レクサスCTは2022年に廃止 FMCせず生産終了 いまどうなっているのか
2011年から販売されていたレクサスCTは、2022年10月に生産を終え、同年11月に販売も終了しました。初代のまま一度もフルモデルチェンジを受けず、約11年の歴史に幕を下ろした長寿モデルです。途中2014年と2017年の2回マイナーチェンジを実施し、後期型ではレクサスの象徴であるスピンドルグリルを新意匠に変更、安全装備のLexus Safety System+を全車標準化するなどの改良が加えられてきました。
本記事では、生産終了前に飛び交った「次期CT」や「後継モデル」の噂が結局どうなったのか、そしてこれまでの改良・特別仕様車の歩みまでを、2026年時点の状況にそろえて整理します。
CT後継のフルモデルチェンジは実現せず 受け皿はコンパクトSUV「LBX」に
まず結論からお伝えします。長らく取り沙汰されてきた「次期CT」や「プリウスをベースにした後継クロスオーバー」は、2026年を迎えた現在も登場しておらず、事実上は立ち消えとなりました。CTが担っていたレクサス最廉価・入門モデルの座は、2023年に加わったコンパクトSUV「LBX」が引き継いでいます。
LBXは2023年11月9日に国内仕様が正式発表され、同年12月下旬から販売が始まったモデルです。プラットフォームはヤリスクロスと共通のGA-Bで、1.5L直列3気筒+ハイブリッドを核とし、価格は導入時で460万円から。全長4,190mmとレクサス史上最小のボディながら、上質な内外装で「小さな高級車」という新しい価値を打ち出しました。
その後もLBXは着実に幅を広げています。2024年7月には、GRヤリス譲りの1.6L直列3気筒ターボ「G16E-GTS」(最高出力304ps)を積み、レクサス初となる6速MT(iMT)まで選べる高性能版「LBX MORIZO RR」を追加。価格は650万円に設定されました。続く2024年10月31日には一部改良とあわせて、エントリーグレード「ELEGANT」を420万円で設定し、レクサスで最も手が届きやすい一台が生まれています。
2025年5月15日には走りと静粛性を磨く一部改良を行い、スポーティな内外装をまとう新グレード「Active」(440万円)を追加。アクティブノイズコントロールを全モデルに標準化するなど、質感も引き上げられました。さらに2025年10月13日には、東京オートサロン2024の出展車を再現した「LBX MORIZO RR “Original Edition”」を100台限定・730万円で発売。100台のうち70台は先行抽選、残る30台は同年8月にWEB抽選で募集され、希少性の高い一台となりました。直近では2026年5月にもMORIZO RRが一部改良を受け、ボディカラーの拡充などで商品力を高めています。
こうして振り返ると、CTの後継として期待された「多彩なパワートレインを積むプリウスベースの後継車」は結局かたちになりませんでした。とはいえ、レクサスの入門クラスそのものはLBXという別のアプローチでしっかり受け継がれた、と言ってよさそうです。
「5代目プリウスベースの後継クロスオーバー」の噂はどうなったか
CTがFMCせず終了した後、5代目プリウスをベースにした新型クロスオーバーを追加するのでは、という噂が流れました。当時は全長4,340mm、全幅1,765mm、全高1,460mm、ホイールベース2,610mm前後のサイズ感が予想され、パワートレインもハイブリッドに加えてPHEV、さらにBEVまで用意されるのでは、と語られていました。
エクステリアについても、5代目プリウス風の新世代アイコン「ハンマーヘッド」や、5代目RXから広がったスピンドルボディをまとうといった見立てがありました。しかし2026年時点で、この「プリウスベースのCT後継クロスオーバー」は登場していません。近いキャラクターのモデルとしては既存のUXがあり、そこにLBXが加わったことで、レクサスのコンパクト帯はSUV/クロスオーバーで固まった格好です。結果として、噂されたCT専用の後継枠は設けられませんでした。
「コンパクトハッチCT復活」の噂も実現せず
CTはレクサスの入門ハッチバックとして親しまれましたが、2022年10月の生産終了が決まると、いずれ何らかのかたちで復活するのではという声も上がりました。同クラスにはコンパクトクロスオーバーのUXがあるものの、SUV人気のなかでハッチバックのCTは販売面で伸び悩んでいたのも事実です。
当時は「2025〜2026年ごろに登場する新型車がCT後継になる」「ガソリン・ハイブリッド・PHEV・BEVと多彩なパワートレインをそろえる」といった観測もありました。ですが実際には、CTと同じハッチバック型の後継は用意されず、この復活話も実現していません。レクサスの最廉価枠はLBXが担い、CTの名は現時点で復活していない、というのが正確なところです。
廃止前の最終モデル 特別仕様車Cherished Touringを設定
CTの特別仕様車Cherished Touringは2022年3月3日に発売されました。ボディカラーにエレガントな専用2トーンを設定し、インテリアにはレッド系のクリムゾンを取り入れるなど、CTの最後を飾るにふさわしい仕様に仕上げられています。
レクサスCT特別仕様車Cherished Touringの装備
- シルバー塗装専用スピンドルグリル
- シルバー塗装専用フロントフォグランプベゼル
- シルバー塗装専用リヤバンパーベゼル
- 専用ボディカラー ソニックチタニウムルーフ&グラファイトブラックガラスフレーク
- 専用ボディカラー ソニックチタニウムルーフ&ソニッククォーツ
- オート電動格納式ドアミラー
- 雨滴感知式オートフロントワイパー
- 専用シート クリムゾン&ブラック・クリムゾンステッチ
- 専用ドアトリム クリムゾン&ブラック・クリムゾンステッチ
- 専用レザー巻きメーターフード クリムゾンステッチ
- 専用本革ステアリング クリムゾンステッチ
- 専用フロントセンターコンソールボックス
- 専用ニーパッド
CTはこの特別仕様車の発売後、2022年10月にフルモデルチェンジしないまま生産を終えました。トヨタのプリウスをベースにしたコンパクトハッチバックでしたが、2018年に同セグメントのSUV「UX」が登場したことで、ハッチバックとしてのCTの立ち位置は次第に問われるようになっていきました。
そして前述のとおり、UXの下に位置するコンパクトSUV「LBX」が2023年12月下旬に発売され、CTが担ってきた入門モデルの受け皿となっています。CT最後の特別仕様車、レクサスCT200h Cherished Touringの販売価格は4,223,000円でした。
レクサスCT廃止前に噂された次期型情報や、これまでの改良内容をまとめ
レクサスCTは2011年1月に発売され、生産終了する2022年10月までの約11年間、フルモデルチェンジせず販売された長寿モデルです。この間に2回のマイナーチェンジと複数回の一部改良・特別仕様車設定を重ねてきました。
レクサスの入門モデルという立ち位置もあって注目度は高く、モデルチェンジを待ち望む声も少なくありませんでした。ここからは、生産終了前に飛び交った次期型の噂と、これまでのマイナーチェンジ・改良の歩みを振り返ります(いずれも当時の予想部分は、その後実現しなかった点を含めて整理しています)。
パーキングサポートブレーキとボディカラーを追加する一部改良を2020年8月に実施
コンパクトハッチのCTは2020年8月の一部改良で、予防安全装備のパーキングサポートブレーキを全グレードに標準装備しました。あわせて、ブレージングカーネリアンコントラストレイヤリング、テレーンカーキマイカメタリック、セレスティアルブルーガラスフレークの3色のボディカラーを追加しています。
エクステリア・インテリアの意匠変更はないものの、安全面を底上げした改良でした。当時は「2022年以降にCTがフルモデルチェンジするのでは」とも言われており、結果的にこれがCTにとって最後の一部改良となりました。
| グレード | 販売価格 |
|---|---|
| CT200h | 3,869,000円~ |
| CT200h バージョンC | 4,093,000円~ |
| CT200h Fスポーツ | 4,510,000円~ |
| CT200h バージョンL | 4,881,000円~ |
コンパクトな電動ハッチバックが後継になるという観測もあった
かつては、レクサスが過去に公開したコンセプト「LF-SA」を踏まえた、コンパクトな電動ハッチバックがCTの後継になるのでは、という観測もありました。2019年の東京モーターショーでの登場を期待する声もあったほどです。
スピンドルグリルを継承し、ステアリング両脇にデジタルディスプレイを配した先進的なインテリア、といった内容も語られていました。もっとも、こうしたLF-SA由来の小型モデルは2026年時点でも市販化されておらず、あくまでコンセプト止まりのままです。実際にレクサスのエントリー市場を担ったのは、電動ハッチではなくコンパクトSUVのLBXでした。
次期CTには「GA-Cプラットフォーム」採用が予想されていた
当時は、次期CTにTNGAをさらに洗練させた最新技術が投入され、そのレクサス版となる「GA-Cプラットフォーム」を採用するのでは、と予想されていました。
プリウスから広がったTNGAは各セグメントで共通利用でき、生産性向上やコスト削減、ボディの軽量化、走行性能の向上に寄与します。GA-Cはそのレクサス版という位置づけで、これによりボディはわずかに大型化し、低重心でスポーティな姿になるだろう、と語られていました。とはいえ、次期CT自体が登場しなかったため、この予想も実現には至っていません。
「ハッチバックとは限らず、レクサス初のEVになる可能性」も語られた
次期CTについては、早ければ2021年以降に発表される、現行のハッチバックからSUVタイプに変わる、レクサス初のEVになる――といった様々な可能性が、当時レクサスの欧州部門トップの発言などとともに取り沙汰されました。
プリウスベースの現行CTに対し、次期型はより洗練された最新技術でラグジュアリーさを高めるとされ、SUV化する場合はUXよりさらに小さくなるとの見方や、スライドドア付きのコンパクトカーになるのではという声もありました。
EV化についても、当初はUX300eが商標登録されていたことからレクサス初のEVはUXが担うと見られていた一方、その役目をCTが引き受ける可能性が語られたこともあります。結果として、レクサスのEXは別系統のBEV(RZなど)へと展開し、CTがEVとして生まれ変わる展開にはなりませんでした。ここで挙げられた可能性は、いずれも次期CTの不在とともに立ち消えています。
レクサスCTに特別仕様車ブラックシーケンス(Black Sequence)登場
レクサスブランドの国内累計販売50万台達成を記念し、ブラックをテーマにした特別仕様車「ブラックシーケンス(Black Sequence)」が2018年8月23日に発売されました。対象はGS・IS・CT・LX・RX・NXの6車種で、CTには専用ボディカラー3種と専用内装色3種が用意されました。
レクサスCT特別仕様車ブラックシーケンスのボディカラー
- ソニックチタニウムルーフ&グラファイトブラックガラスフレーク
- マーキュリーグレーマイカルーフ&レッドマイカクリスタルシャイン
- ソニックチタニウムルーフ&ソニッククォーツ
レクサスCT特別仕様車ブラックシーケンスのインテリアカラー
- ブラック/ブルー・ブルーステッチ
- ブラック/ダークローズ・レッドステッチ
- ブラック/ホワイト・ホワイトステッチ
レクサスCT特別仕様車ブラックシーケンスの特別装備
- 215/45R17タイヤ&専用ブラック塗装アルミホイール
- オート電動格納式ドアミラー
- 専用スポーツチューニングサスペンション
- クリアランスソナー&バックソナー など
次期CTのエクステリアはこう予想されていた(実現せず)
生産終了前には、2022年ごろのモデルチェンジを見込んだエクステリア予想も出回っていました。後期型と比べてホイールデザインは踏襲しつつ、リアバンパーがわずかに張り出す――といった内容です。予想されたボディサイズは全長4,390mm・全幅1,765mm・全高1,400mmで、初代より全長を少し伸ばし全高を下げた、よりワイド&ローな姿になるとされていました。
| 全長 | 4,390mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,765mm |
| 全高 | 1,400mm |
| ホイールベース | 2,700mm |
プラットフォームはプリウスやC-HRと同じ「GA-Cプラットフォーム」になるとされ、ヘッドライトは上部にアロー型LEDデイライトを備えた初代後期型の意匠を引き継ぎ、光源を3眼LED化して高級感を高める、といった見立てもありました。いずれもCTがフルモデルチェンジされなかったため、実車としては登場していません。
次期CTに予想されていた搭載装備(実現せず)
次期CTには、当時の最新世代のLexus Safety System+が載るだろうと見られていました。初代CTでもLexus Safety System+は全車標準でしたが機能は第1世代で、次期型では夜間の歩行者や昼間の自転車にも対応する自動ブレーキなどが加わると予想されていました。
次期CTに予想されていた第2世代Lexus Safety System+(当時の見立て)
- プリクラッシュセーフティ(夜間歩行者・昼間自転車検知)
- レーンディパーチャーアラート(LDA)
- オートマチックハイビーム(AHB)
- アダプティブハイビームシステム(AHS)※上位グレード
- レーダークルーズコントロール(先行車追従)
- ロードサインアシスト
- 先行車発進告知
ロードサインアシストや先行車発進告知の追加で安全性がさらに高まる、と語られていましたが、これらもあくまで登場しなかった次期CTを前提とした予想でした。
参考:初代CT200hのエンジンスペック
ここで、実際に販売された初代CTのパワートレインも確認しておきます。初代後期型のCTはTHS2のハイブリッドシステムに1.8L直列4気筒エンジンを組み合わせ、トランスミッションはCVT、駆動方式はFF(2WD)でした。
| 型式 | 2ZR-FXE |
|---|---|
| 種類 | 直列4気筒 |
| 排気量 | 1,797cc |
| 最高出力 | 73kW/5,200rpm |
| 最大トルク | 142Nm/4,000rpm |
| モーター型式 | 3JM |
| モーター最高出力 | 60kW |
| モーター最大トルク | 207Nm |
| 駆動方式 | FF(2WD) |
| トランスミッション | 電気式無段変速機 |
燃費は後期型でベースグレードが30.4km/L、version C・F SPORT・version Lの3グレードが26.6km/Lでした。次期型では33.0km/L前後まで伸びるのでは、との予想もありましたが、こちらも実車の登場には至っていません。
次期CTに予想されていた発売時期・価格帯(実現せず)
次期CTの登場時期は「2022年以降」と見られ、価格帯は390万〜490万円ほどと予想されていました。メルセデス・ベンツAクラスやBMW1シリーズのようなブランドの入口を担う存在として、大幅な価格上昇はないだろう、との読みです。
当時予想されていた次期CTの発売時期と価格帯(未実現)
- 発売時期:2021〜2022年ごろ(予想)
- ベースグレード:390万円(予想)
- version C:410万円(予想)
- F SPORT:460万円(予想)
- version L:490万円(予想)
実際にはこの価格帯の入門枠は、後にLBX(420万〜460万円台〜)が担うことになりました。参考までに、生産終了時点のCT200hの価格は以下のとおりです(表記は当時の一覧に基づく参考値)。
| グレード | 駆動方式 | 販売価格 | |
|---|---|---|---|
| CT200h | version L | 2WD(FF) | 4,858,334円~ |
| F SPORT | 2WD(FF) | 4,481,481円~ | |
| version C | 2WD(FF) | 4,063,888円~ | |
| ベースグレード | 2WD(FF) | 3,839,815円~ |
レクサスのプレミアムコンパクト初のハイブリッド専用車 CTのモデルチェンジ遍歴
CTは、トヨタの高級ブランド「レクサス」が販売していたコンパクトハッチバックです。ラインナップ中もっとも小さく、エントリーモデルの役割を担いました。車名は「Creative Touring vehicle」の頭文字に由来します。
レクサスCT ZWA10型/2011年~2022年
2011年1月、レクサスCTの販売が始まりました。1.8Lハイブリッドの「CT200h」1本立てで、標準仕様、安全装備を充実させた「version C」、スポーティな「F SPORT」、ラグジュアリーな「version L」を用意しました。
2012年8月、一部改良で乗り心地を向上。9月に特別仕様車「Creative Textile Interior」を設定し、10月に発売しました。2014年1月のマイナーチェンジではスピンドルグリルを新採用し、全長を延長。静粛性や乗り心地も高めています。2015年1月には一部改良と、レクサス日本開業10周年記念の特別仕様車「F SPORT X Line」を発売。5月の一部改良では「F SPORT」のロアモールをメッキ加飾とし、ボディカラー追加やリモート操作の追加などを行いました。
2016年8月に特別仕様車「Cool Touring Style」を発売。2017年8月には2度目のマイナーチェンジを実施し、全長を延長しつつ外観の一部を変更、全車に「Lexus Safety System+」を標準装備しました。2018年8月には、レクサス国内累計50万台達成記念の特別仕様車「Black Sequence」を発売しています。
2020年8月、一部改良で全車にパーキングサポートブレーキを標準装備し、ボディカラーを追加。2022年3月に特別仕様車「Cherished Touring」を発売すると同時に、同年10月での生産終了を発表。同年11月に販売を終了しました。フルモデルチェンジは一度も行われず、後継の受け皿は2023年発売のコンパクトSUV「LBX」が担っています。
| レクサスCTのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| ZWA10型 | 2011年~2022年 |
レクサスCTは高級感を高める噂を残しつつ、FMCせず廃止に
スピンドルグリルで高級感を高めた中期型から後期型へと進化する過程で、エクステリアの見直しやヘッドライトの刷新などにより、CTはさらに上質さを増すのでは――そんな噂を残しながらも、レクサスCTは2022年10月に生産を終え、11月に販売を終了しました。取り沙汰された次期CTやプリウスベースの後継、LF-SA由来の小型EVはいずれも実現せず、CTの入門モデルとしての役割は、その後登場したコンパクトSUV「LBX」が引き継いでいます。