イグニッションコイルの役割

イグニッションコイルの交換費用・寿命の目安など総まとめ

イグニッションコイルはバッテリーから送られてきた電圧を、ガソリンを燃焼させるために必要となる高電圧に変える装置です。不調が起こった際に車に起こる異常・交換する際の費用・寿命の目安・コイルの構造や高電圧を作る仕組みなどについて詳しく紹介します。

イグニッションコイルの交換費用・寿命の目安など総まとめ

イグニッションコイルの「役割」「交換時期や費用」「寿命の目安」などを徹底解説

イグニッションコイルは、車にはさほど興味のない方にとっては馴染みの薄いパーツかもしれせん。「コイル」という名が付いていることで、電気系統に詳しい方にとっては何をしているパーツなのかは察しがつくと思います。

今回は、

  • イグニッションコイルはエンジン内でどんな役割を果たしているのか
  • 不具合が生じてしまった際に車に起こる異常
  • 寿命を迎えて交換が必要となる目安の時期や工賃

などについて詳しく取り上げていきます。

イグニッションコイルはバッテリーの電圧を高電圧に変える変圧器

ボンネットを上げられた車

イグニッションコイルの役目はバッテリーから送られてきた電圧を、誘導コイルの原理(巻き数の違うコイルをつなげて電圧を変化させる)を用いて、ガソリンを燃焼させるために着火の役目をするスパークプラグが作動するのに必要な高電圧に変換することです。

バッテリーから送られてくる12V程の電圧は、イグニッションコイルによって20,000V~35,000Vもの高電圧に変換されます。高電圧が発生する際には高い熱も発生します。スパークプラグはその熱などのエネルギーを用いることで、ガソリンを燃焼させるための火花を放出する事が可能となります。

イグニッションコイルの構造

イグニッションコイルは0.3mmほどの電線を数百回ほど巻いた1次コイル、それよりも細い0.03mm~0.06mmの電線を数万回巻いた2次コイル、1次コイルと2次コイルとを巻き付ける軸となるコア(鉄心)、発生したエネルギーをスパークプラグへ送る端子などのパーツで構成されています。

1次コイルと2次コイルの「電線の細さの違い」「巻き数の違い」が、バッテリーから送られてきた電圧を高電圧に変換する際の調整役を担っています

イグニッションコイルで高電圧が発生する仕組み

イグニッションコイルでバッテリーから送られてくる電圧を高電圧にする過程では「誘導コイルの原理」・「相互誘導」などの物理現象が関わっています。

巻き数の少ない1次コイルと巻き数の多い2次コイルをコアで連結させ、1次コイルに電流を流してスイッチをON・OFFさせることで、1次コイルに発生している磁束(磁界の強さを示している)が変化します。磁界の変化と電界の変化には深い関係性があります。

1次コイルの磁束の変化は相互誘導により2次コイルにも伝わります。2次コイルでは「電線の細さ」「巻き数」において1次コイルとの違いがあるため、その違いで電界に変化が起こって高電圧が発生します。

イグニッションコイルの不調が原因?車にこんな異常が起こっていたらコイルの故障を疑おう

故障で動かなくなった車

次に紹介するような異常が車に起こっていたら、イグニッションコイルの故障を疑いましょう。

アクセルを踏んでも加速力を実感できない

車を加速させるためにはエネルギーが必要です。そのエネルギー源はアクセルをより強く踏み込んでガソリンを燃焼させる量を増やすことで獲得できます。

イグニッションコイルに問題がなければ、車に十分な加速力を与える事が出来ます。しかしイグニッションコイルに問題が生じ、内部で発生するエネルギーが低減してしまえば車の加速力は弱まってしまいます。

キーを回してもエンジンがかかりにくくなった

キーを回してもエンジンがかかりにくくなっている事の原因の一つとして、イグニッションコイルの変圧能力が弱まっている事が考えられます。

イグニッションコイルから高電圧が放出されなければ、スパークプラグがうまく作動できずにエンジンが起動しにくくなってしまいます。

アイドリングの安定感がなくなってきた

路肩に駐車している車

車を停止させている状態、アクセルを入れず・何もしないでエンジンを空回ししている状態の事をアイドリングと言います。アイドリング中に違和感があれば、エンジン内の部品に不具合が生じている恐れがあります。問題が生じているのは、イグニッションコイルかもしれません。

エンジンチェックのランプが点灯している

エンジンチェックランプが点灯している場合には、エンジン内のパーツに何らかの異常が起こっている事が考えられます。その要因の一つとして考えられるのが、イグニッションコイルの故障です。

ディーラーや自動車整備工場でチェックランプが点滅している原因を確認してもらうと、意外と多いのがイグニッションコイルの故障です。

イグニッションコイルの寿命の目安は走行距離10万km

長距離運転中のドライバー

イグニッションコイルの寿命の目安は走行距離10万kmです。走行距離が何万Kmにも及んでいるという事は、それだけエンジンを使用しているという事で、その主要パーツであるイグニッションコイルも連動して働いています。

バッテリーから送られてくる電圧を数万Vに変換する際には、高い熱も放出されるためその度にイグニッションコイルにはダメージが加わります。その蓄積したダメージによって、デッドラインのタイミングを迎えるのが走行距離10万kmです。

イグニッションコイルの工賃の相場は1本7,000円

イグニッションコイルの点検をする整備士

イグニションコイルを1本交換する際の費用は、整備工場に依頼すれば部品代と工賃を合わせて1本7,000円前後が相場となります。1本に不具合が生じているということは、今後は他のイグニッションコイルにおいても同様の事態が想定されるため、前もって全てのイグニッションコイルを交換することもあります。

イグニッションコイルを交換するタイミングに合わせて、スパークプラグの交換を行う必要もあります。スパークプラグが劣化してしまうと、プラグが作動するためには更なる高電圧が必要となるので、
イグニッションコイルへの負担が増してしまいます。新しく交換したコイルへの負担を減らすためには、スパークプラグの交換も大切です。

イグニッションコイルの交換は車に長く乗り続けるために必要

「アクセルを強く踏んでいるのに加速力が…」「エンジンチェックランプが点滅。原因は?」などの車の異常があれば、イグニッションコイルの不具合も疑いましょう!

イグニッションコイルの不調にいち早く気づいて、より早いタイミングで交換を行う事が出来れば、他のエンジンパーツに与える影響を少なくする事ができて、車の寿命を延ばすことが可能となります。

車を動かすために必要となる高電圧を供給してくれる変圧器であるイグニッションコイル。今、乗っているお気に入りの車に長く乗り続けるためには、適切な時期に交換する必要があります。