ボンゴブローニイバンのモデルチェンジ

ボンゴブローニイバンが復活~新型モデルは安全性も高い4ナンバーの商用車

ボンゴブローニイバンの新型モデルに関する情報。ハイエースのOEM車として復活する商用車のエンジンスペック、プリクラッシュセーフティシステム等の安全装備、イモビライザー等の防犯システムの特徴、各グレードのボディサイズや車両価格についても紹介。

マツダの商用車「ボンゴブローニイバン」がハイエースのOEM車として約9年振りに復活

マツダは2019年4月23日のプレスリリースで、新型「ボンゴブローニイバン」を同年5月13日に全国の販売店を通じて発売するとアナウンスしました。約9年振りに復活したボンゴブローニイバンは、マツダが独自開発していた従来モデルとは異なり、トヨタ「ハイエース」のOEM車として生まれ変わりました。

2010年に生産を一旦終了したマツダの商用車「ボンゴブローニイバン」は、先代モデルに乗車しているユーザー達の乗り換え需要も期待して、新型モデルを登場させました。

ここでは、そんな「ボンゴブローニイバン」が搭載する先進の予防安全技術や、グレード別の車両価格等について紹介していきます。

ボンゴブローニイバンが踏み間違い防止装置を標準装備する一部改良を実施

一部改良で安全装備が充実したボンゴブローニイバン

マツダのボンゴブローニイバンが2020年6月25日に一部改良を実施。改良内容は安全装備のインテリジェントクリアランスソナー(パーキングサポートブレーキ)と、4.2インチのTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを標準装備したことです。

インテリジェントクリアランスソナーは踏み間違いしたときの衝突被害を軽減するための安全装備で、障害物を検知した場合に自動でブレーキが作動してくれるものです。
マルチインフォメーションディスプレイは車両の航続可能距離や平均燃費など必要な情報を見やすく表示してくれるモニターです。

2023年ボンゴブローニイバンの販売価格
グレード 使用燃料 駆動方式 販売価格
DX ガソリン 2WD 2,548,700円~
ディーゼル 3,148,200円~
4WD 3,544,200円~
GL ガソリン 2WD 2,779,700円~
ディーゼル 3,381,400円~
4WD 3,754,300円~

ボンゴバンとボンゴトラックが生産終了 商用バンはボンゴブローニイバンが主軸に

ボンゴバンが2020年5月13日に、ボンゴトラックが2020年度中に生産終了します。1966年に発売して、マツダが販売する商用車の象徴になったボンゴですが54年の歴史に幕を引くことになりました。
ボンゴバンの後継車種はトヨタからOEM提供されたハイエースをベースにした「ボンゴブローニイバン」で、ボンゴトラックの後継車種はありません。

新型「ボンゴブローニイバン」は乗降しやすく・荷物を積み降ろしやすい4ナンバーの小型商用車

大開口の両側スライドドアは荷物を積載するにも便利

新型「ボンゴブローニイバン」は、両側スライドドアを採用してリアシートへの乗降をサポートして、床面地上高は620mmに設定して荷物の積み降ろしをスムーズ化させます。

新型「ボンゴブローニイバン」が採用するスライドドアは、両側ともに最大1,180mmスライドさせることが出来ます。全開時ストッパー機構は、サイド側から荷物を積載する際にも役立ちます。

リアシートは固定器具を用いずにフロント側にコンパクトに折り畳める

全グレードが標準装備する「折りたたみリアシート」は、固定器具を用いずにシートを前方部に折り畳むアレンジを行うことで、必要時に応じて即座に荷室を拡大できます。

新型「ボンゴブローニイバン」のボディサイズ
グレード DX GL
全長 4,695mm
全幅 1,695mm
全高 1,980mm
荷室開口高 1,270mm
荷室開口幅 1,310mm
底面地上高 620mm
ホイールベース 2,570mm
最低地上高 195mm(4WD:185mm)
車両重量 1,690kg(4WD:2,010kg) 1,700kg(4WD:2,020kg)
最大積載量(3名乗車時) 1,250kg(4WD:1,000kg)
タイヤサイズ 195/80R15

新型「ボンゴブローニイバン」はイモビライザーやフルリクライニング機能を導入して快適性と防犯性能を強化

シートをフルリクライニングにすれば休憩時の快適性は向上

新型「ボンゴブローニイバン」は、運転席と助手席にリクライニング機構を設定、イルミネーテッドエントリーシステムやリアクーラーを装備して快適性を向上させます。同車が採用するフロントシートは、走行時に体の揺れを抑えるホールド性能を強化して、ロングドライブ時の疲労を軽減させます。

新型ボンゴブローニイバンのOEM元であるトヨタの「ハイエース」は、盗難被害にあいやすい車両です。そのため、ボンゴブローニイバンもハイエースと同様にイモビライザーやオートアラームシステム等を導入して防犯性を強化しています。

先進の予防安全技術を標準装備する新型「ボンゴブローニイバン」は全車がサポカーに該当

2019年5月13日、約9年振りに復活するマツダの商用車「ボンゴブローニイバン」は、衝突回避支援パッケージを標準装備するなどの姿勢が評価され、全車が経産省・国交省が普及を呼び掛けるサポカーに該当しています。

同車が採用する「プリクラッシュセーフティシステム」は、ミリ波レーダーと単眼カメラによって歩行者や車両を検知して、衝突の危険性が高いと判断すれば、システム側がブレーキ操作をアシストします。

ボンゴブローニイバンの新型モデルは、先行車や対向車の有無によって、ハイビームやロービームを自動的に切り替える「オートマチックハイビーム」、勾配のある坂道で車両が後退しないように制御する「ヒルスタートアシストコントロール」等を装備して、安全性を強化します。

ボンゴブローニイバンのエンジンスペックとグレード別の車両価格

2.8L 1GD‐FTVディーゼルエンジンは環境性能にも優れる

ボンゴブローニイバンのディーゼル車に搭載される「2.8L 1GD‐FTV ディーゼルエンジン」は、窒素酸化物を還元する尿素SCRシステムや、堆積した粒子状物質を燃焼・除去するDPR(排出ガス浄化装置)等を導入して、高出力と環境性能を両立させます。

新型モデルのガソリン車とディーゼル車がともに採用する変速機、電子制御式6速オートマチックトランスミッションは、マニュアル車感覚の操作も可能とするシーケンシャルシフトマチックを設置して、運転時の爽快感を引き上げます。

新型ボンゴブローニイバン「ガソリン車」「ディーゼル車」のエンジンスペック
2.0L直列4気筒ガソリン 2.8 L 直列4気筒ディーゼル
最高出力 100kW/5,600rpm 111kW/3,600rpm
最大トルク 182Nm/4,000rpm 300Nm/1,000~3,400rpm
燃費(JC08モード) 10.4km/L 12.0km/L
燃料 無鉛レギュラーガソリン 軽油

ボンゴブローニイバンの新型モデルは、標準装備を充実させたスタンダードモデル「DX」と、リアクーラーやLEDヘッドランプ等を追加装備させて、上質感を演出するハイスペックモデル「GL」の2グレードを展開しています。

ボンゴブローニイバンの全グレードは、視認性に優れて多彩な情報をクリアに表示する「オプティトロンメーター」や、平均燃費・航続可能距離などを表示する「マルチインフォメーションディスプレイ」の視覚効果によってエコドライブを楽しませます。
※2WD車は寒冷地仕様へとメーカーオプションで設定可、4WD車は全車が寒冷地仕様

一度販売を終了するも8年後に復活したボンゴブローニイバンのモデルチェンジ遍歴

ボンゴブローニイはマツダが販売する最上級のワンボックスカーです。2代目まではマツダが開発していましたが、3代目では5代目ハイエースバンと2代目レジアエースバンのOEM車となりました。ボ

ボンゴブローニイバン 初代 SR/SD型 1983年~1999年

1983年6月、ボンゴをサイズアップしたモデルとして登場。3代目ボンゴのSS・SEプラットフォームをベースにして開発されました。
1985年、ボンゴブローニイバンに2.0Lガソリンエンジンを搭載するとともに、4WD車を追加。
1987年、マイナーチェンジで4WD車にディーゼル仕様を追加。
1990年、マイナーチェンジで全車にカラードバンパーを装備。
1992年、2WD車に3.0Lディーゼル車の追加と共に、最上級グレードの「GLスーパー」を追加。
1994年~1997年にかけてワゴンとトラックの生産が終了。
1997年5月、マイナーチェンジで内外装を大きく変更。新開発の2.5L WL型エンジンをディーゼル車に搭載。前席が3人乗りだった4WD車は2人乗りになり、バンとGLスーパーはロングボディのみのラインナップになりました。
1999年、SK型にふるもでるチェンジのため、販売を終了します。

ボンゴブローニイバン 2代目SK型 1999年~2010年

1999年6月、フルモデルチェンジで新開発のSKプラットフォームを新採用して販売開始。
2004年12月、エンジンを2.0L顧問レールディーゼルターボRF-CDT型に変更。
2010年8月、ボンゴのマイナーチェンジに伴い、ブローニイモデルが廃止になり、販売終了。

3代目 H20#M型/2019年~

2019年4月、8年8か月ぶりにボンゴブローニイバンが復活し、5月より販売を開始します。トヨタの5代目ハイエースバン、2代目レジアスエース版からOEM供給を受けるモデルです。2WD車は2.0Lガソリン1TR-FE型、4WD車は1GD-FTV型を搭載。トランスミッションは全車に電子制御式6速ATが装備され。4WD車は全車寒冷地仕様になっています。
2020年一部改良。環境性能と安全性能が強化され、2WDのディーゼルモデルが追加設定されました。
2022年5月、一部商品改良。全車にパーキングブレーキサポートを標準装備し、ディーゼル車では燃料消費率が向上しました。

ボンゴブローニイバンのモデルチェンジ遍歴
ボンゴブローニイバンのモデル 販売年表
初代 SR/SD型 1983年~1999年
2代目 SK型 1999年~2010年
3代目 H20#M型 2019年~

「ボンゴブローニイバン」の復活によってマツダ商用車のラインナップは強化

初代「ボンゴブローニイバン」は、ボンゴバンのロングボディ仕様として1983年に誕生しました。約9年振りに復活したボンゴブローニイバンは標準ボディのみの販売となるため、先代モデルやOEM元であるハイエースとは異なり、選択できるボディタイプやグレードは制限されています。

しかし、安全装備が充実して環境性にも優れる走りを実現する3代目「ボンゴブローニイバン」が加わることで、マツダの商用車のラインナップは強化されます。

ボンゴブローニイバンにハイエースをOEM供給する、北米市場のヤリスはマツダのメキシコ工場が製造するなど、マツダとトヨタは様々な分野で協業体制を強化しています。ボンゴブローニイバンだけではなくて、今後の両社の展開についても注目していきましょう。