スペーシア車いす移動車

スペーシア車いす移動車がスズキの福祉車両から新登場

スペーシア 車いす移動車の特徴を紹介。2018年2月に発売された同車はスズキの福祉車両ウィズに加わる。「DSBS」などの安全装備やリヤヒーターダクトなどの快適装備、テールゲート一体スロープやグレード別の車両販売価格にも取り上げ。

スペーシアから車いす移動車がラインナップ

スズキは2018年2月9日のプレスリリースで、スペーシアから車いす移動車をラインナップさせる事を発表・同日に発売しました。

スズキの福祉車両ウィズシリーズに加わる「スペーシア 車いす移動車」は、2017年12月にフルモデルチェンジによって誕生したモデルをベース車両にしています。

「スペーシア 車いす移動車」は、これからの福祉社会のニーズに対応するために、ワンアクションで簡単に乗車のサポートが行える「テールゲート一体スロープ」を採用するなどの改良を加えます。

ここでは、スペーシアの福祉車両の販売価格やその他の特徴、乗り降りをさらに楽にするために新しく設定された「エブリイワゴン 電動オートステップ装着車」の特徴についても取り上げます。

ウィズシリーズには「車いす移動車」と「昇降シート車」タイプがある

スズキの福祉車両・ウィズシリーズには、車いすに座ったままで乗り降りできる「車いす移動車」タイプと、電動操作でシートをスライド・回転できる「昇降シート車」タイプがあります。

車いすの座面の高さと、スライドさせる助手席の高さを同様に設計する昇降シート車には「ワゴンR」と「ワゴンRスティングレー」をベースとする車両がラインナップします。一方の車いす移動車タイプからは、エブリイワゴンをベースとする車両が発売しました。

スペーシアの車いす移動車の特徴

自動ブレーキなどの先進安全技術、ペダル踏み間違い時加速抑制装置などを搭載し、経産省や国交省が普及を呼び掛ける「セーフティ・サポートカー」「サポカーS ワイド」の認定を受けるスペーシア車いす移動車の特徴を紹介します。

広い室内スペースと車いすが乗り降りしやすい設計

2017年12月に行われたフルモデルチェンジによって誕生した、スペーシアは軽最大クラスの室内スペースが魅力です。圧迫感のない室内高、リヤシートに座っても窮屈さを感じない足元、後方のゆとりスペースは、車いす移動車としての可能性をスペーシアにもたらします。

スペーシアの車いす移動車は、ワンアクションで簡単に・力のない女性であっても楽にサポートできる「テールゲート一体スロープ」を採用します。テールゲート一体スロープは、折り畳む必要のないテールゲートなどを導入し、乗降操作性を高めます。

スロープには、滑り止め加工が施され、傾斜角は14°設定、車いすの乗り降りをアシストする電動ウィンチ、ワイヤレスリモコンを全車に標準装備します。

電動ウィンチは、短時間でスムーズにベルトを引き出して操作ができるフリーモードの機能を持たせることで、介助者の負担を減らします。

スペーシアが採用する両側スライドドアは、普段の乗り降りが楽になるだけではなく、サイドスペースに余裕がない時でもスムーズなサポートを実現します。

ハイブリッドXに標準装備される「スリムサーキュレーター」は、室内の空気を効率的に循環させて、前席と後席スペースの温度のムラをなくすことで、乗車するみんなの快適さを追求します。

スペーシアの車いす移動車では、リヤシートが設置されている車両であれば、必要に応じてシートをアレンジすることで4人が乗車できるスペースが確保されます。

スペーシアのウィズシリーズでは、折りたたみ式リヤシートを採用することで、4名乗車時であってもベース車と同様の後席スペースを維持し、福祉車両以外のドライブシーンでの利便性も高めます。

スペーシアの車いす移動車は快適装備も充実

ハイブリッドXのリヤドアには紫外線をカットできる「ロールサンシェード」が装備されます。フロントドアには紫外線を99%も遮断でき、赤外線もカットできる「IRカットガラス」が設置されます。

照射時間が長引くほど人体にダメージが蓄積する電磁波をカットするロールサンシェードと、IRカットガラスを設置することは快適性を高めるだけではなく、乗車する人の快適性も守る事にも繋がります。

乗車中に利用する手すりは、つかみやすいサイズと高さに配置することで、利用者の安全性と安心感を飛躍させます。優れたデザイン性と、ビビットなオレンジカラーもスペーシアが採用する手すりの魅力です。

寒い季節には、利便性が高まる「リヤヒーターダクト」は、足もとが冷えやすい方にとっては嬉しい機能です。リヤヒーターから足もとに送られる温かい風は、快適性を高めるだけではなく体調管理にも貢献します。

衝突回避支援システムなど安全装備が充実

2017年12月のフルモデルチェンジによって、誕生したスペーシアをベースとする「車いす移動車」は、誤発進抑制機能や車線逸脱警報機能、先行車発進お知らせ機能などをパッケージングした予防安全技術「スズキ セーフティサポート」を標準装備します。

スペーシア の車いす移動車は、単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを用いて、前方にいる歩行者や車を検知し、衝突の恐れがある場合には警告あるいは自動ブレーキを発動する「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」を標準装備させます。

その他には、コーナーを曲がる際にスリップや横滑りが発生していると判断すれば、エンジンとブレーキをコンピューター制御して、安定走行を実現するESP(車両走行安定補助システム)も備えます。

車いすのホールド力を高める3点式シートベルトに、手すりと4点固定ベルトを組み合わせることは、走行中の更なる安全性を確保させ、利用する人に安心感を与えます。

マイルドハイブリッドが全車に装備

スペーシア 車いす移動車は、全車にモーターによるアシスト力でエンジンをサポートし、低燃費を実現するスズキの「マイルドハイブリッド」を装備させます。

マイルドハイブリッドが採用するISG(モーター機能付発電機)は、モーターの高出力化とリチウムイオンバッテリーの大容量化をクリアします。

同システムでは、アイドリングストップからの車のスタートは、モーター出力のみで移動するクリープ走行を可能とし、ガソリンは節約されます。

2017年12月のフルモデルチェンジによって誕生したスペーシアは、100km/hまでの加速時ではISGでエンジンをアシストすることが可能です。また、パワーモードを選択すると、エンジンやCVT(変速機)の制御に加え、トルク値のアップが行われパワフルな加速力が実現されます。

スペーシア 車いす移動車の販売価格

「スペーシア 車いす移動車」のグレード別、販売価格やエコカー減税の適用税率について紹介します。ハイブリッドGでは、リヤシート有り無しで販売価格が変わってきます。

機種名 リヤシート 駆動方式 価格
HYBRID G リヤシート付 2WD(FF) 1,821,000円~
4WD 1,930,000円~
リヤシート無 2WD(FF) 1,786,000円~
4WD 1,895,000円~
HYBRID X リヤシート付 2WD(FF) 1,906,000円~
4WD 2,015,000円~

エブリイワゴンの車いす移動車

2018年2月9日に新たに追加設定された、「エブリイワゴン 電動オートステップ装着車」の販売価格なども紹介します。
エブリイワゴンの福祉車両に電動オートステップ装着車がラインナップされることは、スズキの福祉車両ウィズシリーズのブランド力強化に繋がります。

エブリイワゴンの電動オートステップ装着車では、後席左側のスライドドアの開け閉めに連動して作動する「電動オートステップ」を採用します。

「電動オートステップ」は、リヤステップとの段差を縮めて、乗り降りをスムーズに行える設計が特徴的です。同機種には、スペーシアの車いす移動車に搭載されるテールゲート一体スロープや、電動ウィンチなども標準装備されます。

機種名 リヤシート 駆動方式 価格
エブリイワゴン 左右分割式 リヤシート付 2WD(FF) 1,972,000円~
4WD 2,089,000円~

スペーシア車いす移動車はこれからの社会のニーズに応える車

2018年2月9日に発売された「スペーシア 車いす移動車」は、これから急速に進む高齢化社会・福祉社会のニーズに応える車です。

スズキのウィズシリーズに新たに仲間入りした、スペーシアの車いす移動車は、介助者がサポートしやすい「テールゲート一体式スロープ」を設置、乗車中の安全性を飛躍させる3点式シートベルト等を標準装備、スズキ自慢のマイルドハイブリッドを搭載し低燃費も実現する車です。

福祉車両としての必要条件である安全性と乗降操作性を満たしながら、車両販売価格と維持費を抑える事ができる「スペーシア 車いす移動車」は、これから拡大する社会のニーズに応える車です。