ekカスタムの特別仕様車

ekカスタム特別仕様車ACTIVE GEARは166万円から ekカスタムは2019年廃止で後継はeKクロスへ

ekカスタムはまだ買えるのか。2019年3月28日のフルモデルチェンジで車名は廃止され、後継はeKクロス(現在174万3,500円〜)です。アウトドア路線はデリカミニが引き継ぎ、2025年10月に2代目が登場しました。

ekカスタムの特別仕様車ACTIVE GEAR ekカスタムは2019年に廃止され後継はeKクロスへ

ekカスタムの特別仕様車「ACTIVE GEAR」は、2017年12月21日に発売されました。アウトドア志向のユーザーに向けて、アウトドア用品のデザイン性を積極的に取り入れた一台です。オレンジをテーマカラーとする三菱の「ACTIVE GEAR」シリーズにおいて、ekカスタムは第4のラインナップにあたります。

ただし、ベース車である「ekカスタム」は2019年3月28日のフルモデルチェンジで車名ごと廃止され、後継は「eKクロス(eK X)」となりました。したがってACTIVE GEARを新車で買うことはできず、現在は中古車のみで探せる仕様です。ここではまず現在の状況を整理したうえで、ekカスタム ACTIVE GEARの内外装・スペック・価格を振り返ります。

ekカスタムは2019年3月28日に廃止 後継のeKクロスは現在174万3,500円から

三菱のekシリーズは2019年3月28日にフルモデルチェンジを受け、4代目へ移行しました。このとき「ekカスタム」という車名は姿を消し、SUVテイストを強めたクロスオーバーモデル「eKクロス(eK X)」が事実上の後継として設定されています。ラインアップは、正常進化させたeKワゴンと、よりアクティブなキャラクターのeKクロスという2本立てになりました。

中身も大きく変わりました。デザインは三菱の「ダイナミックシールド」を採用し、パワートレインは新開発のBR06型エンジンへ刷新。eKクロスにはBR06+SM21型モーターによるマイルドハイブリッドが組み合わされ、同一車線内での運転支援「MI-PILOT(マイパイロット)」も設定されました。ekカスタム時代の「ターボで元気に走る上級グレード」という性格は、eKクロスのTグレード系に引き継がれています。

eKクロスはその後も改良を重ねており、直近では2025年7月24日に一部改良を実施。衝突被害軽減ブレーキ「FCM」の警告表示などを法規に適合させ、新色「ナチュラルアイボリーメタリック」を追加して全10色(モノトーン5色・2トーン5色)としました。現在の価格はeKクロスが174万3,500円〜210万6,500円、eKワゴンが146万8,500円〜168万3,000円です。ekカスタム ACTIVE GEARが165万9,960円(2WD・当時の消費税8%込み)だったことを思うと、この8年半で軽ハイトワゴンの価格水準がどれだけ上がったかがよく分かります。

なお、eKワゴン/eKクロスの次期型については「2026年」「2027年」と時期の異なる観測がささやかれており、大型ディスプレイの採用などが取り沙汰されています。ただし三菱自動車からの正式発表はなく、現時点では噂の域を出ません。2019年の登場から7年が経ち、設計年次としては次期型が視野に入る時期に差し掛かっているのは事実ですが、具体的な内容は待つほかないでしょう。

アウトドア路線は「デリカミニ」が継承 2代目が2025年10月29日に発売

ekカスタム ACTIVE GEARが提案した「軽×アウトドア」という価値は、その後まったく別の車名で開花しました。三菱が2023年5月に発売した軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」です。eKクロス スペースをベースに、デリカD:5譲りのタフなデザインを与えたこのモデルは、先代を大きく上回る人気を獲得し、三菱の軽を代表する存在になりました。

そのデリカミニは2025年にフルモデルチェンジを受けています。予約受付は2025年8月22日から、発売は2025年10月29日。価格は約195万円〜約295万円で、同時に兄弟車のeKスペースも新型へ移行しました。新型ではマイルドハイブリッドを廃止しながら燃費性能を向上させ、軽自動車として初めて、エンジンレスポンスやASC(アクティブスタビリティコントロール)の制御を専用チューニングするドライブモードを搭載しています。新型デリカミニは2025年度グッドデザイン賞も受賞しました。

オレンジのアクセントで「道具感」を演出するというACTIVE GEARの文法は、いまや特別仕様車ではなく、デリカミニというカタログモデルそのものの個性として定着した——というのが率直な見立てです。ACTIVE GEARは消えたのではなく、車種へと昇格したと言い換えてもよいでしょう。

ACTIVE GEARの本家デリカD:5は2026年1月9日に大幅改良 価格は451万円から

ACTIVE GEARシリーズの第1弾は、2017年4月に設定されたデリカD:5の特別仕様車でした。フロントグリルやバンパーアンダーカバーをブラックアウトし、ドアミラーやフォグランプベゼルをオレンジで彩ったこの仕様は高い人気を集め、2019年2月のビッグマイナーチェンジまで販売されました。中古車市場ではいまも高値で取引される一台です。

そのデリカD:5は、2025年12月18日に発表され、2026年1月9日に大幅改良モデルが発売されています。価格は451万円〜494万4,500円。フロントグリルや前後バンパーのデザイン変更とホイールアーチモールの追加により力強さを強調し、8インチカラー液晶メーターを採用。走りの面では四輪制御技術「S-AWC」を初搭載し、NORMAL/ECO/GRAVEL/SNOWの4つのドライブモードを設定しました。運転支援の「e-Assist」も強化されています。

ACTIVE GEARという名の特別仕様車は現在のラインアップには見当たりませんが、その思想である「ギア感」は、改良後のデリカD:5のインテリア開発コンセプトにもはっきりと残っています。

ekカスタムは日産「デイズ ハイウェイスター」の姉妹車

ekカスタムは、三菱自動車がもっと「いい軽」を造ろうというコンセプトを掲げて誕生した「ek」シリーズを代表する1台でした。ekワゴンのスポーティモデルにあたる存在です。

同車は三菱と日産の合弁会社NMKVで開発され、三菱ブランドで販売されました。NMKVでは日産のデイズシリーズとekシリーズを共同開発しており、そのため三菱ekと日産デイズは姉妹関係にあります。この関係は現在も続いており、eKクロスは日産デイズのハイウェイスター系、eKスペース/デリカミニは日産ルークスと兄弟車の関係にあります。

2017年1月のマイナーチェンジでは、ekワゴン・ekカスタムとデイズとの間でボディカラーの入れ替えが行われ、ekカスタムに専用色「ライトニングブルーマイカ」が追加されました。デイズとデイズ ハイウェイスターには「プレミアムサンシャインオレンジ4コートメタリック」が設定されています。

ekシリーズとデイズシリーズで姉妹関係にある車(2017年当時)
三菱・ekシリーズ 日産・デイズシリーズ
ekワゴン デイズ
ekカスタム デイズ ハイウェイスター
ekスペース デイズ ルークス
ekスペース カスタム デイズ ルークス ハイウェイスター

※上表は2017年当時の構成です。現在はekカスタムがeKクロスへ、ekスペース カスタム系がデリカミニへと再編され、日産側もデイズ/ルークスという車名に整理されています。

ekカスタム 特別仕様車「ACTIVE GEAR」のエクステリア

ekカスタムの特別仕様車のボディカラーは、チタニウムグレーメタリックとホワイトパールの2色展開。どちらもルーフをブラックマイカとするツートーンカラーです。

エクステリアはボディ各所に鮮やかなオレンジを取り入れ、強いインパクトを与えます。

オレンジがテーマカラーに選ばれたのは、太陽のようなエネルギッシュさを想起させる色だからです。オレンジには人の心を前向きにし、チャレンジ精神を引き出す色彩効果があるとされます。登山ロープやバックパックなど本格的なギアに使われ、エマージェンシーカラーとしての意味合いも持つ色でもあります。

フロントグリルに配されたオレンジのアクセントラインは、抜群のインパクトを放ちます。

サイドビューでは、LEDターンランプ付電動格納式リモコンドアミラーとACTIVE GEAR専用デカールが目を引きます。

専用デカールは「フロントバンパー」「テールゲート」「ルーフスポイラー」にも配されます。
この専用デカールによって、ACTIVE GEARにはさらなる特別感が加わります。

15インチアルミホイールは、1本1本のスポークが太く存在感があります。ブラックで仕上げることで、力強さも加わりました。

ekカスタム 特別仕様車「ACTIVE GEAR」のインテリア

インテリアでは、手に馴染む感触を運転操作とともに楽しめる本革巻ステアリングホイールを採用。ステアリングにもアクセントとしてオレンジのステッチが入ります。

特別仕様車「ACTIVE GEAR」は、室内空間でも人の心をエネルギッシュにするオレンジで演出を加えています。

ekカスタムの特別仕様車のベース車両は「T Safety Package」

ekカスタム ACTIVE GEARのベース車両は「T Safety Package」です。T Safety Packageはターボエンジンを搭載し、アウトドアシーンでも躍動感のある走りを楽しめます。

また、誤発進抑制機能などをパッケージングした「e-Assist」、夜間走行時の安全性に寄与する「オートマチックハイビーム」、バードアイビュー機能付きの「マルチアラウンドビューモニター」も標準装備されます。

ekカスタムの特別仕様車「ACTIVE GEAR」のスペック

ekカスタムの上級グレードであるT Safety Packageをベースとする特別仕様車「ACTIVE GEAR」のスペックは次のとおりです。

ekカスタム ACTIVE GEARの主要スペック
駆動方式 2WD 4WD
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,620mm
ホイールベース 2,430mm
乗車人数 4名
車両重量 870kg 920kg
JC08モード燃費 23.2km/L 21.8km/L
総排気量 0.659L
最高出力 47kW(64PS)/6,000rpm
最大トルク 98N・m/3,000rpm

ekカスタムの特別仕様車には専用オプションパッケージを追加

特別仕様車を自分好みに仕上げたい人には、ディーラーオプションの「専用オプションパッケージ」が用意されていました。

「専用オプションパッケージ」では、専用ロゴが入ったアルミホイールデカールと専用フロアマットがセットになっています。

これを追加すれば、内外装のアウトドア感はさらに高まります。中古車で探す場合、この専用パッケージ装着車かどうかは希少性を左右するポイントになるでしょう。

ekカスタムACTIVE GEARの販売価格

2017年12月21日に発売されたekカスタムの特別仕様車の販売価格は次のとおりです。当時、2WDモデルはエコカー減税の対象となり、自動車取得税と重量税が減免されました。

ekカスタム ACTIVE GEARの価格(2017年12月発売時・消費税8%込み)
駆動方式 2WD 4WD
エンジン MIVEC DOHC12バルブ3気筒 ターボ
変速機 INVECS-III CVT
エコカー減税 取得税 20%
エコカー減税 重量税 25%
価格 1,659,960円~ 1,766,880円~

※ホワイトパールを選ぶと21,600円が加算されます。
※ディーラーオプションの専用オプションパッケージを追加すると、工賃込みで23,868円が加算されます。
※価格・減税率はいずれも2017年12月発売時点のものです。自動車取得税は2019年10月に廃止され、環境性能割へ移行しています。

ekカスタムの特別仕様車が示した「軽×アウトドア」はデリカミニへ受け継がれた

T Safety Packageをベースに開発されたekカスタムの特別仕様車は、「デリカD:5」「アウトランダー」「RVR」に続く、三菱ACTIVE GEARシリーズの第4のラインナップでした。

ekカスタムの特別仕様車にも、シリーズのイメージカラーであるオレンジがふんだんに取り入れられています。オレンジには人の心をエネルギッシュにする色彩効果があり、そのオレンジを積極的に用いる「ACTIVE GEAR」シリーズは、アウトドア仕様に特化したモデル群でした。専用デカールなどでアウトドア車としての魅力を高めた、コストパフォーマンスの高い一台だったと言えます。

そして現在、ekカスタムという車名はなく、ACTIVE GEARという特別仕様車も設定されていません。しかし2019年に登場したeKクロスがSUVテイストのカタログモデルとして定着し、2023年に生まれたデリカミニが軽アウトドアの本命として2025年に2代目へ進化した事実を見れば、この特別仕様車が示した方向性は正しかったと評価できます。ekカスタム ACTIVE GEARは、三菱の軽が「道具として楽しむクルマ」へ舵を切る、その入口にあった一台でした。