新型「e SKY」

新型「e SKY」:スズキ初の軽乗用EVが2026年11月16日発売!価格は212万円から

新型e SKYはアルトやワゴンRのモデルチェンジで磨いた軽づくりの技術を注ぎ込んだスズキ初の軽乗用EV。A/G/Xの3グレードで212万円から、一充電走行距離は310km。確定した価格表・メーカーオプション・主要諸元をまとめました。

スズキ 新型「e SKY」正式発表:初の軽乗用EVは212万円から、2026年11月16日発売

スズキ株式会社は2026年10月6日、同社初の軽乗用EVとなる新型「e SKY(イー・スカイ)」を正式に発表しました。発売日は2026年11月16日で、同日から先行受注の受け付けも始まっています。メーカー希望小売価格は212万円〜279万円(税込)、グレードはA/G/Xの3段階という構成です。

アルトやワゴンRがモデルチェンジを重ねながら日本の軽自動車文化を支えてきたスズキにとって、e SKYは既存車種のモデルチェンジでも一部改良でもなく、EV専用設計で新たに起こされた完全な新規車種にあたります。ここでは確定した価格とグレード体系、9色11通りのボディカラー、デザイン、EVパワートレイン、安全装備、そして国土交通省審査値に基づく主要諸元までを一気に整理していきます。

2026年10月6日に正式発表されたスズキ初の軽乗用EV「e SKY」

【2026年10月6日発表】新型「e SKY」の価格は212万円から!発売日とグレード構成が確定

今回の発表で最大の関心事だったのが、やはり車両価格です。スズキが掲げたメーカー希望小売価格は最廉価のAグレードで212万円。先行して登場したBYD「RACCO」や日産「サクラ」をにらみつつ、軽EVとしては手の届きやすい水準に落とし込んできました。

発表・発売スケジュールと販売計画

発表日は2026年10月6日、発売日は約1か月半後の2026年11月16日です。先行受注は発表と同日にスタートしており、月間目標販売台数は1,000台と公表されています。軽自動車全体の販売規模から見れば控えめな数字ですが、まずは実需を着実に積み上げたいというスズキの姿勢がうかがえる設定といえるでしょう。

なお新型「e SKY」は、経済産業省や国土交通省が普及を後押しする「サポカーS ワイド」、ならびに国土交通省の「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」の両方に該当します。

グレード別メーカー希望小売価格

駆動方式は全グレードが2WD(前輪駆動)のみ。バッテリー総電力量26kWh、一充電走行距離310kmという基本性能はA/G/Xで共通で、価格差は装備内容の違いによるものです。最廉価のAは受注生産扱いとなる点に注意してください。

グレード 駆動方式 総電力量 一充電走行距離
(WLTCモード)
交流電力量消費率
(WLTCモード)
価格(10%税込)
A(受注生産) 2WD 26kWh 310km 97Wh/km 2,120,000円
G 2WD 26kWh 310km 97Wh/km 2,390,000円
X 2WD 26kWh 310km 97Wh/km 2,790,000円

価格にはリサイクル料金、保険料、税金(消費税を除く)、届出等に伴う費用は含まれません。3グレードの間隔を見ると、A→Gが27万円、G→Xが40万円。Gは全方位モニター付ディスプレイオーディオをオプション追加すると259万円となり、装備の充実度を考えればここが実質的な売れ筋になりそうです。

主なメーカーオプション

注目は、Xには標準装備される10.1インチディスプレイオーディオ関連のパッケージ。Gではメーカーオプション(20万円)として選択でき、Aはオーディオレス仕様となります。ボディカラーに関わる有償色・2トーン仕様もG/X向けの設定です。

メーカーオプション 設定グレード 価格(10%税込)
全方位モニター付ディスプレイオーディオ・スズキコネクト対応通信機
(10.1インチHDディスプレイ、フルセグTV、全方位モニター用カメラ、USB電源ソケット[Type-C・PD対応]、6スピーカー化、スズキコネクト対応通信機・SOSボタンなど)
G 200,000円
ピュアホワイトパール塗装車 G、X 27,500円
2トーンルーフ仕様車 G、X 49,500円
2トーンルーフ仕様車(ピュアホワイトパール ブラック2トーンルーフ) G、X 77,000円

エコカー減税は「免税」、グリーン化特例の対象にも

新型「e SKY」は全グレードがエコカー減税の対象で、自動車重量税は免税扱いとなります(2028年4月30日までの新車届出が条件)。さらにグリーン化特例の対象でもあり、購入翌年度の軽自動車税が軽減されます(2028年3月31日までの新車届出が条件)。

  • 発表日2026年10月6日/発売日2026年11月16日/先行受注は発表と同日開始
  • 価格はA 212万円、G 239万円、X 279万円(いずれも2WD・税込)
  • 月間目標販売台数1,000台、Aは受注生産
  • 自動車重量税は免税、軽自動車税もグリーン化特例で軽減
  • 国のCEV補助金についても軽EVとして交付対象となるため、実質負担額は公表される交付額次第でさらに下がる見込み

スズキ初の軽乗用EV「e SKY」とは?コンセプト「Easy to Switch」が示す狙い

新型「e SKY」の企画を貫いているのは、「EVである前に、軽自動車である」という開発思想です。商品コンセプトに据えられた「Easy to Switch」という言葉は、長年ガソリンの軽自動車に親しんできた人が、戸惑うことなくそのままの感覚でEVへ移れることを指しています。四輪軽自動車商品統括部の津幡知幸チーフエンジニアは先代アルトのアシスタントチーフエンジニアを務めた人物で、軽に求められる使い勝手と経済性の勘所を、そのままEVへ移植したかたちです。

スズキ初の軽乗用EV「e SKY」のエクステリア

ボディ形態は、ワゴンRに近いハイトワゴンスタイル。後席ドアはスーパーハイトワゴンの定番であるスライド式ではなく、軽快なヒンジドアが選ばれました。土台となるのは、この車のために新設計されたEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」です。超薄型の駆動用バッテリーを床下へ敷き詰めることで低重心化と高剛性を同時に成立させ、剛性の高い電池パック自体をボディ構造の一部として機能させることで、路面からの振動や室内騒音の低減にも効かせています。

駆動用バッテリーには、発熱リスクが小さく長寿命でコスト面にも有利な総電力量26kWhのリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーを採用。スズキの行動理念「小・少・軽・短・美」に沿って自社開発した小型軽量のeAxle、床下の整流まで作り込んだ空力、回生協調ブレーキなどを積み上げ、交流電力量消費率97Wh/kmという軽EVクラストップの数値を実現しました(WLTCモード/国土交通省審査値、2026年10月現在スズキ調べ)。電池容量を欲張らずに一充電走行距離310kmを確保した点が、この車の最大の特徴といえます。

モーターは油冷式の交流同期電動機で、最高出力47kW、最大トルク133N・m。軽自動車の自主規制値である64psに相当する出力を確保しつつ、トルクはあえて過剰にせず、発進から巡航まで角の立たない特性にまとめられています。ストップ&ゴーの連続する市街地で神経を使わず、同乗者も疲れにくい——そんな「ちょうどよさ」を狙った味付けです。

伝統とデジタルの融合!新型「e SKY」のエクステリアデザインと9色11通りのカラー

エクステリアは、1956年のスズライト以来、幾度ものモデルチェンジを通じて磨かれてきた軽自動車らしい親しみやすさと、EVならではの先進感を同時に成り立たせたデザインです。デザインキーワードは「SMART(スマート)」「ICONIC(アイコニック)」「COZY(コージー)」の3つ。ハイトワゴンの実用的なシルエットにヒンジドアを組み合わせることで、余計な線のないすっきりとした佇まいに仕上がっています。

フローティングルーフと後ろ下がりのショルダーラインが軽快感を生む

往年の名車「スズライト」を受け継ぐサイドビューと作り込まれた空力

サイドビューの要は、やはりショルダーラインです。日本初の量産軽自動車であるスズライトを想起させる造形で、前側のピークから後方へ軽やかに下がっていく流れが与えられました。キャビンを軽く見せるフローティングルーフ、そして厚みのあるハイショルダーと力強い下半身の対比が、小さなボディに安定感を持たせています。

面構成も平板ではなく、ボディサイドには豊かな抑揚が与えられています。これは見栄えのためだけでなく、軽自動車トップレベルを目標に据えた空力性能にも直結する要素。床下の整流まで含めてコツコツと空気抵抗を削ぎ落としたことが、97Wh/kmという電費を支えています。ボディ同色があしらわれるクォーターガーニッシュ(Xに設定)も、側面の見どころのひとつです。

デジタル数字をモチーフにしたランプと高輝度シルバー塗装の新エンブレム

フロントフェイスは押し出し感を抑え、どこか愛嬌のある表情にまとめられました。個性を決定づけているのは、デジタル数字のようなグラフィックを与えられたフロント・リヤのLEDランプ。各発光部の先端を丸めることで、硬質になりすぎないアイコニックなシグネチャーランプが成立しています。

デジタル数字をモチーフにしたヘッドライト

エンブレムも刷新されました。従来のクロームメッキに代えて高輝度シルバー塗装を用いることで、環境負荷の低減と新しい時代への転換を同時に表現しています。ホイールは水平・垂直の線使いによるグラフィックでデジタル感を演出し、Xには14インチアルミホイール、GとAには14インチフルホイールキャップ(Gは2トーン)が組み合わされます。

意匠が一新された新しい「S」エンブレム

充電ポートは運転席側後方のリヤクォーター部に集約され、普通充電ポートと急速充電ポートがここに並びます。いずれもドアロック連動のリッドロック、充電インジケーター、照明が備わり、夜間の操作にも配慮されたレイアウトです。

メッキを削減した新しい質感

内外装を通じて加飾メッキを減らしているのも、この車の見逃せない個性です。フロントマスクのアッパーガーニッシュには植物由来のバイオマスポリカーボネートを使い、リサイクルペットを原料とするカラーMIX樹脂も採用。従来の軽自動車とは異質な、落ち着いた質感と上質さが生まれています。

メッキを排したシンプルなリヤまわりとテールランプ

ボディカラーは新色を含む9色11通り

カラーラインアップは、新色「イマージョンブルーパールメタリック」を筆頭に、落ち着いた色からポップな色まで9色11通りを設定。ガンメタリックまたはブラックのルーフを組み合わせた2トーン5通りはG・X向けの設定で、モノトーン6色はグレードごとに選べる色が異なります(Aに設定されるのはホワイトとモスグレーメタリック)。

  • イマージョンブルーパールメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(F2Y)
  • フュージョンイエローパールメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(FR1)
  • コーラルオレンジメタリック ガンメタリック2トーンルーフ(F3C)
  • ピュアホワイトパール ブラック2トーンルーフ(C2H)
  • モスグレーメタリック ブラック2トーンルーフ(F3A)
  • ホワイト(26U)
  • ピュアホワイトパール(ZVR)
  • モスグレーメタリック(WBW)
  • ブルーイッシュブラックパール3(ZJ3)
  • オフブルーメタリック(ZYW)
  • トーニーブラウンメタリック(WB7)

陶器のようなインパネと先進機能!新型「e SKY」の居心地を追求したインテリア

室内は、これまでの軽自動車から乗り継いでも戸惑わない馴染みやすさを保ちつつ、最新のデジタル装備と心地よさを織り込んだ空間です。インパネからドアへと連続する、乗員を包み込むようなラウンドラインによって、限られた軽の車内に広がりを感じさせる工夫が施されています。

大きくフラットなディスプレイと陶器のようなトレーを融合させたインパネ

スズキ国内初の10.1インチディスプレイオーディオと「つながるナビ」

運転席に座ってまず目を奪われるのが、陶器を思わせる質感のトレーと、大きくフラットなワイドディスプレイを組み合わせた独特のインストルメントパネルです。

近年の新型車やモデルチェンジでは大画面化が一気に進みましたが、e SKYもその流れを汲み、スズキの国内モデルとして初めて10.1インチのディスプレイオーディオを採用しました(アスペクト比16:9。Xは標準装備、Gはメーカーオプション)。ディスプレイガラスと液晶の間に透明な液状接着剤を挟み込んで光の屈折・反射を抑えるなど、視認性の作り込みも丁寧です。急速充電の待ち時間に映像を楽しむ時間が増えることまで見越した縦横比の選定には、EVメーカーとしての現実的な視点が感じられます。

さらにスズキ初となる「つながるナビ」を搭載。最新の地図データとリアルタイムの交通情報に加え、バッテリー残量に応じたルート案内や充電スタンドへの立ち寄り提案まで行ってくれるため、初めてEVに乗る人ほど恩恵が大きい機能といえます(利用にはスズキコネクトの契約が必要)。加えて、シフト操作時に「前進します」といった音声で進行方向を知らせる機能も備わります。

ガソリン車から無理なく移れる操作系と充実の快適装備

操作部は、ガソリン車に慣れた人の身体感覚を崩さないよう細部まで検討されています。システムを起動するパワースイッチはステアリング左横、シフトは見慣れたレバータイプのインパネシフト。一方で電動パーキングブレーキとブレーキホールドは電子制御化され、センターコンソール周辺の扱いやすい位置に配置されました。

快適装備も軽EVとしては厚みがあります。スマートフォンや小物を分けて置ける2段構造のセンターコンソールトレー、Xのレザー調ステアリングホイール、全車標準のステアリングヒーターとシートヒーター(運転席・助手席)、そしてヒートポンプシステムまで用意されています。シートヒーターは温められる範囲を従来の軽より広げ、太ももまで効率よく温められる設計。寒い季節の暖房依存を抑えることは、そのまま航続距離の目減り対策にもなります。

シートはスズキ車では珍しいヘッドレスト一体型で、上部のファブリックと立体的な縫製で快適性を追求。リヤシートは5:5分割可倒式で、倒さなくても後席にショッピングバスケットが載る高さが確保されています。荷室床下には充電ケーブルとタイヤパンク応急修理セットの収納スペースがあり、ケーブルが荷室を占領しないという、EVでは地味に効く配慮も見られます。なお、XにはAC電源コンセント(100V・1500W、非常時給電モード付)が備わり、急速充電インレットはV2L/V2H機能に対応します。

自然な乗り味と優れた取り回し!新型「e SKY」の走行性能と充電性能

走りの仕立ても、徹頭徹尾「Easy to Switch」です。新開発のEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」による低重心設計と、日常域を主眼に置いたパワーの味付けによって、ガソリン車から乗り換えたドライバーが構えることなく運転できる自然さが追求されています。

滑らかな加速と「イージードライブペダル」

自社開発の最高出力47kW/最大トルク133N・mのモーターは、アクセルをそっと踏めば緩やかに、強く踏み込めばEVらしい伸びのある加速を見せます。ダイレクトな応答性と、ギクシャクしない滑らかさの両立が主眼で、アクセルを戻したときの減速感もガソリン車に近い水準へ整えられており、同乗者に不快感を与えません。

もう少し積極的に減速側をコントロールしたいときは、「イージードライブペダル」が使えます。アクセル操作だけで加減速を行える機能で、広い車速域で十分な減速度を確保することでペダルの踏み替え回数を減らし、ドライバーの負担を軽くしてくれます。ただし完全停止まで持っていく仕様ではなく、停車時はブレーキペダルを踏む必要があります。この割り切りもまた、ガソリン車からの移行をなめらかにする配慮でしょう。

長い航続距離を支えるブレーキと低重心のしなやかな走り

減速系の作り込みは、この車の隠れた見どころです。回生ブレーキを最大限働かせながら、摩擦ブレーキへ切り替わる際の減速度のムラを抑える回生協調ブレーキ、その自然な減速を成立させるためにスズキの軽自動車で初採用された電動ブレーキブースター、そしてペダルを踏んでいないときの部品接触を減らすブレーキ引きずり低減機構。これらが航続距離とブレーキフィールの両方に効いています。EV特有の「下り坂で速度が伸びやすい」という弱点に対しても、一定速度に抑える回生ブレーキアシストが働きます。

床下に26kWhのLFPバッテリーを敷いたことで重心は低く、軽EVプラットフォーム専用に開発されたサスペンション(前マクファーソンストラット/後トーションビーム)との組み合わせにより、操舵感・安定感・乗り心地のいずれも従来の軽乗用車から水準を上げてきました。

専用開発された14インチタイヤ「e. ENASAVE」とアルミホイール

そして、スズキがとりわけ執着したのが小回り性能です。電動化で車両重量が1,010〜1,030kgに達しながら、最小回転半径4.4mを確保。アルトやワゴンRなど従来のガソリン軽と変わらない数値で、狭い路地や立体駐車場が日常の舞台となる日本の使用環境では、カタログ上の航続距離以上に効いてくる美点です。

あえて無音にしない静粛性

静粛性についても独自の考え方が貫かれています。室内吸遮音材やモータールーム内の吸音材、バックドアダンパーなどを効果的に配し、ロードノイズのような不快な音を的確に抑え込む一方、車速に応じて変化する自然な走行音はあえて残しました。会話や音楽がクリアに聞き取れる静けさと、速度変化を体感的につかめる手応え。この「ちょうどよさ」の線引きは、数値競争に乗らないスズキらしい判断だと感じます。

充電時間は普通充電6kWで約4.5時間、急速充電なら約25分で80%

充電性能は、最大6kWの車載普通充電器を全車に搭載。バッテリー残量警告灯の点灯から満充電まで、3kWで約8時間、6kWで約4.5時間が目安です(いずれもバッテリー温度約25℃想定の参考値)。急速充電はXとGが対応し、50kW器であれば約25分で80%まで回復します。タイマー充電、寒冷時のバッテリー昇温、高温時のバッテリー冷却といった機能も標準で、通年での使い勝手に配慮されています。

毎日の運転にさらなる安心を!新型「e SKY」の強固なボディと先進安全装備

生活の足として毎日使われるクルマだからこそ、安全面の手当ても広範囲に及びます。プラットフォームレベルの基本性能から、EVに不慣れなドライバーの誤操作対策まで、ひと通り揃った内容です。

衝撃をいなすボディ構造と安全性に優れるLFPバッテリー

骨格となるのは、新設計のEV専用プラットフォーム「HEARTECT-e」。重量物であるバッテリーを車体中央の床下に配置して走行安定性を高めつつ、十分なバッテリー地上高も確保しています。さらに、衝突の最中にサスペンションフレームを意図的に離脱させて乗員への衝撃を和らげる構造を採用した点は、軽自動車としては踏み込んだ対策といえます。軽量衝撃吸収ボディー「TECT」や歩行者傷害軽減ボディー、運転席・助手席SRSエアバッグに加えフロントシートSRSサイドエアバッグとSRSカーテンエアバッグも全車標準です。

搭載されるリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーも、熱に対する安定性と長寿命で知られるタイプ。日々の充電や長期使用を前提とする軽EVにとって、素材選択そのものが安心材料になります。

デュアルセンサーブレーキサポートIIを中核とした予防安全

予防安全の中核は、単眼カメラとミリ波レーダーを併用するデュアルセンサーブレーキサポートII。これに誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能、低速時ブレーキサポート(前進・後退)、パーキングセンサー(フロント・リヤ)、車線維持支援機能、車線逸脱警報・抑制機能、ふらつき警報機能、標識認識機能、ハイビームアシスト、アクティブコーナリングサポート、ヒルホールドコントロールなどが組み合わされます。全車速追従機能・停止保持機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)まで備わる点は、価格帯を踏まえれば十分に手厚い内容です。

冒頭でも触れたとおり、これらの装備により新型「e SKY」は「サポカーS ワイド」と国土交通省の「PMPD認定車」の双方に該当します。

シフトミスを防ぐ音声案内と日常に寄り添う支援機能

EVの静かさとスムーズさは、裏を返せば操作ミスに気づきにくいという側面を持ちます。そこでe SKYは、シフト操作に応じて進行方向を音声で知らせる機能を用意し、シフトの選び間違いや踏み間違いの抑止につなげました。シフトレバーや電動パーキングブレーキ、ホールドスイッチを直感的に分かる位置へ置くという地味な配慮も、同じ方向の対策です。

停車時にブレーキペダルから足を離しても停止状態を保つブレーキホールド機能は、信号待ちの多い市街地で効果を発揮します。アクセルを踏めば自動で解除されるため、坂道発進でのうっかりした後退も防げます。先進ライト類はLEDヘッドランプ(ハイ/ロービーム)、LEDポジションランプ、LEDリヤコンビネーションランプで構成され、車両接近通報装置も当然ながら標準です。

新型「e SKY」の主要諸元:公式スペックで見る「小・少・軽・短・美」の中身

最後に、国土交通省審査値および公式カタログに基づく主要諸元を確認しておきます。26kWhという控えめな電池で310kmを走り切る設計の中身が、数字からも読み取れます。

車名を表す「e SKY」のロゴ

主要諸元・スペック一覧

項目 主要諸元・スペック
車名・型式 スズキ・ZAA-KBAAS
駆動方式 2WD(電気式前2輪駆動)
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,625mm(ルーフアンテナ折り畳み時)
室内寸法(長さ/幅/高さ) 2,055mm / 1,315mm / 1,245mm
ホイールベース 2,460mm
トレッド(前/後) 1,285mm / 1,295mm
最低地上高 140mm
車両重量 1,010〜1,030kg(A:1,010kg/G:1,020kg〈メーカーオプション装着車1,030kg〉/X:1,030kg)
乗車定員 4名
最小回転半径 4.4m
モーター型式/種類 BB8A / 交流同期電動機
モーター最高出力/定格出力 47kW / 43.2kW
モーター最大トルク 133N・m
駆動用バッテリー種類 リチウムイオン電池(リン酸鉄=LFP)
駆動用バッテリー仕様 総電力量26kWh/容量80.3Ah/セル電圧3.2V/102セル/総電圧326.4V
一充電走行距離(WLTCモード) 310km
交流電力量消費率(WLTCモード) 97Wh/km(市街地73/郊外88/高速道路113Wh/km)
減速比 12.421
ステアリング ラック&ピニオン式
サスペンション(前/後) マクファーソンストラット式コイルスプリング / トーションビーム式コイルスプリング
ブレーキ形式(前/後) ベンチレーテッドディスク / リーディング・トレーリング(油圧・回生ブレーキ協調式、電動倍力式)
タイヤサイズ 165/65R14 79S
ホイールサイズ 14インチ(X:アルミホイール/G・A:フルホイールキャップ)

※一充電走行距離および交流電力量消費率は定められた試験条件での値であり、気象条件や渋滞、エアコン使用などの使用環境によって大きく変動します。

競合する軽乗用EVとのスペック比較

26kWhという電池容量は、BYD「RACCO」の上位仕様やホンダ「N-ONE e:」より小さく、日産「サクラ」より大きい、いわば中間的なサイズです。そこから310kmを引き出した電費性能が、e SKYの立ち位置を決めています。

車種 バッテリー総電力量 一充電走行距離 車両本体価格(税込)
スズキ e SKY 26kWh(LFP) 310km 212万円〜279万円
日産 サクラ 20kWh 180km 244万8,600円〜
ホンダ N-ONE e: 約29.6kWh 295km 269万9,400円〜
BYD RACCO 22.4kWh/35.84kWh(LFP) 210km/320km 214万5,000円〜

※競合車の価格・スペックは2026年10月時点の各社公表値に基づく参考情報で、グレードにより異なります。

こうして並べてみると、e SKYは「航続距離で勝つ」のではなく「必要な距離を最小の電池で走る」という考え方で勝負していることが分かります。スズキのコネクテッドデータでは軽自動車ユーザーの平日走行距離は1日約20km、休日でも最大150km程度とされており、310kmという数値は平日に充電を意識せず、週末の遠出もこなせる余裕を意味します。小回りと電費、そして212万円という入口価格。派手さはないものの、軽自動車を道具として使い込む層にとっては、もっとも現実的な一台になりそうです。

新型「e SKY」専用の純正アクセサリーキットも同時発表!「MILD SPORTY」と「neo future」

車両の発表と同じ2026年10月6日、スズキは新型「e SKY」向けの純正アクセサリーキットとして「MILD SPORTY」と「neo future」の2スタイルを公表しました。発売日は車両と同じ11月16日です。いずれも純正アクセサリーを組み合わせたスタイル提案という位置づけで、用品装着車として販売されるものではなく、好みに応じて必要な部品だけを選ぶこともできます。

ベース車がメッキ加飾をあえて削ぎ落としたシンプルな造形であるため、デカールやガーニッシュの効き方が大きいのがこのクルマの面白いところ。素のままの佇まいを気に入る人もいるでしょうが、ここで一気に表情を変えられる余地が残されている点は、軽EVを「道具」から「自分のクルマ」へ引き上げる仕掛けとして効いています。

「MILD SPORTY」:ピンクとブルーで軽快さを表現する8点構成

ピンクとブルーのアクセントで、走りの軽やかな楽しさを表した装いです。親しみやすいベースデザインにさりげないスポーティーさを足すという狙いで、派手に振り切らず日常に彩りを添える塩梅にまとめられています。

ピンクとブルーのアクセントが軽快さを演出する「MILD SPORTY」

商品名称 メーカー希望小売価格(税込)
インパネオーナメントデカール 2,750円
フードデカール 11,000円
フェンダーガーニッシュ 4,400円
ドアハンドルプロテクター 8,800円
クォーターガーニッシュデカール 7,700円
サイドドアガーニッシュ 22,000円
ドアミラーカバー 6,380円
LEDフォグランプセット 40,810円
合計(8点) 103,840円

※価格に取付工賃は含まれません。

「neo future」:イエローとブラックでEVらしい先進性を描く10点構成

こちらはイエローとブラックの強いコントラストで、EVならではの力強さと先進感を押し出したスタイル。エッジの立った図案で存在感を高める方向性で、充電リッドガーニッシュやバックドアガーニッシュ、ホイールアクセントまで用意される点が「MILD SPORTY」との違いです。

イエローとブラックの対比で先進性を際立たせる「neo future」

商品名称 メーカー希望小売価格(税込)
インパネオーナメントデカール 2,750円
フードデカール 11,000円
フェンダーガーニッシュ 4,400円
ドアハンドルプロテクター 8,800円
クォーターガーニッシュデカール 7,700円
サイドデカール 16,500円
充電リッドガーニッシュ 5,500円
バックドアガーニッシュ 8,800円
ホイールアクセント 9,900円
LEDフォグランプセット 40,810円
合計(10点) 116,160円

※価格に取付工賃は含まれません。ホイールアクセントは、Xに標準装備されるアルミホイールセットおよび同一仕様のアルミホイールセットに装着できます。

フル装着時の金額は「MILD SPORTY」が10万3,840円、「neo future」が11万6,160円。両者で最も高価なのは、いずれも約4万円のLEDフォグランプセットです。逆に言えば、フードデカールやフェンダーガーニッシュといった数千円〜1万円台の部品を数点選ぶだけでも印象は十分に変わるため、予算に応じて段階的に仕上げていける構成だといえます。