フィットの新型情報:新グレード「Z」の装備とe:HEVの進化点を解説
ホンダは、コンパクトカー「フィット」に一部改良を加えたマイナーチェンジモデルを2026年7月10日に発売します。今回の目玉は、タイプバリエーションの名称刷新と、新グレード「Z」の設定です。従来の「BASIC」は「X」へ、「HOME」は「Z」へと改称され、ラインアップは「X」「Z」「RS」「CROSSTAR」の4本柱に整理されました。
2001年の初代登場以来、モデルチェンジを重ねてきたフィットは2026年で誕生25周年を迎えます。その節目に投入される今回の改良は、「SPORTY & COMFORT」をコンセプトに、デザイン・内装・走り・安全性能のすべてで質感を引き上げる内容となりました。ここでは、新グレード「Z」の中身から、進化した2モーターハイブリッド「e:HEV」、新設定の「マルチビューカメラシステム」、そして全グレードの価格・主要諸元までを詳しく解説します。
ホンダ「フィット」がマイナーモデルチェンジ、新グレード「Z」投入でスポーティーな個性を強化
マイナーチェンジしたフィット
今回の変更では、各タイプの特長や個性をより際立たせるためにタイプバリエーションの名称が刷新されました。シンプルな「X」、スポーティーなデザインと充実した装備を両立したスタンダードタイプの「Z」、走りの質にこだわった「RS」、アクティブな「CROSSTAR(クロスター)」という4つを柱とする構成です。
特に注目されるのは新設定の「Z」タイプです。エクステリアに「RS」と同様のスポーティーでシャープなスタイリングを採用しつつ、シートヒーターやUV+IRカットガラスといった快適装備を標準で備えるなど、デザイン性と利便性を高い次元で融合させています。
上位グレードである「RS」についても、内外装の質感がさらに高められました。エクステリアではフロントグリルやリアライセンスガーニッシュをブラック塗装として精悍さを増し、インテリアにはレッドステッチを施した専用スエードコンビシートやステンレス製スポーツペダルを採用することで、所有する歓びを高めています。機能面では、Honda CONNECTディスプレーやETC 2.0車載器、ワイヤレス充電器、ステアリングヒーターが標準装備となりました。
また、全タイプ共通の進化として、外装塗料のクリア材を変更することでボディーの艶感が高められたほか、死角を見える化して運転をサポートする「マルチビューカメラシステム」が新たに設定されるなど、安全・安心機能も強化されています。
パワートレインは、独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と1.5L DOHC i-VTECガソリンエンジンの2種類です。今回の改良により「RS」と「CROSSTAR」はハイブリッド専用タイプとなりました。価格はガソリンモデルの「X(FF)」が1,806,200円から、ハイブリッドモデルの「e:HEV RS」が2,899,600円、最も高価な「e:HEV CROSSTAR(4WD)」が2,955,700円に設定されています。さらに、新グレード「Z」をベースにした「助手席回転シート車」も設定され、福祉車両としてのラインアップも継続されています。
誕生25周年を迎えたホンダ「フィット」 コンパクトカーの常識を変え続けた軌跡
ホンダを代表するコンパクトカーである「フィット」は、2001年の初代モデル発売以来、2026年で誕生25周年という大きな節目を迎えました。日本国内におけるシリーズ累計販売台数は325万台を超え、長きにわたり多くのユーザーに選ばれ続けているモデルです。
初代・2代目が確立した「コンパクトなのに広い」というアイデンティティー
2001年に登場した初代フィットは、燃料タンクを前席の下に配置するホンダ独自の「センタータンクレイアウト」を採用し、従来のコンパクトカーの常識を覆す広い室内空間を実現しました。この革新的な設計により、「コンパクトでありながらゆとりある空間」というフィット独自の価値が確立されました。続く2007年発売の2代目は、初代の魅力を受け継ぎつつ、使い勝手の良さや環境性能にさらなる磨きをかけ、2010年にはシリーズ初となるハイブリッド車も登場しました。
時代のニーズに合わせ進化を続ける3代目、そして4代目へ
2013年に登場した3代目は、新システムの導入などにより、機能面で飛躍的な進化を遂げた世代となりました。そして2020年に発売された現行の4代目は、数値的なスペックだけではなく、「心地よさ」や「人の生活に寄り添うこと」をコンセプトの核に据えて開発されています。これまでのモデルチェンジで培われた価値観は、セダンタイプの「フィット アリア」や、より広い荷室を持つ「フィット シャトル」といった派生モデルにも受け継がれ、シリーズ全体で多角的に日本の暮らしを支えてきました。
スポーティーな進化を遂げた新型フィット、新グレード「Z」の投入でデザインを一新
今回の変更では、「SPORTY & COMFORT」をコンセプトに掲げ、全タイプでスポーティーな方向へとデザインをシフトさせているのが最大の特徴です。特に新設定されたスタンダードグレード「Z」が「RS」譲りの精悍なスタイリングを手に入れたことで、モデル全体の印象がよりシャープに生まれ変わりました。
新グレード「Z」:RSのデザインを継承したシャープなスタイリング
マイナーチェンジしたフィット
新たに設定された「Z」タイプのエクステリアには、走行性能に特化した「RS」と同様のスポーティーなフロントグリルやバンパーが採用されました。これにより、従来の親しみやすい表情から、より低重心でワイドな躍動感を感じさせる顔つきへと変化しています。
細部では、シャークフィンアンテナが従来のブラックからボディー同色に変更され、足元にはシャークグレー塗装を施したフルホイールキャップが装備されています。RSとの外観上の主な違いは塗装の質感にあり、RSが艶のあるグロスブラック塗装を用いているのに対し、Zは樹脂のブラックを基調とすることで、スポーティーさと日常に馴染む落ち着きを両立させています。
「RS」:ピアノブラックの輝きで質感をさらに向上
マイナーチェンジしたフィット
走りの質にこだわった「RS」は、今回の改良でさらに質感が磨き上げられました。フロントグリルやリアライセンスガーニッシュに「ピアノブラック塗装」を新たに採用し、上質で精悍なエクステリアを演出しています。
また、RS専用の16インチアルミホイールは「ブラック+切削ブラッククリア」へと変更され、足元の力強さが強調されました。リアバンパー下部にはブラックのガーニッシュが回り込み、マフラーカッターを露出させるなど、スポーツモデルらしい力強いバックスタイルを確立しています。
「CROSSTAR」:アクティブな個性を守りつつ洗練
マイナーチェンジしたフィット
アクティブライフに応える「CROSSTAR(クロスター)」は、専用のエクステリアパーツによってタフなイメージを維持しています。フロントバンパー、サイドシル、リアバンパーに配置されたシルバーのガーニッシュや、専用のルーフレール、ホイールアーチプロテクターが、都市部からアウトドアまで映える独特の存在感を放ちます。今回の変更においてもその独自のキャラクターは継続されており、他のタイプとは一線を画すSUVテイストな外観が特徴です。
艶感を高める新塗料と多彩なボディーカラー
フィットのボディカラー(Z)
フィットのボディカラー(RS)
フィットのボディカラー(CROSSTAR)
ボディー全体の質感向上として、外装塗料に使用するクリア材が変更され、これまで以上にボディーの艶感が高められました。ボディーカラーは、海底の静けさをイメージした「シーベッドブルー・パール」を筆頭に、多彩なバリエーションが用意されています。
- 単色ラインアップ:シーベッドブルー・パール、フィヨルドミスト・パール、ボタニカルグリーン・パール、クリスタルブラック・パール、ルナシルバー・メタリック、プラチナホワイト・パール、プレミアムサンライトホワイト・パール、スレートグレー・パール、プレミアムクリスタルレッド・メタリック
- 2トーン(CROSSTAR専用):フィヨルドミスト・パール&ブラック、プラチナホワイト・パール&ブラック、スレートグレー・パール&ブラック
今回のフィットは、各グレードの個性をより明確に分けることで、ユーザーの多様なライフスタイルや好みに応えるデザイン進化を遂げています。
洗練されたスポーティーさと快適性を両立、新型フィットの「心地よい」インテリア
マイナーチェンジしたフィット
マイナーチェンジしたフィット
マイナーチェンジしたフィット
マイナーチェンジしたフィット
新型「フィット」は、全タイプでインテリアの質感を大幅に向上させました。従来の親しみやすさに加え、新グレード「Z」の投入や「RS」の装備充実により、運転に集中できる環境と、乗る人すべてがリラックスできる居住性が高い次元でバランスされています。
全グレード共通:視界の良さと疲れにくいシート構造
マイナーチェンジしたフィットの荷室
マイナーチェンジしたフィットの荷室
マイナーチェンジしたフィットの後部座席
マイナーチェンジしたフィットの居住性
新型フィットのインテリアは、水平基調のインストルメントパネルと極細のフロントピラーを採用することで、ノイズレスで圧倒的に広い前方視界を実現しています。これにより、運転時のゆとりと安心感を生み出すとともに、室内空間に開放感をもたらしています。
また、フロントシートには、人の骨格を研究して開発された「ボディースタビライジングシート」を採用しました。背中からお尻までをやさしく包み込むような構造により、長時間のドライブでも疲れにくく、コーナリング時などの身体のズレも抑制してクルマとの一体感を高めています。後席についても、フロントシートの背面形状を工夫することで、足を組んで座れるほどの広大な膝周りスペースを確保しています。
新グレード「Z」:ブラック基調で引き締まった上質な空間
マイナーチェンジしたフィット
新たに設定されたスタンダードグレード「Z」では、ブラックを基調としたインテリアカラーを採用し、落ち着きのある洗練された空間を演出しています。従来の「HOME」グレードで見られたホワイトのアクセントパネルを廃止し、ドリンクホルダーガーニッシュやセレクトレバーエスカッションをブラックで統一することで、スポーティーな印象を強めました。
装備面も充実しており、本革巻の3本スポークステアリングホイールを新たに採用したほか、運転席・助手席のシートヒーターを標準装備としています。さらに、助手席インストルメントパネルには上質な手触りのソフトパッド(プライムスムース)を配置し、コンパクトカーの枠を超えた質感を実現しています。
「RS」:レッドステッチが情熱をかき立てる専用デザイン
マイナーチェンジしたフィット
「RS」のインテリアは、さらなる高揚感を演出する専用仕立てとなっています。シートやステアリング、フロントドアアームレストには鮮やかなレッドステッチが施され、スポーティーな雰囲気を強調しています。シート素材には、滑りにくく質感の高いラックス スェードとプライムスムースのコンビシートを採用しました。
機能装備も最上級の充実ぶりで、「Honda CONNECTディスプレー」やETC 2.0車載器、ワイヤレス充電器、ステアリングヒーターが標準装備されました。また、足元にはステンレス製のスポーツペダルを配し、細部に至るまで「操る歓び」を感じさせる設計となっています。
「CROSSTAR」と「X」:個性を際立たせる素材使い
マイナーチェンジしたフィット
アクティブなライフスタイルを支える「CROSSTAR」は、タフな使用にも耐える撥水ファブリックをシートに採用しています。インテリアカラーはネイビーを基調とし、ライムイエローステッチを組み合わせることで、遊び心を感じさせる独自の世界観を構築しました。今回の変更で、ステアリングヒーターやシートヒーターも標準化され、冬場のアウトドアでの利便性も向上しています。
エントリーグレードの「X」においても、ドリンクホルダーガーニッシュやセレクトレバーエスカッションをブラックに変更し、セレクトノブにクロムメッキ加飾を施すなど、細かな質感向上が図られています。
自由自在な空間活用を可能にするシートアレンジ
フィットの大きな特徴である「センタータンクレイアウト」を活かした多彩なシートアレンジも健在です。後席の座面を跳ね上げる「トール・モード」や、ワンアクションでフラットな広い空間が生まれる「ユーティリティー・モード」、助手席まで倒して長い荷物を積み込める「ロング・モード」など、シーンに合わせて自在に空間を使い分けることができます。荷室も開口部が広く地上高が低く抑えられており、重い荷物の積み降ろしもスムーズに行える設計となっています。
2モーターハイブリッド「e:HEV」がさらに進化、新型フィットが届ける爽快な走り
マイナーチェンジしたフィット
今回の改良では、走行性能の核となるハイブリッドシステム「e:HEV(イー エイチ イー ブイ)」がさらに熟成されました。日常の扱いやすさはそのままに、ドライバーの意図に忠実な応答性と力強い加速フィールが磨き上げられています。
モーター出力を向上させた次世代ハイブリッド「e:HEV」
新型フィットのハイブリッドモデルに搭載される「e:HEV」は、発電用と走行用の2つのモーターを使い分けることで、高い環境性能と爽快な走りを両立しています。今回の改良では走行用モーターの最高出力が90kW(123PS)へと引き上げられ、アクセルを踏み込んだ瞬間から伸びやかで力強い加速を体感できるようになりました。
システムは、モーターのみで静かに走行する「EVモード」、エンジンの力で発電しモーターで駆動する「ハイブリッドモード」、高速クルーズ時にエンジンと車輪を直結する「エンジンモード」を、走行シーンに合わせて自動で最適に切り替えます。これにより、市街地でのスムーズな走り出しから高速道路での追い越しまで、あらゆるシーンでストレスのないパフォーマンスを発揮します。
操る歓びを追求した「RS」専用の走行メカニズム
「RS」グレードには、ドライバーの気持ちを高揚させる専用の装備とチューニングが施されています。新たに採用された「ドライブモードスイッチ」により、NORMALモード、ECONモードに加え、ワインディングなどで真価を発揮する「SPORTモード」を選択可能となりました。
また、アクセルオフ時の減速力をステアリングのパドル操作で4段階に変更できる「減速セレクター」を標準装備しており、山道の下り坂などでも緻密な減速コントロールが可能です。足まわりについても、RS専用のサスペンション(強化スプリング、高減衰ダンパー、強化スタビライザーなど)が徹底的にチューニングされており、路面の揺れを抑えた質感の高い爽快な乗り味を実現しています。
余裕のある走りを提供する1.5Lガソリンエンジンと4WDシステム
ガソリンモデルの「X」および「Z」グレードには、1.5L DOHC i-VTECエンジンが採用されています。このエンジンは低速域から高速域までトルクフルな特性を持ち、日常のさまざまなシーンで余裕のある走りを提供します。
また、ハイブリッド・ガソリンの各タイプに設定されている(RSを除く)4WD車は、モーターの力をメカニカルに後輪へ伝えるシステムを採用しており、雪道や滑りやすい路面、交差点での発進時でも安定した加速と安心感のある走行を可能にしています。さらに、全タイプ共通の技術として、ハンドル操作に応じて前輪に軽いブレーキをかけることで旋回性能を向上させる「アジャイルハンドリングアシスト」が搭載されており、滑らかで安定したコーナリングをサポートします。
静粛性と乗り心地を支えるボディ・シャシー構造
走行時の快適性を高めるため、シャシー各部の熟成も図られています。サスペンションは路面のデコボコによる微細な振動を効果的に抑制し、長時間のドライブでも疲れにくいしなやかな乗り心地を実現しました。制動面では、全タイプでフロントベンチレーテッドディスクブレーキおよびリアディスクブレーキが標準装備されており、確実な制動力と安定した減速フィールが確保されています。
進化した安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプに標準装備、新型フィットが提供する全方位の安心
ACC
ACC
ブラインドスポットインフォメーション
衝突軽減ブレーキ
衝突軽減ブレーキ
後退出庫サポート
ホンダは新型「フィット」において、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全タイプに標準装備し、さらなる安全性能の向上を図りました。広い水平画角を持つフロントワイドビューカメラと前後計8つのソナーセンサーを組み合わせることで、日常の街乗りから高速道路、駐車時まで、あらゆるシーンでドライバーを多角的にサポートします。
街中から高速道路まで、運転をサポートする「Honda SENSING」の多彩な機能
「Honda SENSING」
新型フィットの「Honda SENSING」には、事故の未然防止や運転負荷の軽減に寄与する多くの機能が含まれています。
- 衝突軽減ブレーキ(CMBS):前方の車両や歩行者、さらに横断中の自転車まで検知し、衝突の回避や被害軽減を支援します。
- 踏み間違い衝突軽減システム:障害物がある場所での急な発進や後退を抑制する「誤発進抑制機能」「後方誤発進抑制機能」に加え、低速走行時の衝突回避を支援する「近距離衝突軽減ブレーキ」を搭載しています。
- 高速道路での支援:先行車との適切な車間距離を保つ「渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)」や、車線中央の走行を維持する「車線維持支援システム(LKAS)」を備えています。
- 渋滞運転支援機能(トラフィックジャムアシスト):渋滞時のハンドル操作をアシストし、高速道路でのドライバーの負担を大幅に軽減します。
このほか、歩行者側への車線逸脱を予測して回避を支援する「歩行者事故低減ステアリング」や、道路標識を見落とさないようメーターに表示する「標識認識機能」も搭載されています。
死角を見える化する「マルチビューカメラシステム」を新設定
今回のマイナーモデルチェンジにおける大きな進化点として、「マルチビューカメラシステム」が新たに設定されました(グレード別メーカーオプション)。これは、フロント、リア、左右ドアミラー下の計4つのカメラ映像をコンピューターで合成し、クルマを真上から見下ろしたような「グラウンドビュー」などをナビ画面に表示する機能です。
これにより、見通しの悪い交差点での左右確認や、狭い道でのすれ違い、車庫入れ時の後方確認など、運転席から見えにくい死角を視覚的にサポートし、接触事故などのリスクを低減します。
万が一に備えた充実の衝突安全性能とコネクテッド機能
衝突時の乗員保護についても、クラスを超えた装備が整っています。
- 全方位エアバッグ:運転席・助手席の「i-SRSエアバッグ」に加え、胸部を保護する「前席用i-サイドエアバッグ」と、前後席の頭部を保護する「サイドカーテンエアバッグ」を全タイプに標準装備しています。
- 乗員の拘束力を高めるシートベルト:強い衝撃を感知すると瞬時に巻き取るプリテンショナー機能や、胸への負担を軽減するロードリミッターを備えたシートベルトを採用しています。
- 緊急通報サービス:コネクテッド技術「Honda CONNECT」により、エアバッグ展開時や緊急ボタン操作時に、オペレーターが警察や消防へ迅速に通報する「緊急サポートセンター」との連携も可能です。
新型フィットは、予防安全から衝突安全、そして万が一の際の救護支援まで、総合的な安全性能を磨き上げることで、乗る人すべてに心地よい安心感を提供しています。
新型フィットの価格と主要諸元一覧:各タイプの個性が際立つラインアップ
ホンダは、新型「フィット」の価格および主要諸元を公開しました。タイプバリエーションの名称刷新と新グレード「Z」の設定により、ユーザーのライフスタイルに合わせた選択肢がより明確になっています。ハイブリッドモデルの「e:HEV」はモーター出力が向上し、ガソリンモデルとともに全タイプで走行性能と環境性能が高次元で両立されています。
メーカー希望小売価格とグレード構成
新型フィットは、ハイブリッド車(e:HEV)とガソリン車の2つのパワートレインを中心に、福祉車両を含む多彩なグレードが用意されています。なお、「RS」および「CROSSTAR」はハイブリッド専用タイプとなっています。
| タイプ | エンジン | 駆動方式 | メーカー希望小売価格(税込) |
|---|---|---|---|
| e:HEV X | 1.5L i-VTEC + 2モーター | FF / 4WD | 2,238,500円 / 2,458,500円 |
| e:HEV Z | 1.5L i-VTEC + 2モーター | FF / 4WD | 2,499,200円 / 2,719,200円 |
| e:HEV RS | 1.5L i-VTEC + 2モーター | FF | 2,899,600円 |
| e:HEV CROSSTAR | 1.5L i-VTEC + 2モーター | FF / 4WD | 2,735,700円 / 2,955,700円 |
| X | 1.5L i-VTEC | FF / 4WD | 1,806,200円 / 2,026,200円 |
| Z | 1.5L i-VTEC | FF / 4WD | 2,145,000円 / 2,365,000円 |
| e:HEV Z(助手席回転シート車) | 1.5L i-VTEC + 2モーター | FF / 4WD | 2,593,800円 / 2,813,800円 |
| Z(助手席回転シート車) | 1.5L i-VTEC | FF / 4WD | 2,239,600円 / 2,459,600円 |
主要諸元とタイヤ・ホイールサイズ
主要なスペックおよび足まわりの仕様は以下の通りです。全長や全高はグレードや駆動方式によって異なります。
| 項目 | e:HEV Z (FF) | Z (FF) | e:HEV RS (FF) | e:HEV CROSSTAR (FF) |
|---|---|---|---|---|
| 全長 / 全幅 / 全高 (m) | 4.080 / 1.695 / 1.540 | 4.080 / 1.695 / 1.540 | 4.080 / 1.695 / 1.540 | 4.095 / 1.725 / 1.545 |
| ホイールベース (m) | 2.530 | 2.530 | 2.530 | 2.530 |
| 車両重量 (kg) | 1,200 | 1,100 | 1,210 | 1,210 |
| エンジン最高出力 (kW[PS]) | 78 | 87 | 78 | 78 |
| モーター最高出力 (kW[PS]) | 90 | ー | 90 | 90 |
| 燃費 (WLTCモード km/L) | 28.4 | 18.1 | 27.6 | 27.0 |
| タイヤサイズ (前・後) | 185/60R15 84H | 185/60R15 84H | 185/55R16 83V | 185/60R16 86H |
| ホイールサイズ | 15×6J (リムサイズ) | 15×6J (リムサイズ) | 16インチ | 16インチ |
25周年という節目を迎えたフィットは、これまでのモデルチェンジで積み重ねてきた「コンパクトなのに広い」という価値を守りながら、より個性的でスポーティーな方向へとシフトしました。近年のモデルチェンジのトレンドとして各グレードのキャラクターを明確化する流れがありますが、新型フィットもまさにその方向性を体現し、コンパクトカーとしての魅力をさらに深めています。
ホンダアクセスが純正アクセサリーを継続適用、新グレード「Z」専用アイテムも新設定
純正アクセサリー装着車(X/RS/CROSSTAR)
ホンダアクセスは、マイナーモデルチェンジを受けた「フィット」に対し、これまで展開してきた純正アクセサリーを引き続き適用すると発表しました。車両と同じ2026年7月10日に発売され、価格帯は2,200円から178,200円までと幅広く用意されます。ラインアップはLEDフォグライトやイルミネーション類、エアロパーツ、アルミホイール、カーナビゲーションなど多岐にわたり、購入時に自分好みの一台へ仕立てられる内容です。
新タイプ「Z」に「LEDフォグライト バイカラー」を展開
今回追加されたグレード「Z」には、これまで「RS」向けに設定されていた「LEDフォグライト バイカラー」が装着可能となりました。ひとつの灯体でクリアとイエローの2色を切り替えられる仕組みで、雨や霧といった天候、あるいは走行シーンに応じて見え方をコントロールできます。装着時に必要となるフォグライトガーニッシュについてもZ専用品が新たに起こされており、Z固有のバンパー造形と違和感なくつながるデザインに仕上げられています。
また、運転時の安心を支えるアイテムとして、ナビ・スマートフォン連携型ドライブレコーダーの新型「DRH-264ND」が加わりました。前後カメラで記録した映像をナビ画面上で確認できるほか、スマートフォン側で再生する際の操作性も従来品から見直されています。
環境面への配慮も進められており、「フロアカーペットマット」には使用済みペットボトル由来のリサイクルペット素材が採用され、CO2排出量の削減に寄与します。さらに、手足に不自由のあるドライバー向けの運転補助装置「Honda・テックマチックシステム」、両上肢が不自由な方が両足のみで操作できる「Honda・フランツシステム」も今回のフィットに適用され、こちらは2026年秋の発売が予定されています。
グレードごとに提案される「おすすめアクセサリー」
代表的なエクステリアアクセサリー
ホンダアクセスは、それぞれのタイプの性格に合わせたアクセサリーの組み合わせを提案しています。
- e:HEV Z/Z/e:HEV RS:ドアの開閉に合わせて足元へ「FIT」ロゴを描き出す「パターンプロジェクター」や、キャンドルホワイトとブルーの2色から選べる「フットライト」を設定。「インナードアハンドル&ドアポケットイルミネーション」と併用すれば、夜間の車内を上質な雰囲気で満たします。
- e:HEV CROSSTAR:汚れを拭き取りやすい樹脂製の「オールシーズンマット」、荷室を保護する「ラゲッジトレイ」に加え、「ルーフボックス」と「クロスバー」で積載力を底上げ。キャンプやレジャーといったアウトドア用途にぴったりの仕立てになります。
- e:HEV X/X:ベルリナブラックが引き締め役となる「フロントグリル」と、フロント・サイド・リアの「ロアスカート」でスポーティーな輪郭を強調。クリア発光の「LEDフォグライト」とプラチナ調クロームメッキ加飾の「フォグライトガーニッシュ」を組み合わせれば、上質な顔つきへと変わります。「ドアハンドルプロテクションカバー」も傷防止と加飾を兼ねたアイテムです。
代表的な純正アクセサリー
代表的なインテリアアクセサリー
純正アクセサリーは「エクステリア」「インテリア」「セキュリティー・運転サポート」「ナビ・オーディオ・ETC」の4カテゴリーで構成されています。代表的なアイテムは以下の通りです。
| カテゴリー | アイテム | 概要 |
|---|---|---|
| エクステリア | LEDフォグライト バイカラー | 1灯でクリア/イエローを切り替え。新たに「Z」へも適用(Z用ガーニッシュを新設定) |
| エクステリア | フロントグリル/ロアスカート(フロント・サイド・リア) | X系におすすめのエアロアイテム。ベルリナブラック仕上げ |
| エクステリア | アルミホイール/テールゲートスポイラー | 足元と後ろ姿の印象を変える定番アイテム |
| エクステリア | ドアハンドルプロテクションカバー | 乗降時の傷付きを防ぎつつ、クロームメッキが上品なアクセントに |
| インテリア | パターンプロジェクター | ドア開閉に連動し、足元へFITロゴを投影するLEDホワイトイルミネーション |
| インテリア | サイドステップガーニッシュ(LEDイルミネーション付) | 発光色はホワイトかブルーを選択。ステンレス製のFITロゴ付き |
| インテリア | フロアカーペットマット | リサイクルペット素材を採用。プレミアムタイプも設定 |
| インテリア | オールシーズンマット/ラゲッジトレイ | 樹脂製で手入れが容易。CROSSTAR向けの提案アイテム |
| ナビ・オーディオ・ETC | ドライブレコーダー「DRH-264ND」(前後2カメラセット) | ナビ画面での映像再生に対応。スマホ連携の操作性を向上 |
| セキュリティー・運転サポート | Honda・テックマチックシステム/Honda・フランツシステム | 運転補助装置。2026年秋発売予定 |
| ※純正アクセサリー全体の価格帯は2,200円~178,200円(税込)。適用グレードや装着に必要な追加部品、個別価格はホンダアクセス公式サイトを参照してください。 | ||
今回のマイナーモデルチェンジでは、車両側でタイプ名称の刷新と新グレード「Z」の追加が行われましたが、アクセサリー側でもZ専用の受け皿が用意されたかたちです。デザインの方向性が大きく変わった「Z」を選ぶユーザーにとっては、フォグライト周りのカスタマイズが新たな選択肢として加わることになります。
フィットのモデルチェンジ遍歴

フィットはホンダが販売するハッチバック型のコンパクト乗用車です。軽自動車を除くホンダの乗用車の中で最も小型のモデルで、燃費性能や室内空間の広さから大ヒットを記録しました。日本では「フィット」の名称ですが、欧州やアジアの一部市場では「Jazz(ジャズ)」の名で展開されています。
フィット初代 GD1/2/3/4型(2001年~2007年)
2001年6月、「思い立ったが吉日生活」をキャッチフレーズに、「ロゴ」の後継車として初代フィットがデビューしました。燃料タンクを前席下に置く「センタータンクレイアウト」と、新開発の1.3L i-DSIエンジン、CVT「ホンダマルチマチックS」を組み合わせ、クラスを超えた広さと低燃費を両立。グレードは「W」「A」「Y」が用意されました。2001年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2002年には年間販売台数で33年連続首位だったトヨタ・カローラを上回り、登録車トップに立っています。
2002年9月、1.5Lエンジンを搭載した「1.5T」を追加。
2003年4月、ブラジルでの販売を開始。10月、一部改良。11月にはタイで「Jazz」のネーミングで販売を開始しました。12月の一部改良ではボディカラーに新色を追加しました。
2004年6月、マイナーチェンジを実施。内外装を変更し、1.3Lモデルにスポーティグレードの「S」を追加。1.5Lでは「S」「A」「W」のラインナップになりました。12月には「1.3A」ベースの特別仕様車「ウェルカム エディション」を発売。
2005年12月、マイナーチェンジを実施し、フロントグリルやランプ類を変更しました。
2006年7月、「1.3A」の特別仕様車「コンフォート エディション」「HDDナビ コンフォート エディション」を発売。
2007年6月、「1.3A」の特別仕様車「HID エディション」「HDDナビ HID エディション」、「1.5A」の特別仕様車「コンフォート エディション」「HDDナビ コンフォート エディション」を発売。同月末には「フィット」「ジャズ」の世界累計販売台数が200万台を突破しました。10月、2代目と入れ替えのため販売を終了しました。
フィット 2代目 GE6/7/8/9型(2007年~2013年)
2007年10月、フルモデルチェンジで2代目になりました。センタータンクレイアウトを継承しつつ、全幅を5ナンバー枠いっぱいの1,695mmへ拡大し、よりシャープなデザインへ移行。グレード体系は、1.3Lモデルは「G」「L」、1.5Lモデルは「RS」のラインナップです。2007年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。
2008年6月、特別仕様車「ハイウェイ エディション」を発売。
2009年5月、特別仕様車「スマートstyle エディション」を発売。11月、一部改良で内外装の変更と、1.3LモデルのFF車に5速MTを追加しました。
2010年5月、特別仕様車「シーズ」「スポーティ エディション」を発売。10月、マイナーチェンジで後期型になり、1モーター式ハイブリッド(IMA)を搭載する「フィット ハイブリッド」が追加設定されました。
2011年8月、フィットの発売10周年記念の特別仕様車「13G・10th アニバーサリー」を、10月には「13G・10th アニバーサリーII」「RS・10th アニバーサリー」を発売。
2012年5月、マイナーチェンジを実施。「15X」を「15XH」に変更し、「13L」を廃止しました。8月、自治体や企業に向けて、電気自動車「フィット EV」のリース販売を開始。10月、特別仕様車「ファイン スタイル」を発売。
2013年9月、3代目と入れ替わりのため販売を終了しました。
フィット 3代目 GK3/4/5/6型(2013年~2020年)
2013年9月、「全ての車が、ひとつの車に。」をキャッチフレーズにフルモデルチェンジで3代目になりました。プラットフォームを刷新し、パワートレインには「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を導入。エンジンは全てSOHCからDOHCへ変更され、ハイブリッドには1モーター内蔵7速DCTの「SPORT HYBRID i-DCD」が採用されました。グレード体系は1.3Lの「13G」、1.5Lの「15X」「RS」のラインナップです。
2014年4月には一部仕様向上で燃費性能が向上。10月にはガソリン車の一部改良で安全装備の強化とボディカラーの変更、12月にはハイブリッド車が一部改良となりました。
2015年9月、一部改良で安全性能の強化とボディカラーの設定を変更。12月には特別仕様車「COMFORT EDITION」を発売。
2016年9月、特別仕様車「FINE EDITION」を発売。
2017年6月、マイナーチェンジを実施。安全運転支援システム「Honda SENSING」を全タイプに標準装備するなど安全装備を強化し、ボディカラーの変更、ガソリン車の「13G」が廃止されました。
2018年5月、特別仕様車「COMFORT EDITION」を発売。7月、ドレスアップコンプリートカー「Modulo style」を追加設定。
2020年2月、4代目と入れ替わりのため販売を終了しました。
フィット 4代目 GR1/2/3/4/5/6/7/8・GS4/5/6/7型(2020年~)
2020年2月、「Human! FIT!」のキャッチフレーズで、フルモデルチェンジで4代目になりました。数値では表せない「4つの心地よさ」を掲げ、フロントピラーを従来の半分以下の厚さとした広い視界や、ホンダ車初の「ボディースタビライジングシート」を採用。ハイブリッドはコンパクトカーとして初の2モーター式「e:HEV」へ刷新されました。グレード体系は、シンプル仕様の「BASIC」、コンフォート仕様の「HOME」、スポーティ仕様の「NESS」、アクティブ仕様の「CROSSTAR」、スタイリッシュ仕様の「LUXE」を用意。
2021年6月、一部改良と共に、フィットの発売20周年の特別仕様車「Casa」「Maison」の発表と、コンプリートカー「e:HEV Modulo X」を追加設定しました。
2022年10月、マイナーチェンジでパワートレインを変更。ガソリン車は1.3Lから1.5L DOHC i-VTECへ換装され、e:HEVはモーター最高出力が向上しました。同時にスポーティタイプ「RS」が復活し、「NESS」が廃止されたほか、Honda SENSINGの機能追加や外観・ボディカラーの変更も行われています。
2023年7月、原材料価格の高騰などを背景に価格改定を実施。12月、内外装をブラックで統一した特別仕様車「BLACK STYLE」が発売されました。
2024年9月、一部改良を実施。オートリトラミラー、全席オートパワーウィンドウ、ラゲッジルームランプなどが全タイプに標準装備され、利便性が高められました。
2025年7月、一部改良でボディカラーに新色を追加し、「CROSSTAR」の内外装カラーが変更されました。
2026年7月、誕生25周年の節目にマイナーモデルチェンジを実施。「BASIC」を「X」、「HOME」を「Z」へ改称してタイプ名称を刷新し、「RS」譲りのスポーティなデザインをまとう新グレード「Z」を設定。「RS」と「CROSSTAR」はハイブリッド専用タイプとなり、死角を補う「マルチビューカメラシステム」も新設定されました。
| フィットのモデル | 販売年表 | 主なトピック |
|---|---|---|
| 初代 GD1/2/3/4型 | 2001年~2007年 | センタータンクレイアウト採用。2001年日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞 |
| 2代目 GE6/7/8/9型 | 2007年~2013年 | 2010年にシリーズ初のハイブリッドを追加 |
| 3代目 GK3/4/5/6型 | 2013年~2020年 | i-DCDハイブリッド搭載。2017年にHonda SENSING標準化 |
| 4代目 GR1/2/3/4/5/6/7/8・GS4/5/6/7型 | 2020年~ | 2モーターe:HEV採用。2022年にRS復活、2026年に新グレード「Z」追加 |
フィットの写真

BASIC(ベーシック)
HOME(ホーム)
NESS(ネス)
CROSSTAR(クロスター)
LUXE(リュクス)






















