レヴォーグのグレード別特徴や標準装備等の違いを比較
現行レヴォーグ(VN型)は2020年10月に2代目へとフルモデルチェンジし、スバルグローバルプラットフォームの採用・新世代アイサイトの搭載・1.8L直噴ターボへのエンジン刷新など、初代から大幅に進化しました。その後も毎年のように改良が重ねられ、2026年6月4日の一部改良ではSI-DRIVEの全モードで加速レスポンスが向上し、WLTCモード燃費も13.8km/Lへ引き上げられています。
現在のグレード構成は、1.8L直噴ターボを積む「Smart Edition EX」「V-SPORT」「GT-H EX」「STI Sport EX」「STI Sport EX Black Interior Selection」「STI Sport R-Black Limited」の6本立てです。長くフラッグシップを務めた2.4L直噴ターボの「STI Sport R EX」系は、2026年7月施行の騒音・排ガス規制への対応にともない、新車ラインナップから外れました。
グレード名に付く「EX」は高度運転支援システム「アイサイトX」の搭載を示し、現行ラインナップでは全車にアイサイトXが標準装備されています。駆動方式は全車AWD(シンメトリカルAWD)、トランスミッションは全車CVT(リニアトロニック)です。
以下では各グレードの特徴・主な標準装備・スペック・価格を詳しく比較します。
安全装備が充実したエントリーグレード「Smart Edition EX」
Smart Edition EXは現行レヴォーグのエントリーグレードです。2023年7月にGT系ベースの特別仕様車として設定され、2023年10月の改良でカタロググレードに格上げされました。2024年12月の一部改良では「GT-H EX」のインテリアが採用され、質感が向上しています。
新世代アイサイト(ステレオカメラと広角単眼カメラ)とアイサイトXが標準装備され、全車速追従機能付クルーズコントロール・車線中央維持(アクティブレーンキープ)・ドライバーモニタリングシステムなど高度な運転支援機能が揃います。エントリーグレードでも安全性能に差がつかない点は、レヴォーグ全グレードに共通する強みです。
見落とされがちなのは、このグレードでも運転席10ウェイ・助手席8ウェイパワーシートと18インチアルミホイールが標準という点です。間近で見ると、ブラック塗装に切削光輝を組み合わせたホイールは上位グレードと見分けがつきにくく、価格を抑えた仕様に見えません。実際に触れてみると、高触感革の本革巻ステアリングも握り心地が柔らかく、363万円という価格から想像する手触りとは違います。
Smart Edition EXの主な標準装備
- 新世代アイサイト+アイサイトX(全車標準)
- ドライバーモニタリングシステム
- フルLEDハイ&ロービームランプ(ブラックベゼル)
- 18インチアルミホイール(ブラック塗装+切削光輝)
- 11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ
- 12.3インチフル液晶メーター
- 本革巻ステアリングホイール(高触感革)
- 運転席10ウェイ・助手席8ウェイパワーシート
- 前席シートヒーター
- ハンズフリーオープンパワーリヤゲート
- アルミパッド付スポーツペダル
| エンジン | 1.8L水平対向4気筒直噴ターボ(CB18型) |
|---|---|
| 最高出力 | 130kW(177PS)/5,200〜5,600rpm |
| 最大トルク | 300Nm/1,600〜3,600rpm |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 駆動方式 | AWD(シンメトリカルAWD) |
| トランスミッション | リニアトロニック(CVT) |
| WLTCモード燃費 | 13.8km/L |
| 全長 | 4,755mm |
| 全幅 | 1,795mm |
| 全高 | 1,500mm |
| ホイールベース | 2,670mm |
| 販売価格 | 363万円 |
内外装をブラックで引き締めた特別仕様車「V-SPORT」
V-SPORTは2025年3月13日に設定された特別仕様車で、Smart Edition EXをベースにしています。価格は368万5,000円と、ベースに対して5万5,000円高です。
エクステリアはドアミラー、ルーフアンテナ、LEVORGとシンメトリカルAWDのリヤオーナメントをブラックで統一し、ヘッドランプのベゼルもブラックとしています。インテリアはブラックとグレーのウルトラスエードシートにレッドステッチを組み合わせ、インパネミッドトリムとドアトリムも表皮巻きです。
注目したいのは差額5万5,000円という設定です。シート表皮の変更とブラック加飾一式が、オプションで同等の内容を積み上げるより明確に安く収まっています。ウルトラスエードは本革より滑りにくく、カーブでの身体の保持という点でも実用的な表皮です。外観を引き締めたいが、STI Sport系の価格までは出したくないという使い方に収まりがよい選択肢になります。
装備と価格のバランスに優れた人気グレード「GT-H EX」
GT-H EXは、快適装備と価格のバランスを取った中核グレードです。価格は379万5,000円で、Smart Edition EXとの差は16万5,000円にとどまります。
この16万5,000円で増えるのは、後席シートヒーター、左右独立温度調節機能付きフルオートエアコン、デジタルマルチビューモニター(全方位カメラ)といった快適装備と視界支援です。前後席のシートヒーターが揃うため、寒冷地で後席に人を乗せる機会が多い使い方では差が出ます。逆に乗車するのが前席中心なら、Smart Edition EXで装備的に不足を感じる場面は多くありません。
サスペンションはカヤバ製の通常ダンパーで、STI Sport系のZF製電子制御ダンパーとは構成が異なります。乗り比べると、大きなロールやノーズダイブの抑え方は近い水準にある一方、細かい路面の凹凸を処理する滑らかさで差が出ます。単体で乗って不満が出る性格ではなく、価格差61万6,000円を払って電子制御ダンパーを取るかどうかという判断になります。
タイヤは225/45R18です。Smart Edition EXと同じ18インチですが、ホイールのデザインが異なります。なお本革シートはメーカーオプションでの設定です。
GT-H EXの主な標準装備(Smart Edition EXからの主な追加)
- 後席シートヒーター(前席とあわせて前後席対応)
- 左右独立温度調節機能付きフルオートエアコン
- デジタルマルチビューモニター(全方位カメラ)
- アイサイトセーフティプラス 視界拡張テクノロジー
- 225/45R18タイヤ+専用18インチアルミホイール
| エンジン | 1.8L水平対向4気筒直噴ターボ(CB18型) |
|---|---|
| 最高出力 | 130kW(177PS)/5,200〜5,600rpm |
| 最大トルク | 300Nm/1,600〜3,600rpm |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 駆動方式 | AWD(シンメトリカルAWD) |
| ダンパー | 通常タイプ(カヤバ製) |
| WLTCモード燃費 | 13.8km/L |
| 販売価格 | 379万5,000円 |
STI専用装備を纏った上級スポーツグレード「STI Sport EX」
STI Sport EXは、スバルのモータースポーツ部門STIが開発した専用装備を多数装着する上級グレードです。価格は441万1,000円で、エクステリアはSTIロゴ入り大型マフラーカッター・専用フロントグリル・専用フロントバンパー(スカート部メッキ加飾)などで精悍な顔つきに仕上げられています。
走行性能の核になるのが、状況に応じてダンパーの減衰力を自動制御するZF製電子制御ダンパーです。ドライブモードセレクトによりコンフォート・ノーマル・スポーツ・スポーツ+の4モードを切り替えられ、エンジン特性・ステアリング・ダンパーをまとめて変更できます。GT-H EXのSI-DRIVEがエンジン特性のみを切り替えるのに対し、制御対象の幅が違う点が価格差の中身です。
実際に乗り比べると、違いがもっとも出るのは速さではなく乗り心地です。GT-H EXでわずかに伝わる細かな突き上げが、コンフォートモードではほぼ抑え込まれます。高速道路での長距離移動が多いほど、この差は効いてきます。
インテリアはSTI専用本革シート(ボルドー/ブラック)とレッドステッチ加飾が随所に施されます。間近で見ると、ステッチの色と本革の配色が外装のブラック基調と連続しており、GT-H EXとは室内の温度感がはっきり違います。なお「Black Interior Selection」ではシート表皮がウルトラスエードのブラックとグレーに変わり、ブラックルーフとピラートリムも組み合わされます。価格は441万1,000円で標準のSTI Sport EXと同額です。
STI Sport EXの主な標準装備(GT-H EXからの主な追加・変更点)
- ZF製電子制御ダンパー(減衰力可変)
- ドライブモードセレクト(4モード)
- STI専用本革シート(ボルドー/ブラック・レッドステッチ)
- 専用フロントバンパー・フロントグリル・マフラーカッター
- アルミパッド付きスポーツペダル
- ピアノブラック調加飾パネル
- STIロゴ入りステンレス製サイドシルプレート
| エンジン | 1.8L水平対向4気筒直噴ターボ(CB18型) |
|---|---|
| 最高出力 | 130kW(177PS)/5,200〜5,600rpm |
| 最大トルク | 300Nm/1,600〜3,600rpm |
| 使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
| 駆動方式 | AWD(シンメトリカルAWD) |
| ダンパー | ZF製電子制御ダンパー |
| WLTCモード燃費 | 13.8km/L |
| 販売価格 | 441万1,000円 |
このSTI Sport EXをベースにした特別仕様車が、現行ラインナップの最上級となる「STI Sport R-Black Limited」です。価格は468万6,000円で、ブラックのRECARO製フロントシートやブラックアウトされた外装パーツが与えられています。2026年1月9日には、特別色サンライズイエローを設定した「STI Sport R-Black Limited II」も追加されました。
2.4Lターボを搭載していたフラッグシップ「STI Sport R EX」
STI Sport R EXは、2.4L直噴ターボエンジンを積んだレヴォーグの頂点でした。2021年11月に設定され、新車ラインナップからは外れましたが、中古車では主要な選択肢として流通しています。
最高出力202kW(275PS)・最大トルク400Nmというスペックは、1.8Lモデルの177PS・300Nmを大きく上回ります。2,000rpmから4,800rpmまで400Nmを維持するトルク特性で、高速道路の合流や追い越しでは1.8Lとの差がはっきり出ます。足回りにはブレンボ製ブレーキシステム(フロント4ポッド)を採用し、制動力と安定性を高めていました。
一方で、維持費は1.8Lより重くなります。使用燃料はハイオクで、WLTCモード燃費は11.0km/Lです。月1,000km走る前提でハイオク177円/Lとすると燃料代は月約16,100円となり、1.8L(13.8km/L・レギュラー166円/L)の約12,000円に対して月4,100円、年間でおよそ4万9,000円の差が出ます。排気量2,387ccは自動車税の区分も変わり、2.0L超2.5L以下の年43,500円です。1.8Lの36,000円に対して年7,500円高くなります。
中古車でこのグレードを狙う場合、年間走行距離がそのまま維持費の差として積み上がる点を見ておく価値があります。年1万km程度ならその差は年5万円台にとどまり、275PSの余裕と引き換えと考えれば納得できる範囲に収まります。
STI Sport R EXの主な装備(STI Sport EXからの主な追加・変更点)
- 2.4L水平対向4気筒直噴ターボエンジン(FA24型)
- ブレンボ製ブレーキシステム(フロント4ポッド)
- スバルパフォーマンストランスミッション(2.4L専用CVT)
- 18インチ専用アルミホイール(切削光輝+ブラック塗装)
| エンジン | 2.4L水平対向4気筒直噴ターボ(FA24型) |
|---|---|
| 最高出力 | 202kW(275PS)/5,600rpm |
| 最大トルク | 400Nm/2,000〜4,800rpm |
| 使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク) |
| 駆動方式 | AWD(シンメトリカルAWD) |
| WLTCモード燃費 | 11.0km/L |
| 全長 | 4,755mm |
| 全幅 | 1,795mm |
| 全高 | 1,500mm |
| 新車時価格 | 509万3,000円 |
グレード別の価格と装備を一覧で比較
現行6グレードはエンジン・駆動方式・燃費がすべて共通です。選択の軸になるのは内外装の仕様と足回り、そして快適装備になります。
| グレード | 価格 | ダンパー | シート表皮 | 主な位置づけ |
|---|---|---|---|---|
| Smart Edition EX | 363万円 | 通常タイプ | ファブリック | 18インチとパワーシートを備えたエントリー |
| V-SPORT | 368万5,000円 | 通常タイプ | ウルトラスエード | ブラック加飾でまとめた特別仕様車 |
| GT-H EX | 379万5,000円 | 通常タイプ | ファブリック | 後席シートヒーターなど快適装備を追加 |
| STI Sport EX | 441万1,000円 | ZF製電子制御 | 本革(ボルドー/ブラック) | 走りと内装の質を引き上げた上級 |
| STI Sport EX Black Interior Selection | 441万1,000円 | ZF製電子制御 | ウルトラスエード | ブラックルーフトリムで落ち着いた室内 |
| STI Sport R-Black Limited | 468万6,000円 | ZF製電子制御 | RECARO製(ブラック) | 現行ラインナップの最上級 |
価格の刻み方には明確な段差があります。363万円から379万5,000円までの3グレードは16万5,000円の幅に収まるのに対し、GT-H EXからSTI Sport EXへは61万6,000円開きます。この段差の正体が電子制御ダンパーとドライブモードセレクト、そして本革シートを含む内装の作り分けです。試乗して乗り心地の差を確認してから判断する価値がある価格差と言えます。
なお、同じ1.8Lターボとシンメトリカルの組み合わせで車高を上げた派生モデルが、レヴォーグ レイバックです。最低地上高を200mmまで引き上げた仕様で、Limited EXが405万9,000円、Black Selectionが424万6,000円に設定されています。悪路の走破性や乗降性を優先するなら、こちらも比較対象に入ります。
維持費と中古車選びで押さえておきたいポイント
1.8Lに一本化された現行レヴォーグは、維持費の面でも見通しが立てやすくなりました。排気量1,795ccは自動車税で1.5L超2.0L以下の区分に入り、2019年10月1日以降に初回新規登録された車は年36,000円です。レギュラーガソリン仕様でWLTCモード燃費13.8km/Lのため、月1,000km走る使い方なら燃料代は月約12,000円です。
- 中古車の価格帯:掲載価格はおおむね30万円台から530万円台まで広がります(2026年調べ)。年式とグレードによる開きが大きいため、まず世代と年式を決めてから探すと絞り込みやすくなります
- 2.4Lを狙うなら中古車:STI Sport R EX系は新車では選べません。ハイオク指定で燃費11.0km/L、自動車税43,500円という前提を織り込んだうえで判断する必要があります
- アイサイトXの有無:現行ラインナップは全車がアイサイトX付きですが、中古車には「GT」「GT-H」「STI Sport」というアイサイトXなしのグレードも流通しています。グレード名の末尾にEXが付くかどうかが見分け方です
- 年式ごとの装備差:2023年10月にSmart Edition EXがカタロググレード化、2024年12月にインテリアの質感向上、2026年6月にSI-DRIVEの制御刷新とWLTCモード燃費13.8km/L化と、改良のたびに内容が変わっています
- タイヤ代:現行グレードは225/45R18が中心で、17インチ時代のGT系より交換費用は上がります。走行距離が伸びた中古車では、次回交換時期も含めて見積もる価値があります
- ハイブリッドの設定:2026年6月の一部改良では、フォレスターなどが採用するストロングハイブリッド「S:HEV」の設定は見送られています
買って後悔しやすいのは、電子制御ダンパーの差を確認しないままGT-H EXとSTI Sport EXを価格だけで決めるパターンです。差額61万6,000円の中身は数値に出にくく、同じ路面を続けて走り比べたときに初めて輪郭がはっきりします。
レヴォーグはグレード選びにこだわろう
現行レヴォーグのグレード選びは、全車が同じ1.8LターボとアイサイトXを積む以上、「快適装備をどこまで足すか」と「足回りに電子制御ダンパーを求めるか」の2点に集約されます。
- 装備を絞って価格を抑えたい→「Smart Edition EX」(363万円)。18インチホイールと運転席10ウェイパワーシートが標準で、エントリーでも装備の見劣りが小さい構成です
- 外観と内装を引き締めたい→「V-SPORT」(368万5,000円)。差額5万5,000円でウルトラスエードシートとブラック加飾一式が付き、オプションで積み上げるより安く収まります
- 後席にも人を乗せる機会が多い→「GT-H EX」(379万5,000円)。後席シートヒーターと左右独立温度調節エアコンが効いてきます
- 長距離移動の乗り心地を優先したい→「STI Sport EX」(441万1,000円)。電子制御ダンパーのコンフォートモードで細かな突き上げが抑えられます
- 落ち着いた室内でSTI Sportを選びたい→「STI Sport EX Black Interior Selection」(441万1,000円)。標準車と同額でウルトラスエードとブラックルーフトリムに変わります
- 最上級の装備を求める→「STI Sport R-Black Limited」(468万6,000円)。RECARO製フロントシートとブラックアウトされた外装が与えられます
- 2.4Lターボの加速が欲しい→中古車の「STI Sport R EX」。ハイオク指定と自動車税43,500円を前提に判断する形になります
スバル独自のシンメトリカルAWDと水平対向エンジンの組み合わせは、雨や雪で路面が滑りやすい状況でも安定感が崩れにくい点が実用面での強みです。全長4,755mmのワゴンボディに5名乗車と荷室を確保しながら、この走行安定性を両立している国産車は多くありません。グレードによる差は装備と足回りに集中しているため、候補を2つまで絞ってから同じ道を続けて試乗すると、判断がつきやすくなります。