CX‐5にディーゼルハイブリッド追加

MAZDA CX-5にディーゼルハイブリッド追加の可能性 燃費は2割向上しクラストップに

マツダを代表する車「CX-5」にディーゼルハイブリッド車を追加する可能性。新型モデルが搭載する48Vハイブリッドシステムの仕組み、スペックや販売価格等も紹介。

MAZDA「CX-5」にディーゼルハイブリッド車が追加設定されて燃費が20%改善する可能性も

マツダは同社の主力車種である「CX-5」にディーゼルハイブリッド車を将来的に追加設定する予定です。
クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」をベースとして、48Vのバッテリーと小型モーターより構成されるハイブリッドシステムを搭載する事によって、20%もの燃費改善が期待されます。

ヨーロッパと日本市場で先行発売してから、北米市場にも投入される予定のCX-5の新型モデルは、ディーゼル車のメリットにハイブリッドの技術力を組み合わせる事で、ミドルサイズSUVクラス最高レベルの低燃費の実現が噂されています。

ここでは、マツダが独自開発を行う「48Vマイルドハイブリッドシステム」を搭載するCX-5の予想される販売価格等について紹介します。

2021年誕生予定のCX-5のディーゼルハイブリッド車は2WDで22.8km/hを4WDで21.2km/Lを超える低燃費を実現する見込み

マツダのディーゼルハイブリッド第一号車種になる予定のCX-5 燃費はおよそ2割向上すると見られ国産車・外車含めクラストップの燃費性能を実現すると考える

将来的に誕生予定のCX-5のディーゼルハイブリッド車の2WDは22.8km/L(JC08モード)を、4WDは21.2km/Lを超えるミドルサイズSUV最高レベルの低燃費を実現するものと思われます。

新設定されるCX-5はモーターアシストを可能とすることで、現行モデルのディーゼル車の燃費性能と比較すれば20%程度向上する見込みです。
現行モデルCX-5のディーゼル車の2WDの燃費は19.0km/L(JC08モード)で、4WDの燃費は18.0km/L(JC08モード)です。それら数値に単純計算で2割上乗せすれば、ハイブリッドモデルの燃費は22.8km/Lと21.2km/Lと見積もられます。

CX-5のリアビューからは安定感がうかがえる

マツダは「サステイナブルZoom-Zoom宣言2030」で、将来的に次世代ディーゼルエンジン「SKYACTIV‐D GEN2」を投入するプランを発表しています。
CX-5のディーゼルハイブリッドが、現行モデルが搭載するSKYACTIV-Dよりも進化する「SKYACTIV‐D GEN2」を搭載するとすれば、更なる低燃費が実現されます。

CX-5 XD(現行モデル)のスペック
駆動方式 2WD 4WD
全長 4,545mm
全幅 1,840mm
全高 1,690mm
ホイールベース 2,700mm
エンジンタイプ SKYACTIV‐D 2.2 水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ
総排気量 2.188L
最高出力 140kW/4,500rpm
最大トルク 450Nm/2,000rpm
使用燃料 軽油
燃費(JC08モード) 19.0km/L 18.0km/L
燃費(WLTCモード) 17.4km/L 16.6km/L

CX-5のディーゼルハイブリッド車の価格帯は300万円~370万円になると予想

CX-5のディーゼルハイブリッド車の価格帯は300万円~370万円になると予想します。

現行モデルのディーゼル車の価格帯は280万円~350万円です。CX-5のディーゼルハイブリッド車は、現行モデルに48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載する予定です。

同一車種でガソリン車とハイブリッド車を比較した場合には、ハイブリッド車の方が平均すると40万円ほど販売価格が上回ります。

CX-5がディーゼル車に搭載するのは、ストロングハイブリッドよりも開発コストがかからないマイルドハイブリッドシステムです。マイルドハイブリッドシステムを搭載した際の上乗せ価格を20万円と見積もれば、同システムを導入するモデルの価格帯は300万円~370万円と予想されます。

マツダはCX-5以外のSUVにも独自開発を進めるディーゼルハイブリッド車を追加設定していく

マツダは独自開発を進めるディーゼルハイブリッド車を出力車種である「CX-5」以外からもラインナップさせる方針です。

マツダが導入するハイブリッドシステムは、従来は12Vであった電圧を48Vに引き上げてシステムの効率化を図り、小型モーターの出力を上げてエンジンをアシストして低燃費を実現する欧州の自動車メーカーが積極的に導入する新技術です。

トヨタが得意とするストロングハイブリッドシステムと比較すると、マツダが開発を進めるマイルドハイブリッドシステムは製造コストが低額であり、開発期間が短くなるというメリットがあります。

マツダはまず主力SUVである「CX-5」に48Vマイルドハイブリッドシステムを導入して、その他のSUVにも同システム搭載していく計画を立てています。

VWの排ガス不正問題発覚後に欧州市場を中心としてディーゼル車は苦戦を強いられている

2015年9月にVW(フォルクスワーゲン)の排ガス不正問題が発覚して以降、欧州市場を中心としてディーゼル車は苦戦を強いられています。

ピーク時の2011年には欧州主要18ヶ国においての販売比率が50%を超えていたディーゼル車は問題発覚以後の18年4~6月期においての販売比率は30%台にまで落ち込みました。

そういった厳しさを増す状況を判断して、トヨタは欧州市場においてディーゼル車の販売を中止し、日産自動車はディーゼルエンジンの開発を取りやめる方針を打ち出しました。

マツダは急拡大する48Vマイルドハイブリッド市場をビジネスチャンスと考える

市場分析を得意とする矢野経済研究所は2030年の48Vマイルドハイブリッドの市場規模を1,530万台と予測します。2017年の世界市場規模が5万台程度であった事を考えれば同市場は今後急拡大していきます。

48Vマイルドハイブリッド車の市場が急拡大する要因には、2021年に導入予定される定められた数値目標をクリア出来なければ、超過分に応じて罰金が科されるEUの厳格な環境基準が関わっています。

欧州を中心として各国で環境基準が厳しくなる中、それらの規制に現実的に応える事が可能な48Vマイルドハイブリッドは、EVが本格普及する前に一時代を築きます。

マツダは、今後拡大する48Vマイルドハイブリッド市場をビジネスチャンスと捉えて、同社の強みであるディーゼル車に同システムを導入したモデルもラインナップされる決断をしました。

マツダはCX-5にディーゼルハイブリッド車をラインナップしてニッチ市場でのビジネスチャンスを狙う

トヨタや日産など他の自動車メーカーがディーゼル車から次々と撤退する中、ディーゼルテクノロジーに強みを持つマツダは積極的です。

VWの排ガス不正問題が発覚し各国の環境基準が厳しくなる中、ディーゼルエンジンを搭載する車の販売比率は減少しています。マツダもその影響を受けて、以前は欧州市場で30%以上あったディーゼル車の販売比率が半減し商品戦略を見直す必要性が生じてきました。

低回転域からのパワフルな走りを楽しめて、ガソリンよりも安い軽油を燃料として使うので経済的なディーゼル車には一定数の需要があります。EVが本格化するまでには、48Vマイルドハイブリッド車の需要が拡大します。

マツダは、CX-5のディーゼル車に48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載したモデルの需要は期待できると判断し、ニッチ市場でのビジネスチャンスを狙います。
パワフルな走りを堪能できて、圧倒的な低燃費を実現して、モータードライブも楽しめるディーゼルハイブリッド車は購買意欲を大いに刺激する可能性を秘めています。