WRXが2026年11月にMT搭載モデルを発表予定 10月22日にティザーサイトを公開
スバルのスポーツセダンWRXのモデルチェンジ情報。
スバルは2026年10月22日、公式サイトにWRXのティザーサイトを開設し、MTを積むモデルを同年11月に発表する予定であることを明らかにしました。搭載されるのはかつてのWRX STIでも使われたTY85型の6速MTで、台数限定のコンプリートカーではなくカタログモデルとして開発が進められています。
ティザーサイトの内容と予告された3台のMTモデル構想、2026年5月18日で新規受注を終えたWRX S4の現況、600台限定のWRX STI Sport♯まで、最新の動きを順に整理します。
スバルが2026年10月22日にWRXのティザーサイトを公開 MT搭載モデルを11月に発表予定
2026年10月22日に公開されたWRXのティザーサイト 11月の発表を予告する
スバルは2026年10月22日、公式サイト内にWRXのティザーサイトを開設しました。ページには「2026年11月発表予定」と明記され、MTを積む新たなWRXが間もなく姿を現すことが告げられています。
同日、X・Facebook・Instagramの公式アカウントも動きました。「走りを愛する人へ。2026年11月。WRX MT搭載モデル登場予定。」という短い一文が投稿され、SNS上では歓迎の声が相次いでいます。日本経済新聞は、今回の決断を後押ししたのはユーザーからの要望だったと伝えています。
掲げられたメッセージは「WRXは走り続ける。」 開発ストーリームービーも同時公開
ティザーサイトの冒頭に置かれたのは「WRXは走り続ける。」という一文です。受け継いできたものを次の時代へ渡しながら進化を続けていく、という趣旨の言葉が続き、最後は「いつまでも、あなたと走り続けていくために。」と締めくくられています。
ページ内では「WRX 開発ストーリームービー -量産MTモデル 復活への軌跡-」と題した映像も公開されました。サムネイルにはシフトパターンが刻まれたシフトノブとWRXのエンブレムが収められており、開発現場の舞台裏に光を当てる内容です。車両そのものを大きく見せるのではなく、作り手の歩みから語り始める構成は、このクルマがスバルにとってどういう位置づけなのかを物語っています。
ティザーサイトに記された「5代目WRX」という表記
興味深いのが、ティザーサイトのページ説明文に「2026年、5代目WRXが走り出す。」と書かれている点です。
WRXの系譜は1992年のインプレッサWRX(GC型)に始まり、GD型、GR/GV型、VA型、そして現行のVB型と数えて5代目にあたります。つまり「5代目」は現行型の系譜を指す表現であり、ここからフルモデルチェンジを読み取るのは早計でしょう。現行プラットフォームを土台に、MTという新たな選択肢を本格的に加える——そう捉えるのが自然な線だと考えられます。
搭載される6速MTはTY85型 STI Sport♯のTY75型から変更
今回のWRXで最も注目すべきは、組み合わされるミッションの型式です。
スバルは2026年6月、富士スピードウェイで行われたスーパー耐久シリーズの富士24時間レースにあわせ、開発中の市販モデル3台を公表しました。そこで示された車名のひとつが「WRX with TY85 Transmission」です。海外仕様やコンプリートカーのWRX STI Sport♯が用いるTY75型ではなく、かつてのWRX STIに採用され、耐久性と信頼性の高さで知られるTY85型が選ばれました。
TY85型が選ばれた理由 伝達トルクの余裕が効いてくる
TY85型は、EJ20型を積んだWRX STI時代に鍛え上げられたユニットです。強度に余裕があるため、ハードな走行を重ねても音を上げにくいという実績を持ちます。
この違いはスペックにも表れそうです。WRX STI Sport♯では、最高出力275PSはそのままに最大トルクを350Nm(35.7kgm)へ抑える設定が採られました。より大きなトルクを受け止められるTY85型であれば、CVT車と同じ375Nm(38.2kgm)を扱える可能性があります。実際のスペックは11月の発表を待つことになりますが、わざわざ型式を変えてきた以上、相応の意図があると見るのが妥当でしょう。
MT搭載モデルは3台構想の第1弾 BRZコンプリートカーと5ドアハッチバックが続く
スバルは、モータースポーツで得た技術と知見を織り込んだ3つのMTモデルを2027年までに投入する方針を公表しています。「もっと気軽に走りを愉しめるクルマ」という言葉が、その共通テーマです。
今回ティザーサイトが立ち上がったWRXは、その第1弾にあたります。残る2台は以下のとおりです。
スバルが予告する3つのMTモデル
- WRX with TY85 Transmission/TY85型6速MTを積むカタログモデル 2026年11月発表予定
- SUBARU BRZ Complete Car/2025年11月発表のSTI Sport TYPE RAをベースに、より軽快で意のままに操れる走りを追求
- 5-door Hatchback/ジャパンモビリティショー2025出展のPerformance-B STI conceptの市販版 WRXやBRZとは異なる個性を目指す
現行WRX S4の公式サイトには、布を被せた3台のシルエットとともに「New MT Models Coming!」のバナーが掲げられてきました。その1台目が、ようやく輪郭を現したことになります。
約7年ぶりのMTカタログモデル 限定車ではなく量産車であることの意味
国内向けWRXからMTが姿を消したのは、2019年に設定された特別仕様車EJ20 Final Editionを最後にWRX STIが新規受注を終えたときでした。生産終了は2020年3月末。以来、カタログでMTを選べない状態が続いてきました。
その空白を一度だけ埋めたのが、2026年4月発表のコンプリートカーWRX STI Sport♯です。600台・610万5000円という条件にもかかわらず、抽選には約9000件の応募が集まり、倍率は約15倍に達しました。この数字は、MTのWRXを求める層が今も分厚く存在することを示す何よりの証拠でしょう。
そして今回予告されたのは、抽選でも限定でもない通常のカタログモデルです。欲しい人がディーラーに足を運べば注文できる——この当たり前が戻ってくる意味は小さくありません。電動化と燃費規制が重くのしかかる時代に、あえて3ペダルの量産車を立ち上げる判断は、相当の覚悟なしには下せないはずです。
気になるのは価格とグレード構成、そしてAWDの制御方式です。WRX STI Sport♯はビスカスLSD付センターデフ方式を採っていましたが、カタログモデルがこれを踏襲するのか、あるいはDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)のような機構を用意するのか。ファンの間でも意見が割れている部分で、ここは11月の発表における最大の見どころになりそうです。
WRX S4の現在地 2026年5月18日で新規受注終了 在庫販売のみで11月の新型を待つ状態
WRX S4は大きな節目を迎えています。SUBARUは2026年3月に公式サイトで、現行モデルの生産終了に伴い2026年5月18日をもって新規注文の受付を終了すると告知しました。予定どおり5月18日に受注は締め切られ、2026年10月時点では販売店の在庫車両のみが購入の対象です。
あわせて発表されたもうひとつの内容が、より重い意味を持ちます。現行モデルをもってWRX S4のSTI Sportグレードの展開を終了するというものです。STI Sport R EXやSTI Sport R-Black Limitedといった、走りと質感を両立させてきた上級グレード群が、この世代で区切りを迎えることになります。
ただし車種そのものが消えるわけではありません。受注終了は次の展開へ向けた切り替えと見られてきましたが、その答えが10月22日のティザーサイト公開で示された格好です。11月に発表されるMT搭載モデルがどのようなグレード構成を採るのか、そしてS4の名称やCVT車がどう扱われるのかは、現時点では公表されていません。
もっとも、先行きが明るいとは言い切れません。企業別平均燃費基準(CAFE規制)の制約から、2.4Lターボ一本のWRXは台数を伸ばしたくても伸ばせない立場にあります。受注終了とSTI Sport展開終了が同時に告知されたことは、このクルマが置かれている状況を端的に示していると言えるでしょう。
いま購入を検討するなら、在庫車から選ぶか、11月発表の新型を待つかの二択になります。STI Sport系を新車で手に入れられるのは在庫が尽きるまでで、こちらは時間との勝負です。
WRX STI Sport♯が2026年4月9日に正式発表 600台限定610万5000円で日本仕様初の6速MT
台数限定発売のSTIコンプリートカーWRX STI Sport♯
WRX STI Sport♯はSTIのコンプリートカーで、2026年1月9日の東京オートサロン2026でプロトタイプが初公開され、2026年4月9日に正式発表されました。600台の限定販売で、メーカー希望小売価格は6,105,000円。抽選申し込みは2026年4月9日から5月17日まで、全国のSUBARU販売店で受け付けられました。
最大の特徴は日本仕様の現行WRXとして初めて採用された6速マニュアルトランスミッションです。組み合わされるのはビスカスLSD付センターデフ方式AWDで、CVTとは異なる操る愉しさを前面に押し出しています。
エンジンはFA24型をベースに、ピストン&コンロッドとクランクシャフトの重量を揃えたバランスドエンジン、さらにバランスドクラッチカバー&フライホイールを採用。最高出力は275PSでWRX S4と同じですが、最大トルクは350Nm(35.7kgm)/2,000-5,200rpmと、CVT車の375Nmに対してあえて抑えられています。これは6速MTの特性に合わせ、市街地から峠道、高速道路まで扱いやすくするための設定です。
ZF製のSTIチューニング電子制御ダンパーはノーマル・コンフォート・スポーツの3モードを備え、安定性と応答性を高次元で両立。brembo製ブレーキシステムはゴールド塗装の18インチフロント対向6ポット&リヤ対向2ポットキャリパーに前後ドリルドディスクローターを組み合わせ、制動力とコントロール性を高めています。
車両重量は1,560kgでWRX S4より軽く、最小回転半径は5.5m。ボディカラーはWRブルー・パール、セラミックホワイト、サンライズイエローの3色が設定されました。
WRX STI Sport♯の装備
- 6速マニュアルトランスミッション
- ビスカスLSD付センターデフ方式AWD
- バランスドエンジン(ピストン&コンロッド、クランクシャフト)
- バランスドクラッチカバー&フライホイール
- STI Sport♯ロゴ付 STI製フレキシブルドロータワーバー フロント
- STI Sport♯ロゴ付 STI製フレキシブルドロースティフナー フロント
- STI Sport♯ロゴ付 STI製フレキシブルドロースティフナー リヤ
- ZF製 STIチューニング電子制御ダンパー
- ゴールド塗装 brembo製18インチフロント対向6ポット&リヤ対向2ポットブレーキキャリパー
- フロント&リヤドリルドディスクローター
- ブリヂストン ポテンザ S007 245/35R19タイヤ
- マットグレー塗装 19インチ×8 1/2Jアルミホイール
- ブラック塗装 小型トランクスポイラー
- 本革巻シフトノブ
- 本革巻ハンドブレーキレバー
- STIロゴ入り ブラック・イエローパーフォレーション ウルトラスエードシート
WRX S4へ鮮やかなサンライズイエローを設定する特別仕様車STI Sport R-Black Limited 2を2026年1月9日発表
鮮やかなボディカラーも魅力的なSTI Sport R-Black Limited 2
オプション装備のリヤスポイラーは66,000円
WRX S4の特別仕様車STI Sport R-Black Limited 2を2026年1月9日発表。兄弟車のレヴォーグにも同時に設定されました。
エクステリアはブラック・マットブラックのルーフアンテナやドアミラー、アルミホイールを特別装備。
インテリアのフロントシートにはSTIのロゴが入ったRECARO製スエード調シートを特別装備、スエード調ブラックステッチのインパネトリム・ドアトリム、ブラック表皮巻コンソールリッドやドアアームレストなども装備。
WRX S4特別仕様車STI Sport R-Black Limited 2の販売価格は5,302,000円です。特別色のサンライズイエローとブラックの対比が際立つ一台で、STI Sport系としては最後の特別仕様車となりました。
WRX S4特別仕様車STI Sport R-Black Limited 2の装備
- STIロゴ入り RECARO製ウルトラスエードシート ブラック(ブラックステッチ、イエローパーフォレーション)
- マットブラック塗装 18インチアルミホイール
- ブラックベゼル フルLEDハイ&ロービームランプ
- 高触感革ブラックステッチ 本革巻ステアリングホイール
- ブラックステッチ シフトブーツ
- スエード調ブラックステッチ インパネミッドトリム
- スエード調ブラックステッチ ドアトリム
- ブラック表皮巻ブラックステッチ センタートレイ加飾
- ブラック表皮巻ブラックステッチ フロアコンソールリッド
- ブラック表皮巻ブラックステッチ ドアアームレスト
WRX S4のモデルチェンジ遍歴

WRX S4はスバルが販売する四輪駆動のスポーツセダンです。海外モデルはWRXで、インプレッサのスポーツモデルにつけられていたグレード名でした。
WRX S4初代 VA系/2014年~2021年
2014年8月、WRX S4が発売されました。グレード体系は「2.0GT」「2.0GT-S」の2タイプ。
2015年6月に一部改良。「2.0GT-S」に新ダンパーを採用し、乗り心地が向上しています。安全装備も強化されました。10月、イタリアの老舗皮革製品サプライヤーのMARIO LEVI社とのコラボで、500台限定の特別仕様車「SporVita」を発売。
2016年4月、一部改良で内装の質感を向上。10月には「走りと安全性の融合を目指したモデル」として開発された特別仕様車「WRX S4 tS」を期間限定で発売。
2017年7月、大幅改良を実施。走行性能と安全性能を向上しました。
2018年4月、一部改良で「アイサイト」に搭載されるプリクラッシュブレーキ制御を改善し、衝突回避の性能を向上させました。9月、スバルテクニカインターナショナルと共同開発された最上級グレード「STI Sport EyeSight」を追加設定。
2019年5月、改良モデルを発表、翌月6月に発売。「STI Sport EyeSight」ではフロントデザインを変更、「2.0GT-S EyeSight」ではアルミホイールのカラーが変更になりました。10月には555台限定の特別仕様車「FULL PACKAGE」を設定。
2020年7月、一部変更を発表し、8月に発売。「STI Sport EyeSight」のみのグレードとなりました。同時に限定500台の特別仕様車「STI Sport#」を発表しますが、先行予約の段階で予約数に達していたため、発表と同時に予約受付が終了しました。
2021年1月、受付を終了し、在庫のみの販売となりました。
WRX S4 2代目 VB系/2021年~
2021年11月、フルモデルチェンジで2代目になりました。日本仕様でのグレード体系は「GT-H」「STI Sport R」の2種類で、「GT-H EX」「STI Sport R EX」の設定があります。
2022年11月、一部改良で、ランプ類の消し忘れ時の自動消灯機能の追加や、スマートキーにモーションセンサーとスリープ機能が搭載され、リレーアタック対策が施されました。
2023年10月、一部改良でアイサイトに広角単眼カメラを追加し、デジタルマルチビューモニターに3Dビュー表示やフロントビューとトップビューを自動で表示するAUTOモードを追加しました。グレード体系も整理され、「アイサイトX」や「SUBARU STARLINK」を非装備としていた「GT-H」と「STI Sport R」が廃止になりました。
2024年1月、500台限定の特別仕様車「WRX S4 STI Sport♯」を設定し、1月12日から28日まで抽選を受付。
2024年12月12日、E型へ年次改良。STI Sport R EXのホイールをブラック塗装へ変更し、本革シートの配色を見直すとともに、特別仕様車「STI Sport R-Black Limited」を設定しました。
2025年1月10日、東京オートサロン2025でSTIコンプリートカー「S210」のプロトタイプを初公開。3月31日に公式ページを公開し、5月22日から6月29日まで抽選エントリーを受け付けました。500台限定、8,700,000円で、最高出力は300PSへ引き上げられています。
2026年1月9日、東京オートサロン2026で特別仕様車「STI Sport R-Black Limited Ⅱ」(5,302,000円)を発表・発売するとともに、STIコンプリートカー「WRX STI Sport♯」を初公開。4月9日にはWRX STI Sport♯を正式発表し、600台限定・6,105,000円で4月9日から5月17日まで抽選申し込みを受け付けました。
2026年3月、生産終了に伴い同年5月18日をもって新規注文受付を終了することを告知。あわせて現行モデルをもってSTI Sportグレードの展開を終えることも発表され、5月18日以降は販売店在庫のみの販売となっています。
2026年6月6日、富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久シリーズ富士24時間レースにおいて、開発中のMTモデル3車種を公表。そのうちの1台が「WRX with TY85 Transmission」です。
2026年10月22日、公式サイトにWRXのティザーサイトを開設し、MT搭載モデルを同年11月に発表予定と予告。開発ストーリームービーも公開されました。
| WRX S4のモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 VA系 | 2014年~2021年 |
| 2代目 VB系 | 2021年~(2026年5月18日で新規受注終了) |





















