ウイングロードのモデルチェンジ

ウイングロードはフルモデルチェンジせずに生産終了 日産はステーションワゴン市場から撤退

日産のウイングロードのモデルチェンジ最新情報を紹介。長らくマイナーチェンジが行われていないウイングロードは廃止の噂がたえませんでしたが2018年に生産終了しています。進化する予定だったエクステリアやパワートレイン、予防安全システムなど最新情報を紹介します。

ウイングロードはフルモデルチェンジせずに生産終了 日産はステーションワゴン市場から撤退

ウイングロードのモデルチェンジ最新情報 2018年3月24日に生産終了

日産が販売するウイングロードは、サニーをベースとしたステーションワゴンです。1996年の販売開始から爆発的な人気となり、国民的なステーションワゴンの代名詞となりました。
その後ミニバンやSUVの台頭でウイングロードの需要は激減し、2002年の年間販売台数は53,407台だったのが、2013年には6,001台まで大きく落としています。

現在は日産が販売する唯一のステーションワゴンとして貴重なウイングロードですが、フルモデルチェンジせず2018年3月24日に生産終了され日産はステーションワゴン市場から撤退しました。
ウイングロードがフルモデルチェンジしていた場合どのような進化をしていたのか、予想などを交えて最新情報を紹介します。

2017年末から2018年にウイングロードとしてフルモデルチェンジする噂があったが廃止に

ウイングロードのエクステリア

ウイングロードは日産を代表するステーションワゴンとして、販売開始から2000年代まで大人気となった車種です。
トヨタのカローラフィールダー(カローラワゴン)とライバル関係にあり、当時の月間ランキングで販売台数を競い合いました。ウイングロードの今後はライバルのカローラフィールダーを確認することで見えてきます。

ライバルであるカローラフィールダーは2012年に3代目へフルモデルチェンジ、翌年にはハイブリッドモデルを追加、マイナーチェンジを2015年と2017年の2度行っています。
ハイブリッドモデルの燃費はクラストップレベルの33.4km/Lを達成し、予防安全技術 トヨタセーフフティセンスCを搭載しています。

対してウイングロードは2005年に3代目へフルモデルチェンジ、その後一部改良を繰り返しましたがマイナーチェンジもないまま2017年に至ります。
販売台数が落ち込んだとは言え、延命措置としてのマイナーチェンジもないため「このまま廃止される」という噂が広がっています

性能面や販売数ではライバルのカローラフィールダーと大きな差が開いたウイングロードですが、日産にとっても一時代を築いた思い入れのある車種ですが、2018年にモデルチェンジせず廃止されました。

エクステリアはVモーションを強調

ノートe-POWERの個性的なVモーショングリルノートe-POWERのエクステリア

現行ウイングロードは2005年にフルモデルチェンジした3代目モデルです。
一部改良のみで約12年間、外観に大きな変化がありませんでした。そのため少し時代遅れの印象があるウイングロードのエクステリアがフルモデルチェンジにより刷新されます。

日産のデザインアイコン、Vモーショングリルは今より迫力あるデザインを採用することは間違いなく、月間販売台数で首位を獲得したこともあるコンパクトカー ノートのようなインパクトのあるデザインに変更されます。

パワートレインにはe-POWERを追加

セレナe-POWERのエクステリアセレナe-POWER

ライバルのトヨタ カローラフィールダーは2013年にハイブリッドモデルを追加してJC08モード燃費33.4km/Lを達成していますが、現行ウイングロードは17.2km/Lとなっています。
燃費面で大きなアドバンテージを取られたウイングロードはフルモデルチェンジでe-POWERモデルを追加することが考えられます。

ノートで初めて搭載されたe-POWERは販売と同時にトヨタのアクア、プリウスの販売台数を抜き大ヒットしました。
今後はミニバンのセレナに搭載することが発表され、SUVのジュークにも搭載されることが期待されています。

ウイングロードもe-POWERモデルを追加してカローラフィールダーの33.4km/Lを上回ることが予想されます

カローラフィールダーと同等の安全装備

トヨタ カローラフィールダーのフロントグリルトヨタ カローラフィールダー

カローラフィールダーにはトヨタセーフティセンスCが採用され、単眼カメラとレーダーレーザーを使ったクルーズコントロールや、車両を検知した自動ブレーキ機能が装備されています。
フルモデルチェンジするウイングロードにも日産の予防安全技術が採用され、セーフティセンスCと同等の安全装備となります。

また高速道路単一車線自動運転技術「プロパイロット」がオプションで用意される可能性もあります
日産車でもエクストレイルやリーフなど、限られた車種した搭載しない希少な自動運転技術のため、カローラフィールダーと差を付けるために設定されるかもしれません。

現行ウイングロードのエクステリア

ウイングロードのフロントフェイスにはVモーションを採用していますが、近年の日産デザインに見られる大きくダイナミックなデザインではありません。

  • ホワイトパールのウイングロードホワイトパール(32,400円高)
  • スーパーブラックのウイングロードスーパーブラック
  • ブリリアントシルバーのウイングロードブリリアントシルバー
  • トワイライトグレーのウイングロードトワイライトグレー
  • キングフィッシャーブルーのウイングロードキングフィッシャーブルー
  • スチールブルーのウイングロードスチールブルー

主張し過ぎずクセのないデザインが特徴です。ボディカラーは性別年齢問わず乗る方を選ばないモノトーンカラーが6色用意されています。

無駄を省いたシンプルなインテリア

内装カラーはブラック1色で、シート地はスエード調クロス、ジャージ、ライダーグレード専用シートの3種類が用意されています。

スエード調クロスのシートのウイングロードの内装スエード調クロスのシート

ウイングロード ライダー専用シートライダー専用シート

スエード調クロスシートもライダー専用シートもシンプルな内装にマッチする無駄のないデザインが特徴的です。家族でウイングロードを使う方もクセのないデザインで長く愛用できるでしょう。

収納や便利機能も豊富

ウイングロードの現行モデルはフロント、サイドドアポケットやグローブボックス、カップホルダーなど必要な収納は全て備えています。

リクライニングを動かしたイメージリヤシートリクライニング機能

ウイングロードのフラットモードフラットモード

また助手席が前に倒れるため、長尺物も楽々載せることが可能です。

ウイングロードのシートアレンジのイメージシートアレンジのイメージ

さらに便利な機能として上級車種に装備されているリヤシートのリクライニング機能や、フロントシートとリヤシートが一体となるフラットモードが装備されています。

現行ウイングロードのスペック

ウイングロードのリヤビュー

現行ウイングロードの魅力は何と言っても購入しやすい価格設定ということです。
販売価格が上昇する4WD設定を排除し2WDのFF駆動に車種を絞ることにより、徹底的な低価格を実現しています。
ボディサイズもコンパクトで女性でも乗りやすいのも魅力的です。
ウイングロードの価格設定、ベースグレード15Sのスペックを紹介します。

ウイングロード グレード別価格
2WD(FF)
ウイングロード 15S 1,782,000円~
ウイングロード 15M authentic 1,900,800円~
ウイングロード 15M 2,019,600円~
ウイングロード 15M V Limited 2,068,200円~
ウイングロード ライダー 2,376,000円~
ウイングロード15S スペック
全長 4,440mm
全幅 1,695mm
全高 1,505mm
室内長 1,955mm
室内幅 1,395mm
室内高 1,210mm
ホイールベース 2,600mm
最低地上高 160mm
最小回転半径 5.2m
車両重量 1,200kg
乗車定員 5名
最高出力 80kw(109PS)/6,000rpm
最大トルク 148Nm(15.1kgm)/4,400rpm
エンジン 直列4気筒 1.5L DOHC
総排気量 1,498cc
使用燃料 無鉛レギュラーガソリン
駆動方式 2WD(前輪駆動)
JC08モード燃費 17.2km/L
価格 1,782,000円~

翼と道という意味を持つウイングロードのモデルチェンジ遍歴

ウイングロードはかつて日産が販売していたステーションワゴンです。サニーをベースとしており、ビッグマイナーチェンジの際、登場したモデルです。

ウイングロード 初代 Y10型/1996年~1999年

1996年5月、ウイングロードが誕生しました。オーテックジャパンからスポーティ仕様の特別仕様車「エラロエクスプレス」も設定されました。10月に特別仕様車「JSツーリングリミテッド」「カルフォルニアツーリングリミテッド」を発売。
1997年5月、マイナーチェンジを実施し、フロントグリルの変更やシート表皮の変更を施しました。
1998年1月、特別仕様車「JSリミテッド」「カルフォルニアリミテッド」を発売。
1999年5月、2代目が発売になるため販売を終了しました。

ウイングロード 2代目 Y11型/1999年~2005年

1999年5月、フルモデルチェンジで2代目になりました。「エアロシリーズ」「ベーシックシリーズ」「ビジネスシリーズ」を展開します。6月には4WD車の販売を開始。12月、2000年3月末までの期間限定の特別仕様車「スペシャルエディション」を発売。
2000年4月、特別仕様車「エアロリミテッド」を発売。6月には標準装備でナビゲーションを搭載した「NAVIエディション」を発売。10月、仕様と装備の変更とグレード体系の見直し。同時に限定車の「Gエアロエクストラ」「Gエクストラ」に加え、後席テレビを装備した「kidsバージョン」を、12月には特別仕様車「GエアロリミテッドS」を発売。

2001年4月「Gエクストラリミテッド」を発売。10月、マイナーチェンジで内外装を大きく変更。
2002年1月、廃止されえいた「ライダー」が復活し、11月に「ライダープラス」を追加設定しました。12月には特別仕様車「Sエアロリミテッド」を発売。
2003年5月、12月に日産自動車が創立70周年を迎えるにあたり、ETC車載器を搭載した特別仕様車「70周年記念特別仕様車」を発売し、10月には「70周年記念特別仕様車 第2弾」を発売しました。
2004年4月、特別仕様車「Sエアロスポーティリミテッド」「Sリミテッド」を発売しました。
2005年1月、特別仕様車「Sエアロ Vエディション」を発売し、11月には3代目が発売になるため、販売を終了しました。

ウイングロード 3代目 Y12型/2005年~2018年

2005年11月、フルモデルチェンジで3代目になりました。
2006年5月、「ライダーα Ⅱ」をライダーシリーズに追加。9月には特別仕様車「スタイリッシュセレクション」「Vセレクション」を発売しました。12月の一部改良では燃費が向上しています。同時にオーテック架装車種の「アクシス」が追加設定されました。
2008年1月の一部改良ではグレード体系の変更が実施され、エアロパーツ装着車のグレードを「15S」「15M」「18G」に変更し、エアロパーツ未装着車には「authentic」の名前が加えられました。10月の一部変更では「15B」「15B FOUR」「15S」「15S FOUR」を除く全グレードにインテリジェントキーが標準装備されました。12月には期間限定車の「Plus NAVI HDD Safety」を発売。
2010年12月、特別仕様車「15M V Limited」を発売。
2014年9月、一部改良で安全装備を強化し、グレード体系の見直しで1.5Lの4WD車と、1.8L車を廃止しました。
2016年6月、一部改良で、リアヒーターダクトやヒーター付ドアミラー、スチール製のリヤワイパーを全車に標準装備しました。
2018年3月、販売を終了し、22年の歴史に幕を降ろしました。

ウイングロードのモデルチェンジ遍歴
ウイングロードのモデル 販売年表
初代 Y10型 1996年~1999年
2代目 Y11型 1999年~2005年
3代目 Y12型 2005年~2018年

ウイングロードの生産終了に伴い日産はステーションワゴン市場から撤退

ウイングロード

SUVやコンパクトカーの人気に押されステーションワゴンの需要が低迷しています。車高が低く荷物の積み下ろしが楽なステーションワゴンは、現在でも最高クラスの使い勝手となっています。
ウイングロードは予想されていたフルモデルチェンジをせずに販売終了しました。後継車種もないため、一時代を築いた名車ウイングロードの名前は消滅しました。これで日産はステーションワゴンの日本国内市場から撤退することになりました。