ミラトコットのモデルチェンジ

ダイハツ ミラトコット生産終了 後継なく1代限りで幕 累計約7.2万台・2026年も後継未登場

ミラトコットに後継はある? ミラココアの後継として2018年に登場した軽セダンは、2023年12月に生産・販売を終了。2026年現在も直接の後継は未設定で、女性向け低全高軽の受け皿はムーヴキャンバスやミライースに。発売から終売までの流れと中古相場を解説します。

ミラトコットはミラココアの後継モデル モデルチェンジと生産終了までの情報

ミラココアが2018年3月30日に販売終了となり、当時はムーヴキャンバスやキャストスタイルがラインナップしていたこともあって、後継モデルは用意されないと見ていました。ところが実際には「ミラトコット」が2018年6月25日に発売され、ミラココアの実質的な後継として登場しました。

ミラトコットとはどのような軽自動車だったのか、エクステリアや搭載装備、発売から生産終了までの歩みを振り返っていきます。

ミラトコットは2023年12月に生産・販売を終了 後継なく1代限りで幕(2026年時点も後継は未登場)

ミラトコットは、2023年11月9日にダイハツが生産終了を発表し、同年12月上旬に生産を終えました。販売は在庫がなくなり次第の終了となり、公式サイトからの掲載も同年12月8日に取り下げられています。2018年6月の発売から約5年半、届出台数は累計およそ7万2000台にとどまり、一度もフルモデルチェンジを受けることなく1代限りで姿を消しました。

ミラココアの実質的な後継として世に出たミラトコットですが、そのミラトコット自身の後継にあたるモデルは、2026年7月時点でも設定されていません。ミラココアが終了した際は3か月後にミラトコットが控えていましたが、今回は直接の受け皿となる後継車が用意されず、女性層を意識した背の低いセダン系の軽は、ダイハツのラインアップから途絶えた格好です。同種の需要は、両側スライドドアを備えるムーヴキャンバスや、エントリーモデルのミライースが引き受けるかたちになっています。

発売から数年の間には「次期型へ全面刷新されるのでは」という観測がささやかれたこともありました。しかし実際にはフルモデルチェンジは行われないまま終売となり、その見立ては立ち消えています。現在ミラトコットは新車では手に入らず、中古車市場での流通が中心で、相場はおおむね40万〜150万円台です。シンプルで無機質ながら温かみのある個性的なデザインには根強い支持があり、今後じわじわと再評価が進む可能性もありそうです。

ミラトコットは2021年9月の一部改良でグレードを2つに集約

ミラトコットは2021年9月1日の一部改良で、それまでの5グレード構成から「L”SA III”」と「G”SA III”」の2グレードへと整理されました。これにより安全装備の「スマートアシストIII」が全車標準装備となっています。あわせて全車にオートライトを標準で備え、ボディカラーはサニーデイブルーメタリックに替えてレイクブルーメタリックを設定しました。「L”SA III”」のホイールキャップは「TOCOT」エンブレム付きの専用デザインに変更されています。改良後の価格は1,162,700円から1,386,000円でした。

ミラトコット初の特別仕様車「G”リミテッド SA III”」を2019年に設定

DAIHATSUミラトコット初の特別仕様車となった「G“リミテッド SA III”」

ダイハツはミラトコットに初の特別仕様車「G“リミテッド SA III”」を設定し、2019年7月29日に発売しました。2018年6月25日の発売以来、初めての特別仕様車です。上級グレードの「G“SA III”」をベースにしながら、装備の一部を見直すことでベース車より約6.48万円安い価格を実現した”お買い得仕様”に位置づけられていました。

ミラトコット G“リミテッド SA III”の基本スペック(JC08モード燃費)
グレード G“リミテッド SA III”
駆動方式 2WD 4WD
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,530mm 1,540mm
ホイールベース 2,455mm
燃料消費率 29.8km/L 27.0 km/L
エンジン 水冷直列3気筒12バルブDOHC横置
最高出力 38kW[52PS]/6,800rpm
最大トルク 60N・m[6.1kgm]/5,200rpm
総排気量 658cc
乗車定員 4名
価格 1,254,000円 1,386,000円

特別装備として「パノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック」を標準で備え、駐車が苦手な方でも扱いやすい構成としていました。

ヘッドランプはマニュアルレベリング機能付きのBi-Angle LEDで、省電力ながら明るい前方視界を確保します。運転席・助手席用シートヒーターやオートエアコンといった快適装備は、ベースのG“SA III”から引き継いでいました。

そのほか、G“リミテッド SA III”には以下の特別仕様が与えられていました。

ミラトコットG“リミテッド SA III”の特別仕様

  • 14インチ フルホイールキャップ(『TOCOT』アルファベットエンブレム付)
  • エアコンレジスターノブ(材着ブラック)
  • インナードアハンドル(材着ブラック)
  • ドアトリム(材着ブラック)
  • UVカットガラス(フロントドア)
  • フロントパーソナルランプ(バルブ)
  • クリーンエアフィルター

ミラトコットは発売1か月で月販目標の約3倍を受注 シンプルさと安全装備が支持を集めた

ダイハツは発売から1か月間の受注状況を公表しました。先代ミラココアの後継として登場したミラトコットは、余計なものを削ぎ落としたシンプルなデザインと、安全装備のスマートアシストIIIを備えていたことで女性ユーザーを中心に人気を集め、月販目標3,000台の約3倍にあたるおよそ9,000台を受注したと発表されています。

最新の安全装備スマートアシストIIIや、360°を見渡せるパノラマモニターを設定したことが評価され、初めてクルマを購入する方や運転に不慣れな方、シニア世代などに支持されました。手の届きやすい価格帯も追い風になったようです。

ミラトコットのエクステリアは飽きのこないシンプルデザインが持ち味

スクエアなボディで安心感のあるトコットのエクステリア。ヘッドライトとテールランプは丸目とし、優しげで可愛らしい印象にまとめられています。ホイールもデザイン性が高く、足元までおしゃれに気を配りたいというユーザーの要望に応えていました。

ミラトコットのボディカラーは、発売当初はモノトーンカラー10色とデザインフィルムトップ4色の全14種類がそろっていました。キャンバス地調のアイボリーデザインフィルムトップは+44,000円で選ぶことができました。パステルカラーから大人っぽくシックなダークカラーまでカラバリが豊富で、カスタムの幅も広めでした。なお2019年11月には「ライトローズマイカメタリック」と「ブライトシルバーメタリック」の2色が追加されています。

モノトーンカラー

  • セラミックグリーンメタリック
  • ジューシーピンクメタリック
  • サニーデイブルーメタリック
  • パールホワイト3
  • ライトローズマイカメタリック(2019年11月追加)
  • ブラックマイカメタリック
  • プラムブラウンクリスタルマイカ
  • ファイアークォーツレッドメタリック
  • レモンスカッシュクリスタルメタリック
  • ブライトシルバーメタリック(2019年11月追加)

デザインフィルムトップ

  • セラミックグリーンメタリック+デザインフィルムトップ
  • ジューシーピンクメタリック+デザインフィルムトップ
  • サニーデイブルーメタリック+デザインフィルムトップ
  • パールホワイト3+デザインフィルムトップ(66,000円高)

ミラトコットのインテリアはカフェを思わせるナチュラルで温かみのあるスタイル

軽自動車ながらも高い居住性を確保していたミラトコットのインテリア。アイボリーカラーのフルファブリックシートは、ナチュラルなトコットのイメージによくなじんでいます。上位グレードの「G”SA III”」のシートにはパイピングが施され、より質感の高いデザインとされていました。

「G”SA III”」と「X”SA III”」にはセラミックホワイト、「L”SA III”」と「L」には布目調ベージュのインパネガーニッシュが設定されていました。単眼メーターもグレードごとにデザインが異なり、「G”SA III”」と「X”SA III”」はメーターリング付きの盤面発光タイプとなります。「G”SA III”」はオートエアコンを備え、その他グレードはダイヤル式のマニュアルエアコンとなっていました。

リヤシートは一体可倒機構を採用し、シートアレンジでラゲッジルームを拡大できます。バックドアは電気スイッチ式で、開け閉めがスムーズに行えるのも魅力でした。

ミラトコットは最新の安全装備「スマートアシストIII」を搭載

ミラトコットには、ムーヴキャンバスなどにも搭載されている安全装備「スマートアシストIII」が採用されていました。

スマートアシストIIIの機能

  • 衝突警報機能(対車両・対歩行者)
  • 衝突回避支援ブレーキ
  • 車線逸脱警報機能
  • 誤発進抑制制御機能(前方・後方)
  • 先行車発進お知らせ機能
  • オートハイビーム

発売当初は「スマートアシストIII」の有無を選べるグレード体系でしたが、2021年9月の一部改良で全車標準装備となりました。衝突警報機能や自動ブレーキ、車線逸脱警報などにより、わき見による追突や、居眠りなどでのはみ出し正面衝突のリスクを下げてくれます。

さらにミラトコットでは、誤発進抑制制御(前方)用のソナーセンサーが、ヘッドランプ真下に加えてフロントフェイス付近にも配置され、合計4か所に強化されている点が、ベースのミライースとの違いでした。加えて、SRSサイドエアバッグとSRSカーテンシールドエアバッグを軽自動車として初めて全車標準装備し、パノラマモニターとコーナーセンサーの同時設定も軽で初採用しています。

ミラトコットはポップで愛着のわくエクステリア

淡いボディカラーがそろったミラトコット

ミラトコットのエクステリアは、ハッチバック(軽セダン)のボディタイプはそのままに、角に丸みを持たせたスクエア基調のデザインが与えられました。先代にあたるミラココアがクラシカルなミラジーノの流れを汲むモデルだったため、後継のミラトコットもレトロで親しみやすい表情にまとめられています。

ボディサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,530mmで、ムーヴキャンバスやキャストスタイルに比べて全高が低いのが特徴でした。

ミラトコットのボディサイズ
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,530mm(4WD:1,540mm)
ホイールベース 2,455mm

ミラトコットには、2代目ミライース譲りの新開発プラットフォーム「Dモノコック(新Aプラットフォーム)」が採用され、高い剛性と静粛性を実現していました。その静かさは、同じDモノコックをまとうムーヴやキャストなどでも実証済みです。

ミラトコットの搭載エンジンや燃費

ミラトコットに搭載されたエンジンは、ターボを持たない自然吸気の「KF型(KF-VE型)」で、JC08モード燃費は29.8km/Lでした。なお2020年8月の仕様変更でWLTCモードに対応しており、WLTCモードでは21.5〜22.6km/L相当となります。

ミラトコット搭載エンジンスペック
型式 KF型(KF-VE型)
種類 直列3気筒
排気量 658cc
最高出力 38kW(52PS)/6,800rpm
最大トルク 60N・m(6.1kgm)/5,200rpm
駆動方式 FF(2WD)/4WD
燃費(JC08モード) 29.8km/L(4WD:27.0km/L)

先代のミラココアも自然吸気エンジンのみでターボ車を持たなかったため、後継のミラトコットもNAエンジン一本のラインアップでした。JC08モードの燃費は、同系エンジンを積むムーヴキャンバスやキャストと近い水準にまとめられていました。

ミラトコットの価格は約109万円から 最上級でも約145万円と手に取りやすい設定だった

ミラトコット最大の魅力のひとつは、手に取りやすい価格帯でした。自動ブレーキなどの安全装備を省いたベースグレード「L」は1,094,500円からと、コストパフォーマンスに優れていました。安全装備を充実させた最上級グレードでも1,452,000円と、クルマの価格が上昇していく状況のなかで良心的な設定でした。なお、以下は発売当初から2021年改良前までの4グレード構成の価格で、その後の一部改良で「L“SA III”」「G“SA III”」の2グレードへ整理されています。

ミラトコットの販売価格一覧(発売当初〜2021年改良前)
グレード 駆動方式 価格
L 2WD 1,094,500円~
4WD 1,226,500円~
L SA3 2WD 1,160,500円~
4WD 1,292,500円~
X SA3 2WD 1,243,000円~
4WD 1,375,000円~
G SA3 2WD 1,320,000円~
4WD 1,452,000円~

ミラココアの後継 ミラトコットのモデルチェンジ遍歴

ミラトコットは、ダイハツが販売していたハッチバック型(軽セダン)のミラシリーズの軽自動車です。2代目ミライースをベースとする派生モデルとして登場し、新Aプラットフォーム(Dモノコック)と「スマートアシストIII」を採用していました。

ミラトコット LA550S/560S型(2018年~2023年)

2018年6月、ミラシリーズからミラトコットがデビューしました。グレード体系は「スマートアシストIII」の有無を選べる「L」と、標準装備の「X」「G」というラインアップでした。
2019年7月、特別仕様車「G”リミテッド SA III”」を発売。11月にはボディカラーが追加されました。
2020年8月、仕様変更でWLTCモード燃費の表示に対応し、排出ガス性能の認定を取得。あわせてボディカラーの設定も見直されました。
2021年9月、一部改良でグレード体系を整理し、「L"SA III"」と「G"SA III"」の2グレードに集約。全車にスマートアシストIIIとオートライトが標準装備されました。
2023年11月に生産終了が発表され、12月上旬に生産を終了、12月8日に販売終了となりました。フルモデルチェンジを受けることなく、1代限りで幕を下ろしています。

ミラトコットのモデルチェンジ遍歴
ミラトコットのモデル 販売年表
LA550S/560S型 2018~2023年

ミラトコットは女性にも男性にも親しみやすいシンプルな軽自動車だった

ミラトコットは2018年6月25日に発表・発売されました。ミラココアが2018年3月30日に販売終了となってからおよそ3か月後に後継として登場し、当時、女性を意識した軽自動車は「ミラトコット」「ムーヴキャンバス」「キャストスタイル」の3車種展開となっていました。

乗り降りしやすい両側スライドドアのムーヴキャンバス、クラシカルで背の高いキャストスタイル、そしてスタンダードなハッチバックスタイルのミラトコット。ボディタイプの異なる3種類で、さまざまなライフスタイルに寄り添う選択肢を提案していました。ミラトコットはすでに生産・販売を終えていますが、肩ひじ張らずに乗れる素朴な個性は、今も中古車市場で支持を集めています。