。
1.0Lターボエンジンは「ブースタージェット」と呼ばれるユニットで、ハイオク指定だった旧型バレーノXTに搭載されていたものと同系列です。仮に日本仕様のエスクードに搭載されるなら、現行バレーノXTと同様にレギュラー仕様で投入されるのではないか、と見られていました。
| 指定燃料 | ハイオク | レギュラー |
|---|---|---|
| 種類 | 直列3気筒ターボ | |
| 排気量 | 996cc | |
| 最高出力 | 82kW(111PS)/5,500rpm | 75kW(102PS)/5,500rpm |
| 最大トルク | 160Nm/1,500~4,000rpm | 150Nm/1,700~4,500rpm |
ハイオク指定なら111PS、レギュラー仕様ならやや下がって102PSを発揮するエンジンです。日本仕様の1.4Lターボがレギュラー仕様だったことから、1.0Lターボもレギュラー仕様で追加されるのではと予想されていました。1.4Lターボの価格帯が265万円からだったのに対し、1.0Lターボはより手頃な価格になると期待する声もありました。しかし結局、日本のエスクードに1.0Lターボが追加されることはなく、1.4Lターボを中心としたラインナップのまま2024年に生産を終えています。
パリモーターショーで進化してきた4代目 次期型のお披露目の機会は結局訪れなかった
4代目エスクードが発表されたのは2014年のパリモーターショーで、フェイスリフト版が披露されたのも2018年のパリモーターショーでした。次期型がどのモーターショーで発表されるのかにも注目が集まりましたが、フルモデルチェンジ自体が行われなかったため、その舞台が用意されることはありませんでした。
欧州仕様ビターラには1.0Lターボが設定されていたが 日本仕様が追従することはなかった
欧州で販売されていたビターラには1.0Lブースタージェットを搭載するモデルもあり、イギリス仕様ではベースグレードのSZ4から設定されていました。当時の価格は16,999ポンドからで、日本円ではおよそ251万円(1ポンド148円換算)でした。
ベースグレードのSZ4は2WDで5MTだったため、日本に導入されるとしても6ATの4WDが中心になるとみられていました。イギリス仕様で1.0Lブースタージェットと4WDシステムのAll Gripを組み合わせるとグレードはSZ-T(5MT)となり、20,799ポンド(約306万円)でした。もっとも、こうした欧州の1.0L仕様が日本のエスクードに導入されることは、最後までありませんでした。
4代目エスクードは2015年に登場 初期には2WDもあったが、2018年の改良で1.4Lターボと4WDに集約された
初代から3代目までのエスクードは、日本で生産されラダーフレームを採用した本格派のクロスカントリーでしたが、4代目からはハンガリーで生産され、SX4 Sクロスと共通のプラットフォームを採用しました。初期には2WDモデルもあり、当初は1.6Lエンジンのみでしたが、2018年モデルでは1.4LターボエンジンとAll Gripの4WDシステムへと集約されています。
欧州のスズキでは1.6Lエンジンを順次廃止し、1.4Lターボと1.0Lターボの2本立てへと切り替えていきました。日本仕様でも2018年10月にM16A(1.6L)搭載モデルが廃止されており、この先1.0Lモデルが追加されるのではとの見方もありましたが、実際には追加されないまま、エスクードは2024年に生産を終えました。
クロスカントリーセダンを開発コンセプトに登場したエスクードのモデルチェンジ遍歴
エスクードはスズキのSUVで、「SUV」という言葉が浸透していなかった時代に「RV」と呼ばれて登場した、SUVの先駆けとも言えるモデルです。当時のクロスカントリー車は本格的なオフローダーが中心で日常使いには不向きでしたが、エスクードは日常での走行性能を重視した「クロスカントリーセダン」として開発されました。
エスクード 初代 TA01R / TA01V / TA01W / TA11W / TA31W / TA51W / TD01W / TD11W / TD31W / TD51W / TD61W型:1988年~1997年
1988年5月、初代エスクードが誕生しました。コンバーチブルとハードトップのほか、4ナンバーのバンも設定され、ライトクロカンの先駆けとも言われる存在でした。
1989年、夏季限定車「ヘリーハンセンリミテッド」と冬季限定車「ゴールドウィンリミテッド」を発売。
1990年8月、マイナーチェンジを実施し、馬力を向上、バンモデルは廃止されました。同年9月にはサブネーム「ノマド」の5ドアモデルを追加。
1994年12月、2.0L V6エンジンと2.0L直4ディーゼルターボモデルを追加。
1996年にマイナーチェンジを実施し、2.5L V6エンジンモデルを追加。スズキ初の3ナンバー車となり、サブネーム「ノマド」の呼称は消滅しました。
1997年10月、2代目と入れ替わりで販売を終了。
エスクード 2代目 TA02W / TD02W / TD32W / TD52W / TD62W / TL52W型:1997年~2005年
1997年11月、フルモデルチェンジで2代目へ移行。
1998年10月、ドレスアップ車「エスクードV6スペシャル」を設定。同年11月、1,000台限定の特別仕様車「Gリミテッド」を発売。
1999年6月、1,000台限定の特別仕様車「Sリミテッド」を発売。
2000年4月、一部改良で環境性能を強化。同年12月の仕様変更で「グランドエスクード」を発売。
2001年6月、アウトドア装備を充実させた特別仕様車「2.0 5ドア ヘリー・ハンセン リミテッド」を発売。
2002年1月、ファッションデザイナーの山本寛斎が内装を手掛けた特別仕様車「KANSAI」を設定。同年6月に特別仕様車「ヘリー・ハンセン リミテッド」、同年11月には一部改良で3ドアモデルを廃止し、国際スキー連盟とタイアップした特別仕様車「FISフリースタイルワールドカップリミテッド」を設定。
2004年5月、特別仕様車「エスクード S-エディション」を発売。
2005年4月、3代目と入れ替わりで販売を終了。
エスクード 3代目 A74W / TD54W / TD94W / TDA4W / TDB4W型:2005年~2017年
2005年5月、フルモデルチェンジで登場。グローバル市場では「Grand Vitara」を名乗る世界戦略車となりました。
2006年6月、一部改良で「1.6 XC」を追加し、輸出向けだった3ドアを日本市場に再投入。特別仕様車「スーパーサウンドエディション」を発売。同年12月、特別仕様車「2.0/2.7 サロモンリミテッド」を発売。
2007年5月、一部改良で新グレード「2.7 XG」を追加するとともに「1.6 XC」の国内販売を終了。同年6月、約5年ぶりの特別仕様車「2.0/2.7 ヘリー・ハンセン リミテッド」を800台限定で発売。
2008年6月、マイナーチェンジを実施し、特別仕様車「2.4 ヘリー・ハンセン リミテッド」を1,000台限定で発売。同年11月、特別仕様車「サロモンリミテッド」を1,000台限定で発売。
2009年6月、一部仕様変更で「2.4 XG」に集約。特別仕様車「2.4 オニール リミテッド」を600台限定で発売。
2012年7月、マイナーチェンジで外観を大きく変更。特別仕様車「X-Adventure」を設定。
2014年8月、特別仕様車「ランドブリーズ」を発売。
2017年4月、日本での3代目の販売を終了。
エスクード 4代目 YD21S / YE21S / YEA1S型 / YEH1S型:2015年~2024年
2015年10月、ハンガリー(マジャールスズキ)で生産される「ビターラ」を、輸入車として日本市場向けに販売開始。
2016年、一部仕様変更を実施し、ボディカラーの変更と2WDモデルの廃止を行いました。
2017年7月、直噴ターボの「1.4ターボ」を追加設定。
2018年10月、「1.6」を廃止。同年12月、安全・環境性能を強化。
2020年11月、特別仕様車「Sリミテッド」を発売。
2021年9月、日本での販売を一度終了。
2022年4月、マイナーチェンジで日本での販売を再開。
2024年、生産を終了し、後継のフロンクスやeビターラへとバトンを渡しました。
| エスクードのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 TA01R / TA01V / TA01W / TA11W / TA31W / TA51W / TD01W / TD11W / TD31W / TD51W / TD61W型 | 1988年~1997年 |
| 2代目 TA02W / TD02W / TD32W / TD52W / TD62W / TL52W型 | 1997年~2005年 |
| 3代目 A74W / TD54W / TD94W / TDA4W / TDB4W型 | 2005年~2017年 |
| 4代目 YD21S / YE21S / YEA1S型 / YEH1S型 | 2015年~2024年 |